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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2017/10/05 09:00  | 米国 |  コメント(3)

王岐山・バノン会談、アラバマ州上院補選(補足)


※本日の記事は、読者の方との意見交換ということで、特別に本ブログでも全文公開します。

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王岐山・バノン会談(補足)
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ペルドンさんとJFKDさんから色々ご指摘いただきました(こちらこちら)。

こうしてご意見いただけると大いに刺激になります。

中南海(北京中心部にある要人の居住区、中国の政治権力・政局という意味がある)は、私も20年くらいウォッチしていますが・・分かりません(笑)。

情報はあふれています。しかし、真相は誰にも分かりません。しかも急変します。党大会も、直前まで何があるのか分かりません。

もっとも、だからといって不可知論に陥る必要もありません。様々な情報を丁寧にフォローすることで、予測の範囲を絞ることは可能です。そして、やるだけやったら、あとは推理ドラマです・・笑。

王岐山・バノン会談も、色々な推測があります。たとえば、政府の役職についていない王岐山が、バノンやシンガポール首相のリー・シェンロンと会うのは、次期体制で政府の役職につくことの準備であり、したがって常務委員に留任する(その場合首相になる)ことを示唆している・・という見方もあります。あり得そうな話ですが、決め手となる根拠はありません。

当たるか当たらないかという結論に大した意味はありません。ただAだBだというだけなら簡単です。そうではなく、これをきっかけ、材料にして、様々な関連する情報を加えて、その先に生きる分析を見せる。そこにプロの腕の見せ所、分析の価値があるのです。

党大会について、誤解を恐れず言えば、王岐山が残るか残らないかは、もはやそれほど大きな問題ではありません。いずれにせよ習近平の権力集中は完成に近づいており、おそらく次期体制はすべて習を中心に動くようになります。では、権力基盤を固めた後、習が本当にしたいことは何か・・これが今の中国政治における最大の注目ポイントです。

その観点からすれば、王岐山の処遇より、次世代の腹心である陳敏爾が胡春華より上位になるのか・・という点の方が重要です。

また、王岐山は、私は色々な筋から聞いていますが、極めて異端の人物です。かつての朱鎔基に似ているとも言う人もいます。『世界史の誕生』のエピソードもその一端を示すものでしょう。

その独特な個性を考えると、バノンと文明論を交わすのが目的だったと言われても、さほど違和感はありません。

なお、中国政治に比べれば、米国政治の情報は、言論の規制がないのはもちろん、ソースをたどれば検証もできますから、かなり真実に近づけます。フェイクニュースも、中南海の権謀術数に比べれば知れたもの。今回のFTの連名記事も、ワシントンのDemetriと北京の記者では、情報の精度は比較にならないでしょう。

ただ、米国でも、選挙の予測はもちろん別の話です。こればかりは、特に最近は、BREXITや米大統領選を見てもわかる通り、独裁国家の行く末以上に予測不能な時代に入っています・・笑。

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アラバマ州上院補選(補足)
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こちらもペルドンさんから、トランプとバノンの連携ではないかというご指摘

ご趣旨は理解しますが、ただ、ここはもう少し広く、トランプを超えて、共和党指導部に対する党内の不信感の高まりを見ることが重要です。

そもそも共和党内には、オバマ政権8年間の屈辱に耐え、今まさに自分たちのアジェンダを実現すべきという思いがたまっています。それなのに、今なおそれができていないのは、指導部のせいである・・これが共和党内で盛り上がっている機運であり、フリーダム・コーカスもブライトバートも、失敗を繰り返したオバマケア改廃を再度リンゼー・グラムとビル・キャシディが挑戦したのもその現れです。

彼らにとってトランプは都合の良い神輿に過ぎません。本質的に重要なのは、オバマ政権8年間とその後のトランプ政権で生まれた、共和党内における構造的な分裂です。アラバマ州の選挙も、そういった大きな文脈でとらえるべきです。

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あとがき
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四方山話を書いていますが、こちらはメルマガのみ掲載します・・。

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3 comments on “王岐山・バノン会談、アラバマ州上院補選(補足)
  1. JFKD より:
    そうですか

    限りなく現役に近い(エージェント?笑)JDさんが、二人は文明論を交わした、と言っている以上、外交用語として、いろいろやってますという意味なんだなと受け取っておきます。ロスより先にバノンが、バノンに似たポジションの王岐山と茶飲み話をわざわざ北京にしに行ったというのも隠語のようなものとして解釈しておきます。現役にはポジショントークというものがある。GUCCI POSTの読者としてはそれを踏まえて読む用意がある。笑

    分析対象の希望としては今回半島にはプーチンが出て来ているわけで、ロシアと組みたいトランプ政権の参謀だったバノンが、北京に行っているという見方、つまりロシアも入れた半島情勢をお願いしたいですね。実際半島をめぐる中露関係はどうなっているのだろうと思いますね。

  2. ペルドン より:
    推理ゲーム

    陳敏爾(中国版木下藤吉郎)の順位よりも・・
    王岐山が残るか否かの方が・・
    判断順位は高い・・党内序列順位も高い・・

    王岐山を首相として残すなら・・
    経済再建が最優先事項・・
    後は主席を復活させ・・習近平が座るか否か・?!
    毛沢東と習近平が同列に並び・・新皇帝の誕生となる・・

    「習が本当にしたいことは何か」
    を思考するなら・・王岐山が目玉・・手がかりになる・・・

    トランプ政権は・・軍人による巧妙なクーデター政権と視れば・・共和党を観ているだけでは片手落ちになる・・軍事の知識が不可欠になる・・
    ラスベガス乱射事件でも・・米の専門家が銃声を聞くだけで・・銃の種類を聞き当てていた・・その知識が必要になる・・・
    ( ^ω^)・・・(笑

  3. JD より:
    ペルドンさん、JFKDさん

    ありがとうございます。
    大事なのは・・まず頼れるソースがあるかです・・インチキではない本物・・それも複数・・インサイダー含め、地域や利害関係が異なる色んなフィールドで・・私の中国語や銃の知識はヘナチョコですが、頼れるソースは周りにたくさんいます・・その上で最後は自分のアタマ・・知性、教養、そして推理力・・笑

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