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今回は15日に公表された7~9月期GDPを簡単に紹介します。3四半期振りのマイナス成長でした。 *********** 3四半期振りマイナス成長 *********** ポイントは以下の通りです。 ・前期比-0.5%、年率-2.1%。昨年10月~12月期以来3四半期振りのマイナス成長。寄与度は内需-0.4%、外需-0.1%と内外需ともマイナス。 ・内需では、民間最終消費支出が前期比-0.0%(寄与度-0.0%)とわずかながらマイナス。報道ではこの点がとくに注目されました。ただ、むしろ注目すべきは設備投資が前期比-0.6%(寄与度-0.1%)と落ち込んだこと。この点は後述します。他の需要…
[ 2023/11/20 06:30 ] コメント(0)
今回は、10月30・31日に開催された日銀金融政策決定会合と、30日に公表された内閣府月例経済報告を紹介します。前者については既にSaltさんが解説されているので、まずファクトを淡々と書き、その後に感想を加えることにします。 *********** 景気判断は維持 *********** 今回のように展望レポートがある月(1月、4月、7月、10月)とない月(3月、6月、9月、12月)とではスタイルが異なり比較が難しい面はありますが、景気判断は現状・先行きとも維持されました。 (現状) ・基調:緩やかに回復している ・個人消費:物価上昇の影響を受けつつも、緩やかなペースで着実に増加している…
[ 2023/11/06 06:30 ] コメント(0)
今日・明日、日銀金融政策決定会合が開催されます。今回は展望レポートが出されるので、物価見通しが上方修正されるか否かに注目が集まるほか、上限金利1%の引き上げ・更なる柔軟化の可能性も一部マスコミで取り沙汰されています。 7月の政策修正後、「難解で繊細」と書きました。とても上手く精密に作られた枠組みなので、逆に壊れやすいと感じたからです。少し長くなりますが、具体的には「植田・氷見野・内田という新体制らしい、学者風の理屈付けにも思えます。また、0.75%でなく1.0%まで上限を上げたので、日銀には暫く猶予が出来ました。多角的レビューを鋭意進め、本格的な政策変更のあり方を模索していくことになります。…
[ 2023/10/30 06:30 ] コメント(0)
今回は20日に公表された日銀金融システムレポートの紹介です。日銀が毎年4月、10月に公表するレポートで、日銀の金融システムの安定性に対する評価が示されます。 金融機構局が執筆しますが、3か月ほど前、その局長人事が本石町界隈で話題を呼びました。金融政策を所掌する企画局長と金融システムを所掌する金融機構局長がスワップされたからです。リサーチ畑も長い現金融機構局長の意を受けてか、前回より分析が精緻になった印象を受けました。 *********** 金融システムは安定 *********** 総括評価は「わが国の金融システムは、全体として安定性を維持していると評価できる」です。世界的にも、3月の…
[ 2023/10/23 06:30 ] コメント(0)
今回は、10日に公表されたIMF(国際通貨基金)の世界経済見通し(World Economic Outlook)を紹介します。 *********** 引続き冴えない世界経済 *********** 今回の世界経済見通しの表題は「Navigating Global Divergences」、日本語訳は「格差広がる世界の舵取り」です。概要として、「世界経済の回復ペースは依然遅い。地域間の格差が広がる中、政策を誤る余地は限られている」とされ、引続き弱めのトーンになっていますが、だからと言ってとても悲観的でも無く、余り盛り上がりの無い内容でした。 世界全体の経済成長率は、2022年+3.5%か…
[ 2023/10/16 06:30 ] コメント(0)
1週間経ってしまいましたが、2日公表の日銀短観を簡単に紹介します。 *********** 業況判断は改善 *********** 業況判断は数字が大きいほど良く、「良い」「悪い」の回答が拮抗するとゼロ、マイナス幅の拡大は業況悪化を表します。以下の仕入価格・販売価格等も同じですが、理論的には-100(全社「悪い」と回答)から100(全社「良い」と回答)の間で数字が動き、0が拮抗点です。 最も注目される製造業大企業は、前回5 今回9 先行き見通し10と2回連続で改善しました。とくに自動車は前回5 今回15 先行き11と、先行きやや慎重とは言え大きな改善です。いわゆる供給制約の緩和や輸出企業…
[ 2023/10/09 06:30 ] コメント(0)
昨日はぐっちーの命日。早くも4年経ちました。改めてご冥福をお祈りします。 今回は21・22日に開催された、日銀金融政策決定会合の紹介です。一部に政策修正観測もありましたが、変更無しでした。 *********** 景気判断維持 *********** 今回のように展望レポートがない月(3月、6月、9月、12月)とある月(1月、4月、7月、10月)とではスタイルが異なり比較が難しい面はありますが、景気基調判断は現状・先行きとも維持されました。 (現状) ・基調:緩やかに回復している ・個人消費:物価上昇の影響を受けつつも、緩やかなペースで着実に増加している ・設備投資:緩やかに増加してい…
[ 2023/09/25 06:30 ] コメント(0)
旧聞に属する話ですが、植田日銀総裁の読売新聞インタビューが話題になりました。とくに、マイナス金利解除が選択肢となり得る点と、年内までに判断するデータが揃う可能性への言及が注目されました。 先に後者については、来年の春闘を注視していた向きから見て、数ヵ月ですが早い印象です。真意は分かりませんが、日銀短観(12月央公表予定)や冬季ボーナス動向が視野に入っていることは間違いないと思います。また、日銀は、輸入物価上昇の影響が当面減衰していくと見ていますが、減衰後の物価上昇率が今よりどれほど低下するか見極める上で、良いタイミングと思っているのかもしれません。 前者について、マイナス金利解除にこのタイ…
[ 2023/09/18 06:30 ] コメント(1)
今回は、内閣府月例経済報告(8月28日公表)と金融庁の金融行政方針(29日公表)を簡単に紹介します。 *********** 月例経済報告は判断維持 *********** 月例経済報告の景気基調判断は、現状・先行きともに維持されました。ただし、先行きのリスクとして中国経済の先行き懸念が指摘されたことが変化点です。需要項目では輸出の持ち直しが指摘されました。 (現状) ・基調:景気は、緩やかに回復している ・個人消費:持ち直している ・設備投資:持ち直している ・住宅建設:おおむね横ばいとなっている ・公共投資:堅調に推移している ・輸出:このところ持ち直しの動きがみられる (先行き)…
[ 2023/09/04 06:30 ] コメント(0)
既にSaltさんが解説してくれましたが、何人かから、中国不動産会社デフォルトに関して「なるほど」と思う話を聞きました。その横流しになってしまいますが、簡単に紹介します。 まず、日本の1990年代やリーマン破綻後のような金融危機の心配は無いという話です。日本の場合、銀行が不動産会社に貸し込み、不動産価格下落に伴いそれが不良債権化し、金融システムが崩壊しました。また、リーマンの場合、サブプライムローンを裏付けとした証券化商品価格の下落が、世界中の金融機関の健全性と流動性を奪いました。いずれも、資産価格と銀行を中心とした金融システムが強く結び付いていたため、危機が生じた訳です。 中国の場合、マン…
[ 2023/08/28 06:30 ] コメント(0)
Konan新・CRUのひとり言
1961年生まれ ぐっちーと同じ高校を卒業し、東京大学法学部に入学。30年以上「公」の世界を歩んだ後、最近民間に転じた元官僚。今回の連載再スタートでは、日本経済に焦点を当て、内閣府や日銀の公表物の解説などを極力分かりやすく行いたいと思います。 著者とメルマガのご紹介 メルマガ配信登録
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