2024/07/22 06:30 | by Konan | コメント(0)
Vol.241: 小噺・世界経済見通し
タイトルはThe Global Economy in a Sticky Spot(足踏み状態の世界経済)。タイトル通り前回4月と余り変わり映えのしない内容でした。
世界全体の実質経済成長見通しは、2024年は+3.2%で前回と変わらず、2025年は+3.3%で+0.1%上方修正。うち先進国はそれぞれ+1.7%、+1.8%で前回と変わらず。新興国・途上国はそれぞれ+4.3%、+4.3%で、2024年、2025年とも+0.1%上方修正でした。確かに変わり映えがありません。
ただ、トーンは余り明るい感じがしません。理由は以下の通りです。
・Higher for longerのリスク。今のところインフレ率は低下してきていますし、ソフトランディングが基本シナリオです。ただ、サービス価格や賃金の粘着性は高く、インフレ率低下が予想より緩慢になり、利下げが遅延し、成長率を下押しする可能性があります。
・やや長い目でみても、中国の成長率低下もあり、世界の成長率が落ちていく可能性があります。この対応には様々な政策対応が不可欠です。
・財政政策と貿易戦争に警鐘を鳴らしています。財政については、今のうちに均衡方向を目指さないと、いざと言う時のバッファが無いという問題もありますが、米国の財政支出拡大が金融の不安定化をもたらすリスクも指摘されています。
・貿易戦争(関税引き上げ)についても、当たり前ではありますが、心配されています。
今回はこの辺で。
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