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■ サウジアラビア、ムハンマド副皇太子が皇太子に昇格=国営通信(6月21日付ロイター) ムハンマド・ビン・サルマン(MbS)が副皇太子に就任してから、わずか30歳にしてサウジの実権を握りつつあることは、このHPで何度も取り上げてきました(「サルマン副皇太子・プーチン会談」、「サウジアラビアとロシアの接近」参照)。 MbSが国王となることは既定路線であり、あとはタイミングの問題であって、ムハンマド・ビン・ナイフ(MbN)皇太子を飛び越えて一気に国王になる可能性はかねてから指摘されてきました。 一方で、MbSの権力集中に対しては反感も高まっていること、実はサルマン国王の権力と判断能力は健在…
[ 2017/06/23 00:04 ] コメント(3)
■ イラン国会議事堂とホメイニ師の廟で銃撃と爆発 12人死亡(6月8日付BBC) イランは、国境地帯など一部の地域を除けば、基本的に非常に治安の良い国で、テロが起こることは極めてまれです。 それだけに今回のテロは衝撃でした。 「イスラム国」がイランを攻撃すること自体は特に違和感はありません。「イスラム国」はスンニ派の組織であり、シーア派国家のイランを敵視していることは自明の事実でした。 しかし、これまでイランに一度もテロを仕掛けることがなかった、あるいはテロを計画しても事前に制圧されてきたにもかかわらず、このタイミングで同時テロを成功させたことは、なぜ?という疑問を呼び起こします。 …
[ 2017/06/22 00:00 ] コメント(1)
■ 英総選挙、与党保守党が過半数割れ 離脱交渉の行方に不透明感(6月9日付ロイター) だいぶ遅れてしまいましたが、英国の政治は総選挙後まったく見通しが立たず、毎日毎日どうなっとんねんという状態(笑)。結果的には、しっかりした分析を示す上では、むしろ少し様子をみてよかった、という趣です。 総選挙によってハング・パーラメントが出現。その後、どのような政権が発足するのか。依然として不透明な状態が続きます。現時点で最も有力な見通しは、保守党が民主統一党(DUP)と閣内または閣外で協力すること。 どちらをとるかによって連立政権または少数政権が発足しますが、いずれにしても極めて不安定な政治運営を余儀…
[ 2017/06/20 00:00 ] コメント(3)
先週の動きです。 6/11(日) ・フランス国民議会(下院)選挙第1回投票 6/12(月) ・ロシアで大規模な反政府デモ 6/13(火) ・FOMC(~14日) →0.25%利上げ(0.50~0.75%) ・セッションズ司法長官が議会で証言 ・中国とパナマが国交樹立、パナマは台湾と国交断絶 ・北朝鮮に拘束されていた米国人学生が帰国 6/14(水) ・ロンドンのタワーマンションで火災 ・米議員の野球練習場で銃撃、共和党のスカリス下院院内幹事ら負傷 ・トランプ大統領の71歳の誕生日 6/15(木) ・米上院がロシア制裁法案を可決 ・プーチン大統領が国民との対話に出演 ・ユーロ圏財務…
[ 2017/06/19 00:00 ] コメント(1)
「カタールの国交断絶とトランプ政権の混沌①」の続きです。 ●世界情勢と国際経済に与える影響 カタールは世界最大のLNG輸出国です。このため、まずはLNG価格への影響が気になります。 ここは色々な分析がありますが、断交した国々への輸出量はそれほど大きくないこと、スエズ運河をエジプトが封鎖する動きがありますが、スエズ運河を経由する輸出量はそれほど大きくないことから(迂回も可能)、短期的に大きな影響が出ることはないという予測が有力です。 世界情勢に与える影響ですが、この状況が続けばカタールはイランに接近し、地域のパワーバランスが崩れる危険があります。 とはいえカタールは小国であり、世界全…
[ 2017/06/15 00:00 ] コメント(4)
■ 中東主要国が「テロ支援」でカタールと断交、イラン反発(6月5日付ロイター) サウジをはじめとする中東の主要国が突然にカタールと国交断絶。中東に激震が走りました。 その理由は、カタールが「テロ支援国家」であることです。たしかにカタールはハマスやムスリム同胞団を擁護する言動を行っています。しかし、どこまで具体的な支援が実際になされているかは定かではありません。 ヒズボラやイエメンのフーシ派に対する支援については、何の証拠もなく、言いがかりに近い印象を受けます。第三者からすれば、「(アルカイダを育てた)お前が言うのか」とツッコミを入れたくなるところでしょう(笑)。 真の理由は、カタール…
[ 2017/06/14 00:00 ] コメント(3)
■ 前FBI長官、解任は捜査阻害が目的と非難 司法妨害に言及せず(6月9日付ロイター) 全米が注目したジェームズ・コミー前FBI長官の議会証言。 エンターテイメントのごとく何が起こるか・・・と期待と不安が交錯した一大イベントでしたが、結果だけ言えば、すでに表に出ていた情報を超えるものはありませんでした。 司法妨害とロシア疑惑、いずれについても、これまで報道で伝えられてきた両者のやりとりが確認されただけです。事実認定レベルでも、コミー・メモの証拠能力には限界があり、これだけをもって事実関係が確定できるものではありません。 したがって、今回の議会証言だけをもって違法行為の認定あるいは弾劾に…
[ 2017/06/13 00:00 ] コメント(2)
天気が良く、夏のような日々が続いていますね。 私は先週、ゴルフのラウンドを2回しました。非常に気持ちよく回れました。 さて、先週の動きです。 6/4(月) ・ベトナムのフック首相が訪日(〜8日) 6/5(火) ・サウジアラビア、バーレーン、UAE、エジプト、イエメンの中東5カ国がカタールとの外交関係の断絶を宣言 6/6(水) ・日越首脳会談(東京) ・日ラオス首脳会談(東京) 6/7(木) ・テヘランの国会議事堂とホメイニ廟でテロ 6/8(木) ・コミー前FBI長官が議会で証言 ・トランプ大統領が「米国のインフラ再建計画」を発表 ・英国総選挙 ・ECB理事会 ・北朝鮮が巡航ミサ…
[ 2017/06/12 00:00 ] コメント(5)
■ ドゥテルテ比大統領、戒厳令の全土拡大に言及 過激派掃討で(5月25日付CNN) フィリピンの戒厳令は第2次大戦後3度目。過去の2回は1972年のマルコス時代と2009年のアロヨ時代です。マルコスの戒厳令は9年間の長きにわたりました。 ドゥテルテの戒厳令は60日間、ミンダナオ島に限定していますが、これが延長され、フィリピン全土に拡大されることになると、国民の間ではマルコス時代の忌まわしい記憶がよみがえり、絶大なドゥテルテ人気にも影響が出る可能性があります。 もっとも、戦闘はミンダナオ島、それも一部の地域に限定されているので、おそらくそうはならないでしょう。 今回政府と交戦している武装…
[ 2017/06/08 00:00 ] コメント(4)
■ トランプ大統領、パリ協定離脱を発表 同盟国や米経済界に波紋(6月2日付ロイター) 世界中を震撼させたトランプ大統領の決断。世界を敵に回した、これでトランプは終わった・・・などといわれていますが、米国の内政面に限って言えば、それほどの驚きはありません。むしろ、ある意味で合理的な判断だったとすらいえます。 まず、そもそも環境問題は選挙戦において大きなイシューにはなりません。メディアは世界のみならず米国でも反対の大合唱が起こっているかのように伝えていますが、有権者に対して大きな影響を与えることはないでしょう。 むしろ、選挙での扱い方によっては、トランプ・共和党に利するとすらいえます。なぜな…
[ 2017/06/06 00:00 ] コメント(3)
JD世界情勢ブリーフィング
国際政治・経済の分析を仕事にしています。 東京大学法学部卒、スタンフォード大学院修了、元外交官。米国、中国、英国に数年間在住。 趣味は現地調査(70か国以上渡航)と適度な筋トレ。 ここでは世界情勢の読み解き方を解説します。 メルマガのご紹介 バックナンバー 総集編 メルマガ配信登録
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