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2017/09/21 05:00  | 東南アジア |  コメント(2)

ロヒンギャ危機とアウンサン・スーチーの苦境


アウンサンスーチー氏、「偽情報」を強く非難 ロヒンギャ危機(9月6日付BBC)
スーチー氏、国連総会を欠席へ ロヒンギャ対応への批判高まるなか(9月13日付BBC)
国連事務総長と安保理、ミャンマーにロヒンギャへの暴力停止要求(9月14日付ロイター)
【ロヒンギャ危機】アウンサンスーチー氏、国際社会の「せんさく」恐れず(9月19日付BBC)

ロヒンギャ問題がミャンマーを激しく揺さぶっています。

ロヒンギャ問題、すなわちラカイン州のイスラム教徒(ロヒンギャ)と仏教徒との衝突(多数派である仏教徒によるロヒンギャの迫害)は、第二次大戦前から存在する根深い問題です。その歴史的経緯については「ロヒンギャ難民とミャンマーの制裁」(15年5月30日)で解説しました。

アウンサン・スーチー率いる新政権が昨年3月に発足した後もこの問題は火を吹いています。特に問題が深刻化したのは、昨年10月にロヒンギャとみられる武装勢力が政府の施設を攻撃し、国軍が掃討作戦を行ったときです。国連や人権団体は国軍による虐殺やレイプがあったと認定し、これを否定するアウンサン・スーチーとミャンマー政権は批判の矢面に立たされました。

そして先月、ロヒンギャの武装組織が政府の施設を攻撃し、ふたたび国軍による大規模な攻撃が始まりました。これが同様にロヒンギャの虐殺が指摘され、「エスニック・クレンジング(民族浄化)」と糾弾されています。

アウンサン・スーチーは国家顧問・外相という立場にあるので、今週から始まった国連総会には当然出席するはずでしたが、先週、欠席を発表しました。代わりに、一昨日、本国ミャンマーでロヒンギャ問題に関して国民に向けた演説を行っています。

こうしたロヒンギャ迫害と難民流出は、それ自体新しい話ではありませんが、今回のケースは、ミャンマー政権にかつてないインパクトを与えようとしています。

世界中のイスラム諸国からの非難、アウンサン・スーチーの「フェイク・ニュース」発言、国連安保理と米国の動き、そして表舞台に出てきたミャンマー国軍・・これらについて説明します。

※ここから先はメルマガで解説します。アウトラインは以下のとおりです。

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ロヒンギャ危機とアウンサン・スーチーの苦境
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●イスラム諸国のアウンサン・スーチー包囲網
●国連安保理と米国の動き
●国軍の力の高まり
●「イスラム国」の浸食とテロとの戦い
●今後の見通し

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あとがき
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今回も色々な話を盛り込んで、予想以上に長くなってしまいました。

多面的で複雑な話のため、分かりにくいところもあったかもしれませんが、この問題はまだまだ続くので、これからもタイミングを見て取り上げたいと思っています。

それにしても、ロヒンギャ問題、トランプ演説など、こんなに国連総会が盛り上がるのもめずらしいですね。

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2 comments on “ロヒンギャ危機とアウンサン・スーチーの苦境
  1. ペルドン より
    アウンサン・スーチ

    英国が・・
    顔を出しませんね・・
    老練だから・・
    日本の経済援助等・・決して無視出来えない金額・・
    関白殿のお声聞けませんね・・

    彼女が幽閉されていた頃から・・
    成程輝く抵抗の星だが・・実務能力に疑問を投げかけられていた・・
    一番星が・・お月様になれるか・・
    最初の訪問国が中国だった・・
    この辺りが釈然としない・( ^ω^)・・・(笑

  2. 下北のねこ より
    何も出来ない

    アウンサンスーチーさん、何もしないというより、実権が無くて何も出来ないのではないでしょうか。
    スーチーさんで気になるのはまず国家顧問・外相というその肩書です。
    実質的国家元首であるかもしれませんが、どう見ても国のトップたる肩書ではないです。
    会社組織的に書き直してみて、相談役兼(外務担当)取締役程度です。
    とっても軽く見えます。
    今回、国連総会にも行きませんでした。
    国家元首になった外相出身者って、とっても誇らしい顔して、国連総会に出席するのが普通だと思います。
    民主化運動の旗手スーチーさんにとっても、本来は温かく迎え入れてくれるはずの場所だったはずです。ロヒンギャ問題について国連で国際的な助けを求めてもいいはずなのに。
    けど、行けませんでした。ロヒンギャ問題については、結局、スーチーさんの力では何も出来ないのだと思います。
    実質鎖国状態の国で実権は国軍の手にあり、民主化運動で民主化を形式的には成し遂げたものの、多数派民意はロヒンギャ排斥で身動き取れず、さらにベルドンさんが、スーチーさんの最初の訪問国中国に触れていましたが、ミャンマーに対する最大の権益国でその意向も無視できないんでしょう。
    ロヒンギャを排斥するということはその地域でのメリットが国軍にあると思います。いずれにせよ、民主化問題では自分のこととして闘えたスーチーさんにも手に負えない類のことなんだと思います。

    ロヒンギャって、ミャンマーの他の民族から、どんな風に見えてるんでしょうね。民族的にアメリカにおける白人から見た黒人、ヨーロッパにおけるロマみたいなものなのか、宗教的にあたしのアパートの隣の部屋で毎朝、南妙法蓮華経と太鼓を叩きながら唱えているおばちゃん(ついでに勧誘がしつこい、選挙があるから来るだろうなあ)みたいなもんなのか、職場に明るい顔で眼をキラキラさせ駄菓子を売りに来てた統一教会のお姉ちゃんみたいなもんなのか。それほど、嫌われるという理由が日本にいるとイマイチ理解できないですね。

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