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■ ドゥテルテ比大統領、戒厳令の全土拡大に言及 過激派掃討で(5月25日付CNN) フィリピンの戒厳令は第2次大戦後3度目。過去の2回は1972年のマルコス時代と2009年のアロヨ時代です。マルコスの戒厳令は9年間の長きにわたりました。 ドゥテルテの戒厳令は60日間、ミンダナオ島に限定していますが、これが延長され、フィリピン全土に拡大されることになると、国民の間ではマルコス時代の忌まわしい記憶がよみがえり、絶大なドゥテルテ人気にも影響が出る可能性があります。 もっとも、戦闘はミンダナオ島、それも一部の地域に限定されているので、おそらくそうはならないでしょう。 今回政府と交戦している武装…
[ 2017/06/08 00:00 ] コメント(4)
■ トランプ大統領、パリ協定離脱を発表 同盟国や米経済界に波紋(6月2日付ロイター) 世界中を震撼させたトランプ大統領の決断。世界を敵に回した、これでトランプは終わった・・・などといわれていますが、米国の内政面に限って言えば、それほどの驚きはありません。むしろ、ある意味で合理的な判断だったとすらいえます。 まず、そもそも環境問題は選挙戦において大きなイシューにはなりません。メディアは世界のみならず米国でも反対の大合唱が起こっているかのように伝えていますが、有権者に対して大きな影響を与えることはないでしょう。 むしろ、選挙での扱い方によっては、トランプ・共和党に利するとすらいえます。なぜな…
[ 2017/06/06 00:00 ] コメント(3)
先週は私が大好きなドラマ『ハウス・オブ・カード』の最新シーズンが始まりました。早速2エピソードを見ましたが、相変わらずの面白さですね。 このドラマがすごいのは、一つには昨年の大統領選からトランプ政権発足という最近の動きを先取りしているところです。主人公である大統領が「雇用」を前面に掲げて政策を形成したり、ロシアや中国と取引するバックチャネリングが行われたり、ネットで選挙戦を不正に操ろうとしたり・・・まあ、トランプ政権発足後は、現実がドラマを超えているようにも見えますが(笑)。 新シーズンはすべてのエピソードが完成しているので、今の動きを反映することはできませんが、もしここで新しくエピソード…
[ 2017/06/05 00:00 ] コメント(4)
■ 「一帯一路」会議が閉幕、中国主席「幅広い合意と成果得られた」(5月15日付ロイター) 遅れましたが、今年の中国にとって最重要のイベントだった「一帯一路」の初の首脳レベルの国際会議。米国は、会議直前に「100日計画」の内容を発表し、一帯一路への支持と代表団の派遣を発表するというサプライズを見せました。 米国にとって失うものはなく、この程度のことで習近平に恩を売ることができるのであれば安いものです。こういう打算に基づいてあっさり中国のメンツを立てるあたり、トランプ政権の「ディール外交」らしいです。 中国にとって今年最大にして唯一の重要課題は秋の共産党大会。ここまで無事に体制の威信を保つ…
[ 2017/06/02 00:41 ] コメント(1)
初外遊となったトランプ大統領の中東・欧州訪問。ワシントンDCでのカオスな状況と比べれば、外交ではそれなりの成果を上げ、得点をかせいでいる、というのがおおむね米国内での評価です。 特徴的なのは、オバマ政権で折り合いの悪かったサウジ、イスラエルとの関係を強化し、逆にオバマ政権ないし伝統的に同盟関係にあった欧州との関係を冷却化させていること。まさにオバマの逆をいくことがテーマとなっています。 ●中東 米国大統領の初外遊は隣国であるカナダ、メキシコが通例です。いきなり中東に行くのは異例といえます(「訪問国の順番」も参照)。 背景にあるのは、中東和平への関与の要請とイランへの牽制です。まずサウ…
[ 2017/05/31 01:19 ] コメント(2)
先週末もゴルフでした。雨は降らず、暑くもなく、ちょうどよい気候でした。 先週の動きです。 5/22(月) ・米・イスラエル首脳会談(エルサレム) ・フィリピンのドゥテルテ大統領がロシア訪問(〜24日) →戒厳令の布告のために日程を短縮 5/23(火) ・米・パレスチナ首脳会談(ベツレヘム) 5/23(水) ・トランプ大統領がローマ法王と会談(バチカン) ・OMBが予算教書を発表 ・マンチェスターのコンサート会場で自爆テロ 5/24(木) ・フィリピンのドゥテルテ大統領がミンダナオ島に戒厳令を布告 ・ジャカルタで自爆テロ ・ミャンマーで第2回パンロン会議(少数民族武装勢力との和平会…
[ 2017/05/28 20:42 ] コメント(5)
先週は、ジェームズ・コミーFBI長官の解任に続いて、トランプ大統領のロシアへの機密漏洩疑惑、コミー長官(当時)へのマイケル・フリン元大統領補佐官に関する捜査終結の要請疑惑、コミー解任のロシアへの説明(「nut job」発言)疑惑と特大リークが連発。 さながら、情報機関・メディアとトランプの全面戦争に突入か・・・とも思われましたが、事実関係の解明はロバート・モラー特別検察官による調査に委ねられることになりました。 トランプにとっては気の休まる話ではありませんが、共和党にとっては救いの手だったといえるでしょう。この一週間の混乱は、トランプ政権発足以来、最大の危機的状況だったといえます。 最も…
[ 2017/05/23 00:00 ] コメント(10)
週末は夏のような気候でしたね。私はゴルフをしましたがかなり日焼けしました。 先週の動きです。 5/15(月) ・トランプ大統領がロシアに機密情報を漏洩したとの報道 ・独仏首脳会談(ベルリン) 5/16(火) ・トランプ大統領がコミーFBI長官(当時)にフリン前大統領補佐官の捜査を終結させるよう要請していたとの報道 ・米・トルコ首脳会談(ワシントンDC) ・国連がシリア和平協議を再開(ジュネーブ) 5/17(水) ・米司法省がロシア疑惑の捜査を指揮する特別検察官を設置しモラー元FBI長官を任命 5/18 ・トランプ政権が議会にNAFTA再交渉を通知 5/19(金) ・米上院の情報…
[ 2017/05/22 00:00 ] コメント(0)
■ トランプ大統領、フリン氏巡る捜査中止をFBIに要請=関係筋(5月16日付ロイター) ■ トランプ氏のロシア癒着疑惑捜査、特別検察官に元FBI長官(5月17日付ロイター) 終わることのない連日のリークと特別検察官の電撃任命。トランプ憎しの情報機関関係者とメディアが総攻撃をかけてきた趣です。 毎日のように新たな事実が出てくるので、疲れます・・・ちょっと息をついて、続きは来週にしましょう(笑)。 コメント欄では、おなじみ牧神の午後さん、それに下北のねこさん、JFKDさんから興味深いご指摘をいただいています。ありがとうございます。次回取り上げさせてください。 ということで、今日は気分転換に…
[ 2017/05/19 00:00 ] コメント(2)
韓国大統領選は予想どおり文在寅の勝利に終わり、翌日の5月10日にそのまま就任しました。 「韓国大統領選」で述べたとおり、日韓関係については決して展望は明るくありません。ただ、これもすでに述べたとおり、文在寅に対しては、韓国国内ではかなり高い期待が寄せられています。 現時点において少なくとも言えるのは、極めてまともな人物である、ということです。汚職と無縁、誠実な人柄で、人の話をよく聞き、合理的。政策に明るく、軍では特殊部隊にいました。有識者の信頼も厚く、チームには優秀な人材が集まっているといわれます。 「まとも」であることは、本来取り立ててすごいという話ではないはずですが、韓国の場合、過去…
[ 2017/05/18 00:00 ] コメント(3)
JD世界情勢ブリーフィング
国際政治・経済の分析を仕事にしています。 東京大学法学部卒、スタンフォード大学院修了、元外交官。米国、中国、英国に数年間在住。 趣味は現地調査(70か国以上渡航)と適度な筋トレ。 ここでは世界情勢の読み解き方を解説します。 メルマガのご紹介 バックナンバー 総集編 メルマガ配信登録
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