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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2017/09/04 00:00  | 今週の動き |  コメント(1)

今週の動き(9/4~10)


なんだか急に涼しくなってきましたね。少し肌寒いくらい。天気が良いと気持ち良いですが、なんだか急に夏が終わってしまったような。

さて、先週は、北朝鮮のミサイルとハリケーン・ハービー、そして最後に核実験があり、やはり北朝鮮と米国から目が離せない一週間になりました。

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先週の動き
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8/27(日)
・ハリケーン・ハービーの上陸によりテキサス州で大洪水が発生

8/28(月)
・中国とインドが国境地帯からの撤兵で合意

8/29(火)
・北朝鮮が弾道ミサイルを発射、日本上空を通過
・日米首脳電話会談

8/30(水)
・トランプ大統領が北朝鮮との「対話は答えではない」とツイート
・国連安保理が北朝鮮を非難する議長声明を全会一致で採択
・メイ首相が訪日、安倍首相とお茶会と夕食会(京都)
・日米首脳電話会談

8/31(木)
・日英首脳会談(東京)
・米国務省がロシア公館の閉鎖を要求
・米国防総省がアフガンへの増派を決定

9/1(金)
・NAFTA再交渉第2回会合(〜5日、メキシコシティ)
・米韓電話首脳会談

9/3(日)
・北朝鮮が6回目の核実験、「ICBM用水爆」成功と発表
・BRICS首脳会議(厦門、~5日)

●北朝鮮の核実験

今週9日の建国記念日で核実験を行うと予想されていましたが、それを待たずに実行に至りました。タイミングが思ったより早かったとはいえ、まあ想定の範囲内の動きです。

先週、ミサイル発射を受けて、「北朝鮮の弾道ミサイルの日本上空通過と日本政府の対応」を書きましたが、その後の日米の動きなどのアップデート、そして今回の核実験をふまえ、あらためてポイントを解説します。

●ハリケーン・ハービー

2005年にニューオーリンズに壊滅的被害を与えたハリーケン・カトリーナを思い起こさせる大災害になっています。

被害や経済に与える影響もさることながら、ここで気になるのは今週から再開する議会での審議への影響。

議会での審議のポイントについては「米国の政府閉鎖とデフォルトの危機」で解説しましたが、ここではハービーの影響は考慮していませんでした。

ハービーは、議会の展望をがらっとかえるインパクトを秘めています。そこで、あらためて解説します。

●メイ首相の訪日

本来は、BREXITを見据えた貿易・投資関係の強化が主な議題のはずでしたが、北朝鮮のおかげで安全保障がクローズアップ。

メイ首相も「中国の役割が重要」と強調したところ、これに対して中国メディアが反発。「中英関係は終わった」「お前に言われる筋合いはない」「支持率が低下して国民の不満を外国にそらそうとしているのだろう」などと結構ひどいバッシングに及んでいます。なんだかお前がそんなこと言うのかと逆に突っ込みたくなるコメントもありますね(笑)。

それにしても、メイ政権になってから、キャメロン前政権で決めた中国企業が出資したヒンクリーポイントの原発計画を再検討したり、今回の訪日でも中国に立ち寄らなかったり、中国から距離を置く姿勢が目立ちます。「最高の中英関係」といわれたキャメロン政権のときとはまったく異なる光景です。

豪州も、北朝鮮への対抗姿勢を鮮明にして、前のめりというほど米国への協力姿勢を明らかにしており、北朝鮮を契機に伝統的同盟国が前に出てきている印象です。

●BRICS首脳会議

中国とインドは国境でにらみ合いを続けていましたが、先週解決したことを受け、モディ首相が中国主催のBRICS首脳会議に出席。

ただ、中国とインドの戦いは根が深く、今回の牽制合戦はその一端に過ぎません。こちらも今週解説します。

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今週の動き
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9/4(月)
・ASEAN経済閣僚会合(マニラ、~11日)

9/5(火)
・米議会が再開
・モディ首相がミャンマー訪問(~7日)

9/6(水)
・東方経済フォーラム(ウラジオストク、~7日)

9/7(木)
・ECB定例理事会(フランクフルト)

9/9(土)
・北朝鮮の建国記念日

●米国議会の再開

上記ハリケーン・ハービーの箇所で述べたとおり、まず予算案(ハービー支援含む)と債務上限の引き上げが喫緊の課題となります。

議会について付け加えると、ミッチ・マコーネル上院院内総務に対するトランプの度重なる攻撃も気になるところです。

記事で書いたとおり、マコーネルはニール・ゴーサッチの最高裁判事承認において大きな役割を果たしましたが、その後、オバマケア改廃での「敗北」をトランプから責められることになりました。トランプの言動はマコーネルの貢献と力量を正当に評価しないものであり、同情が寄せられています。

この他、トランプは、トランプを真正面から批判しているジェフ・フレーク上院議員に対しても猛烈な攻撃を加えています。

こうした共和党議員への攻撃が、反トランプの機運にどのような影響を与えるかも今後気になるポイントです。

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あとがき
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今週は北朝鮮と米国以外のことを書ける・・と思っていたら、週末に核実験。相変わらず荒れますね(笑)。

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One comment on “今週の動き(9/4~10)
  1. ペルドン より
    タイミングが思ったより早かったとはいえ、

    やはり・・
    中国軍部の大移動が・・
    関連しているように思えますね・・
    だが・・
    プーチンがいつの間にか・・北の皇帝の背後から消えている可能性も強い・・
    ( ^ω^)・・・(笑

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