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2021/11/08 00:00  | 今週の動き |  コメント(0)

今週の動き(11/7~13)米インフラ法案、バージニア州知事選、OPECプラス、6中全会


だんだんと会食や対面での仕事が増えてきました。脱コロナもいよいよ本格化でしょうか。そろそろ出張の予定も考え始めたいところです。私の場合、とりあえずアジアからになりそうですが。

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先週の動き
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10/31(日)
・国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)(グラスゴー、~11/12)
・米主催のサプライチェーン強化に関する首脳会議(ローマ)
・米・トルコ首脳会談(同)
・米中、米韓外相会談(同)
・サキ大統領報道官が新型コロナウイルス感染を発表
・衆議院議員選挙(自民党が単独過半数を維持)

11/1(月)
・米・インドネシア首脳会談(グラスゴー)
・中国が「デジタル経済パートナーシップ協定(DEPA)」加盟の申請を発表

11/2(火)
・日米首脳の懇談(グラスゴー)
・バイデン大統領がCOP26でメタンの排出削減の行動計画を発表(同)
・バイデン大統領がビルド・バック・ベター・フレームワークの薬価交渉について民主党との合意を発表
・米CDCがファイザー製の新型コロナウイルスワクチンの5歳から11歳の子どもへの接種を勧告
・バージニア州知事選挙(共和党のヤンキンが勝利)、ニュージャージー州知事選挙(民主党のマーフィーが再選)、NY市長選挙(民主党のアダムスが勝利)
・ミネソタ州ミネアポリスで市警察の解体と「公共安全部」の設立を問う住民投票が否決
・FOMC(~3日)
・ミャンマーのミン・アウン・フライン国軍司令官とリチャードソン元国連大使が会談(ネピドー)
・エチオピアが全土に非常事態宣言
・日英、日豪、日越首脳会談(グラスゴー)

11/3(水)
・米上院外交委員会がラーム・エマニュエル前シカゴ市長の駐日大使指名とニコラス・バーンズ元国務次官の駐中国大使指名を承認
・米国防総省が中国の軍事力に関する年次報告書(21年版)を公表
・米上院がジョン・ルイス投票権法案の審議を進めるための手続き上の採決(60票の賛成を得られず審議は阻止)
・欧州議会の代表団が訪台(~5日)

11/4(木)
・バイデン政権が従業員100人以上の企業に対し、22年1月4日までに従業員に新型コロナウイルスワクチン接種か毎週の感染検査の結果の提出を義務づけると発表
・米司法省がテキサス州の投票規制強化法は市民の投票権を侵害するとして提訴
・米上院の共和党議員(リッシュ、クレイポー、コーニン、ハガティ、ロムニー、ルビオ)が台湾抑止力法案を提出
・台湾の蔡英文総統と欧州議会の代表団が会談(台北)
・OPECプラス閣僚級会合(原油の追加増産を見送り)(オンライン)

11/5(金)
・米下院が超党派のインフラ法案を可決
・米労働省が10月の雇用統計を発表(非農業部門雇用者数前月比+53万人)(バイデン大統領が演説)
・ブリンケン国務長官がハバナ症候群の対応を統括する担当者2人の任命を発表
・萩生田経産相とレモンド商務長官が電話会談
・フロリダ州、ジョージア州、アラバマ州がバイデン政権の新型コロナウイルスワクチン接種の義務付けは憲法等に反するとしてアトランタの連邦第11巡回控訴裁判所に差止めを求める訴訟を提起
・中国政府が台湾の「独立勢力」との理由で蘇貞昌行政院長、游錫コン立法院長、呉ショウ燮外交部長への制裁を発表
・中国国際輸入博覧会(上海、~10日)
・韓国の野党「国民の力」が大統領候補に尹錫悦前検事総長を選出

●米国のインフラ法案

米下院が1.2兆ドルの超党派のインフラ法案(Bipartisan Infrastructure Bill, BIB)を可決しました。以下の記事で述べたとおり、この法案は7月に上院で審議にかけられ、8月10日に可決、下院に送られていたものです。

「米国の超党派のインフラ法案」(8/2)
「米国のインフラ法案と予算決議案」(8/16)
 
なぜこんなに時間がかかったかといえば、上記記事で述べたとおり、民主党左派が採決に反対していたからです。超党派のインフラ法が成立すると、民主党単独の法案(紆余曲折を経て今は「ビルド・バック・ベター(BBB)」法案に)の上院可決の見込みがなくなる恐れがあるので、民主党法案の上院可決の見込みが確実になってから行うべき(つまり民主党の法と同時に成立させるべき)と主張していたのです。

以下の記事で述べたとおり、COP26とバージニア州知事選を控え、バイデン大統領とペローシ下院議長はBIBとBBBの両方を何としても下院で可決させると述べていました。しかし民主党左派の抵抗にあい、失敗に終わっていました。

「ビルド・バック・ベターのフレームワーク」(11/1)
 
ところがバージニア州知事選で民主党が敗北した後(次項参照)、ペローシは再びBIBとBBBの採決を試みました。結局、BBBの可決は民主党の穏健派議員の反対にあって見送られたものの、BIBは賛成228、反対206で可決。共和党議員13人が賛成し、民主党議員6人が反対しました。

なぜこのような結果になったのか。これがどのような意味をもつのか。今後2つの法案はどうなるのか。これらの点について解説します(※メルマガで解説)。

●バージニア州知事選

バージニア州知事選は共和党のグレン・ヤンキンが民主党のテリー・マコーリフを2.2ポイントの僅差で破って勝利しました。日本のメディアも大きく取り上げていたようですが、以下の記事で述べたとおりの展開でした。

「バージニア州知事選」(11/2)

またニュージャージー州知事選は、上記記事で述べたとおり、民主党現職のフィル・マーフィーの勝利が間違いないとみられていましたが、予想に反して大接戦に。結局マーフィーが勝利する見通しですが、共和党のジャック・チャッタレリは現時点で2.6ポイントの僅差まで迫りました。

その他にも、NY市長選(以下の記事参照)、バッファロー市長選、ボストン市長選などが行われ、ボストンでは台湾系2世の36歳であるミシェル・ウーが勝利。初の有色人種・女性の市長に就任することになります。

「NY市長選挙(民主党予備選)」(7/12)
 
バージニアはもちろん、示唆に富む結果が多い選挙でした。明日、ポイントを述べます。

●OPECプラスの増産見送り

OPECプラス閣僚級会合が開催され、毎月日量40万バレルずつ引き上げる増産計画を維持することで合意しました。以下の記事で述べたとおり、米国は増産の拡大を求めていましたが、はねのけられた格好です。

「米国のエネルギー危機とバイデン政権(米・サウジ関係)」(10/18)
 
米国はOPECプラスの増産拡大拒否は世界経済をリスクにさらすと批判し、原油価格を引き下げるべくあらゆる手段を尽くすとあらためて表明しました。米国の動きの見通しについては上記記事で解説したとおりですが、あらためてコメントします(※メルマガで解説)。

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今週の動き
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(※6中全会など、メルマガで解説。)

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あとがき
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「なんたらかんたら」 グレタさん、米英首脳を口まねでこき下ろす(9月29日付CNN)

グレタ・トゥンベリさんがCOP26が開催されているグラスゴーを訪問し、グリーン・エコノミーも2050年カーボンニュートラルもすべて「Blah, blah, blah(なんたらかんたら)」、リーダーたちの言っていることはすべて意味がない、この会議はPRイベントだと訴えたことが話題になりましたが、この「Blah, blah, blah」、9月の時点から使っていたのですね。たしかにインパクトのあるフレーズです(※ここから先はメルマガをご覧下さい)。

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