2021/08/02 00:00 | 今週の動き | コメント(0)
今週の動き(8/1~7)国務副長官の訪中、中国企業の米上場審査、米コロナ、米インフラ法案、中国のワクチン外交
8月になりました。気がついたらもう夏真っ盛り。コロナ時代になってからますます時間や季節の変化に鈍感になっているような気がします。
コロナワクチン、私の周りでも接種をしている人がずいぶん増えました。副反応はファイザーとモデルナでかなり違いがみられるようです。しかし接種の機会があるだけ恵まれているので、選り好みせず、受けられるときに確実に受けるべきですね。ワクチンが行き渡って、早く海や旅行、サウナにも気軽に行けるようになって欲しいものです。
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先週の動き
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7/25(日)
・チュニジアのサイード大統領がメシシ首相を解任、議会を停止
7/26(月)
・米・イラク首脳会談(ワシントンDC)
・ブリンケン国務長官がインドとクウェートを訪問(~29日)
・シャーマン国務副長官と王毅国務委員兼外相、謝鋒外務次官が会談(天津)
・米国務省がブラジル、イスラエル、韓国、コロンビア、エクアドルを含む20か国とともにキューバを非難する声明を発表
・レバノンのアウン大統領がミカティ元首相を首相候補に指名
・ロシアのミシュスチン首相が択捉島を訪問
7/27(火)
・米CDCが新型コロナウイルス対策の新たなガイドライン(ワクチンを接種しても感染拡大地域ではマスク着用は必要)を発表
・シャーマン国務副長官がオマーンを訪問
・FOMC(~28日)
・米連邦議事堂襲撃事件を調査する下院特別委員会が公聴会を開催
7/28(水)
・バイデン大統領が「バイ・アメリカン」計画の一環として政府調達の国内調達率を引き上げる規則案を発表
・バイデン大統領とベラルーシの反体制派指導者のチハノフスカヤが会談(ワシントンDC)
・ブリンケン国務長官とインドのモディ首相、ジャイシャンカル外相が会談(デリー)
・ブリンケン国務長官とダラムサラに拠点を置くチベット亡命政府代表が会談(同)
・ブリンケン国務長官とWHOのテドロス事務局長が会談(クウェート)
・米ロ戦略的安定対話(ジュネーブ)
・米上院が超党派の1.2兆ドル規模のインフラ投資法案の審議入りの動議を可決
・テキサス州の連邦下院第6選挙区の補選決選投票(ジェイク・エルジー下院議員がトランプ前大統領の支持を受けたスーザン・ライトを破って勝利)
・中国の王毅国務委員兼外相とタリバンの幹部が会談(天津)
・中国が反外国制裁法を香港とマカオに適用する方針との報道
・台湾当局が6月まで国防部副部長を務めた張哲平氏を中国のスパイと接触し機密情報を漏らした疑いで調査しているとの報道
・ペルーでカスティジョ新大統領が就任
7/29(木)
・バイデン大統領が新型コロナウイルスワクチンを新たに接種する国民に100ドルを支給するよう地方政府に要請し、連邦政府職員にワクチン接種を義務付ける方針を発表
・米国の21年4~6月期の実質GDP成長率の発表(前期比年率+6.5%)
・中国外交部が崔天凱駐米大使の後任に秦剛外務次官が任命され米国に到着したと発表
・滴滴出行(ディディ)が株式の非公開化を検討しているとウォール・ストリート・ジャーナルが報道(ディディは否定)
7/30(金)
・米SECが米株式市場での上場を目指す中国企業に情報開示を求める方針を発表
・米財務省がキューバ警察と幹部を制裁対象に指定したと発表
・米司法省がトランプ前大統領の納税申告書を含む財務記録の下院歳入委員会への開示を内国歳入庁(IRS)に指示
・中国共産党の中央政治局会議(北京)
・香港の高等法院が香港国家安全維持法の国家分裂扇動罪とテロ活動罪で有罪判決を受けた男性に禁錮9年の実刑判決
・ユーロ圏の21年4~6月期の実質GDP成長率の発表(前期比+2.0%)
●シャーマン国務副長官の訪中
シャーマン国務副長官が中国の天津を訪問し、王毅国務委員兼外相と謝鋒外務次官とそれぞれ会談しました。
謝鋒は、米中関係は行き詰まっている、米国は中国を仮想敵としており、中国を封じ込めて抑圧しようとしていると非難。16の「米国が是正すべき間違った政策」リストと10の「中国が懸念する主要事例」のリストを渡しました。王毅も、米中関係の困難と課題の原因は米国にあるとして、中国の政治体制、中国の発展、中国の領土主権への挑戦をしないように求める3つのレッドラインを示しました。
このように中国が厳しい姿勢を示す展開は以下の記事で予測したとおりでした。今回の会談の意義と今後の展望について解説します(※メルマガで解説)。なお王毅はシャーマンとの会談の直後に天津でタリバン幹部と会談しましたが、この点にも触れます。
・「シャーマン国務副長官の訪中(中国の対米制裁)」(7/26)
●SECの中国企業の上場審査
SECが米国の株式市場で上場を目指す中国企業に対し、中国当局の許可を得ているかなど追加の情報の開示を求めるとの方針を発表しました。特に変動持分事業体(VIE)を通じた投資のリスクの説明の重要性を強調しています。SECは十分な情報を得られるまで中国企業の新規上場の承認を停止すると報じられています。
また、習近平・中国共産党総書記の主催の下、党中央政治局会議が開催されました。政治局会議は毎月開催され、3か月ごとに経済状況の確認と経済運営方針の決定が行われますが、今回の会議では21年下半期の経済運営方針が示されました。
以下の記事で、中国の今後の事業規制・投資規制を見通すにあたっては、習近平をはじめとする党幹部のメッセージを注視する必要がある、政治局や中央委員会の会議が開催されたとき、どのような発表がなされるかを注視する必要があると述べましたが、まさに今回の政治局会議の発信が重要なヒントになります。
・「中国の教育事業の規制強化(中国恒大集団の債務問題)」(7/30)
今回のSECの発表と政治局会議が示したメッセージをどう読むかについて、明日解説します。
●米国の新型コロナウイルス対策
米国内でもデルタ株の新型コロナウイルスの感染が急増しており、今月初旬時点での1日当たりの感染者数は1万3,000人程度でしたが、最近は7万7000人以上と6倍に増加しています。一方、ワクチン接種率(1回だけの接種含む)は7月4日時点では全国民の55%(成人人口の67%)でしたが、直近でも57%にとどまり、伸び悩んでいます(接種件数もピーク時の4月中旬の1日当たり330万件から最近は65万件に減少、ただし直近2週間では増加傾向に)。
このような状況の中、CDCは、ワクチンを接種しても感染拡大地域ではマスク着用を必要とする新たなガイドラインを発表。CDCのガイドラインには法的拘束力がないので地方政府の対応が必要ですが、ワシントンDCなど民主党が首長を務める地方政府ではマスク着用義務を復活させています。
また、バイデン大統領は、ワクチンを新たに接種する国民に100ドルを支給するよう地方政府に要請し、連邦政府職員にワクチン接種を義務付ける方針を発表しました。以前には否定していたワクチンパスポートの導入への方針転換を意味するものでもあります。米国のコロナ状況と対策についてコメントします(※メルマガで解説)。
●米国の超党派のインフラ法案
米上院が超党派の1.2兆ドル規模(新規支出は5,500億ドル)のインフラ投資法案の審議入りの動議を可決しました。先々週には否決されたのですが、「G10」と呼ばれる超党派の上院議員10人のグループが調整を続け、今回は共和党議員17人が民主党議員50人の賛成に加わり、60票の可決要件をクリアしました。
超党派の法案の意義と今後の展望については以下の記事で説明したとおりですが、今回の動議可決の意義と今後の展望について解説します(※メルマガで解説)。
・「米国のインフラ法案」(7/19)
●中国のワクチン外交の限界
中国は数多くの途上国に自国製のワクチンを提供する「ワクチン外交」を展開してきましたが、その実効性に限界が見えつつあります。現状と展望についてコメントします(※メルマガで解説)。
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今週の動き
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(※メルマガで解説。)
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あとがき
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■ なぜ五輪選手はメダルをかじるのか? 大会公式は「食べられません」と注意喚起(7月30日付CNN)
メダルラッシュの東京五輪。メダルをかじるのはお約束の光景ですが、大目に見てはもらえなくなったようですね。素人目線では、それも無粋というか、かじっても大丈夫な仕様にはできないものかと思いますが。
しかしなぜかじるのかといえば、メダルが本物の金でできていることを確かめる(示す)ためと思っていましたが、記事にはまったく言及がないですね。ちょっと不思議に思いました。その話はもう古いということでしょうか・・。
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