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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2021/10/18 00:00  | 今週の動き |  コメント(0)

今週の動き(10/17~23)米サプライチェーン危機、米エネルギー危機(米・サウジ)、習近平と蔡英文の演説、国際課税の合意、イラク選挙


衆議院が解散され、いよいよ10月31日に総選挙。永田町ディープスロートさんの長期連載「派閥の代理戦争」も大詰めを迎えました。

永田町さんの党人事、閣僚人事、自民党の公認争いの解説を読んでいると、政治が人間ドラマであることをあらためて思い知らされます。政策論や制度論はもちろん重要ですが、こうした生々しい人の営みもまた政治の現実。ぜひ多くの人にこの密度の濃い発信を読んでもらいたいです。

グッチーポストのオンラインサロンでは、総選挙直前の10月29日にかんべえさんとともに総選挙に関するディスカッションを行う予定です。永田町さんはもちろん、私も岸田総理に関する様々なネタを話す予定です。楽しみです。

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先週の動き
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10/10(日)
・米国とタリバンの協議(ドーハ)
・FBIと海軍犯罪捜査局が米海軍のエンジニアとその妻を原子力潜水艦の設計に関する機密情報を外国に漏洩しようとした容疑で逮捕したと司法省が発表
・双十節(中華民国の建国記念日)(蔡英文総統が演説)
・韓国の「共に民主党」の大統領候補予備選(李在明京畿道知事が選出)
・朝鮮労働党創立記念日(金正恩総書記が演説)
・イラク議会選挙(ムクタダ・サドル派を中心とする政党連合「サーイルーン」が第1勢力)

10/11(月)
・コロンブス・デー(米市場一部休場)
・米・EUの気候変動に関する閣僚級会合(オンライン)
・日米豪印の海上共同訓練「マラバール」(~14日)
・テキサス州のアボット知事が新型コロナウイルスワクチンの接種の義務化を禁止する行政命令に署名
・北朝鮮の国防発展展覧会の開幕(平壌)
・オーストリアのシャレンベルク外相が新首相に就任
・IMF・世銀年次総会(ワシントンDC・オンライン、~17日)
・生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)(昆明・オンライン、~15日)
・ノーベル経済学賞発表(デビッド・カード、ヨシュア・アングリスト、グイド・インベンス)

10/12(火)
・サリバン大統領補佐官と韓国大統領府の徐薫国家安保室長が会談(ワシントンDC)
・米・EUとタリバンが会談(ドーハ)
・米下院が債務上限を12月3日まで延長する法案を可決
・アフガンに関するG20サミット(オンライン)

10/13(水)
・バイデン大統領がサプライチェーンの混乱による物流の停滞への対策を発表
・バイデン大統領がロサンゼルス港、ロングビーチ港の関係者をはじめとする物流企業、労働組合の代表らとオンライン会談
・米主催のサイバー犯罪対策に関する国際会議(オンライン)
・クオールズFRB副議長の任期終了
・G20財務相・中銀総裁会議(ワシントンDC)

10/14(木)
・米国で債務上限を12月3日まで延長する法律が成立
・米連邦議事堂襲撃事件を調査する下院特別委員会に召喚されたバノン元首席戦略官とパテル元国防長官代行首席補佐官が同委員会を欠席
・台湾積体電路製造(TSMC)が日本で22年から工場を建設し24年末に量産を始めると発表
・レバノンのベイルートで20年8月の爆発事故の捜査をめぐり大規模な武力衝突

10/15(金)
・米・サウジ外相会談(ワシントンDC)
・中・EU首脳電話会談
・独立国家共同体(CIS)首脳会議(オンライン)
・英国の保守党のアメス下院議員がエセックス州の教会で男に刺され死亡
・アフガンのカンダハルのシーア派のモスクで爆発
・日韓首脳電話会談

●米国のサプライチェーン危機とバイデン政権

米国ではサプライチェーンの混乱による物流の停滞が深刻な問題になっています。特にアジアとの貿易の窓口として重要なカリフォルニア州のロサンゼルス港とロングビーチ港が貨物の増大に対応できず、約100隻もの貨物船がコンテナを港湾施設に積み下ろしできずに沖合で待機を強いられている状況です。

バイデン大統領は、ロサンゼルスとロングビーチの両港湾局や国際港湾倉庫労働組合とオンラインで会談し、サプライチェーン危機を解決する取り組みを発表しました。ロサンゼルス港は夜間・週末も運営を行うと発表し(ロングビーチ港は既に夜間運営を開始すると発表)、そのために港湾労働者の業務を拡充し、物流業者や荷主からも協力を得るとしています。

米国のサプライチェーン危機のポイントとバイデン政権の対策の評価について解説します(※メルマガで解説)。

●米国のエネルギー危機とバイデン政権(米・サウジ関係)

以下の記事で中国の電力不足を取り上げましたが、エネルギー危機は世界的な問題になっています。電力需要の回復にエネルギーの供給が追いつかず、資源価格の高騰と不足が続いています。

「中国の電力不足」(10/4)
 
米国も例外ではなく、すでにエネルギーコストが上昇していますが、エネルギー省エネルギー情報局(EIA)は今冬の家庭用暖房費が54%上昇するとの予測を発表しました。グランホルム・エネルギー長官が原油価格の上昇に対しあらゆる手段を検討すると表明し、バイデン大統領もエネルギー対策を協議するハイレベルの会議を開催しています。

米国のエネルギー危機の展望についてバイデン政権の対策を中心にコメントします。また、これに関連して、米・サウジ関係の最近の変化についても解説します(※メルマガで解説)。

●習近平と蔡英文の演説

10月9日、中国で「辛亥革命110周年記念大会」が開催され、習近平国家主席が演説を行いました。一方、翌10日、台湾では「双十節」の式典が開催され、蔡英文総統が演説を行いました。

中台首脳が相次いで演説を行い、習近平は中台統一、蔡英文は現状維持というそれぞれの立場を強調しました。演説のポイントと中国の外交政策の今後についてコメントします(※メルマガで解説)。

●国際課税の合意

国際課税の合意(グローバル・ミニマム・タックスデジタル課税)については前回の記事で説明しましたが、読者の方から、今後の展望や課題についてもう少し詳しく書いて欲しいとのリクエストがありました。

「国際課税の合意」(10/11)

デジタル課税については私も説明不足だったと思っていたところなので、あらためてポイントを述べます(※メルマガで解説)

●イラク議会選挙

イラク議会選挙が行われました。選挙管理委員会が10月11日に発表した暫定結果は以下のとおりです(議席数、カッコ内の数字は前回18年の選挙からの増減)。

1 サーイルーン(ムクタダ・サドル)      73(+19)
2 タカドゥム(ハルブシ国会議長、スンニ派)  43(+37)
3 法治国家連合(マリキ元首相)        37(+12)
4 クルディスタン民主党(クルド)       32(+7)
5 ファタハ連合(アミリ元運輸省、親イラン派) 20(▲28)

サドル派が第1党となり議席を伸ばしたのは以下の記事で述べたとおりの結果でしたが、予想と異なるサプライズもありました。ポイントを述べます(※メルマガで解説)

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今週の動き
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(※メルマガで解説。)
 
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あとがき
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ストーンズ、ツアーで代表曲「ブラウン・シュガー」外す 歌詞に批判(10月14日付AFP)
Brown Sugar (2009 Remaster)(18年7月24日付YouTube: The Rolling Stones)

名曲「ブラウン・シュガー」も時代の流れには勝てず・・というか、まあ実際のところ、この歌詞はとても無理ですね。

なおミック・ジャガーは、当時の恋人である黒人女性(マーシャ・ハント)をイメージしてこの歌詞を書いたと言われています。またブラウン・シュガーはドラッグ(茶色のヘロイン)を意味するスラングでもあり、奴隷制や人種・女性差別以外にもタブーとされる様々なテーマを織り込んでいると言われています。

もともと問題視されていた曲で、その危うさ故に人気を得たところもあったのでしょうが、こうしたカルチャーが許される範囲は限定されるようになり、それは「悪ガキ」ストーンズやロックでも例外ではなくなっているということですね。

日本の不良(ヤンキー)、ヤクザもの作品にその波が及ぶのも時間の問題のような気がしてきました。たとえば私が学生の頃好きだった「Vシネ」作品も歴史になっていくのでしょうか(これはもうすでにそうなっているのかもしれませんが)。

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