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The Gucci Post [国際政治・経済・金融 × プロフェッショナル]

2020/09/28 00:00  | 今週の動き |  コメント(2)

今週の動き(9/27~10/3) 米最高裁判事指名と大統領選、中国版エンティティ・リスト、国連総会、TikTok買収交渉、米大統領候補TV討論会


先週から一気に涼しくなりました。すっかり秋になりましたね。半袖・短パン・サンダルでは外に出にくくなりました(笑)。

私はどちらかというと暑がりというか、動くとすぐに体温が上がるタイプなので、室内では扇風機をつけることが多いのですが、寝るときの掛布団はタオルケットから薄い羽毛に替えました。コロナのみならず風邪にも気をつけないといけませんね。

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先週の動き
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9/20(日)
・カリフォルニア州北部地区の連邦地裁がウィーチャットの提供を禁止する大統領令の執行の差止命令
・ベラルーシで大規模な反体制デモ
・日米首脳電話会談

9/21(月)
・トランプ大統領がオラクルとバイトダンスによるTikTokの米事業の新会社設立について暫定承認を撤回する可能性があると発言
・トランプ大統領がイランとの武器取引に関わる個人・団体を制裁対象に指定する大統領令に署名
・トランプ大統領がペンシルバニア州ピッツバーグで選挙集会
・IAEA年次総会(ウィーン、~25日)
・EU外相理事会(ブリュッセル)
・マリで8月にクーデターを起こしたゴイタ大佐が1年半後に予定される総選挙まで自身が暫定副大統領に就き、暫定大統領にバ・ヌダウ元国防相を指名したと発表

9/22(火)
・国連総会一般討論演説(オンライン、~29日)
・ジョン・マケイン元上院議員のシンディ夫人が大統領選挙でのバイデン前副大統領への支持を表明
・中国の北京市第2中級人民法院(地裁)が習近平指導部を批判してきた実業家の任志強氏に収賄罪等で懲役18年の判決
・EU総務理事会(ブリュッセル)
・ロシアの野党勢力指導者アレクセイ・ナワリヌイがベルリンの病院から退院

9/23(水)
・トランプ大統領が大統領選について郵便投票が不正の温床になるとの考えをあらためて示し、民主党の「詐欺」のため、大統領選の結果は連邦最高裁で争われることになるので、最高裁判事を9人そろえることが重要と発言
・トランプ大統領が平和的な政権交代を約束するかとの記者からの質問に対し「何が起きるか様子を見る必要がある」と発言
・トランプ大統領がキューバ制裁の強化を発表
・米司法省が通信品位法230条の改正案(SNS企業への法規制の強化)を議会に提出したと発表
・バイトダンスがワシントンDCの連邦地裁に対し米政府が9月27日から予定しているTikTokの配信禁止措置の差止めを求める訴訟を提起
・カリフォルニア州のニューサム知事が2035年に州内で販売される全ての新車を排ガスを出さない「ゼロエミッション車」にするよう義務づけると発表
・米上院の国土安全保障・政府問題委員会と財政委員会がバイデン前副大統領の息子のハンター・バイデンがオバマ政権下でウクライナ企業幹部を務めたことに利益相反の疑いがあるとする共同の報告書を発表
・バイデン前副大統領がノースカロライナ州シャーロットを訪問
・ケンタッキー州ルイヴィルの裁判所が3月に黒人女性ブリオナ・テイラーが警官に射殺された事件について元警官1人は隣人を不当に危険にさらした罪で起訴された(同行警官2人は不起訴)と発表(各地で抗議デモが発生)
・NY州の裁判所がトランプ・オーガニゼーションが不動産価値を不正につり上げた疑惑についてエリック・トランプ副社長に対し10月7日までに宣誓証言を行うよう命令
・ベラルーシのルカシェンコ大統領が事前予告なく就任式を実施(ミンスク)
・日英首脳電話会談

9/24(木)
・トランプ大統領がノースカロライナ州シャーロットとフロリダ州ジャクソンビルを訪問
・ワシントンDCの連邦地裁がバイトダンスによるTikTokの配信禁止措置の差止めを求める訴訟において、米政府に対し9月27日予定の禁止措置を延期するか追加資料の提出を求める命令
・トランプ政権下で統合参謀本部副議長を務めたポール・セルバ元空軍大将を含む安全保障の専門家489人がバイデン前副大統領を支持する公開書簡を発表
・香港当局が民主活動家の黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏を無許可集会参加容疑で逮捕・起訴
・EU臨時首脳会議が延期
・日韓首脳電話会談

9/25(金)
・G7財務相会議(テレビ会議)
・日中、日印首脳電話会談

9/26(土)
・トランプ大統領が連邦最高裁判事にエイミー・コニー・バレット判事を指名
・レバノンで8月末に新首相に指名されたアディブ前駐独大使が組閣を断念し辞任すると表明
・インド・スリランカ首脳会談(ラジャパクサ首相)(オンライン会談)

●米最高裁判事の指名と大統領選の正当性をめぐる論争

トランプ大統領が故ルース・ベイダー・ギンズバーグ(RBG)連邦裁判所判事の後任にエイミー・コニー・バレット判事を指名しました。

バレットは、以下の記事で述べたとおり、ブレット・カバノー指名のときにも最有力候補とされた判事です。詳しくは後述しますが、大本命の人材を選んだといえます。

「連邦最高裁判事の指名」(18/7/9)
「カバノー最高裁判事候補の性的スキャンダルと指名承認の混迷」(18/10/3)

これに先立ち、トランプは、大統領選について、郵便投票が不正の温床になるとの考えをあらためて示し、民主党の「詐欺(scam)」のため、大統領選の結果は連邦最高裁で争われることになるので、選挙前に最高裁判事を9人そろえることが重要と発言しました。また、平和的な政権交代を約束するかとの記者からの質問に対しては、「何が起きるか様子を見る必要がある」とも述べています。

マコーネル上院院内総務は、以下の記事で述べたとおり、大統領の指名を受けて速やかに上院で採決を行うことを宣言しています。共和党上院議員で選挙前の採決に慎重な見解を示しているのは、スーザン・コリンズリサ・マコウスキーにとどまります。

「ギンズバーグ最高裁判事の死去」(9/21)

今回の最高裁判事の指名の意義と展望、大統領選・議会選との関係についてコメントします(※メルマガに限定)。

●中国版「エンティティ・リスト」の発表

先々週(9月19日)に中国商務省が「信頼できないエンティティ・リスト(UEL)」に関する規則を公表し、即日施行しました。これは、米商務省による中国企業のエンティティ・リストへの掲載を受け、昨年6月から中国が報復手段として検討すると表明し、それ以降何度も取り沙汰されながら見送られてきたものですが(以下の記事参照)、ついにその姿を現しました。

「ウイグル人権法案の下院可決」(19/12/10)

今回の発表の意義と展望についてコメントします(※メルマガに限定)。

●国連総会一般討論演説

各国首脳の一般討論演説は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、原則として録画映像の配信という形式で実施されました。

トランプ大統領は、「世界にコロナを拡大させたのは中国、責任をとらせる必要がある」として中国を痛烈に批判。「WHOは中国共産党に完全に支配されている」とも発言。聞きなれた内容ですが、国連での演説でも、想定している聴衆は米国民のように感じられました。

演説の最後に米国が「アメリカ・ファースト」を追求するように各国もそうすべきだ、それでいいんだとアドバイス(?)。これもまた、国連でそれを言ってどうするんだとも思いますが・・。

首相も国際舞台へのデビューを果たしました。オリンピックについては、言及しないわけにはいかず、現時点ではこのように述べるしかないでしょうね。

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今週の動き
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9/27(日)
・ワシントンDCの連邦地裁がバイトダンスによるTikTokの配信禁止措置の差止めを求める訴訟について判決
・TikTokの米国内での提供の禁止措置が発効
・G20エネルギー相会議(テレビ会議、~28日)

9/29(火)
・米大統領候補の第1回テレビ討論会(オハイオ州クリーブランド)

10/1(木)
・中国国慶節
・EU臨時首脳会議(ブリュッセル、~2日)

●TikTok買収交渉の混迷

TikTok買収交渉は、オラクルの発表(以下の記事参照)とトランプ大統領の承認発言により決着に向かったように見えましたが、その後の状況が混迷を極めています。まだまだ状況が不透明ですが、現時点でのコメントを述べます(※メルマガに限定)。

「TikTokの買収交渉とウィーチャットの使用禁止」(9/21)

●米大統領候補の第1回テレビ討論会

トランプ大統領とバイデン前副大統領のテレビ討論会がいよいよ始まります。初回は激戦州であるオハイオ州クリーブランドにあるケース・ウエスタン・リザーブ大学で行われます。

モデレーターはFoxのクリス・ウォレス。Foxで最も中立的でフェアな見方をすると評価されているニュース・アンカーです。7月にはトランプへのインタビューで厳しいツッコミを連発しました。

テレビ討論会のセオリーについては、16年大統領選のときに書いた以下の記事をご参照下さい。

「米国大統領選:第1回テレビ討論会のポイント」(16/9/26)

上記記事で書いたとおり、一般的にテレビ討論会では、議論よりもビジュアルを含めた印象、失点を防ぐことが重要になります。また、ほとんどのケースでは、選挙の結果に大きな影響を与えません。

これを今回の討論会にあてはめると、やはり注目点は一点に絞られます。バイデンが後々に尾を引くほどの大失態をさらすかどうかです。

トランプは16年大統領選のときと同様、ファクトチェックを一切意に介することなく、得意のペースでバイデンを揺さぶるでしょう。バイデンとしては、その揺さぶりに混乱させられることなく、冷静に対処できるかが勝負になります。正直なところかなり不安ですが(苦笑)、ただ元々の期待値が「Sleepy Joe」なだけに、ハードルは低いと考えられます。

まずは、両候補のお手並み拝見といきましょう。楽しみです。

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あとがき
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先週(9月24日)はぐっちーさんの一周忌でした。月日が経つのは早いものですね。

ぐっちーさんが亡くなってから1年の間に色々なことがありました。トランプ政権、コロナ、BLM、大統領選・・これらについて、ぐっちーさんならどう語っていたんだろうか、と思います。

かんべえさんもツイッターに書いて下さっていますが、昨年の7月には一緒に福島の温泉に行きました(こちらの記事の「あとがき」参照)。私にとってはこのときがお目にかかる最後の機会になってしまったのですが、最後の最後まで、朝まで文字どおり裸の付き合いができて、本当に良かったと思います。

たまにウェブサイトで過去の記事を振り返っています。今読んでも色々と勉強になります。グッチーポストは「ぐっちーさんライブラリー」のようになっています。こうしてアーカイブとして残すことができて、本当に良かったと思います。読者の皆様に御礼申し上げます。

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2 comments on “今週の動き(9/27~10/3) 米最高裁判事指名と大統領選、中国版エンティティ・リスト、国連総会、TikTok買収交渉、米大統領候補TV討論会
  1. KB より:
    お若い!!

    バレット氏はまだ40代なのですね、若くて驚きました!ご家族と一緒にいるところを見ると、普通のお母さんという感じでいい意味で違和感が。
    それにしても、彼女が仮にRBGのように勤め上げたとしたら30年近くその座につく、ということなのでしょうか?終身制とは改めてすごいですね。
    でも、なぜ任期を決めないのか?とも思います。終身制だからこそ、こうした外からの圧力にさらされやすいのでは?とおもったり・・・。

    そんなこんなで、いよいよトランプVSバイデンのTV討論会スタート!楽しみです。

  2. オーカワ より:
    テレビ討論会

    TL討論会ですね!
    次週のメルマガ楽しみしてます!

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