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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2019/07/08 00:00  | 今週の動き |  コメント(2)

今週の動き(7/7~13)


七夕でしたね。先週は地方に行く機会があり、東京にいるときよりも七夕のムードが感じられました。

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先週の動き
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6/30(日)
・米韓首脳会談(ソウル)
・米朝首脳会談(板門店)
・クドロー大統領補佐官がファーウェイは「エンティティ・リスト」に残り続けるが、汎用品の輸出は認めると発言
・トランプ政権が北朝鮮の核問題について核開発の「凍結」で合意することを検討しているとの報道(ボルトン大統領補佐官は否定)
・中国が石油や天然ガスの探査・開発等の7分野で外資規制を緩和すると発表
・EU臨時首脳会議(ブリュッセル、~7/2)
・安倍首相がサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子と会談(東京)
・日本が国際捕鯨委員会(IWC)から脱退

7/1(月)
・イランのザリーフ外相が低濃縮ウラン貯蔵量は核合意で定められた上限(300キロ)を上回ったと発表(ポンペオ国務長官はイランの核開発が進めば経済的圧力を強化すると警告)
・米民主党のオカシオ・コルテス下院議員がメキシコ国境近くの移民収容施設を訪問し管理体制を批判
・香港返還22周年(香港の民主派団体が「逃亡犯条例」の改正案に反対するデモを実施、立法議会を一時占拠)
・イタリアが19年の予算を修正(財政赤字をGDP比2.4%から2.04%に引き下げ)
・OPEC総会(ウィーン)
・世界経済フォーラム夏季会合(夏季ダボス会議)(大連、~3日)
・日・トルコ首脳会談、日・ベトナム首脳会談(東京)
・日本が韓国に輸出する半導体材料の審査の厳格化と安全保障上の友好国(ホワイト国)の指定の取消しを発表

7/2(火)
・トランプ大統領がFRB理事にセントルイス地区連銀のクリストファー・ウォラー調査局長とEBRDのジュディ・シェルトン米国代表を指名する意向をツイート
・ナバロ通商製造政策局長がファーウェイの輸出は安全保障に影響しないローテク製品に限り認めると発言
・米商務省が20年の国政調査について市民権に関する質問を追加せずに印刷を始めると発表
・米下院の歳入委員会が財務省のトランプ大統領の納税記録の提出拒否は違法として連邦地裁に提訴したと発表
・李克強首相が金融分野での外資規制の撤廃を当初予定の21年から20年に前倒しすると発表
・ファーウェイの任正非CEOがトランプ大統領の制裁緩和の方針について「大きな影響はない」との考えを表明
・EU臨時首脳会議の最終日(ECB総裁にフランスのラガルドIMF専務理事、欧州委員長にドイツのフォンデアライエン国防相、欧州理事会議長にベルギーのミシェル首相、外交安全保障上級代表にスペインのボレル外相を指名)(ブリュッセル)
・OPECと非加盟主要産油国との生産調整会議(「OPECプラス」の常設化で合意)(ウィーン)
・リビアのトリポリ近郊の移民収容所が空爆を受ける

7/3(水)
・トランプ大統領が「中国と欧州は為替操作ゲームをしている」とツイート
・トランプ大統領が20年の国勢調査について市民権に関する質問の追加を引き続き検討すると表明
・米国防総省の報道官が中国は南シナ海で弾道ミサイルの発射実験を実施していたと発言
・米財務省がキューバ国営の石油商社への経済制裁を発表
・イランのロウハニ大統領が7月7日以降にウラン濃縮度を高める方針を表明
・北朝鮮の国連代表部が米国は「対話を語る一方で、北朝鮮への敵対行為にますます躍起になっている」として米国を批判する声明を発表
・ロシアでINF廃棄条約の履行を停止する法律が成立
・欧州議会がイタリア出身のサッソリ議員を新議長に選出
・スーダンの軍政と民政移管を求める市民側の組織が新たな統治機構の設置で合意

7/4(木)
・米独立記念日式典(トランプ大統領が演説)(ワシントンDC)
・米共和党のアマーシュ下院議員が共和党からの離党を発表
・ロシア・イタリア首脳会談(ローマ)
・プーチン大統領がローマ法王と会談(バチカン)
・英領ジブラルタルの自治政府がEU制裁に違反してシリアへ原油を輸送していたと疑われるイランの石油タンカーを拿捕
・豪州のモリソン首相が北朝鮮で拘束された豪州人男性の帰国を発表
・国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)がベネズエラ情勢の報告書を発表

7/5(金)
・FRBが金融政策報告書(ハンフリー・ホーキンス報告書)を公表

7/6(土)
・米英首脳電話会談
・トルコのエルドアン大統領が中銀のチェティンカヤ総裁を解任(後任はウイサル副総裁)

●日本の対韓輸出規制

日本政府が、韓国への半導体材料(フッ化ポリイミド、半導体製造に使うレジスト(感光材)、エッチングガス(高純度フッ化水素))の輸出審査を7月4日から厳格化しました。これまでの包括的な許可ではなく、輸出ごとの許可が求められるようになりました。

また、8月頃に政令を改正して、安保上の友好国である「ホワイト国」の指定から韓国を除外する方針を発表しました。これにより、軍事転用の恐れがある先端技術や電子部品を日本から輸出する際に、やはり個別に許可の取得が必要になります。

経産省は、今回の措置をとる理由について、「輸出管理制度は、国際的な信頼関係を土台として構築されているが、日韓間の信頼関係が著しく損なわれたと言わざるを得ない状況にある」「韓国との信頼関係の下に輸出管理に取り組むことが困難になっていることに加え、韓国に関連する輸出管理をめぐり不適切な事案が発生した」「輸出管理を適切に実施する観点から、厳格な制度の運用を行う」と述べています。一方、安倍首相や菅官房長官は、元徴用工問題に対する韓国の対応を問題視し、それによって「信頼関係が損なわれた」と述べています。

これに対し、韓国側は、元徴用工問題への「報復措置」として遺憾を表明し、WTOに提訴する方針を述べました。

日本が、単独でこのような制裁的な措置をとるのは極めて異例です。また、政府の説明が分かりにくいと感じた人もいるかと思います。これらの点を含め、今回の措置が政治的・外交的・法的にどのような意味をもつことになるのかについて、今週解説します。

●ファーウェイ制裁の緩和

前回の記事でとりあえずのコメントを書きましたが、その後の状況を踏まえて説明を補足します(※メルマガに限定)。

「米中首脳会談」(7/3)

●第3回米朝首脳会談(補足)

前回の記事でとりあえずのコメントを書きましたが、説明を補足します(※メルマガに限定)。

「第3回米朝首脳会談」(7/1)

●共和党のアマーシュ議員の離党

共和党のジャスティン・アマーシュ下院議員は、以下の記事で述べたとおり、トランプ大統領の弾劾を求めるなど、共和党にもかかわらずトランプに厳しい批判を浴びせてきた議員です。

「共和党のアマーシュ議員の弾劾要求」(5/27)

上記記事で、アマーシュがリバタリアン党の候補として大統領選に出馬する可能性を指摘していました。今回の離党はおそらくそのステップです。

すでにお伝えしたように、アマーシュが出馬すれば、相当数の共和党の票がトランプから流れるでしょう。特にアマーシュの出身州は超重要州のミシガンですから、決定的な影響を及ぼす可能性もあります。日本ではほとんど報じられていませんが、アマーシュをめぐる動向には注視が必要です。

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今週の動き
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7/7(日)
・イランが核合意で定められたウラン濃縮度の上限を超えてウラン濃縮を行うと発表
・ギリシャ総選挙

7/8(月)
・ビーガン北朝鮮担当特別代表がブリュッセルとベルリンを訪問(~11日)
・ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル)

7/9(火)
・米・カタール首脳会談(ワシントンDC)
・EU財務相理事会(ブリュッセル)

7/10(水)
・パウエルFRB議長が下院金融委員会で金融政策報告書に関する証言
・IAEA特別理事会(ウィーン)

7/11(木)
・パウエルFRB議長が上院銀行委員会で金融政策報告書に関する証言
・台湾の蔡英文総統がカリブ諸国(セントビンセント・グレナディーン、セントルシア、セントクリストファー・ネビス、ハイチ)を訪問し、その経路で米国に4泊滞在(~22日)
・ASEAN国防相会議(バンコク)

7/12(金)
・AIIB年次総会(ルクセンブルク、~13日)

●イランの核合意履行の段階的停止

先週、ザリーフ外相が低濃縮ウラン貯蔵量は核合意で定められた上限(300キロ)を上回ったと発表しました。

また、以下の記事で述べたとおり、イランは、5月8日、英独仏が60日以内にイランへの支援を行わなければ、核合意で定められたウラン濃縮度の上限(3.67%)を超えて濃縮を行うと表明していました。

「イランの核合意履行の一部停止宣言と米国のイラン制裁強化」(5/13)

イランが設定した期限は7月7日に到来。当日、イランは、核合意で定められた上限を超えてウラン濃縮を行うと発表しました。

このように、イランは核合意の義務の履行を段階的に停止しており、イランを敵視する米国のみならず、核合意の維持を望む英独仏も問題視しています。イランの意図と今後の展望について、今週解説します。

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あとがき
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週末は、ぐっちーさんやかんべえさんたちと温泉に行ってきました。食事、入浴、密談・・と大変楽しいひと時でした。遅ればせながら誕生日お祝いもさせていただきました。翌朝、お二人は競馬場に向かわれましたが、どうだったでしょうか。祝勝会を楽しみにしております(笑)。

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2 comments on “今週の動き(7/7~13)
  1. KB より
    まさか

    ボルトンの行方、気になります。「トランプのサプライズ人事」って(笑)、いよいよ、あの女性が登場でしょうか!?今週の記事が楽しみです!
    そして、対韓輸出規制の読み解き方、アウトラインがとても分かりやすかったです。日本がやや「割れている」印象がありますが、参院選も少なからず影響しているのかと思ったりもしましたが?性急に結論を出そうとして何も得られない、というのでは困ってしまいますが…。政治的・外交的だけでなく「法的」な面からもポイントがあるとはJDさんのメルマガならでは。こちらも楽しみにしています!

  2. china より
    ブラックボックス

    ブラックボックスな北朝鮮ではありますが、金正恩も本気にならざるを得ない状況なのかもしれないですね。
    国内の経済状況は勿論の事、第2回米朝首脳会談の失敗を受け立場が危ういとまではいかないでしょうが、反対勢力の動きがあったりするのかな・・・といくつかのニュースを見て思ったりしています。
    いずれにしても本気モードの金正恩とボルトン抜きのトランプ政権で、変に勢いづいて中途半端なところに着地しないことを祈るばかりです。

    アマーシュのミシガンは先日もメルマガで仰っていた超重要州ですね。2016年にトランプが接戦で奪い取った州。アマーシュが出馬して票が割れてくれれば民主党としては願ったり叶ったりでしょうね。そういえば、トランプがまたツイッターでバイデンを叩いていたのですが、やはり彼の中ではまだジョー・バイデンが最有力候補ということなのでしょうか・・。あれだけ支持率を落としたのに・・(それでもまだ1位だから?)。第1回目のTV討論会ではやらかしてしまいましたが、あの憎めないおじさんキャラ(見慣れてくるとなんだかキュート)をまだ見ていたい気もするので、個人的には頑張ってほしいです。

    温泉良いですね。温泉って大体自然あふれる中にあるので、普段騒がしい街で働いている人にとっては大きな癒しですよね。私が今までで一番癒されたなと感じた瞬間は、今くらいの季節で人の少ない浜辺に寝転がって波の音が聞こえてきた時です。目を閉じて聞く波の音にあんなに癒し効果があるとは思っていなかったので、余計にリフレッシュ出来たのかもしれません。

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