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The Gucci Post [国際政治・経済・金融 × プロフェッショナル]

2020/09/21 00:00  | 今週の動き |  コメント(1)

今週の動き(9/20~26) ギンズバーグ最高裁判事死去、TikTok買収交渉、イスラエル・UAE・バーレーン国交正常化、米国務次官訪台、中EU首脳会議、ルカ・プーチン会談、国連総会


新政権が発足しました。派閥のバランスと経験を重視し、菅首相らしい堅実な陣容という印象です。

ただ、まずは解散総選挙をどうするかですね。その結果を見ないと長期的な見通しが立たない事情もあります。来年は都議選やオリンピックもあり、9月の自民党総裁任期満了までに行うことは(総裁選を延期するという裏技でもない限り)極めて厳しい状況です。年内であればもう選択肢は限られてきますが(おそらく11月総選挙)、さてどうなるでしょう。

先週、FBコミュニティのオンライン懇親会を行いましたが、こうした日本の政局も含めて、様々なテーマについて意見交換を行いました。これからも色々な企画を検討したいと思っています。FBコミュニティにご関心がある方は編集部にご連絡下さい。

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先週の動き
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9/13(日)
・トランプ大統領がネバダ州ヘンダーソンで選挙集会
・バイトダンスがTikToKの米国事業のマイクロソフトへの売却を拒否したとマイクロソフトが発表(オラクルが提携先として選ばれたとの報道)
・ブルームバーグ前NY市長が大統領選においてバイデン前副大統領を支援するためフロリダ州で1億ドルを投じると発表
・エヌビディアがソフトバンクグループから英半導体設計アームを買収すると発表
・ロシア地方選挙(与党「統一ロシア」が18地域の首長選の全てで勝利)
・ベラルーシで大規模な反体制デモ・集会
・イスラエルが新型コロナウイルス対策として再度のロックダウンを実施

9/14(月)
・トランプ大統領が山火事の被害を受けているカリフォルニア州を訪問
・米国が中国の新疆ウイグル自治区にある事業体からの綿花、繊維製品、衣料品、ヘア製品、コンピューター部品の輸入を禁止する方針を発表
・駐中国米国大使館がブランスタッド大使の退任を発表
・TikToKの米国事業に関するバイトダンスと米企業の提携について財務省に提出された提案にオラクルが提携相手とされていることをオラクルが発表
・中国・EU首脳会議(習近平国家主席、フォンデアライエン欧州委員長、ミシェル欧州理事会議長、メルケル首相)(テレビ会議)
・ロシア・ベラルーシ首脳会談(ソチ)
・仏ロ首脳電話会談
・英下院がBREXIT協定の一部を無効化する「国内市場法案」の基本方針を可決
・自民党総裁選(両院議員総会)(菅官房長官が新総裁に選出)

9/15(火)
・イスラエルとUAE・バーレーンの国交正常化合意に関する調印式(ワシントンDC)
・サウジがパレスチナ問題の公正な解決を支持すると改めて表明
・トランプ大統領がTikTokとオラクルの事業提携案を承認するか検討すると発言
・WTOの紛争処理小委員会が米国の対中制裁関税はWTOルールに違反するとの判断(USTRのライトハイザー代表はWTOの判断を批判しWTOの改革を要求する声明)
・ボブ・ウッドワードの新著『Rage』が発売
・米商務省のファーウェイに対する事実上の禁輸措置の強化措置が発効
・TikTok買収交渉の期限
・FOMC(~16日)
・バイデン前副大統領がフロリダ州タンパとキシミーで選挙集会
・国連総会開幕(NY)

9/16(水)
・米上院委員会の小委員会公聴会でレッドフィールドCDC所長が証言(新型コロナウイルスのワクチンが国民に供給されるのは21年第2四半期の後半か第3四半期になると発言、トランプ大統領は同所長の発言を「間違い」として20年末までに1億回分を供給できると発言)
・エスパー国防長官が日本を含む同盟国に国防費をGDP比で少なくとも2%に増やしてほしいと表明
・米司法省が中国人ハッカー5人を起訴
・EUのフォンデアライエン欧州委員長の施政方針演説(ストラスブール)
・リビアの暫定政権のシラージュ首相が10月末までに辞任する意向を表明
・臨時国会召集(首相指名選挙)(菅自民党総裁が新首相に選出)

9/17(木)
・トランプ大統領がウィスコンシン州モサイニーで選挙集会(農家向けに130億ドルの追加支援を表明)
・トランプ大統領が歴史教育に関する(「1776委員会」を設置する)大統領令に署名
・ポンペオ国務長官がスリナム、ガイアナ、ブラジル、コロンビアを訪問(~19日)
・クラック国務次官(経済担当)が訪台(~19日)
・米財務省が外国政府や個人、旅行会社等へのサイバー攻撃に関与したとしてイランのハッカー集団と企業、プログラマーら45人を制裁対象に指定したと発表
・バイデン前副大統領がペンシルバニア州ムージックでCNNのタウンホール会合に出席
・ADB総会(テレビ会議、~18日)

9/18(金)
・トランプ大統領がミネソタ州ベミジで選挙集会
・トランプ大統領が新型コロナウイルスのワクチンは21年4月までにすべての米国人に供給できるとの見通しを表明
・米商務省がTikTokとウィーチャットの米国内での提供を9月20日に禁止する(TikTokへのサーバー提供等は11月12日に禁止する)と発表
・バイデン前副大統領がミネソタ州ダルースの職業訓練センターを訪問
・米連邦最高裁のルース・ベイダー・ギンズバーグ判事が死去

9/19(土)
・トランプ大統領がノースカロライナ州ファイエットビルで選挙集会
・ポンペオ国務長官が国連安保理によるイラン制裁の復活(スナップバック)を宣言
・オラクルとTikTokが事業提携策で基本合意したと発表(トランプ大統領は大枠で承認したと発言、米商務省はTikTokの米国内での提供禁止を9月27日まで延期すると発表)
・中国商務省が「信頼できないエンティティ・リスト」に関する規則を公表
・台湾の李登輝元総統の告別式(台北郊外)
・タイで大規模な反政府デモ

●ギンズバーグ最高裁判事の死去

ルース・ベイダー・ギンズバーグ(RBG)最高裁判事の訃報がありました。87歳。RBGは、以下の記事でお伝えしてきたとおり、「リベラルのレジェンド」とも言われる巨大な存在感をもった裁判官でした。

「トランプの国家非常事態宣言(あとがき)」(19/2/20)
「映画『バイス』『RBG』『ビリーブ 未来への大逆転』」(19/4/12)

米国内では大きな衝撃をもって受け止められ、トランプ大統領含め、様々な人々から追悼のメッセージが寄せられています。ご冥福をお祈りします。

言うまでもなく、これから大きな焦点になるのは後任人事です。トランプは速やかに保守派の判事を指名すると述べ、マコーネル上院院内総務は指名を受けて上院で採決を行うことを宣言しています。これに対し、当然のことですが、民主党は11月の選挙後にすべきだと主張しています。

16年3月にアントニン・スカリア判事が死去したとき、オバマ大統領(当時)はメリック・ガーランド判事を指名しましたが、マコーネルは選挙後にすべきとして上院審議を拒否しました(以下の記事参照)。シューマー上院院内総務はそのときマコーネルが述べた「米国人が次期最高裁判事を決めるべきだ。だから新大統領の選出まで待つべきだ」という発言をそのまま述べています。

「スカリア最高裁判事の死去」(16/3/2)

まだ情勢は不透明ですが、ポイントを述べます(※メルマガに限定)。

●TikTokの買収交渉とウィーチャットの使用禁止

米企業によるTikTokの米国事業の買収については、オラクルバイトダンスが提携策で基本合意したと発表しました。その提携策が安全保障上の懸念を解消するものとして認められるか、米国外国投資委員会(CFIUS)と商務省が審査を行っていますが、トランプ大統領は「大枠で承認した」と述べました。

商務省はTikTokとウィーチャットの米国内での提供を9月20日に禁止すると発表しましたが、TikTokについては、提携策の発表を受け、27日に延期。またサーバー提供等については、ウィーチャットは同日から禁止されますが、TikTokについては11月12日まで認められるとされています。

今後について、まだ不透明な部分が多く残っていますが、現時点でのコメントを述べます(※メルマガに限定)。

●イスラエル・UAE・バーレーンの国交正常化の調印式

イスラエルとUAE、バーレーンとの間の国交正常化の合意の調印式がホワイトハウスで行われました。トランプ大統領、ネタニヤフ首相、UAEとバーレーンの外相が出席し、3か国はそれぞれ合意文書に署名。93年のオスロ合意でクリントン大統領、ラビン首相、アラファト議長が並んだ場面を思い出させる光景でした。

調印式後の記者会見でトランプは、さらにアラブの5~6か国がイスラエルと国交正常化で合意する可能性があると発言。イスラエルが反対するUAEへのF-35戦闘機の売却交渉を続ける姿勢も表明しました。

ポイントは以下の記事で述べたとおりですが、あらためてコメントします(※メルマガに限定)。

「イスラエル・UAEの国交正常化」(8/19)
「イスラエル・バーレーンの国交正常化合意」(9/14)

●米国務次官の訪

先週、報道ベースで伝えられていたキース・クラック国務次官(経済成長、エネルギー、環境担当)の訪台が実現しました。蔡英文総統は夕食会を主催し、TSMC創業者の張忠謀も出席しました。ポイントは以下の記事で述べたとおりです。

「米国務次官の訪台」(9/14)

中国は当然反発しています。なおクラックは職業外交官ではなく、昨年政治任用で就任したビジネスマンです。大学からの中国の影響力排除など中国への牽制において存在感を示してきました。

トランプ政権は、選挙前に長距離ミサイルを含む武器売却を台湾に行う可能性が高いとみられています。政権交代の可能性を念頭に置いて、その前にできるだけ台湾との関係を強化しておきたいという親台派の意向も影響しているとみられます。

●中国・EU首脳会議

中国・EU首脳会議がオンライン形式で開催されました。ポイントは以下の記事で述べましたが、投資協定については、双方がそれぞれの立場を主張し、大きな前進には至らなかった模様。

「中国・EU首脳会議」(9/14)

EU側の経済関係を強化する姿勢に変わりはないものの、香港やウイグル問題といった経済以外のイシューが重視されており、欧州における中国への認識が厳しくなっていることがあらためて示されました。

●ルカシェンコとプーチンの会談

プーチン大統領はルカシェンコ大統領に対する支援へのコミットメントを表明。詳細は明らかになっていませんが、ポイントは以下の記事で述べたとおりです。

「ルカシェンコとプーチンの会談」(9/14)

抗議デモは継続し、チハノフスカヤら海外に亡命した野党指導者は発信を続けていますが、ルカシェンコはプーチンのバックアップを受け、大規模な衝突を避けながらも、治安部隊による取り締まりを続けています。やはりベネズエラのような状況が続くとみられます。

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今週の動き
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9/21(月)
・IAEA年次総会(ウィーン、~25日)
・EU外相理事会(ブリュッセル)

9/22(火)
・国連総会一般討論演説(オンライン、~29日)
・EU総務理事会(ブリュッセル)

9/24(木)
・EU臨時首脳会議(ブリュッセル、~25日)

●国連総会の一般討論演説

各国の首脳が演説を行いますが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、原則として録画映像の配信という前例のない形式で実施されます。菅首相のデビューになりますね。

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あとがき
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メラニア夫人の故郷にブロンズ像設置、火つけられた木像の代わりに スロベニア(9月17日付CNN)

こちらの記事こちらの記事の「あとがき」でお伝えしてきたスロベニアのメラニア夫人像、今度はブロンズ像が建てられたとのこと。デザインはあの木像とまったく同じですね(笑)。

ブロンズの色ならまだ風景に溶け込んで、景観に与える影響も少なそうですが、それでもブロンズにしたのは火をつけられても大丈夫だということで、やはり放火の心配はされているようです。それでもなお建設を続ける製作者の執念がすごいですね。

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One comment on “今週の動き(9/20~26) ギンズバーグ最高裁判事死去、TikTok買収交渉、イスラエル・UAE・バーレーン国交正常化、米国務次官訪台、中EU首脳会議、ルカ・プーチン会談、国連総会
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    持ってますね

    不謹慎な表現ではありますが、やはりトランプ、持っているのでしょうか。体調がすぐれないとは言われていましたが、RBGがこのタイミングでこの世を去るとは・・・。ご冥福をお祈りするとともに、何ともザラッとした感じがしました。
    ただ、ここまで幾度となくRBGや米国の最高裁の仕組みについてご解説をいただいていたので、コトの重大さはとてもよく理解ができます。

    色々なニュースをその度に自分の方に引き寄せているような感じのトランプ大統領。あと6週間で何をしてくるのでしょうか。

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