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The Gucci Post [ぐっちー編集長の金融・経済を中心としたオピニオンブログ News Paper]

2019/04/12 05:00  | 映画・文学・芸術 |  コメント(6)

映画『バイス』『RBG』『ビリーブ 未来への大逆転』

VICE | Official Trailer
RBG – Official Trailer
ON THE BASIS OF SEX – Official Trailer

ディック・チェイニー元副大統領の伝記映画『バイス』(アダム・マッケイ監督、18年公開)、ルース・ベイダー・ギンズバーグ最高裁判事の伝記映画『RBG』(ジュリー・コーエン、ベッツィ・ウェスト監督、18年公開)と『ビリーブ 未来への大逆転(On the Basis of Sex)』(ミミ・レダー監督、18年公開)を見ました。たまたま米国人の伝記映画を立て続けに見ることになり、現代史の復習になっています(笑)。

●『バイス』

『バイス』は、イラク戦争や国家による市民の盗聴を主導した稀代の権力者の半生を扱った作品ですから、ハードな社会派ドラマと思うかもしれませんが、演出は驚くほど大胆かつユーモラスで、本国ではコメディーとして分類されているのもうなづけます。監督は『マネー・ショート』(15年公開)のアダム・マッケイと聞いて、なるほど、あのテイストとよく似ているなと思いました。ブラッド・ピット製作、クリスチャン・ベール主演も同じですね。

世界を揺さぶるチェイニーの動きはダイナミックですが、映画はその普段の振る舞いや日常生活に主眼を置いており、ダース・ベイダーのように不敵に権力の頂点に君臨しながら、どこか滑稽で無様な一人の人間の姿が浮かび上がります。権力者の孤独や闇将軍の人間味といった、見る者に共感を呼び起こすようなエモーショナルな描写はなく、ただ「現代のマクベスとはこんなものか」といった乾いた印象が残ります。

しかし、チェイニーは、マクベスのように滅ぶことなく、その体現するものは健在どころか、むしろ強くなっているように見えます。今のトランプ政権につながる、権力志向の保守政治に対する強い問題意識を感じます。それを声高に叫ぶのではなく、笑いと虚しさで風刺するところがこの作品の真骨頂と思います。

●『RBG』『ビリーブ 未来への大逆転』

ギンズバーグ判事については、最近流行している「ノトーリアスRBG」というニックネーム(『RBG』でも取り上げられ、ギンズバーグ本人が「気に入っている」と述べる場面も出てくる)含め、以下の記事のあとがきで書きました。

「トランプの国家非常事態宣言」(2/20)

『RBG』には、ギンズバーグの写真や映像が沢山出てきますが、若い頃は大変な美人だったことに驚きます。86歳の今も、独特のエレガントな迫力がありますが(小柄な体格と眼鏡が特徴的で、その容姿も若者人気の一因でもあるようです)、意外にも(といっては失礼かもしれませんが(苦笑))かつてはどちらかといえば控えめで、子役モデルのような可憐さがあったようです。もちろん時代の影響もあったのでしょう。

『ビリーブ』は、ギンズバーグが自らの力で時代を動かした場面をテーマにしており、それはそれで魅力的な作品になっていますが、『RBG』は長きにわたる半生をテーマにしており、あわせてみると、一人の女性が時代の変化とともに成長する姿を見ることができます。当時の映像を見ながら振り返ると、米国も世界も人々も、本当に変わったなあとあらためて実感します。

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特別レポート
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あとがき
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サッカー=22年W杯、オマーンとクウェートでも試合開催検討との報道(3月7日付ロイター)

これはカタールにしてみればショックでしょうね。1月のUAEでのアジアカップでもカタール代表やサポーターは大変な目にあいました。オマーンやクウェートとの共催は現実的に不可能ではないでしょうか。

振り返ってみると、02年の日韓共催ワールドカップも、今となってはよくできたものだなあ・・と思います。私は当時米国にいたので、テレビで試合を見ていました。今の状況を考えると複雑な気持ちになりますね。

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6 comments on “映画『バイス』『RBG』『ビリーブ 未来への大逆転』
  1. KB より:
    気になる

    同じ資源国でも先進国の仲間入りができるかどうかの違いなど、考えたことがなかったですが、政治や外交等と密接に関係していて、興味を覚えました。
    かつて、ジョコが、自国の資源採掘が全く進んでいないことに苦言を呈した、というニュースを目にしたことがあり、アジアの資源国と言われながら、インドネシアには「宝の持ち腐れ」的な印象を持っていましたが…
    今はその魅力を活かしきれていないだけなのでしょうか?
    ネシアの今後と映画「バイス」が気になります(笑)

  2. china より:
    RBG

    RBGが、米国メディア「フォワード」 の公開対談イベントで語っていた母の教えというのがとても心に残っています。(もしかしたら映画の中でも言及されているでしょうか。)
    一つは「be a lady」。
    これはきれいなドレスで着飾ることではなく、己の感情をコントロールし、怒りや悔恨、妬みに流されることなく生きる、という事らしいです。こういった感情は、力を奪いやがて前に進めなくなるからだとか・・・。なるほど、とても深いなと思いました。
    もう一つが「be independent」。自立。
    この二つの母の言葉に、彼女の強いキャラクターのルーツを見たような気がしました。

    『RBG』の予告編で彼女がトレーニングをしているシーンがありましたが、若々しさを保つためには適度な運動が必要なのだなと改めて感じました。彼女はまさに生きる証拠ですね。こんな年の取り方をしてみたいものです。

    GOT・S3。シオン・・ああ来たか・・とハラハラしつつも、ここは気合いで視聴です。(ただ演出が優しめなのが救い。)ロブは・・見事に裏切られました。しばらくこのショックを引きずりそう。そしてジェイミー、ヤバいです。超ヤバい。男気見せるわ、弱みさらけ出すわ、ついには命懸けで救出しちゃうし、そんな口説きのフルコースみたいなもの見せられたら、いつぞやの芸人さんではないですが、「惚れてまうやろーーー」と、こちらは叫ぶしかないです。でもまたサーセイと再会しちゃったからな。この先彼が悪い方向に行かないことを祈るのみ・・。
    S4に向けて何となく気になっているのは、デナーリスの仲間に新たに加わった〈次子〉副長のダーリオ・ナハーリス。一言でいうと「胡散臭い」のですが、何だか掴みどころのないふわふわしたものを感じます。
    最終シーズンもついに明日から公開ですね。私の視聴はもう少し先になりそうですが、盛り上がっている雰囲気を楽しませてもらおうと思っています。

  3. 那須の山奥の兄ちゃん より:
    シリア

    シリア情勢
    確定している情報などないに等しいですが
    どうもアウトラインを研究すると
    諸悪の根源は
    オバマのダブルスタンダードにあるように
    思います

    トランプはそのケツをぬぐっているので
    オバマ嫌い発言を連発
    結局、ゴラン高原も
    水源をアサドが抑えたので
    対抗上
    ゴラン高原を
    イスラエル領にするほかなかったのか
    とかんがえますが
    まだ、矛盾があるな、とは思います

    一連のトルコ、カタール、イラン連合も
    全部、シリア絡みなんだな、と思いました
    トルコの動きもよく
    わからなかったのですが
    シリアを関連づけると
    理解できるのかな
    と思います

    見解をお願い致します。

  4. JD より:
    GOT

    >chinaさん
    アップデートありがとうございます。
    シオン、大丈夫でしたか?ラムジー・ボルトン、彼はGOTの中でダントツの強烈キャラと思います。その後も大活躍するので、楽しみにしてください(笑)。
    ジェイミーはキャラ変わってない?と訝しく思いましたが、成長したということなんでしょうね。彼の活躍も楽しみです。ブライエニーも魅力的なキャラですよね。
    しかし、まだ見ている途中の方の話を聞くのは楽しいですね。あまり書くと予断を与えてしまうので、自粛しますが・・・(笑)。

  5. JD より:
    シリア

    >那須の山奥の兄ちゃんさん
    シリアは、イスラエルとセットで見る必要があります。
    米国とイスラエルの関係が大きな影響を与えている典型例と思います。
    次回の「今週の動き」で述べますが、イスラエルについて包括的な解説をする予定です。その中でシリアの位置付けについても解説しますので、お待ちください。

  6. china より:
    GOT補足

    何故でしょう・・GOTネタになると、時折やさしい悪魔がほほ笑んでいる気がするのですが、おそらく私の錯覚でしょう・・。
    大丈夫か・・・と問われると、大丈夫ではないですね(笑)。心の中でラムジーを罵倒しながらやり過ごしています。ああ・・やはりまだ出てくるのですね。ほんと悪い男です。いつか天罰が下りますように(しかもスペシャルなやつ)(祈)。

    昨日S4の第1話を見たのですが、ジェイミーが髪を切っていましたね。なぜこれに着目したかといいますと、断髪って漫画的にいうとチャラ男が更生する際の通過儀礼だと思うのですよね。(分かりやすい例で言えば『スラムダンク』の三井寿)。なので、これは本格的に心を入れ替えてくれた証なのではないか・・、と更に期待を高めております(期待は禁物をまったく学習していません)。
    ブライエニーとの関係性も良いですよね。友情や愛情を超越した信頼関係が構築されていく過程はとても興味深くて、S3の間は二人から目が離せませんでした。S4でもそのユニークな関係が続いてくれると良いなと思います。

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