2016/03/10 00:00 | 中東 | コメント(5)
イラン議会選挙・専門家会議選挙
■イランのダブル選挙、穏健派が優勢 投票率は6割(2月28日CNN記事)
昨日掲載する予定の記事でしたが、深夜に帰ってきて気付いたらそのまま眠りに落ちていました(苦笑)。
「イラン制裁解除」で述べたとおり、イラン核合意後の初めての選挙として注目された国会と専門家会議の選挙。まず国会の選挙は、290議席中221議席が確定、69議席は4月の決選投票に持ち越し。完全に確定はしていませんが、保守派と穏健・改革派が拮抗する結果になる見通しです。
これまで保守派が優勢だったので(前回の選挙で改革派が獲得した議席はわずか8議席)、改革派が大きく躍進したといえそうです。特にテヘランの30議席全員を改革派が獲得したことが注目されます。
次に専門家会議(最高指導者を選出する会議)の選挙は、大雑把にいうと保守派と現実派の対抗の図式になります。保守派がやや優勢ではあるものの、改革派であるラフサンジャニ元大統領とロウハニ大統領が1位と3位を獲りました。
しかも、超保守派の長老であるジャンナティ(護憲評議会の事務局長)、モハンマド・ヤズディ(専門家会議の現職議長)、メスバーフ・ヤズディ(アフマディネジャド元大統領の精神的支柱)の3名のうち、驚いたことにモハンマド・ヤズディとメスバー・ヤズディが落選。そして、こちらもテヘラン16議席のうち14議席を現実派がおさえています。
「米・イラン関係の今後」で述べたとおり、制裁解除の恩恵が受けられるのはだいぶ先になるので、この時点でどこまで穏健・改革派が支持を得られるかは何とも言えないところがありました。しかし、予想を超えるペースで改革派が支持を拡大した結果になったといえます。最高指導者のハメネイ、革命防衛隊をはじめ保守派の勢力が支配的である構図であることに変わりはなく、これをもって大きな変化があったとは言えませんが、まずはイラン核合意の結果がプラスの方向に働いたことは確認できたといえます。
次に予定される大きなイベントは17年の大統領選。また、その前に注目すべきは、「イラン・米国の内政」で説明したとおり、本年の米大統領選です。新大統領がどのような政策をとるかによって状況は大きく左右されます。
ちなみに、「新年の挨拶」で海外ドラマ『ホームランド』にハマっていると書きましたが、このドラマのシーズン3はCIAとイランとの戦いがテーマとなっており、(少しネタバレになりますが)最後に核合意の話が出てきます。しかし、核合意に至るまでの米国とイランとの戦いの凄まじい(えげつない)こと。ドラマとはいえ、こんなのを見ると、イランが米国を信頼することなどあり得ないと思ってしまいますね(笑)。
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5 comments on “イラン議会選挙・専門家会議選挙”
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前よりマシに・・
とはいえ・・まだまだ・・革命防衛隊・・不動・・
米大統領次第・・
誰がなるのでしょう・・
ヒラリー・・
ではないような・・・₍笑
司会者質問・・
ヒラリーに・・
Eメール問題・・訴追されたら候補辞めるか・?
『答えない』・・との返答・・・(笑
普通に暮らしやすい方を選ぶようになってきてるように感じます。
宗教団体のみなさんもより良い公共サービス提供や商売しやすい環境つくらなきゃ現実派に負けますぜ。
「ホームランド」面白そうですね。
中身は全く違いますが、なんか韓国の政治大河ドラマ「共和国」シリーズを思い出します。
それはさておき、アメリカもイスラム教の国々もどっちも勝手だから、永遠に信頼することないでしょうね。
アメリカは企業権益の追求をしすぎだし、それだけならまだしも、なんであれだけ、軍事的に介入してきたのか、理解を超えます。オバマさんになって、ようやく普通の国になってきたと思います。
中東のみなさんの方は宗派の優位性の確保か王室の身勝手だもん。最近はサウジアラビア王室本当に見苦しいです。シェールガス・シェールオイルと原油・天然ガスは、黙ってても普通に後者が優位で共存できるのに、石油担当の王子さん何怖がってるんだか、産油国全体が迷惑してるのわかってるだろうから、馬鹿だなあって思います。
あとベルドンさんのブログもみたんですが、この間の共和党面白かったんですね!JDさんは辟易してたみたいですが、それでもトランプとルピオの下ネタ合戦見たかったです。
ただ、票差は意外なほど開いてないから、あんまり馬鹿やってるとまだカリフォルニアなんか残ってるから、一気に逆転もありそうな感じもします。
関係ないけど、ベルドンさん、ブルームバーグにはサンダース&トランプでも勝てないって書いていましたが、この「サンダース&トランプ」って表現気に入りました。
二人共、離党して正副大統領、この組み合わせで出てくれないかなあ。
共和党も民主党も選ぶ方も、一番真剣になれそう。
まあ、今年は民主党の方が本当に充実した戦いになってますね。
やっぱり、真剣に政策や理念で闘ってるのみてるほうが気持ちが良いです。
色んな意味で「大義」は生きてるんだなあって思います。
ブルムバーグ・・
やはり・・1%の方・・
愛国に訴える多数の奨励あった・・多くの友人・知人に話を聞いた・・
が・・15%の支持率では戦えない・・という次第。
時代は・・彼を置いてきぼりに。
ブルムバーグは・・サンダース&トランプにも勝てない・・と書いたのですが。
サンダースとヒラリーの死闘・・見つめていましょう・・・(笑
そうですね。
アウトオブコンテクストで「サンダース&トランプでも・・勝てないと出ています。」の部分だけ抜き出した私のミスです。すいませんでした。
日本語は難しいのう。なんちゃって。
なんか予備選、悪い方に荒れてきてますね。ちょっと心配です。
なんでシカゴってああなるんだろう。