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2015/07/16 00:00  | 中東 |  コメント(7)

イラン核協議:最終合意の成立


前回の記事の続き(トルコ系民族の歴史)を書いていたのですが、非常に長くなってしまい、もう少し簡潔にしてからアップしようと思っていたところ、ここ数日忙しくて時間がとれませんでした・・・で、そうこうしている間に、ついにイラン核問題の最終合意が成立しましたね。トルコの話はとりあえず置いておいて、先にこちらの話をします。

主要なポイントはこれまで書いたとおりです(「中東」カテゴリーでご確認ください)。

今後の展開ですが、米国では「レビュー法」に基づいたレビューが行われることになります。オバマ大統領は合意を否定するような結論には拒否権を行使することを明らかにしているので、焦点は、議会側が拒否権を覆す(override)のに必要な各院3分の2の議決数を得ることができるかということになります。

ここで、レビュー期間が60日間に延長されたことが効いてきます。共和党は3分の2の議決数を集めるべく議会工作を行うところ、その時間が長ければ長いほど有利になるからです。

この票数を集めるためには民主党議員から反対者が出る必要がありますが、この点、ペローシ下院院内総務はいち早く最終合意に対する支持を表明しています。TPAの否決を見ても分かるとおり、ペローシの意向は下院での議決において絶大な影響力を発揮します。彼女が味方してくれるのであればオバマも心強いでしょう。

他国の反応ですが、最大級の怒りを見せているのは、当然のことながらイスラエルです。ネタニヤフ首相の「歴史的な間違い」と述べたスピーチは非常に印象的でしたが、同首相は、先月にはイランを「Islamic State of Iran」と呼んでいました。「Islamic Republic of Iran」(イランの正式な国名)ではなく、あえてこんな言い方にした狙いは明白ですね。イスラエルはこういう悪意あるユーモア(?)をよく披露します。

ついでに、交渉経過において面白かったのは、ロウハニ大統領のtwitterの頻度がすごかったことですね。これが非常に速報性と正確性が高く、メディアによる報道が後追いになる場面もありました。ちなみに、意外に思うかもしれませんが、イランではハメネイ最高指導者もtwitterをやっています。

イランに限らず、アラブ諸国ではtwitterやFacebookでの発信がハイレベルを含めてさかんです。背景には、欧米メディアによる「偏向した」報道に対して、直接の発信によって対抗する、という狙いがあるものとみられます。

最近では、マレーシアのナジブ首相の1MDB問題が(ナジブ首相個人に7億ドルが流れたというWSJのスクープから)盛り上がりを見せていますが、この件に関しては、ナジブ首相は、Facebook上で、「These attacks began when I refused to implement Tun Mahathir’s personal demands.」と述べ、マハティールが裏で動いていることを示唆していました。これもメディアを介さず、本人から直接発信をしたかったのでしょう。

なんとなく、佐藤栄作首相が、退陣会見において、新聞には話さない、国民と直接話したいからテレビにしか話さない、と言ったことを思い出しますが、今の時代、FBとTwitterを使えばこうして直接の発信ができるわけですね。時代を感じさせます。

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7 comments on “イラン核協議:最終合意の成立
  1. ペルドン より
    時代を感じさせます

    いつから・・
    おじい様になったのですか・?・・・(笑

  2. JD より
    おじい様

    よく言われます。年齢偽っているだろうと・・笑

  3. ペルドン より
    鯉の妙薬

    愛用している・・
    バイアグラ・・進呈しようか・・・(笑

  4. JD より
    藍の妙薬

    すでに利用してます。他にもいろいろ試してます。笑

  5. ペルドン より
    故意の妙薬

    ぐっちー・・曰く・・
    不必要な方・・服用すると・・逆効果・・

    裸のマハ相手に・・
    身が縮む・・とか・・・(笑

  6. JFKD より
    平和主義者

    アーリア民族・インドヨーロッパ語族のペルシア人のイランには本当にイスラムの軛から外れてその資質に合った欧州的な性質になって欲しいと切に思うし、本来トルコなどより先に西側諸国になるべき国だった。確かに心情的には中国、イラク、北朝鮮よりはるかにましだとは思う。経緯もパーレビ時代の米国の政策がまずすぎたので反省すべきですが、だからといってオバマのような大統領が自身のミスで追い込まれてこんな合意をしてよいわけがない。7年後責任がとれるのか。アラブという砂漠の酷薄な全く異質なイスラム世界に永年取り込まれていたイランに妥協的態度をとる影響は大きい。核保持のインド、パキスタン、イスラエルもサウジもいるのだ。要するに経済制裁が効いていたので以前から改善のサインを米国に送っていたが、交渉者がよりによってオバマでは効果が台無しだ。米外交史上、後世に対し最も危険な大統領だ。平和主義者が一番危険人物ということは定石だと思う。

  7. ペルドン より
    ネタニエフ首相の指摘

    査察の24時間前・・指摘・・
    それだけの時間があれば・・何でも隠せる時間が出来る・・
    隠せるだろうな・・・(笑

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