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大統領選の結果を受けて大量に仕事が舞い込み、バタバタして昨日はうっかり記事のアップロードを忘れていました。 その間に、「米国大統領選:決着」にはたくさんのコメントをいただきました。ありがとうございます。 一つ述べておくと、そもそも私は予想屋ではありません。米国大統領選シリーズを始めたときから書いていますが、私がしたかったのは、具体的なデータと過去の蓄積に基づいて判断枠組みを示し、皆さんの分析の土台を提供することでした。 この展開になればトランプが勝つ、という道筋まで示し、結果そのとおりになったので、それなりの意味はあったかと思います。それで皆さんの分析の役に立てば、私は満足です。 判…
[ 2016/11/11 01:02 ] コメント(3)
■「トランプ氏が劇的勝利:一日の動きを振り返る」(11月9日付ウォールストリートジャーナル) まさかの結果ですね。トランプはレッド・ステートをすべて押さえ、激戦州のほとんどを制した上に、元々はブルー・ステートだったはずのペンシルバニアとミシガンまで切り崩しました。 「米国大統領選:最後の注目ポイント」で「PAとMIがひっくり返れば、万が一の可能性は高まる」と書きましたが、それを証明する結果になってしまいました。 この誤算の大きな理由は、世論調査の誤差が大きかったことです。「隠れトランプ支持者」の影響が指摘されますが、BREXITをはじめ、昨年から事前の世論調査と真逆の結果になっている選挙…
[ 2016/11/09 00:00 ] コメント(10)
先週の動きです。 10/31(月) ・FOMC(~11月1日) ・韓国検察が朴槿恵大統領の友人の崔順実氏を緊急逮捕 11/1(火) ・ミャンマーのアウンサン・スーチー国家顧問兼外相が訪日(~5日) 11/2(水) ・朴槿恵大統領が内閣改造(首相を更迭) 11/4(木) ・パリ協定が発効 11/6(日) ・カザフスタンのナザルバーエフ大統領が訪日 ●崔順実(チェ・スンシル)ゲート事件 朴政権が存亡の危機に立たされていますね。 ●アウンサン・スーチー訪日 アウンサン・スーチー政権の現状について、今週、別稿で解説します。 今週の動きです。 11/7(月) ・COP22(マラ…
[ 2016/11/08 00:00 ] コメント(6)
今週火曜は11月8日、米国大統領選の投票日です。 全世界が注目する運命の日を直前に控え、本日は最後の注目ポイントを解説します。 ●トランプの追い上げ ■「米大統領選、トランプ氏支持率がクリントン氏を逆転=WP/ABC」(11月1日付ロイター) ■「米大統領選、クリントン氏が3ポイントリード=WP/ABC調査」(11月4日付ロイター) WP/ABCの世論調査でトランプの支持率が逆転した、というニュースが世間を騒がせていますが、このHPを読んで下さっている人たちには、これが何の意味もないことはもうお分かりでしょう。 大統領選の予想は、選挙人団(electoral college)すなわち…
[ 2016/11/07 00:00 ] コメント(8)
■「習氏を「核心」に位置付け、中国6中全会閉幕」(10月27日付ロイター) 現在の中国政治を見る上で最重要イベントである6中全会が閉幕。 6中全会とは、「中央委員会第6回全体会議」の略称です。「中央委員会全体会議」は、5年に1回開かれる共産党全国代表大会(党大会)の間に開かれ、党大会に代行して重要な政策決定を行う会議です。「第6回全体会議」は、直近の党大会から数えて6回目の全体会議を指します。 直近の党大会は、2012年11月に開かれた第18回党大会。このとき選ばれた中央委員が第18期中央委員となり、候補委員とともに中央委員会全体会議のメンバーとなります。 今回の6中全会が注目されるの…
[ 2016/11/04 00:00 ] コメント(2)
「ドゥテルテ外交③」の続きです。 ドゥテルテ外交の今後を読む上で注目すべきは以下の3点です。 ●米国の政権交代 ドゥテルテは、任期あとわずかのオバマ政権を相手にしても仕方ないと見切っています。ここは米国が強く出ることができないタイミングとみて、中国との関係を一気に強化することを狙ったのでしょう。 逆に言えば、来年1月に新政権が発足し、米国の外交が固まったところでどう対応するのか。これがまず見極めポイントとなります。 ●中国との関係の進展 ドゥテルテの訪中は、6中全会の直前というタイミングでした。偶然の産物でしょうが、ドゥテルテにとっては僥倖でした。 習近平体制としては、6中…
[ 2016/11/02 00:00 ] コメント(2)
■「FBI、クリントン氏メール問題見直すと クリントン氏は自信」(10月29日付BBC) 大統領選の11日前にメール問題が再燃しました。このHPで何度も書いているとおり、メール問題はヒラリー・クリントンが抱える3大リスクの一つです。 これが大統領選にどのような影響を及ぼすかと言えば、ヒラリーにとって大きな打撃になることは間違いありません。しかし、今のヒラリー有利の状況を崩すほどのゲーム・チェンジャーにはなるかは何とも言えません。 第一に、この捜査の結果は11日間では明らかになりません。少なくとも大統領選の前にヒラリーが訴追される結果にはなりようがない。せいぜいグレーの状態が残るにとどまり…
[ 2016/11/01 00:00 ] コメント(7)
先週の動きです。 10/24(月) ・中国共産党第18期中央委第6回全体会議(6中全会)(北京、~27日) 10/25(水) ・フィリピンのドゥテルテ大統領が訪日(~27日) ・「イスラム国」に対する有志連合参加の13か国関係閣僚会合(パリ) 10/26(木) ・ヨルダンのアブドラ国王が訪日(~28日) ・NATO国防相理事会(ブリュッセル) 10/27(金) ・日米韓外務次官協議(東京) 10/28(土) ・FBIがヒラリー・クリントンのメール問題の調査を再開すると発表 10/29(日) ・韓国警察が朴槿恵大統領が友人の崔順実氏に内部資料を渡していた問題を巡り、大統領府を捜査 …
[ 2016/10/31 00:00 ] コメント(4)
(出張中に訪問したフィリピン外務省) 「ドゥテルテ外交②」の続きです。 前回は、ドゥテルテ外交の外交を形作る要素について説明しました。今回は、それをふまえて、ドゥテルテ外交がどこに向かうのか分析します。 まず、ドゥテルテ外交の背景事情について留意したいのは2点です。 ●ドゥテルテはバカではない 彼の過激な言動をみると、あたかも「フィリピンのトランプ」、暴言を繰り返す裸の王様のように見えますが、実は、ドゥテルテは、頭脳明晰で、合理主義者、現実主義者です。その頭の良さは、国内では異論がありません。アンチ・ドゥテルテの急先鋒であるメディアさえ認めています。 考えてみれば、「フィリピンのト…
[ 2016/10/28 00:00 ] コメント(4)
(出張中に訪問した聖アグスティン教会。マニラにある世界遺産で、私が訪問した前日の9月18日にドゥテルテ大統領が結婚式に出席するため訪れたとのこと。) 「ドゥテルテ外交①」の続きです。 米国を挑発し、中国に接近するドゥテルテ外交の狙いは何か。この背景にあるのは以下の3点です。 ●外交の経験不足 ドゥテルテは、ダバオ市の政治を30年にわたり仕切ってきましたが、外交に関しては完全な素人。しかも、外交に限らず過激な発言を繰り返していますが、そのほとんどは彼一流のユーモア、レトリックです。 発言の直後に、「不用意な発言だった」と弁明し、撤回し、謝罪することは日常茶飯事。「あいつを殺す」と言った…
[ 2016/10/27 00:00 ] コメント(2)
JD世界情勢ブリーフィング
国際政治・経済の分析を仕事にしています。 東京大学法学部卒、スタンフォード大学院修了、元外交官。米国、中国、英国に数年間在住。 趣味は現地調査(70か国以上渡航)と適度な筋トレ。 ここでは世界情勢の読み解き方を解説します。 メルマガのご紹介 バックナンバー 総集編 メルマガ配信登録
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