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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2017/02/10 00:00  | 中東 |  コメント(4)

ダン・セノール他 『アップル、グーグル、マイクロソフトはなぜ、イスラエル企業を欲しがるのか?』


トランプの話ばかりで皆さんも疲れてきたかと思うので(笑)、少し趣向を変えて、書評の回とします。

ダン・セノール、シャウル・シンゲル 『アップル、グーグル、マイクロソフトはなぜ、イスラエル企業を欲しがるのか?』

最近は、報道でも、​イスラエルのITベンチャーはすごい・・・とよく話題に上るようですが、イスラエルのビジネスの特徴と背景がよく分かる一冊です。

イスラエルは、日本との直接の縁が少ないので、あまり意識することがないかもしれませんが、世界情勢を見る上では、とてつもなく重要な国です。

米国との密接な関係、中東における軍事的存在感、世界のユダヤ人ネットワークとのつながり、世界経済・テクノロジーに与える影響・・・人口わずか600万人の小国ながら、その一挙一動が世界に与えるインパクトはすさまじいものがあります。

この本は、そんなイスラエルがどういう国なのかを理解する上で格好の素材となります。原題の『Start-up Nation: The Story of Israel’s Economic Miracle』のとおり、イスラエルという国を「スタートアップ・ネーション」と名付けて、そのイノベーティブなカルチャーを描き出しています。

ユダヤ人と付き合った人であれば、彼らの議論に対するしつこいくらいの熱心さ、探求心の強さを実感するのではないでしょうか。この本は、そうしたユダヤ人の性質の背景には、混沌を志向する文化、ユダヤ教の学びの精神(トーラー、ミシュナ、タルムードの読み込み)、権威への不服従、平等主義にあることを説きます。

それがビジネスにおいては、起業家精神、ベンチャーの盛況、ハイテク企業重視につながると展開します。国軍の組織と徴兵制が生み出すネットワークがビジネスに活力を与える点も指摘しています。

ユダヤ教の文化とユダヤ人の歴史を知るにはこちらが便利です。

ポール・ジョンソン 『ユダヤ人の歴史』

私自身は、イスラエルには2週間ほど滞在し、エルサレムから、ヨルダン川西岸、ガリラヤ地方まで色々なところを訪れました。これは鮮烈な体験でしたね。今度機会あるときに書きます。

イスラエルに行く機会があれば、聖書についても理解を深めておくと良いでしょう。

フィリップ・セリエ 『聖書入門』

お勧めの本はたくさんありますが、まずは最近出た良書としてこちらを挙げておきます。

トランプ政権は、ユダヤ人の婿殿ジャレッド・クシュナー、超強硬派のデービッド・フリードマン駐イスラエル大使が主導しているとみられる、極端なまでの親イスラエル政策が危惧されています。早速、駐イスラエル大使館をテルアビブからエルサレムに移転する可能性が取りざたされています。

あ、結局最後は、トランプに戻ってしまいましたね・・・笑

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4 comments on “ダン・セノール他 『アップル、グーグル、マイクロソフトはなぜ、イスラエル企業を欲しがるのか?』
  1. ペルドン より:
    次回の会見の時・・

    トランプが・・
    キッパーを被っていても・・驚きませんよ( ^ω^)・・・(笑

  2. JFKD より:
    新しいユダヤの階級

    確かに娘がユダヤ教に改宗し、トランプはその娘によって正しい方向に導かれると自分で言っているのだから、キッパー被っていても驚かないか(笑)。
    ぺルドンさんが政権内の新しいユダヤの階級と呼んでいましたね。危惧されているような事だけをするのだろうか。この新しいという神託を解釈しなければ。笑

    イスラエルの核は公然の秘密だし、3.11のメルトダウンの時も、外人が日本脱出していたときに、イスラエル部隊が現場入りしていた。何をしていたんだろう。
    あらゆる領域でどんな技術を持っているのかわからない。中国なども相当世話になったらしい。やばい技術は相当イスラエル経由の国が多いのでは。

    それに中東の安定にも力があったはずだが、オバマの中東政策転換で彼との関係が最悪で、アラブ側の混乱に目もくれず、入植拡大をするようになってしまった。かつては入植地から撤退していたのに。
    トランプは、ISという限りなく怪しい組織をはっきりロシアと組んで殲滅すると言っている。トランプとネタ二エフが中東を安定させたら、難民を大量発生させたオバマが余計批難されるだろう。ヒラリーのかつてのアラブの春作戦も批難されている。やはりISとCIAの関係は相当深かったのだろう。

  3. 下北のねこ より:
    狭い国土

    イスラエルを見る場合、どうしても国土の広さが、我が岩手県と大して変わりないことが気になります。周囲みんなが、気に入らない奴らだと思ってる中で、岩手県よりちょっと広いだけ、縦には長いけど、横は狭いとこで、あれじゃあ軍事的にハリネズミに成らざるを得ないよなって、思っちゃいます。
    小学校のころ、遠足で行った岩手山麓の自衛隊駐屯地で、この戦車の大砲はちょうど、岩手県庁まで届きますと隊員さんが言ってたのですが、大砲だったら、そんな感じでいろんな都市に撃ち込めそうだし、横に縦断するんだったら、2,3時間もあれば行けそう。盛岡~宮古間みたいなもんです。

    ついでに人口も気になります。頭のいい人たちなんだから、多分少子化で大変になってくんじゃないでしょうか。逆にパレスチナ人は多産だと聞いたことがあります。イスラエルがパレスチナ人だらけになっても不思議ないです。(さすがにオーバーか)だけど、国内のアンバランスな人種間融和問題で将来苦しむより、パレスチナ国家をヨルダン川西岸地区に認めてしまって、切り離したほうがイスラエルのためにはいいと思うのですが。
    (もっとも増え続けるパレスチナ系住民を受け入れ、発展を続けられるのなら別ですが。)

  4. Zucci より:
    これからどうなる…?

    トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と正式認定しました。

    このことに対する、米国内での受け止めや諸外国との関係の変化、(移転には時間がかかるとのことですが、)この過程で想定できるリスクなど、移転後の見通しを含めて是非教えてください。

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