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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2021/04/12 00:00  | 今週の動き |  コメント(0)

今週の動き(4/11~17) バイデン政権のコロナ対策、税制改革、米中対立、菅首相の訪米


永田町ディープスロートさんのブログが3月から始まりましたが、衆議院の解散、菅内閣、千葉県知事選、そして次期衆院選の展望(自民党の候補者の公認争い)・・と多岐にわたるテーマについて、ディープな考察を次々に投稿。そのペースとクオリティに圧倒されています。

毎回毎回、よくここまで書けるものだなと思います。読んでいるだけで選挙に行きたくなるような内容です。この発信が世に広まれば、投票率が上がるかもしれませんね。ありがたいことです。

そんな永田町ディープスロートさんの発信が本日からメルマガでも読めるようになりました。これほどのコンテンツがなんと無料です。ぜひご登録下さい

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先週の動き
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4/4(日)
・フィリピンのロレンザーナ国防相が中国船のフィリピンEEZでの停泊を非難
・ヨルダンのサファディ副首相がハムザ前皇太子は外国勢力とやり取りしていたと表明
・ブルガリア総選挙

4/5(月)
・米連邦最高裁がトランプ前大統領によるトランプ氏に批判的なアカウントのブロックが言論の自由の侵害にあたるかを争う訴訟で、トランプ前大統領が大統領を退任してアカウントも永久停止されたことを理由に訴えを却下
・日中外相電話会談
・日米豪印とフランスが海上共同訓練(ベンガル湾)
・ロシアでプーチン大統領が2036年まで大統領を続けることを可能にする改正大統領選挙法が成立
・ヨルダンのハムザ前皇太子がアブドラ国王に忠誠を誓う文書に署名
・IMF・世銀春季総会(オンライン、~11日)

4/6(火)
・バイデン大統領が新型コロナウイルスワクチンに関する演説
・イラン核合意の当事国の会合(米国も参加)(ウィーン)
・北朝鮮体育省が運営するウェブサイト「朝鮮体育」が東京五輪への不参加の方針を発表
・EU・トルコ首脳会談(トルコ)
・トルコ外務省が1990年の中国によるウイグル人弾圧を批判する野党「優良党」のアクシェネル党首らの発言について中国大使館が非難する声明を出したことを受け、駐トルコ中国大使を呼んで抗議
・イスラエルのリブリン大統領がネタニヤフ首相に組閣を指示
・ロシア・インド外相会談(デリー)
・インドのタミル・ナドゥ州、ケララ州、プドゥチェリー連邦直轄領の議会選挙

4/7(水)
・バイデン大統領が「米国雇用計画」に関する演説
・米財務省が「メイド・イン・アメリカ税制」を発表
・G20財務相・中銀総裁会議(オンライン)
・ブリンケン国務長官がパレスチナ支援の再開を発表
・米・イラク戦略対話(オンライン)
・米軍の駆逐艦が台湾海峡を通過
・台湾国防部が中国軍の戦闘機など15機の防空識別圏(ADIZ)への侵入を発表
・韓国のソウル、釜山市長選挙(野党「国民の力」の呉世勲元ソウル市長と朴亨ジュン元大統領府政務首席秘書官が勝利)
・ヨルダンのアブドラ国王が反乱は初期段階で治まったとする声明を発表

4/8(木)
・バイデン大統領が銃規制策を発表
・米比外相電話会談(中国船の南沙諸島海域での停泊への懸念を表明)
・米商務省が中国でスーパーコンピューターの開発を手掛ける企業や研究機関など7社・団体を輸出管理規則に基づく「エンティティ・リスト(EL)」に追加
・米上院の超党派の議員が中国に対抗する具体策をまとめた「戦略的競争法案」を公表
・マクロン大統領が国立行政学院(ENA)の廃止を発表

4/9(金)
・バイデン政権が22年度予算案の一部を発表
・バイデン大統領が連邦最高裁判所判事の定員拡大を含む改革について検討する超党派委員会を設置
・米海軍の空母「セオドア・ルーズベルト」を中心とする空母打撃群が南シナ海で軍事演習を実施
・米国務省が台湾の政府高官との交流に関する新たな指針の策定を発表
・台湾国防部が中国軍の戦闘機など11機の防空識別圏(ADIZ)への侵入を発表
・北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が4月8日の党会議で党の末端組織の幹部らに「より厳しい『苦難の行軍』を行うことを決心した」と述べたと国営朝鮮中央通信が報道
・イラン核合意当事国の合同委員会(ウィーン)
・イランが1月にホルムズ海峡近くで拿捕した韓国船籍の石油タンカーと船長を解放したと韓国が発表
・英国のエリザベス女王の夫であるフィリップ殿下が死去

4/10(土)
・オースティン国防長官がイスラエル、ドイツ、ベルギー、英国を訪問
・中国の規制当局がアリババ集団に対して182億2800万元(約3000億円)の罰金処分を科す決定

●バイデン政権のコロナ対策

バイデン大統領が4月19日までに全州のすべての成人が新型コロナウイルスワクチンの接種対象になるとの見通しを示しました。3月に述べた5月1日の目標を前倒ししたものです。

「米国救済計画法の成立とバイデンの演説」(3/15)

バイデンの発表の意義とバイデン政権のコロナ対策の評価、共和党との関係について説明します(※メルマガに限定)。

●バイデン政権の税制改革

バイデン大統領が「米国雇用計画」(インフラ法案)(以下の記事参照)について演説を行いました。同日、財務省は米国雇用計画の財源となる「メイド・イン・アメリカ税制」について発表しました。

「米国雇用計画の発表」(4/5)

バイデン政権の税制改革は、法人税の引上げ(21→28%)、グローバル・ミニマム税の引上げ(10.5→21%)、代替ミニマム税の導入(15%)という3つの企業課税の強化を含んでいます。

さらに、イエレン財務長官がG20財務相・中銀総裁会議に出席しましたが、企業課税の国際的な引き下げ競争に終止符を打つべきとして、G20が最低税率について合意に至るよう働きかけていると述べました。

バイデン政権の税制改革と国際的な企業課税の展望についてコメントします(※メルマガに限定)。

●米中対立の先鋭化

米中関係は、トランプ政権時代のトップレベルでの派手な挑発合戦はありませんが、毎週のように色々なことが起きるのは同じで、様々なフロントで緊張が高まっています。特に、米中二国間よりも、それぞれが影響力を発揮しようとする第三国の分野における衝突が目立ちます。

まず軍事・安全保障においては、台湾海峡と南シナ海で軍事活動が活発化しています。中国は台湾海峡で空母「遼寧」を使った軍事演習を行い、台湾は中国機の領空侵犯に対抗して戦闘機を緊急発進させています。

台湾のジョセフ・ウー外相は、中国が攻撃してきた場合、台湾は「最後の日まで戦う」と述べました。米国務省は「台湾関係法に基づき、米国は台湾の安全を脅かすいかなる実力行使にも対抗する能力を維持している」として、台湾へのコミットメントが揺るぎないことをあらためて強調。そして米国の駆逐艦が台湾海峡を航行。中国はこれを地域の安定を脅かす挑発行為として非難しました。

さらに、米国務省が台湾の政府高官との交流に関する新たな指針の策定を発表しました。詳細は発表されていませんが、FTは、連邦政府の建物で台湾の当局者を定期的にホストすること、駐米台北経済文化代表処(事実上の大使館)での面会も可能になると報じています。

南シナ海では、中国船がフィリピンのEEZ内での航行を続けており、フィリピンは何度もこれに対して懸念を表明。米海軍の空母「セオドア・ルーズベルト」を中心とする空母打撃群が南シナ海で軍事演習を実施しました。

さらに米中二国間でも、米商務省が中国でスーパーコンピューターの開発を手掛ける企業や研究機関など7社・団体を輸出管理規則に基づく「エンティティ・リスト(EL)」に追加しました。

ウイグル問題への非難も高まる一方で、欧米各国において、北京五輪をボイコットすべきとの主張が勢いを増しています。

米中関係については、以下の記事で述べたとおり、イーライ・ラトナー国防長官特別補佐官をヘッドにするタスクフォースが中国政策のレビューをまとめており、その結果は5月下旬に分かる予定です。そこで包括的な分析をするつもりですが、現時点でのコメントを述べます(※メルマガに限定)。

「米中外相級会談」(3/24)

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今週の動き
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4/11(日)
・ペルー大統領選挙
・エクアドル大統領選挙決選投票

4/13(火)
・ミャンマーの正月休み(ティンジャン)(~19日)

4/15(木)
・北朝鮮の太陽節(故金日成の誕生日)

4/16(金)
・日米首脳会談(ワシントンDC)
・中国の21年第1四半期の実質GDP成長率の発表

4/17(土)
・ミャンマー正月

●菅首相の訪米

首相が訪米し、バイデン大統領と初めての首脳会談に臨みます。バイデンにとっては対面で会う初めての外国首脳になります。

バイデン政権が日本を選んだのは、対中戦略をはじめとする米国外交における日本の重要性が考慮されたことはもちろん、色々な意味で日本とは話がしやすく、都合が良い相手ということもあるでしょう。とはいえ、日本としては、素直に喜ぶべき話と思います。

中国、尖閣、北朝鮮、経済安全保障(サプライチェーン、技術)、気候変動、コロナが主要議題になるでしょう。共同文書の発表が予定されていると報じられています。結果をみて詳しく解説します。

なお、菅首相の訪米については、永田町グッチーポストさんも解散時期をめぐる考察において言及されていました(こちらこちら)。日本の政局は本メルマガの考察の対象外ですが、外交日程も当然ながら政局に大きな影響を与える要因になります。SaltさんやKonanさんもそうですが、このように、グッチーポストの発信は相互に補完する内容になっている(シナジーがある)ので、あわせて読むとより楽しんでいただけると思います。

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あとがき
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女性首脳の座るいすがない トルコ大統領とEU首脳の会談で(4月8日付CNN)

ミシェル欧州理事会議長(EU大統領)とフォンデアライエン欧州委員長がトルコを訪問し、エルドアン大統領と会談しましたが、席が2つしか用意されておらず、フォンデアライエンが隣のソファに座らざるを得なかったという「事件」が発生しました。

フォンデアライエンらの前任が訪問したときには、ちゃんと3つの席が用意されていたので、フォンデアライエンを狙い撃ちしたものではないか、女性差別だとの批判が寄せられています。イタリアのドラギ首相はエルドアンを「独裁者」と呼んで非難しました。

一方、ミシェルがイス取りゲームのように素早く席を獲ったのもどうなんだという論争もあります。どうせならエルドアンに席をとらせなければよかったのでは・・とも思いますが(笑)。

それにしても「女性に対する暴力と家庭内暴力の防止と撲滅に関する欧州評議会条約」がありますが、トルコは署名・批准していたのに、今年3月にエルドアンが離脱を表明しました。この条約は「イスタンブール条約」とも言われていますが、条約の名前を冠していたトルコが抜けてしまったわけです。そして今回の事件。何か皮肉めいたものを感じさせますね・・。

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