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The Gucci Post [国際政治・経済・金融 × プロフェッショナル]

2021/03/15 00:00  | 今週の動き |  コメント(0)

今週の動き(3/14~20) 日米豪印(クアッド)首脳会合、米国救済計画法とバイデン演説、全人代、ブリンケン・オースティンの日韓訪問、米中外相級会談


先週末から、永田町ディープスロートさんがグッチーポストでブログを始められました。すでにツイッターやオンラインサロンでご活躍をご覧になった方もいるかと思いますが、知る人ぞ知る政界ウォッチャーです。

私は昔から交流がありますが、この人ほど政界の内幕に通じている人にはなかなかお目にかかれないと思います。何しろ大手メディアの現役の政治部長や官邸キャップなどが情報源として頼るほどなのです。

文字どおり「ディープスロート」の情報を伝えてくれるはずです。初回からブログで公開するのがもったいないと思うほどの内容の濃さでした。ぜひ皆さんも政界について色々質問してみると良いと思います。これからが楽しみです。

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先週の動き
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3/6(土)
・バイデン大統領がインド太平洋軍のデービッドソン司令官の後任にジョン・アキリーノ太平洋艦隊司令官(海軍大将)を指名したと国防総省が発表

3/7(日)
・中国の王毅国務委員兼外相がバイデン政権による新疆ウイグル自治区の人権問題批判に記者会見で反論

3/8(月)
・バイデン大統領はフィリバスター規則の変更を望んでいないとサキ大統領報道官が説明
・米CDCが新型コロナウイルスワクチンの接種を受けた人に向けた指針を公表
・ケリー気候変動問題担当特使がロンドン、ブリュッセル、パリを訪問(~10日)
・米韓合同軍事演習(~18日)
・トランプ前大統領が支持者に対し「RINO(名ばかりの共和党員)」ではなく自らのPACに献金を行うよう求める声明を発表
・シリアがアサド大統領とアスマ夫人が新型コロナウイルスに感染したと発表

3/9(火)
・米下院が1.9兆ドルの追加経済対策案を可決
・上院軍事委員会の公聴会でインド太平洋軍のデービッドソン司令官がインド太平洋の軍事バランスについて証言
・日印首脳電話会談

3/10(水)
・バイデン政権がジョンソン・エンド・ジョンソンの新型コロナウイルスワクチン1億回分を追加購入すると発表
・米上院がメリック・ガーランド連邦高裁判事の司法長官指名、マイケル・リーガン・ノースカロライナ州環境当局長のEPA長官指名、マーシア・ファッジ下院議員の住宅都市開発省長官指名を承認
・中国人民政治協商会議(政協)の最終日(北京)
・日・イラン外相電話会談
・IOC総会(オンライン、~12日)

3/11(木)
・WHOによる新型コロナウイルスの「パンデミック」宣言から1年
・バイデン大統領が国民向けにテレビ演説
・米国で1.9兆ドルの新型コロナウイルス経済対策法(American Rescue Plan Act)が成立(バイデン大統領が法案に署名)
・第13期全国人民代表大会(全人代)第4回会議の最終日(北京)
・ECB定例理事会(フランクフルト)

3/12(金)
・日米豪印(クアッド)首脳会議(オンライン)

●日米豪印(クアッド)首脳会合

日米豪印(クアッド)の初めての首脳会合がオンライン形式で開催され、バイデン大統領、モディ首相、モリソン首相、首相の4首脳が出席しました。

日米豪印4か国協力の構想は、第1次安倍政権のとき(07年)に提唱され、4か国の合同海上軍事演習が実現しましたが、安倍首相の退陣などがあり、いったん立ち消えになりました。しかし、17年から局長級会合が始まり、19年に初の外相会談、昨年10月に2回目の外相会談が開催(以下の記事参照)。今年に入り、バイデン政権の発足を経て、今回の首脳会合に至りました。

「日米豪印の外相会合」(20/10/1219) 

4か国の首脳が一同に会するのは初めてで、米国は「歴史的」と形容しました。会合後、共同声明ファクトシートが発出されました。

共同声明では、4か国が「自由で開かれたインド太平洋のための共通のビジョンの下で結束し」「自由で開かれ、包摂的で健全であり、民主的価値に支えられ、威圧によって制約されることのない地域のために尽力する」とした上で、新型コロナウイルス、気候変動、安全保障上の課題への対応を共通の目標と定めました。インド太平洋とそれを超える地域において、「国際法に根差した、自由で開かれ、ルールに基づく秩序」を推進し、「法の支配」「航行及び上空飛行の自由」「紛争の平和的解決」「民主的価値」「領土の一体性」を支持し、「民主的強靭性」の強化を追求するとしました。

協力の分野として、新型コロナウイルス、気候変動、サイバー空間、重要技術、テロ対策、インフラ、人道支援・災害救援、海洋分野が挙げられ、ワクチンのインド太平洋への展開を進めるべく、「ワクチン専門家作業部会」の発足を宣言しました。ファクトシートには、米国がインドのバイオロジカルE社によるJ&Jのワクチン10億回分の製造を支援すること、日本がインドにおけるワクチン製造を支援するために円借款を供与すること、豪州が東南アジアへの配送支援を行うことなどが書かれています。サリバン大統領補佐官は、米国の技術力、インドの製造力、豪州の物流力、日米の資金力を組み合わせてワクチン展開を実現すると述べています。

また、「気候変動作業部会」と「重要・新興技術作業部会」の発足も定められました。ミャンマーについても、民主主義を早期に回復する必要性が強調されました。

今後、首脳会合は少なくとも年1回、今年中に対面の会議を開催することで合意しました。対面の首脳会合は、おそらく6月の英国でのG7サミットの機会に実現すると予想されます。菅首相からは、中国の海警法、香港の選挙制度の修正、ウイグルの人権問題についての懸念が表明されました。

今回のクアッド首脳会合の意義について、インド太平洋をめぐる議論も含め、今週解説します。

●米国救済計画法の成立とバイデンの演説

3月11日は、東北震災の1周年であるとともに、WHOによる新型コロナウイルスのパンデミック宣言から1周年の日でしたが、米国では1.9兆ドルの経済対策法「米国救済計画法(American Rescue Plan Act)」が成立しました。前回の記事含め、これまで本メルマガが述べてきたとおりの展開でした。

「米経済対策の上院可決」(3/8)

そして、バイデン大統領はこの日の夜に国民向けテレビ演説を行いました。プライムタイムに行う初の演説です。

バイデンは、5月1日までに国内のすべての成人をコロナワクチンの接種対象にするよう各州に要請すると宣言。先々週に5月末までに米国のすべての成人向けに十分な量のワクチンを確保できると述べましたが、接種を迅速に実現すべく、各州に展開を急がせるものです。そして、独立記念日の7月4日には、少人数で集まって祝えるようになり、この日が「ウイルスからの独立記念日」にもなると述べました。

バイデンの演説と米国救済計画法の意義、そして今後の立法動向について解説します(※メルマガに限定)。

●全人代の閉幕

全人代は、21~25年の第14次5か年計画を承認し、閉幕しました。経済目標については以下の記事で述べたとおりですが、その内容の意義と評価を述べます(※メルマガに限定)。

「全人代の開幕」(3/8)

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今週の動き
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3/14(日)
・ドイツのバーデン・ビュルテンベルク州とラインラント・プファルツ州の議会選
・グラミー賞授賞式

3/15(月)
・ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)(ブリュッセル)
・アカデミー賞ノミネート発表

3/16(火)
・日米外務・防衛担当閣僚協議(2+2)(東京)
・FOMC(~17日)

3/17(水)
・米韓外務・防衛担当閣僚協議(2+2)(ソウル)
・オランダ下院選挙

3/18(木)
・米中外相級会談(アンカレジ)

3/19(金)
・オースティン国防長官がインドを訪問(~21日)

●ブリンケン・オースティンの日韓訪問

ブリンケン国務長官とオースティン国防長官が日本と韓国を訪問し、外務・防衛担当閣僚協議(2+2)を実施します。外交・防衛トップの初の外国訪問であり、アジア重視の姿勢を鮮明に示したといえます(なお、欧州には先週、ケリー気候変動問題担当特使が派遣されています。こうした閣僚の派遣の仕方からもバイデン政権の問題意識が読み取れます)。

当然ながら、最も重要なのは対中戦略ですが、北朝鮮も重要テーマになるはずです。その観点から、日米韓の連携を強調し、日韓関係の改善に向けた働きかけを行うことも予想されます。

●米中外相級会談

ブリンケン国務長官とサリバン大統領補佐官が中国の外交トップである楊潔チ共産党政治局委員と王毅外相とアンカレジで会談します。バイデン政権で初めての中国との対面での閣僚級会談となります。

ブリンケンは、日韓訪問後の帰路にアンカレジに立ち寄ることになります。アラスカは地理的に米中の中間点にあたります。

また、中国側の説明では、「米国から招待され」「ハイレベルの戦略対話」が行われるとされていますが、米側の発表ではそうした説明はありません。

今回の会談のポイントを述べます(※メルマガに限定)。

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あとがき
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Trump calls on former NFL player Herschel Walker to run for Senate in Georgia(3月11日付Fox News)

トランプ前大統領がNFLのスター選手だったハーシェル・ウォーカーをジョージア州上院選に出馬させようとしているとのことです。

トランプは声明で、「伝説的なハーシェル・ウォーカーが出馬したら素晴らしいことだと思わないかい?NFLで活躍したように誰にも止められないでしょう。ラン(「走れ」と「出馬しろ」のダブル・ミーニング)!ハーシェル!ラン!」とかつてのツイートを思わせるような疾走感のある文章で、出馬への期待を表明しています。

なお、最近のトランプは、レターヘッドをつけた声明でメッセージを発信しているようです。先週、「ワクチンを接種しているときに思い出して欲しい、私が大統領でなければおそらくその注射を受けることができなかったことを!みんな思い出して欲しい!」という声明も出しています。完全にツイートの代用品ですね・・(苦笑)。

ハーシェル・ウォーカーは、私はアメフトに詳しくないのですが、トランプも述べているとおり、NFLの歴史に残る名プレイヤーとのことです。トランプとは長年にわたる親交があり、昨年の共和党大会でも、黒人のスピーカーの一人として登場していました。

ジョージア州上院選は、昨年民主党が2議席とも奪いましたが、元々は共和党が議席を確保していたところであり、共和党の奪還のチャンスは十分にあります。民主党に敗れた2人のうちデヴィッド・パーデューは引退ですが、ケリー・ロフラーは再出馬を検討し、ロフラーとともに出馬したダグ・コリンズもやはり出馬を検討しています。当然ながらトランプの支持は重要な要素になるので、もしウォーカーが出てくれば本命候補になる可能性は高いといえます。

そういえば、ジョージア州上院選は昨年やったばかりなのに来年またやるのか?と思った方もいるかもしれません。民主党のラファエル・ワーノックと共和党の2候補が争った上院選は、共和党現職議員が19年に辞任したことに伴う空席を埋めるための補選でした。この議員の任期は22年までだったので、ワーノックの任期も満了し、選挙が行われる・・というわけです。

ここまでは「あとがき」にふさわしくない真面目な話(笑)になりましたが、ウォーカーのように著名なスポーツ選手が政界に進出する例は過去にいくつもあります。有名なのは、NFLのスター選手だった副大統領候補(ボブ・ドールのランニングメイト)にもなったジャック・ケンプ下院議員と大統領候補にもなったビル・ブラッドレー上院議員です。大学アメフトであれば、ジェラルド・フォード大統領、現役議員のコーリー・ブッカー上院議員などがいます。

昨年のアラバマ州上院選には、大学アメフトのコーチとして有名なトミー・タバービルが当選したことが話題になりました。タバービルはそれ以前にまったく政治の経験がなかったのですが、トランプの支持が大きな強みになりました。当然、ハードコアなトランプ派です。ウォーカーのケースはタバービルの例と似ている印象を受けます。

それにしてもアメフト出身者が多いようですね。先の記事では、NBAのケヴィン・ジョンソン(フェニックス・サンズのレジェンド、私が大好きだった選手)がサクラメント市長、MLBのジム・バニングが上院議員になったことが挙げられていますが、それ以外の人たちはあまりピンときません。メジャーリーガーで思い出すのは、阪神にも在籍したランディ・バースがオクラホマ州の上院議員になったことです。

プロレスラー出身者であれば、ミネソタ州知事になったジェシー・ベンチュラがいます。ただプロレスラーはアスリートというよりパフォーマーとして分類されるのかな?という気もしました。こちらの記事には、プロレスラーから政界進出した例が挙げられています。しかしベンチュラとアントニオ猪木以外は、プロレスが好きな方であれば感動モノなのかもしれませんが、私にはあまりピンと来ませんでした・・。

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