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The Gucci Post [国際政治・経済・金融 × プロフェッショナル]

2021/04/05 00:00  | 今週の動き |  コメント(0)

今週の動き(4/4~10) 米国雇用計画、イラン核合意会合、ミャンマー内戦リスク、菅首相の訪米延期


コロナワクチン、日本でも高齢者向けに接種券の郵送が始まったようですね。私の親は高齢者施設に入居していますが、最近、接種の希望確認が行われたそうです。

河野規制改革担当相によれば、5月下旬までに全国の高齢者3600万人の半数に1回目の接種のワクチンが供給されるとのこと。他の先進国やアジア諸国と比べるとかなり後れをとっていますが、一日でも早い展開を実現して、挽回して欲しいものです。

ともかくも、コロナに悩まされる日々も、ようやく終わりが見えてきました。米国では変異株の感染拡大が懸念されていますが、それでもワクチンの効果は十分に期待できるとされており、経済活動再開の見通しに変わりはありません。あと少し、頑張りましょう。

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先週の動き
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3/28(日)
・パラオのウィップス大統領が訪台(~4/1)

3/29(月)
・バイデン大統領が新型コロナウイルス対策について演説
・USTRがミャンマー制裁として貿易・投資枠組み協定の停止を発表
・ジョージ・フロイド氏の暴行死事件で第2級殺人罪で起訴されたデレク・ショービン容疑者の公判
・中国全人代常務委員会(北京、~30日)
・台湾国防部が中国軍の戦闘機8機と哨戒機2機の防空識別圏(ADIZ)への侵入を発表
・韓国の金尚祚大統領府政策室長が退任(後任は李昊昇経済首席秘書官)
・スエズ運河で座礁した大型コンテナ船「エバーギブン」の離礁が成功、スエズ運河の運行が再開
・ブラジルのアラウージョ外相とアゼベド国防相が辞任

3/30(火)
・バイデン大統領が11人の連邦裁判事候補を指名
・米国務省が20年版の人権報告書を公表
・WHOが新型コロナウイルスの発生源に関する報告書を公表(日米英韓豪カナダ、イスラエル、チェコ、デンマーク、エストニア、ラトビア、リトアニア、ノルウェー、スロベニアの14か国は調査への懸念を表明する共同声明を発表)
・中国全人代常務委員会が香港の選挙制度の見直し案を可決
・北朝鮮の金与正・朝鮮労働党宣伝扇動部副部長が北朝鮮にミサイル発射の自制を求めた韓国の文在寅大統領の発言を非難する談話を国営朝鮮中央通信が報道
・日・インドネシア外務・防衛閣僚会合(2+2)(東京)

3/31(水)
・バイデン大統領が2.2兆ドルのインフラ投資計画「米国雇用計画」を発表(ペンシルベニア州ピッツバーグ)
・USTRが20年版の外国貿易障壁報告書を公表
・インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポールの外相が中国の福建省を訪問(~4/2)

4/1(木)
・バイデン大統領が初の閣議を開催(米国雇用計画の担当にブティジェッジ運輸長官、グランホルム・エネルギー長官、レモンド商務長官、ファッジ住宅都市開発長官、ウォルシュ労働長官の5閣僚を指名)
・香港の裁判所が李柱銘(マーティン・リー)氏、黎智英(ジミー・ライ)氏ら7人に違法集会を組織・参加した罪で有罪判決
・OPECプラス(オンライン)

4/2(金)
・グッド・フライデー(聖金曜日)
・米・ウクライナ首脳電話会談
・日米韓、米韓、日米、日韓高官協議(アナポリス)
・米連邦議会付近の検問所に自動車が突っ込む事件
・イラン核合意の当事国の会合(オンライン)
・台湾の花蓮県で特急列車脱線事故

4/3(土)
・中韓外相会談(ソウル)
・ヨルダン当局がハムザ前皇太子(アブドラ国王の異母弟)ら20人を一斉拘束

●米国雇用計画の発表

バイデン大統領がペンシルベニア州ピッツバーグで「米国雇用計画(The American Jobs Plan)」を発表しました。今後8年間に2.2兆ドルのインフラ投資を行うという計画です。

ホワイトハウス公表のファクトシートによると、主な内容は以下のとおりです。

・交通インフラ、EV普及 6,210億ドル
・製造業支援 3,000億ドル
・AI、バイオなど先端技術のR&D支援 1,800億ドル
・職業訓練プログラム 1,000億ドル
・高齢者・障害者支援 4,000億ドル
・住宅・教育施設・医療施設の改善 3,300億ドル
・高速通信ブロードバンド、電力グリッド、飲料水 3,100億ドル

これらの支出に加え、エネルギー関連の税額控除も含まれています。正確なコストは記載されていませんが、4,000億ドルに上るといわれています。

財源としては、法人税の引上げ(21→28%)、グローバル・ミニマム税の引上げ(10.5→21%)、化石燃料に対する優遇税制の廃止などが示されています。

また、バイデン政権のインフラ計画は「物的インフラ」と「人的インフラ」の2段構えになっており、今回の計画は前者に焦点をあてたものです。後者に焦点をあてた第2弾は今月中に発表される予定です。

第2弾は、1~2兆ドルの規模になると見込まれています。つまり2つのインフラ計画の総支出額は3.5~4.5兆ドルに上る見通しです。第2弾の財源としては、富裕層の所得税の引上げやキャピタルゲイン課税が検討されています。

今回のインフラ投資計画の意義と展望について解説します(※メルマガに限定)。

●イラン核合意の当事国会合

先週、イラン核合意の当事国会合(米国は入っていない)がオンラインで開催されましたが、今週、ウィーンで対面式の会合が開催され、米国が参加することになりました。米国とイランが同じ会合に参加することは予定されていませんが、EUが仲介役になり、間接的に協議が進められることになっています。

今回の動きは注目に値します。コメントします(※メルマガに限定)。

●ミャンマーの内戦リスク

ミャンマーでは、国軍記念日(以下の記事参照)の後も、国軍による抗議活動の弾圧が続き、死者数は500人以上に上っています。

「ミャンマー国軍記念日」(3/29)

また、以下の記事で、NLD議員らが設立した「連邦議会代表委員会(CRPH)」が少数民族武装勢力と連携しようとしていることをお伝えしましたが、少数民族武装勢力の中では、カレン民族同盟(KNU)とカチン独立軍(KIA)がクーデターを非難して国軍への攻撃を積極化させています。これに対し、国軍は空爆で反撃しています。

そして先週、「アラカン軍(AA)」、「タアン民族解放軍(TNLA)」、「ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)」という3つの武装勢力が国軍を非難し、国軍が市民への弾圧を停止しなければ民主化運動を支援する方針を表明しました。CRPHの国連特使のササ医師はこれを歓迎するツイートをしています。

「ミャンマー国軍記念日」(3/22)

そして、CRPHは、08年制定の現行憲法を廃止し、暫定的な憲法として「連邦民主憲章」を採択し、近いうちに暫定的な「統一政府」を近く樹立すると発表しました。

このようにCRPHは国軍に対抗する「臨時政府」としてのイメージを強くアピールし、少数民族武装勢力もこれに連携する動きを見せ、ミャンマーは「内戦」に陥るのではないかとの指摘も見かけるようになっています。この点についてコメントします(※メルマガに限定)。

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今週の動き
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4/4(日)
・ブルガリア総選挙

4/5(月)
・IMF・世銀春季総会(オンライン、~11日)

4/6(火)
・イラン核合意の当事国の会合(米国も参加予定)(ウィーン)
・EU・トルコ首脳会談(トルコ)
・インドのタミル・ナドゥ州、ケララ州、プドゥチェリー連邦直轄領の議会選挙

4/7(水)
・韓国のソウル、釜山市長選挙
・G20財務相・中銀総裁会議(オンライン)

●菅首相の訪米延期

首相の訪米が4月9日に予定されていましたが、16日に延期されました。米側の事情によるもので、新型コロナウイルスの感染が考慮されたと説明されています。

こんな直前に予定が変更されるのは驚きですが、ホワイトハウスのコロナ対策の厳重さは大変なものだそうです(日米韓高官協議をアナポリスでの開催にしたのもコロナ対策かも)。もちろんバイデン大統領の健康を何より気遣っていることがあるのでしょう。

また、総理の訪米というのは(何かの会議のための出席ではなく、訪問それ自体が目的という正式な場合)、私も何度も経験がありますが、巨大な代表団が組まれ、首脳会談以外にも様々な行事がアレンジされ、極めて大規模で複雑な一大ロジになります。米側も、初の対面式の外国首脳の受け入れということで、色々と工夫を重ねているのだろうと思います。

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あとがき
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フォルクスワーゲンがエイプリルフールネタをフライング発表、報道機関が困惑(3月31日付Gigazine)

「大衆車」から「ボルトの車(EV)」というジョークはなかなか思い切ったものですが(ツイッターアカウントまで用意していたとのこと)、それにしてもリリースする日にちを2日間も早めてしまったのは痛恨のミス。一体なぜそうなったのか、会社の情報統制に不安すら抱いてしまいますが・・。

エイプリルフールといえば、ファーストレディーのジル・バイデン夫人は、エアフォースワン機内で、キャビンアテンダントの格好をして、記者たちにアイスクリームを配り、その正体は誰にも気づかれなかったそうです。

バイデンが副大統領だったとき(夫人がセカンドレディーだったとき)にはエアフォースツーの機内で荷物室に隠れ、バイデンを驚かせたとのこと。お茶目ですね。しかも、派手な画像や動画が残るわけでもない。本当に自分の気持ちでやっているのでしょうね。

そういえば、こちらの記事の「あとがき」で述べたとおり、バレンタインデーのサプライズもありました。これも、つつましいというか、さわやかな演出で、お人柄が伝わります。こういう癒やしキャラのコンビという点でも、前大統領夫妻とは何か対照的です。

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