先週の動きです。

8/22（月）
・独仏伊首脳会談（ベントテーネ島）
　→BREXITについて議論

8/24（水）
・北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル（SLBM）を発射
・トルコ軍がシリアに侵入、要衝ジャラブラスから「イスラム国」を掃討
・日中韓外相会議（東京）

8/27（土）
・TICAD VI（ナイロビ、〜28日）
・日韓財務対話
　→日韓通貨協定の再開に向けた議論開始に合意

●BREXIT

BREXITについては、経済的影響よりも、欧州各国のEUに対するスタンスに与える政治的影響が気になるところです。今回の独仏伊首脳会談はまさにそのための連携を確認したものですが、これから欧州では大きな選挙が数多く予定されています。

16年
　6月26日　スペイン議会再選挙（与党が第1党維持）
　9月頃　ドイツ州議会選挙
　10月　スペイン・バスク自治州議会選挙
17年
　3月　オランダ議会選挙
　4月／5月　フランス大統領選挙
　6月　フランス国民議会選挙
　8月～10月　ドイツ連邦議会選挙

まず先陣を切ったスペイン議会選挙では与党が勝利し、EU懐疑派のポデモスは伸び悩むという、現状維持を優先した結果が出ました。

しかし、その後の英国をめぐる動きをみると、EU離脱により英国がかえって恩恵を受ける面もクローズアップされるようになり、各国でのアンチ・グローバリズムが勢いを増していることもあり、EU懐疑派が議席を伸ばす可能性があります。

●トルコ軍のシリア領内の「イスラム国」攻撃

トルコをめぐる動きが相変わらず慌ただしいですが、トルコの軍事行動は、15年8月にシリア領内での「イスラム国」とPKKの両方に攻撃を行ったように、攻撃対象が「イスラム国」なのかクルドなのかという疑問がつきまといます。

今回の作戦では、トルコ軍はYPG（シリア内のクルド人勢力であるPYDの軍事組織）にも攻撃を加えており、15年8月の攻撃と同様、真の狙いはクルドという見方が有力となっています。

今週の動きです。

8/31（水）
・サウジのムハンマド・ビン・サルマン副皇太子が訪日（〜9月3日）
・ミャンマーの少数民族武装組織との和平会議（21世紀パンロン会議）（ネピドー、〜9月4日）

9/2（金）
・オバマ大統領が中国とラオス訪問（～9日）
・日ロ首脳会談（ウラジオストク）
・東方経済フォーラム（ウラジオストク、〜3日）

9/4（日）
・G20首脳会議（杭州、～5日）

●ムハンマド・ビン・サルマン副皇太子の訪日

サウジの真の帝王ともいわれるムハンマド・ビン・サルマン（MBS）副皇太子の訪日は、中東・エネルギー関係者からすれば、待望のビッグ・イベントです。

多弁ですが、真の姿がなかなか見えてこないミステリアスな若き帝王の一挙一動に関心が集まります。ちなみに、MBSは日本文化への関心が高く、新婚旅行の際に訪日しています。

●G20

南シナ海に関する仲裁判断をふまえて、ホスト国である中国がどのように振る舞うのか、何か目覚ましい成果が出ることはないでしょうが、興味が尽きないところです。

最後に、グッチーポスト講演会。私も登壇しますが、本日の記事で言及している米国大統領選、中国外交、BREXIT、中東についても、大胆な切り口で解説したいと思っています。ご期待下さい。