2016/06/27 00:00 | 今週の動き | コメント(5)
今週の動き(6/27~7/3)
土曜に無事、インドから帰国しました。2週間の滞在中、ラジャンRBI総裁の退任表明、ニケシュ・アローラの辞任、BREXIT、NSG会合(インドの加盟は認められず)とインドを揺るがすビッグ・イベントが相次ぎ、大変刺激的な出張になりました。
先週の動きです。
6/23(木)
・英国のEU離脱(BREXIT)の是非を問う国民投票
6/26(日)
・ASEAN地域フォーラム(ビエンチャン)
・スペイン再選挙
●BREXIT
日本との関係では、前の記事で解説したとおり、為替への影響がどこまで続くかという問題はありますが、本来的には実体経済に大きな影響を及ぼすものではありません。
ただ欧州に与える影響は深刻でしょう。それが世界経済の停滞につながり、また世界的なリスクオフの動きが新興国経済に波及することが危惧されます。
そして、何より懸念されるのは政治的なインパクトです。他の欧州各国にどのような影響が及ぶか。まずは26日のスペイン総選挙の結果が注目されます。
今週の動きです。
6/28(火)
・EU首脳会議(ブリュッセル、~29日)
6/29(水)
・北朝鮮の最高人民会議
・モンゴル総選挙
6/30(木)
・フィリピンのドゥテルテ新大統領が就任
・環太平洋合同演習(リムパック)(ハワイなど、~8月4日)
7/2(土)
・豪州総選挙
●EU首脳会議
まさにBREXITについて話し合われることになるでしょう。とりあえずは離脱とその後のEUとの関係をどう決着させるのか、できるだけ早期に確定させて、不安定な状態を解消させることに力を注ぐ他ありません。
●米国大統領選
スコットランドでドナルド・トランプが怪気炎を上げていますが、この結果がトランプの移民排斥、孤立主義に利するという展開にはならないでしょう。「今週の動き(6/13〜20)」で、民主党が結束を固めつつあるのに対し、トランプは勢いを失っていると述べましたが、この状況はそのまま続いています。
6月24日にはバーニー・サンダースが大統領選ではヒラリー・クリントンに投票する旨発表し、民主党は団結ムードをますます高めています。フロリダでの銃乱射事件に対しては、オバマがイスラム過激主義への言及を回避した一方、ヒラリーは、銃規制、LGBT、さらにイスラム過激主義の問題を明言して力強い対応を見せ、高い評価を得ました。
一方、トランプは相変わらず共和党指導部を批判し、両者の断絶は深まる一方。6月25日には保守派の論客であるジョージ・ウィルが共和党から離脱する意向を表明し、衝撃を与えています。
■ George Will leaves the GOP(6月25日付Politico)
ジョージ・ウィルは、米国の現代保守思想を体現する大物であり、彼のワシントン・ポスト紙に掲載されるコラムは毎回非常に読み応えがあります。共和党支持者に与える影響は甚大でしょう。
ただ、反移民、反グローバリズムがナショナリズムと通じる動きは、英国や米国にとどまらず、世界的に起こっている現象であり、今後の国家のあり方にも関わる重い問題です。これは軽々しく論じることができないテーマなので、追い追い取り上げたいと思います。
まずは、いよいよ今週から大統領選のポイントの解説を始めます。
●豪州の総選挙
こちらも、注目度は低いですが、なかなか面白いところです。「豪州・アボット首相の退陣」で解説しましたが、党内クーデターで首相に就任したマルコム・ターンブル首相の信任が問われる選挙になります。
当初は絶大な人気を誇ったターンブルも、支持率を落とし、今は与党の自由党と野党の労働党がまったく五分五分の状況。どうも目が離せない選挙が続きます。
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5 comments on “今週の動き(6/27~7/3)”
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”ヒラリー対トランプのTV生討論会”を東京に招待しましょう
田原さんの英語では司会は無理だから、JDしてよ
アメリカは日本が核武装を恐れているというのを
ケリーが中国で話たって、本当? 信じられてないんだなあ~~
日本関係だけでも、二人に討論してもらいたい内容はありますね(笑)
JDからアクションとって、宜しく
スコットランドに行って、日本に来ないって話はないでしょ?
幸いプーチンは山口だそうだから、バッティングもないし(笑)
片方だけ招待して、招待しないほうが大統領になると、後で
意地悪されるよ
何はともあれ、無事に帰ってくるのが一番のおみやげです。
本当に激動の一週間ですね。
イギリスの外務省のみなさん、針のむしろの上での激務になるんでしょうね。
離脱の交渉は辛いでしょうし、さらに加盟各国と個別にいろいろ話さなければならないんでしょうね。
だけど、いっそのことUNITEDKINGDOMは維持したままスコットランドをそのままEUに残して、脱退した他の部分は北米自由貿易協定加入とか、イギリス連邦をそのまま自由貿易協定にするとか、アメリカ・オーストラリア・日本などで新しい自由貿易協定結ぶとかして、焼け太りできないのかなあ。
したたかな外交に期待します。
日本の岸田外相、イギリス大使に日本企業の権益保護を依頼したけど、むしろ、困っているイギリスにあらゆる便宜を図るくらいのこと言って欲しかったなあ。困ってる時の友達が一番大切というのは何時の時代でも変わらないと思います。日露戦争で日本を一番助けてくれたのはイギリスですし、ベルドンさんが、ぐっちーさんの方に書かれていたように第二次日英同盟というのはとっても良いアイディアだと思います。
そういえば、スラムドッグ$ミリオネアって、確かEUからかなり補助金でていたんですよね。映画って言えば、ボリス・ジョンソンさん、ビッグウエンズデーのリロイにそっくりですね。年を取ればああなるんだなあ。
今回の国民投票、昔のフランス大統領選挙、ジスカール=デスタン対ミッテランを思い出すような大接戦で見てる分には面白かったけど、結果はいいことないような気がするなあ。なんとか災い転じて福となす方法ないかなあ。
民主党のバーニー・サンダースじゃなくてよかった。
もしかしたら、離党して第三党から、なんてちょっと気になってました。
「東シナ海で一触即発の危機、ついに中国が軍事行動」って記事がでてますが、Brexitよりこっちの方が日本にとっては深刻ではないですかね。
中共の挑発行動は度が過ぎてますよ。戦争になりかねない。
似てるなーと思いました。これだけの方が愛想をつかすというのは、アーセナル、じゃなく共和党も引導を渡されたということですね。新たな党を創らざるをえないのでは。茶会のピューリタンはこんな程度で良いんでしょうか。どこで道を間違ったのか。いやこれが彼らの本質で、今までは時代に適合していたにすぎないのか。監督も、古き良き時代が去ったのを悟り、チームを去るのだろうか。