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2016/05/18 01:23  | 米国 |  コメント(6)

米国大統領選:副大統領候補①(共和党)


米国大統領選はドナルド・トランプヒラリー・クリントンという構図がほぼ固まりました。正式に決定されるのは7月の党大会ですが、この二人が指名されることは間違いないという状況になりつつあります。

ということで、関心はこの二人の本選における争いに移ってきます。これから色々なポイントを取り上げたいと思っていますが、時系列に沿って考えてみると、まず注目されるイベントは7月の党大会です。ここでは大統領候補とともに副大統領候補が決定されます。

ということで、本日は副大統領候補の展望について解説します。まず共和党ですが、報道では、以下の人物の名前が挙がっています。

クリス・クリスティ ニュージャージー州知事(2月にトランプ支持
ベン・カーソン(3月にトランプ支持)
スコット・ウォーカー ウィスコンシン州知事(4月にトランプ支持)
リック・ペリー 前テキサス州知事(5月5日にトランプ支持)
ジョン・ケーシック オハイオ州知事

リック・スコット フロリダ州知事(3月にトランプ支持)
ニュート・ギングリッチ 元下院議長(5月11日に副大統領候補になる可能性がある旨発言)

サラ・ペイリン 元アラスカ州知事(1月にトランプ支持
ジャン・ブリューワー 前アリゾナ州知事
ニッキー・ヘイリー サウスカロライナ州知事(インド系)(予備選ではルビオ支持
スザーナ・マルチネス ニューメキシコ州知事(ヒスパニック系)
メアリー・ファリン オクラホマ州知事
ジョニー・アーネスト 上院議員(アイオワ州選出)

最初の5名は元大統領候補。最後の6名は女性です。

また、トランプは、民主党員を副大統領候補とする可能性も示唆しており、一部では、かつて大統領候補ナンバーワンともいわれたデビッド・ペトレイアス元CIA長官も取り沙汰されています。

では、これをどう見るか。まず、副大統領候補は、一般的に、大統領候補が不得意とする分野を補完するという役割の観点から選ばれます。

特に今回の大統領選は、トランプとヒラリー、両候補とも史上稀に見る嫌われ者の候補(笑)、どちらの候補者がより不人気でないかという点で争うという寒い状況になっています。

したがって、両候補とも、自らの不人気度合いを減らすことが極めて重要です。この点、適切な副大統領候補を得れば、この大統領候補は受け入れられないが、この副大統領候補なら(最悪大統領が辞任した場合に大統領に就任するのだから)支持できる、と有権者に思わせる可能性がありますから、いつにも増して副大統領候補が誰になるかが注目されます。

さて、トランプの場合、何よりも必要とされるのは正当性です。

候補者として指名されるのが確実視される中で、徐々に共和党本流の中から(渋々ながらも)トランプを支持する人々が現れていますが(先週にはジョン・マケイン上院議員が支持表明)、共和党指導部の最重要人物であるポール・ライアン下院議長は先週トランプと会談しながらもいまだ支持を明言しておらず、トランプとしては引き続き正当性の調達が最重要の課題となっています。

また、トランプはマイノリティと女性の支持の獲得においてヒラリーに大きく遅れをとっています。これらの有権者の支持を獲得できる人物が副大統領候補としては望ましいといえます。

こうした観点を念頭において上記の候補者をみると、トランプが望むであろうランニング・メイトは、ジョン・ケーシック、ニッキー・ヘイリー、スザーナ・マルチネスといったところでしょう。これらの候補は、それぞれ、共和党本流、マイノリティ、女性というトランプが必要とする要素を備えています。

しかし、いずれの候補もトランプを支持する立場を明らかにはしていません。彼らが固辞するようであれば、すでにトランプ支持を表明している他の候補に頼らざるを得ません。

なお、共和党本流、マイノリティ(特にヒスパニック)の支持を得られるという意味で理想的なランニング・メイトと考えられるのはマルコ・ルビオ上院議員です。

トランプもそれをよく分かっており、ルビオが予備選から撤退を表明した際にはさかんに秋波を送っていました。しかし、ルビオは、先週、自分を検討対象から除くように要求しました。次の大統領選を見据えれば、ここでトランプにのっかることは到底得策とはいえないという判断でしょう。

最後に、ペトレイアス将軍ですが、たしかにかつてはイラク戦争とアフガンの治安回復において指揮官として英雄的活躍をみせ、コリン・パウエルを彷彿させる国民的人気を誇りました。しかし、不倫スキャンダルと機密漏洩問題で失脚し、もはや過去の人間です。指名はあり得ないでしょう。

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6 comments on “米国大統領選:副大統領候補①(共和党)
  1. パードゥン より
    副大統領は党大会で決めなくてもいい?

     必ずしも党大会で副大統領を決定しないでいいのなら
    ヒラリーとの戦いを見ながら決定、発表というのが今回はインパクトが
    ありそうですよ
     副大統領を餌に走らせ忠誠度を見るのが、NHKの真田丸風

     今いるヒスパニックはいいやつだ。 これからは来ないように一緒に塀を
    作ろうでいくなら、スザーナ・マルチネス
    業績は知らないが、選挙向きの名前(笑)

  2. パードゥン より
    トランプ氏、正恩氏と会談に意欲…中国に圧力も

     もう国務省やCIAのトランプへのブリーフィングは始まったのですか?
    大統領にならなくても、両党の候補になった段階で、アクセス権があるのでしょう?  

     トランプ大統領になったら、習、プーチン、金、エルドアン、ルンペンとかの
    ”新独裁者会合”で世界は動きそうですね
    新国際同盟TSPERが発足したりして(笑)

     外務省もそういうタイプを駐米に送りこまないと(笑)
     

  3. ペルドン より
    直近の世論調査

    3%ですが・・
    初めて・・トランプがヒラリーを支持率・・抜きましたね・・

    トランプ支持の偽の寄付団体も現れました・・・(笑

  4. 空の財布 より
    闇市…もとい…米の闇…

    トランプ氏躍進を日本人が見通せなかったのは仕方ないとして、米国のエリート達が予想出来なかったというのは、アメリカはエリートが非エリートからかすめ取る国なのか…?
    鋭い分析、期待してます…。

  5. パードゥン より
    メディアが瑣末な事ばかり騒ぐから駄目なんでしょう

    ブルーンバーグ:
     トランプ氏、米雇用奪ったと批判の3社に投資-アップル株も保有

    こんなの痛くも痒くもないでしょう
     トランプは政治家ではなかったから、投資家としては当然で、最善を尽くした
    これからは、政治家として最善を尽くすわけだから、
    当然、スタバもアマゾン(ワシントンポスト・オーナー)も皆、たたく    私は、その時の仕事に最善をつくす男だ、お客様大事のプロ、投資のプロ
    投票してくれる人のために最善をつくすプロとか言えば終わりでしょう

     ヒスパニックを含めて投票者が求めているのは、お金、自分を豊かにしてくれるプロ    綺麗ごとを言っている余裕のない人達なんだから

     日本人も、中国からばかり買い物するアメリカに怒ってるぞ!

  6. 搬送通信手 より
    トランプ、ルビオのティケット!

    トランプ候補応援!ルビオ上院議員、ランニングメイト引き受けて欲しい!

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