2016/03/18 04:43 | 米国 | コメント(3)
米大統領予備選挙:ミニ・スーパー・チューズデー
ミニ・スーパーチューズデーは、ドナルド・トランプがフロリダ、イリノイ、ノースカロライナで勝利。マルコ・ルビオは地元のフロリダでトランプに15ポイントもの差をつけられて惨敗。撤退に追い込まれました。
一方、オハイオはジョン・ケーシックが予想どおり勝利。もしトランプがフロリダ(99)とオハイオ(66)という勝者総取りの大規模州を制すれば、過半数(1,237)の代議員を獲得できる可能性が十分にありました。
しかし、オハイオを落としたことで、今後、トランプは6割近い代議員を獲得しなければ過半数を獲得できない状況となりました。これからアリゾナ、デラウェア、ネブラスカ、モンタナ、ニュージャージー、サウスダコタという6州の勝者総取り州が登場しますが、合計代議員数は217にとどまります。こうなると、トランプが自力で過半数を獲得するのは結構難しいかもしれません。
過半数を確実なものとするためには撤退候補の取り込みが重要になります。トランプは、フロリダでの勝利のあと、「ルビオはタフでスマートで、素晴らしい将来が待っている」などと言ってほめちぎりましたが、この発言の裏にある意図がルビオ取り込みであることは明白です。
過半数を獲れなければ、何度も述べているブローカード・コンベンションの可能性が出てきます。「ミシガン、ミシシッピー、アイダホ、ハワイ」で述べたとおり、ブローカード・コンベンションで指名が有力視されるのはルビオ、ポール・ライアン、ミット・ロムニーですが、ルビオはあまりにも負け方の後味が悪いので難しいかもしれません。これに対し、オハイオで勝利し今後も選挙戦を続けるケーシックは、今後の頑張り次第では有力候補に挙がってくる可能性があります。
一方で、こうした動きを察知しているトランプは、CNNのインタビューで、過半数を獲得できない場合に他の候補が指名されるようなことがあれば暴動(riots)が発生するだろうという脅しめいた発言。トランプの集会で暴力事件が起こったことが話題になりましたが、これを逆手にとったような手段を選ばぬやり方で手を打ってきました。是非はともかく、この嗅覚と実行力には恐るべきものがあります。
まあ、しかし、今のトランプの勢いであれば6割の代議員を獲得することも不可能ではないかもしれません。また、ブローカード・コンベンションになったとしても、ここまで見事な戦績を積み重ねるトランプを排除することは共和党にとっても難しい決断となります。
予備選の見通しが見えれば、本選の見どころ、ポイントの解説をしたいのですが、7月の共和党全国大会の結果を見るまで待つ必要がありそうです。
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3 comments on “米大統領予備選挙:ミニ・スーパー・チューズデー”
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ルビオ・・
撤退演説・・共和党主流を非難・・自分は主流ではない・・
何のメッセージだろう・?・(笑
「暴動発言」前から・・ミニ投票前から・・トランプ・・規定数に達しなくとも・・最大獲得数・・得た者が・・選べられるべきと発言・・先を読んでいる・・
共和党首脳部の度胸が試される・・心臓に毛が生えているか・??
トランプ対ヒラリー・・
双方・・罵倒戦争・・始まっている・・前哨戦がこれなら・・本線は凄まじいだろう・・稀に診る実戦・・
双方とも・・自政党の反乱数多い・・
見知らぬ天使か知った悪魔か・・ではなく・・見知らぬ悪魔と知った悪魔か・・
オバマ・・クリントン支持のシグナル側近から・・ホワイトハウスは否定・・
これでEメール問題怪しくなってきた・・
サンダース・・依然として・・世論調査では・・対トランプでは・・ヒラリーより有利と出ている・・・(笑
初めて・・
冷静な専門家の意見・・聴いた・・
トランプ・・
メキシコ国境に壁を建てない・・
1200万の違法移民・・国外退去させない・・
米軍に拷問させない・・テロリストの家族も爆撃しない・・
中国製品に45%の関税・・かけない・・等など・・
ホワイトハウスに入れば・・トランプはやりません・・
これだけで・・世界は安堵・・何もしなくとも・・良い大統領だとなる・(笑
だが・・
中国・日本・・為替操作国には指定されるだろうな・・・(笑
考えてみれば、とてつもなく大変な仕事ですよね…。
トランプ氏は度胸があるというか、やはりここまでトップで残っている以上、本気なんでしょうかね?
それか、今の状況はご本人でも予想外なのか…?
彼の本気度はこれからの彼の言動、行動で分かるのでしょうが…。