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The Gucci Post [ぐっちー編集長の金融・経済を中心としたオピニオンブログ News Paper]

2016/02/23 00:00  | 米国 |  コメント(5)

米大統領予備選挙:サウスカロライナ予備選(共和党)・ネバダ党員集会(民主党)

South Carolina Republican Primary Results(NYタイムズ)
Nevada Democratic Caucus Results(NYタイムズ)

●共和党のサウスカロライナ予備選

予想通りドナルド・トランプ(32.5%)が2位のマルコ・ルビオ(22.5%)を10ポイント以上突き放して連勝。しかもサウスカロライナは総取り制のため、トランプは50名の代議員すべてを獲得しました。

「序盤戦のポイント」で述べたとおり、サウスカロライナは共和党にとって死活的に重要な州です。この地での勝利は非常に大きな意味をもちます。こうなるとトランプ旋風も本物と言わざるを得ません。この勢いがどこまで続くのかが当面の焦点となります。

今回のトランプの大きな勝因は宗教右派(evangelicals)の支持を得たこと。本来3位のテッド・クルーズ(22.3%)が獲るべき票でしたが、クルーズはカナダ国籍問題などで失速しており、一方でトランプはバイブルをかざすなど宗教右派向けのパフォーマンスを行っていたこと、サラ・ペイリンの支持を得ていたことが功を奏しています。

ローマ法王から「キリスト教徒」ではないと批判されたことも、トランプにとっては大きなダメージになると思われましたが、意外にもカトリックを嫌う宗教右派を惹き付けたのではないかという見方もあります。そもそもローマ法王の発言は政治的に踏み込み過ぎという批判もありました。怪我の功名です(笑)。

また、カトリックであるルビオが宗教右派の受け皿にはなり得ないこともトランプには有利に働きました。もっとも、ルビオが2位に復活し、ジェブ・ブッシュが撤退宣言したことは、共和党本流にとっては大きな追い風です。

NBC/WSJの世論調査ではルビオとトランプのマッチアップになればルビオ有利という結果が出ています。スーパー・チューズデーまでにルビオに一本化できれば、トランプに一矢報いることは十分可能でしょう。

そして、トランプのように勢いに乗って出てきたトリックスターは、いったん失速すると一気に崩れる可能性が十分にあります。長い選挙戦の中で飽きられる可能性もないとはいえません。そういう意味で、トランプがこのまま突っ走るかは分かりません。まだまだ一波乱はあるでしょう。

今回の予備選で最も深手を負ったのはテッド・クルーズです。彼はここで勝たなければならない候補でした。宗教右派の支持をトランプに奪われたのは大きなダメージです。次のネバダでは現時点で2位につけていますが、ここで敗北するとスーパー・チューズデーもあやうくなってきます。

共和党の次の選挙は23日のネバダ党員集会ですが、もはや注目は3月1日のスーパー・チューズデーに集まっています。ネバダはその前哨戦、スーパー・チューズデーの展望を占うポイントとして考えた方が良いでしょう。

●民主党のネバダ党員集会

こちらも予想通りヒラリー・クリントン(52.6%)がバーニー・サンダース(47.3%)を破りました。この勝利はヒラリーにとっては値千金です。

エスニシティが多様な州であれば、やはりヒラリーが勝つことが明らかになったからです。こうなるとサウスカロライナも同じ展開が期待できます。そうするとヒラリーの勢いは一気に増し、そのままスーパー・チューズデーに突入すれば一気に勝負を決めることが期待できます。

結局のところ、「民主党の序盤戦」で述べた当初の予想どおり、サンダースはアイオワとニューハンプシャーでヒラリーを脅かすが、それもネバダ、サウスカロライナでおしまい、という結末になりそうです。

ちなみにビル・クリントンの動員ですが、もちろん彼のカリスマは誰もが疑わないところですけども、対バーニー・サンダースの戦いにおいてはそれほど効果がありません。なぜなら、サンダースの主な支持層である若者は彼のことを知らないからです(笑)。18歳の若者はモニカ・ルインスキー事件のとき(1998年)に生まれたことになります。

いずれにしても、ヒラリーもビルも過去の人というイメージがつきまとうのは致し方ないところです。今ヒラリーがアピールできるのはオバマ人気にあやかるのみ。実質的にはオバマの3選と変わらないという人もいます。サンダースとの論戦を見ると、ちょっとさびしく感じるところはあります。

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5 comments on “米大統領予備選挙:サウスカロライナ予備選(共和党)・ネバダ党員集会(民主党)
  1. ペルドン より:
    サンダース対ヒラリー

    御仕舞にはならないのです・・
    ヒラリーが勝利しても・・
    サンダースが獲得した・・支持率が・・ヒラリーを苦吟させるのです・・

    予備選前のヒラリーとは・・別人になっているのです。
    サンダースが予備選挙放棄しても・・
    ヒラリーの桎梏になるのです・・・(笑

  2. 下北のねこ より:
    雑感

    トランプさん、ローマ法王にテレビ討論呼びかけてもよかったんじゃないかなって思ったのですが、無茶かな?
    神の代理人であるローマ法王様には、例えバチカン市国元首であっても現世のルールである内政不干渉の原則が適用されないのかななんて最初思ったりもしたんですが、どうせなら、堂々テレビ討論した方がアメリカの人みんな楽しめるし、独占放映権をマードックさんあたりに売りに出せば選挙費用全額回収、余った分をバチカンに寄進でみんなハッピーになれたのでは?
    仮にトランプさん討論で負けても、政策修正のいい機会になったのではなんて思ったんだけどどうかなあ。

    正直、共和党のブッシュさんの敗退は残念です。ちょっと話はずれますが、お金持ちになった人にないものは「罪悪感」であるというネット記事が出ていました。ブッシュさんが負けたのはお兄さんよりもおそらく強い本人の「良識」や空気を読む感覚が邪魔をしたように思えます。
    共和党のことを考え、本拠地フロリダの予備選をする前に撤退してしまうところにも、先日、ルビオを批判して足を引っ張った上で引っ込んだ人とは違う人の良さを感じます。
    だけど、大統領を目指すのならどっかで、自分の本当に思うことを思う存分主張してブレイクスルーしなければダメだったんだろうと思います。最後までもがくことでそのチャンスがあったような気がします。
    勿体無いなあと思います。お父さんのように副大統領から大統領を目指すのかもしれませんが、行政手腕が確かな人だけに、化けるところが見たかったような気がします。

    民主党ではサンダースさんの政策を見て今年は世界的に金融機関にとって厄年かなって、思いました。アメリカだけは無事で済むかと思ったんですが。
    まさかサンダース当選がリスクとは・・・。

  3. JD より:
    ペルドンさん

    もちろん、おしまいは選挙だけの話です。以前このように書いたとおりです。

    「サンダースはヒラリーが独走していた状況に一石を投じ、政策論と選挙戦を白熱させました。おそらくヒラリーの政策はよりリベラルに傾き、また大統領選に向けて民主党陣営は活性化します。これは民主党にとって大きな意味がありました。」

    サンダースのような人はこれからも出てくるし、必要とされるでしょう。

  4. JD より:
    下北のねこさん

    法王は、トランプのことなどたぶん知らないんですよね・・誘導されてしゃべっただけで・・笑
    カトリックのブッシュもルビオも、今回の法王の発言には賛同しかねる趣旨の発言をしていました。

  5. 空の財布 より:
    酔っ払いの戯言…

    >クリントン氏、日中が為替操作と批判 監視強化・関税で対抗措置

    当選することにしか興味の無い、手垢の付いた彼女は変化を求めるアメリカ人から負託を受けることなく、共和党候補者に敗れ去ることになると思います…。

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