プロが語る世界情勢・政治・経済金融の最前線!

The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2024/02/12 00:00  | 今週の動き |  コメント(0)

今週の動き(2/11~17)ザルジニー解任、プーチンインタビュー、トランプの免責特権と出馬資格、バイデン不起訴、パキスタン選挙、インドネシア大統領選


小澤征爾さんの訃報がありました。ずいぶん昔ですが、恵比寿のレストランで偶然に席が隣になったことがありました(帯状疱疹のため眼帯をつけておられた時期です)。このお店があったエリアにはぐっちーさんと何度も飲んだことがあり、その頃の思い出も蘇りました。

また自伝である『ボクの音楽武者修行』は、海外に挑戦する若者の青春を描いた名作であり、小田実の『なんでも見てやろう』、藤原正彦の『若き数学者のアメリカ』、立花隆の『青春漂流』、沢木耕太郎の『深夜特急』と並んで、学生時代の私に大きな影響を与えた一冊でした。ご冥福をお祈りします。

***********
先週の動き
***********

2/4(日)
・米上院の民主党と共和党が国境対策、ウクライナ・イスラエル支援を含む緊急予算案で合意
・イラクの親イラン武装勢力「イラクのイスラム抵抗運動」がシリアのデリゾール県の米軍基地をドローンで攻撃したとの声明
・エルサルバドル大統領選挙(ブケレ大統領が再選)
・ナミビアのガインゴブ大統領が死去
・グラミー賞授賞式(LA)

2/5(月)
・ブリンケン国務長官とサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が会談(リヤド)
・中国北京市の第2中級人民法院が中国系豪州人作家の楊恒均(ヤン・ヘンジュン)氏にスパイ罪で執行猶予2年付の死刑判決
・中国湖南省常徳市の中級人民法院が招商銀行の田恵宇前頭取に収賄罪等で執行猶予2年付の死刑判決
・ソウル中央地裁がサムスン電子の李在鎔会長に資本市場法違反等の容疑について無罪判決
・日伊首脳会談(東京)

2/6(火)
・ブリンケン国務長官とエジプトのシシ大統領が会談(カイロ)
・ブリンケン国務長官とカタールのムハンマド首相が会談(ドーハ)
・米上院がNSCのキャンベル・インド太平洋調整官の国務副長官就任を承認
・米下院がイスラエル支援法案を否決
・米下院がマヨルカス国土安全保障長官の弾劾決議案を否決
・米大統領選挙・ネバダ州予備選(民主党はバイデン大統領が勝利、共和党は「該当者なし」が最多)
・米ワシントンDCの連邦控訴裁判所が21年1月の連邦議事堂襲撃事件に関するトランプ前大統領の起訴について同前大統領の主張する大統領の免責特権の適用を否定する判決
・中韓外相電話会談
・ハマスが米国、イスラエル、エジプト、カタールの4か国から提案された戦闘休止案に返答したと表明
・チリのピニェラ前大統領がヘリコプター事故で死去

2/7(水)
・ブリンケン国務長官がイスラエルのネタニヤフ首相、ガラント国防相と会談(テルアビブ)
・イスラエルのネタニヤフ首相がハマスのガザの戦闘休止案を拒否する意向を表明
・サウジがイスラエルとの国交正常化の条件(パレスチナ独立国家の承認等)に関する声明を発表
・米中央軍がイラクで親イラン武装勢力「カタイブ・ヒズボラ」の司令官を殺害したと発表
・米上院が国境警備強化法案(ウクライナとイスラエルへの支援含む)を否決
・米民主党のマリアン・ウィリアムソンが大統領選からの撤退を表明
・中国国務院が中国証券監督管理委員会の易会満主席の退任(呉清・上海市共産党委員会副書記が後任)を発表
・ロシア軍がキーウを含むウクライナ各地に大規模攻撃
・ロシアの23年の実質GDP成長率の発表(前年比+3.6%)
・スウェーデンの検察が22年9月のノルドストリームの爆発に関する捜査を中止
・アゼルバイジャン大統領選挙(アリエフ大統領が5選)
・パキスタンのバルチスタン州の選挙事務所で爆発

2/8(木)
・バイデン大統領の機密文書持ち出し問題についてハー特別検察官が同大統領を起訴しないと結論づけた報告書を発表
・パラオ、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島の首脳が米上院の与野党指導部や上院歳出委員会に経済支援の遅れへの懸念を表明する共同書簡を送ったとミクロネシア連邦が発表
・米大統領選挙・共和党のネバダ州、米領バージン諸島党員集会(トランプ前大統領が勝利)
・米連邦最高裁がトランプ前大統領のコロラド州での大統領選の共和党予備選への立候補資格について口頭弁論(ワシントンDC)
・ウクライナのゼレンスキー大統領がザルジニー総司令官の解任(シルスキー陸軍司令官が後任)を発表
・ロシアのプーチン大統領に対するタッカー・カールソンによるインタビューが公開
・ロシア中央選挙管理委員会がボリス・ナデジディン元下院議員の大統領選への登録を認めない決定
・中ロ首脳電話会談
・朝鮮人民軍創建日
・パキスタン総選挙
・日・ケニア首脳会談(東京)

2/9(金)
・米独首脳会談(ワシントンDC)
・韓国の新党「改革新党」「新しい未来」を含む4つの政治グループが新党結成を発表
・イスラエルのネタニヤフ首相がガザ最南部ラファへの地上侵攻に向けてイスラエル軍に住民退避とハマスの壊滅を両立する計画の提出を指示

2/10(土)
・中国の春節(休暇は9~15日)

●ザルジニー総司令官の解任

ウクライナのゼレンスキー大統領が同国軍のヴァレリー・ザルジニー総司令官を解任しました。後任にはオレクサンドル・シルスキー陸軍司令官を任命しました。

ゼレンスキー政権は、過去数か月の間に大規模な人事異動を活発に行ってきましたが、その中でも今回のザルジニーの解任は、間違いなく最もインパクトが大きいものです。その意義と今後の展望についてコメントします(※メルマガで解説)。

●タッカー・カールソンのプーチンインタビュー

元Foxの人気アンカーで、現在はX(旧ツイッター)上で「タッカー」という自前の番組をホストしているタッカー・カールソンがモスクワを訪問し、プーチン大統領へのインタビューを行いました。

タッカーのインタビューは、ロシアのウクライナ侵攻後、プーチンが西側の記者からの取材に応じる初めての機会になりました。その意義についてコメントします(※メルマガで解説)。

●トランプの免責特権と大統領選出馬資格

ワシントンDCの連邦控訴裁判所が21年1月の連邦議事堂襲撃事件に関するトランプ前大統領の起訴について、同前大統領の主張する大統領の免責特権の適用を否定する判決を言い渡しました。以下の記事で述べたとおりの展開でした。

「トランプの予備選出馬禁止判決」(23/12/25)
 
また、連邦最高裁がトランプのコロラド州での大統領選の共和党予備選への立候補資格について口頭弁論を開きました。これについては以下の記事で見通しを述べており、今のところその想定に従った展開となっています。

「トランプの予備選出馬禁止判決の最高裁審理」(1/9)
 
これら二つの裁判について、今後注目すべきポイントをあらためて解説します(※メルマガで解説)。

●バイデンの不起訴

バイデン大統領の機密文書持ち出し問題について(以下の記事参照)、ロバート・ハー特別検察官が刑事訴追しないと結論づけた報告書を発表しました。不起訴の理由は、バイデンには記憶力について重大な問題があり、陪審員に対して「思いやりと善意があり、記憶力に劣る高齢男性」という印象を与えることになり、故意の立証は期待できないというものでした。

「バイデンの機密文書持ち出し」(23/1/16)

「バイデンの機密文書持ち出し」(23/1/30)
 
報告書が発表されると、バイデンは急遽記者会見を開き、「私の記憶力に問題はない」として反論しました。特に自分の長男ボーがいつ死んだのか思い出すのに苦労したという指摘に対しては、「正直言って、お前らの知ったことかと思った」「(息子が)いつ亡くなったかなど、誰かに思い出させてもらう必要などまったくない」として、怒りをあらわにしました。

ところが、その記者会見で、バイデンはガザ情勢について説明した際、「メキシコのシシ大統領」と発言し、エジプトとメキシコを混同しました。これは記憶障害というより単なる言い間違いでしょうが、それにしても大事な場面で恥の上塗りという事態になってしまいました。

今回の不起訴の意義とバイデンの能力をめぐる議論についてコメントします(※メルマガで解説)。

●パキスタン総選挙

パキスタンで総選挙(下院、定数336)が行われました。まだ最終結果は判明していませんが、2月10日時点では、イムラン・カーン元首相率いる野党パキスタン正義運動(PTI)の支持を受けた無所属候補が最多(100)、ナワーズ・シャリフ元首相率いる与党イスラム教徒連盟シャリフ派(PML-N)が2位(71)、パキスタン人民党(PPP)が3位(54)となっています。

前回の記事(以下のリンク参照)で選挙の見通しをお伝えしましたが、PTIがこれだけの議席を獲得するのは完全に予想外でした。ただし、いずれの勢力も過半数を獲れないことは予想の範囲内でした。

「パキスタン総選挙」(2/5)

PTI陣営は収監されているカーンの生成AI動画を公表し、勝利を宣言しました。一方、シャリフはPTIの支持を受けた候補が無所属であることを念頭に、自党が最大政党であると主張し、連立政権の準備に入ると発表しました。

今回の選挙の意義と今後の展望を解説します(※メルマガで解説)

***********
今週の動き
***********

(※インドネシア大統領選挙など。メルマガで解説。)

***********
あとがき
***********

『不適切にもほどがある!』(TBS)

いや、これは最高に面白いドラマですね。毎回、爆笑しながら見ています。しかし、私のようにまだ昭和の頃をおぼえている人にはヒットするにしても、平成・令和世代がどこまで理解できるのだろうかという気もしますが・・異世界ものを見るようなノリで楽しめるのでしょうか(※ここから先はメルマガをご覧下さい)。

メルマガ「世界情勢ブリーフィング」を購読するためにはご登録のお手続きが必要です。

当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。

コメントを書く

* が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。