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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2023/01/30 00:00  | 今週の動き |  コメント(0)

今週の動き(1/29~2/4)ロシアのウクライナ侵攻、マッカーシー訪台、バイデン機密文書、ブラジル・アルゼンチン共通通貨、米サマータイム


前回の配信(第688号)で、東京も寒くなってきましたが、天気が良いのでさわやかですね、などと書いていたら、大寒波の到来ということで、先週は「寒い」どころか「極寒」になりました。風が強いと、まさに身を切られるような感覚に。あまりの寒さにゴルフもキャンセルしました。

ジムには引き続き早朝に行っていますが、出かけるときはフリースを重ね着し、ジムに着いてもしばらくはトレーナーなど着ています(すぐに暑くなりますが)。まあジムのような室内での運動は良いとしても、ゴルフやアウトドアは暖かくなるまで無理をしない方が良さそうですね。雪も降りそうですし。皆さんもお気をつけください。

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先週の動き
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1/22(日)
・独仏合同閣僚会議、独仏協力条約(エリゼ条約)締結60周年の記念式典(パリ)
・英国のジョンソン元首相がキーウを訪問
・中国の春節(休暇は21~27日)
・イスラエルのネタニヤフ首相がデリ内相兼保健相を解任
・トルクメニスタン憲法の改正
・NZのヒプキンス教育相が労働党の党首に就任

1/23(月)
・ポーランドのモラウィエツキ首相がドイツ製の主力戦車「レオパルト2」のウクライナへの供与についてドイツに承認を求めると表明
・ロシアのラブロフ外相が南ア、エスワティニ、ボツワナ、アンゴラを訪問
・NYの連邦検察がロシアのオリガルヒのオレグ・デリパスカのために働き報酬を受け取ったとしてFBIの元高官チャールズ・マクゴニガルをマネーロンダリングの罪等で逮捕・起訴
・米財務省がイランの革命防衛隊の高官や協力財団への制裁を発表
・バイデン大統領が国務省のジュリー・ターナー民主主義・人権・労働局東アジア・太平洋部長を北朝鮮人権担当特使に指名
・マッカーシー下院議長が今春にも台湾訪問を検討しているとパンチボールニュースが報道
・EU外相理事会(イランへの追加制裁を発表)(ブリュッセル)
・トルコのエルドアン大統領が総選挙を5月14日に実施すると表明
・ブラジル・アルゼンチン首脳会談(地域通貨の創設に向けた協議で一致)(ブエノスアイレス)

1/24(火)
・ウクライナのティモシェンコ大統領府副長官、シャポワロフ国防次官、シモネンコ副検事総長、ヘルソン、ザポーリジャ、スムイ、ドニプロペトロウシクの4州の知事が解任
・ウクライナのエネルギー分野支援に関するG7+外相会合(オンライン)
・ペンス前副大統領の私邸で機密文書が発見されたとの報道
・米司法省がグーグルのインターネット広告事業の反トラスト法違反を理由に一部の分離を求める訴訟をバージニア州東部地区連邦地裁に提起
・中南米カリブ諸国共同体(CELAC)首脳会議(ブエノスアイレス)

1/25(水)
・ドイツがウクライナに「レオポルト2」14両を供与する(他国の供与も認める)と発表(ノルウェーも供与を発表)
・バイデン大統領がウクライナに主力戦車「エイブラムス」31両を供与すると発表
・台湾の総統府が陳建仁前副総統を行政院長に任命すると発表
・インド・エジプト首脳会談(デリー)

1/26(木)
・ロシア軍がウクライナ各地をミサイルとドローンで攻撃
・カナダがウクライナに「レオパルト2」4両を供与すると発表
・米財務省がロシアの民間軍事会社「ワグネル」を「重要国際犯罪組織」に指定、ワグネルに人工衛星画像を提供していたとして中国企業「スペースティー・チャイナ」に制裁
・オースティン国防長官がソマリアの「イスラム国」の指導者の殺害を発表
・バーンズCIA長官がイスラエルを訪問
・米国の22年10~12月期の実質GDP成長率の発表(前期比年率換算+2.9%)
・イスラエル軍がヨルダン川西岸ジェニンでパレスチナの過激派を急襲

1/27(金)
・ ポーランドのモラウィエツキ首相がウクライナに自国製の戦車「PT-91」を含む戦車60両を追加供与すると表明
・バイデン大統領がクレイン大統領首席補佐官の退任とジェフリー・ザイエンツ元新型コロナウイルス対策調整官の首席補佐官任命を発表
・日米蘭の政府高官の先端半導体の対中輸出規制に関する協議(ワシントンDC)
・北朝鮮の朝鮮労働党の金与正副部長が米国のウクライナへの戦車供与を非難する談話を発表
・パレスチナの武装勢力がガザからイスラエル南部に向けてロケット弾2発を発射(イスラエル軍はガザを空爆)
・イスラエルのエルサレムのシナゴーグで銃撃事件

1/28(土)
・トランプ前大統領が24年大統領選に向けた初の公開イベントを開催(ニューハンプシャー、サウスカロライナ)
・チェコ大統領選挙決選投票(ペトル・パベル元NATO軍事委員会議長が勝利)

●ロシアのウクライナ侵攻

ロシア軍によるウクライナ侵攻は、本日(1月30日)で343日目を迎えました。

戦況は引き続き全体として膠着状態にあり、ハルキウ州東部とルハンスク州西部、ドネツク州ヘルソン州ザポリージャ州という3つの前線で攻防が続いています。

ドネツク州では、ロシア軍がバフムトの攻略を目指して周辺で地上攻撃を続け、特にワグネルが段階的な前進を続けているとみられますが、包囲には至っていません。バフムトで思ったような進展がみられないこともあってか、ザポリージャ州で限定的な攻撃がみられましたが、大きな進展は得られず、ロシア軍は戦果を公表しませんでした。

先週の大きな動きは、ドイツと米国がウクライナに主力戦車を供与すると決定したことでした。ドイツは「レオポルト2」14両を自国から供与し、他国の供与も認めるとして、あわせて2個戦車大隊(88両)を編成できる規模を供与する計画を発表しました。現時点で、ポーランド、フィンランド、ノルウェー、スペイン、ポルトガルが供与の意向を表明しています。

米国も、ほぼ同じタイミングで、バイデン大統領が「エイブラムス」31両を供与すると発表しました。以下の記事で述べたとおり、最終的にこうした決定に至ることは予想されていましたが、それにしても、ウクライナ・コンタクト・グループからわずか数日後にここまで事態が動くとは驚きでした。

「ロシアのウクライナ侵攻」(1/23)
 
英国は、すでに「チャレンジャー2」14両の供与を発表しており、3月末にウクライナに届けると表明しています。これにより、米欧が供与する主力戦車は140両を超えることになりますが、駐フランスのウクライナ大使は、ウクライナに供与される戦車は321両に上ったと発言しました。

一方、ウクライナでは政府高官の汚職疑惑による解任が相次ぎました。ティモシェンコ大統領府副長官、シャポワロフ国防次官、シモネンコ副検事総長、ヘルソン、ザポーリジャ、スムイ、ドニプロペトロウシクの4州の知事らが解任され、今後もさらなる解任や一部の省庁の解体があり得るといわれています。

また、米国は、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」を「重要国際犯罪組織」に指定し、ワグネルに人工衛星画像を提供していたとして中国企業「スペースティー・チャイナ」に制裁を科しました。これは二次的制裁(第三国の関係者・機関に対する制裁)の適用事例であり、今後に大きな示唆を与える措置になります。

こうした最新の動きを踏まえ、現状と展望について解説します(※メルマガで解説)。

●マッカーシーの訪台報道

マッカーシー下院議長が今春にも台湾を訪問する計画を検討していると米ネットメディアのパンチボウルニュースが報じました。

中間選挙後に共和党が下院を奪還し、共和党の新たな下院議長(マッカーシーが想定)が訪台を行うであろうことは以下の記事などで指摘してきました。

「ペローシの訪台(米中台関係の今後)」(22/8/17)
 
したがってこの報道自体はサプライズではありません(タイミングについても一部で噂は流れていました)。しかし、ホワイトハウスや中国の反応から今後の展望について示唆を得ることができます。この点についてコメントします(※メルマガで解説)。

●バイデンの機密文書持ち出し

バイデン大統領の機密文書持ち出しは、以下の記事で述べた後も、FBIの集中的な捜査を経て新たな文書が発見され、現在では約20点の機密文書持ち出しが確認されています。副大統領のみならず、上院議員だった頃の文書もあったとされています。

「バイデンの機密文書持ち出し」(1/16)
 
一方、ペンス前副大統領の自宅でも機密文書が見つかったことが判明しました。ペンスは文書の持ち出しを認識していなかったとしつつも、自らが「全責任を負う」と述べました。

バイデンの機密文書問題(「ドキュメントゲート」「ガレージゲート」などと言われる)は、共和党の調査に対する熱意もあり、上記記事で述べたとおり、24年大統領選に向けて大きな影響を及ぼす可能性があります。今後のポイントについて、トランプ前大統領の動向も含めてコメントします(※メルマガで解説)。

●ブラジル・アルゼンチンの共通通貨構想

中南米カリブ諸国共同体(CELAC)の第7回首脳会議がブエノスアイレスで開催され、ブラジルのルーラ大統領も出席しました。ボルソナロ前大統領が21年の第6回会議を欠席したので、ブラジルの大統領は17年の第5回会議以来の出席になります。

ルーラはアルゼンチンのフェルナンデス大統領と会談し、二国間の経済協力の強化を謳う共同声明を発表しました。声明には南米の新しい地域通貨の構想に言及があり、両首脳は共同記者会見でもこの件について協議をしていることを認め、メディアはブラジルとアルゼンチンが共通通貨の創設で一致したと大きく報じました。

また、中国の習近平国家主席がCELACにビデオメッセージを送り、中国と中南米の協力の重要性を強調しました。読者の方から質問も受けましたので、この点も含めて、今回の会議の意義についてコメントします(※メルマガで解説)。

●米国のサマータイム法案

読者の方から以下の質問をいただきました。

>メルマガで取り上げていただきたい案件があります。
>アメリカで夏時間がなくなる(夏時間だけになる)法案が上院で成立したというニュースが流れいていたと記憶しておりますが、この件はその後どうなったのでしょうか?また、どうなりそうなのでしょうか?

いつもの世界情勢のテーマとは少し趣きが異なりますが、現地の生活やビジネスに大きな影響を与える問題であり、関心も高いと思いますので、現状と今後の展望についてコメントします(※メルマガで解説)。

※日米蘭の半導体の対中輸出規制の合意に関するブルームバーグの報道については、以下の記事を参照下さい。その後の進展もみつつ、タイミングを見てまた取り上げるつもりです。

「米国の対中技術輸出規制の強化」(22/12/19)
 
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今週の動き
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(※メルマガで解説。)

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あとがき
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「着るビーズクッション」まさかの商品化 「売れるわけない」社内で反対続出も 意外人気にメーカー驚き(1月25日付Livedoor News)

冒頭で述べた寒さの対策・・?とはあまり関係ないかもしれませんが、これは気持ちよさそうですね。ビーズクッションというとMUJIのクッションを思い出します。記事にも書かれていますが、クッションの中のビーズが動いて体にフィットするのが特徴的でした。

初めて使ったときはとても新鮮な感触でした。ビーズが体を包み込むような形になるので、気持ち良いですが、なかなか抜け出せなくなります。当時はネコと一緒にクッションの中に埋もれていたものです。「ダメになる」気持ちはよくわかります(笑)。

しかし、ビーズは結構な質量があると思っていましたが、この商品は4キロもあるのですね。動く分に問題はないとありますが、横になったら立ち上がれないのでは。クッションに体にめりこみますし。それはそれで気持ちよさそうですが、ますますダメ人間になりそうな・・いやでも起き上がるときに結構筋力を使うので、逆に良い運動になるのかもしれません。

私の友人に、米国人の弁護士で、10年くらい前に日本に1~2年だけ滞在した人がいるのですが、このクッションをいたく気に入って、感動のあまりわざわざ米国に持って帰っていました。今でも米国のどこかでクッションにうずもれてリラックスしているのでしょうか。この着るビーズクッションのことを教えてあげようかと思いました。

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