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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2023/12/25 00:00  | 今週の動き |  コメント(0)

年末年始の動き(12/24~1/7)トランプの予備選出馬禁止判決、日本製鉄のUSスチール買収


先週のオンラインセミナーには、予想を超える多数の方々に参加いただきました。質問やコメントもたくさん寄せられ、2時間近くに及びました。私もすっかりテンションが上がり、しゃべり倒してしまいました(笑)。

やはりライブで皆さんとお話するのは、一体感があって楽しく、また自分では思いつかないような視点をお聞きできて、大変刺激になります。来年はより頻繁に開催したいと思っていますので、よろしくお願いします。

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先週の動き
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12/17(日)
・イスラエル軍がガザ北部のエレズ検問所の近くでハマスが造った過去最大級のトンネルを発見したと発表
・北朝鮮が平壌から日本海に向けて短距離弾道ミサイル1発を発射
・ドイツのザクセン州ピルナ市長選(AfDの候補が勝利)
・セルビア総選挙(与党セルビア進歩党が勝利)
・チリで新憲法の是非を問う国民投票が否決

12/18(月)
・オースティン国防長官とイスラエルのネタニヤフ首相、ガラント国防相が会談(エルサレム)
・オースティン国防長官が紅海で商船の安全を守るための有志連合の創設を発表(同)
・中国の王毅共産党政治局委員兼外相と北朝鮮の朴明浩外務次官が会談(北京)
・香港の裁判所が香港紙・蘋果日報(アップル・デイリー)創業者の黎智英(ジミー・ライ)の香港国家安全維持法(国安法)違反容疑の審理を開始
・北朝鮮が平壌から日本海に向けて大陸間弾道ミサイル(ICBM)1発を発射(北朝鮮はICBM「火星18」の発射訓練を行ったと発表)
・エジプトのシシ大統領が12月10〜12日の大統領選で3選したと選挙管理委員会が発表
・AZEC首脳会合(東京)
・日本製鉄がUSスチールの買収を発表

12/19(火)
・米上院のシューマー、マコネル両院内総務がウクライナ支援法案に関する声明を発表
・米国とEUが鉄鋼・アルミへの追加関税の停止を25年3月まで延長すると発表
・コロラド州最高裁がトランプ前大統領の同州での24年大統領選の共和党予備選出馬への立候補資格を憲法修正14条3項に基づき否定する判決
・ウクライナのゼレンスキー大統領が年末の記者会見(ウクライナ軍が45〜50万人の追加動員を要請していると表明)(キーウ)
・中国の李強首相とロシアのミシュスチン首相が会談(北京)
・フランスで移民法が成立

12/20(水)
・バイデン大統領がウィスコンシン州ミルウォーキーを訪問
・米国がベネズエラ人の容疑者、ベネズエラが政治犯20人と米国人10人を解放
・中国の習近平国家主席とロシアのミシュスチン首相が会談(北京)
・欧州委員会が移民・難民対策で大筋合意に至ったと発表
・EU財務相会合(財政ルールの緩和で合意)(オンライン)
・豪・NZ首脳会談(シドニー)
・ハマスのハニーヤ指導者がエジプトを訪問
・コンゴ民主共和国大統領選挙

12/21(木)
・米・メキシコ首脳電話会談
・ブラウン統合参謀本部議長と中国軍の劉振立統合参謀部参謀長がテレビ電話で協議
・中国の商務省と科学技術省が中国輸出禁止・輸出制限技術リストの改訂版を発表(レアアース加工技術の輸出を制限)
・韓国大法院が日本製鉄の元徴用工訴訟と三菱重工業の元挺身隊訴訟で賠償を命じる二審判決に対する被告の上告を棄却(判決が確定)
・アンゴラがOPECプラスから脱退

12/22(金)
・バイデン大統領がロシアの軍需産業と取り引きのある金融機関への制裁に関する大統領令に署名
・米国で24会計年度(23年10月~24年9月)の国防授権法(NDAA)が成立
・米連邦最高裁がトランプ前大統領の主張する大統領の免責特権の判断に関する検察側からの早急な審理の要請を却下
・国連安保理がガザへの人道支援に関する決議を採択
・イスラエル軍がガザ中部のブレイジ難民キャンプの住民に退避を勧告
・日本政府が防衛装備移転三原則と運用指針を改定

※年末ということで、本日はいつもより簡潔にします。また今週はこの後、「2023年の回顧」を配信します。それをもって今年の締めくくりとさせていただきます。

●トランプの予備選出馬禁止判決

コロラド州の最高裁がトランプ前大統領の共和党予備選への出馬資格を認めないとの判決を言い渡しました。トランプは21年の連邦議事堂襲撃事件に関与したと認定し、したがって憲法修正14条3項(国家に対する反乱に関与した役人の公職就任の禁止)に基づき、トランプに公職に就任する資格は認められないとの判断です。

憲法修正14条3項がトランプの公職就任資格を奪う法的手段になり得ること、この条項に基づいていくつかの州で訴訟が提起されていること(現時点で少なくとも17州で係争中)は以下の記事で指摘していました。

「米連邦議会議事堂の襲撃」(21/1/12)
「トランプ弾劾裁判の無罪評決」(21/2/15)
「トランプ3度目の起訴」(8/7)
 
ミシガン、ニューハンプシャー、フロリダ、ミネソタの各州の裁判所は手続上の理由で請求を却下していました。今回のコロラド州最高裁の判決は、原告(共和党の元州議会議員)の請求を認めた初めての例となります。

トランプは激怒し、「我が国にとって何という恥ずべきことだろう!!!」「アメリカにとって悲しい日だ!!!」とトゥルース・ソーシャルに投稿しました。多くの共和党議員がトランプに同調し、判決を非難しました。

今回の判決が意味するものと今後の展望について解説します(※メルマガで解説)。

●日本製鉄のUSスチール買収

日本製鉄USスチールを約141億ドルで買収すると発表しました。実現すれば、日本製鉄は中国宝武鋼鉄集団に次ぐ世界2位の鉄鋼メーカーとなります。

これに対し、USスチールが本社を置くペンシルベニア州の上院議員である民主党のジョン・フェッターマンボブ・ケーシー、それに同州の下院議員数名がすぐに反対を表明しました。また、ペンシルバニアと並ぶラストベルトの代表州であるオハイオ州の上院議員である共和党のJ・D・バンスと民主党のシェロッド・ブラウン、それに共和党のジョシュ・ホーリー、マルコ・ルビオ、民主党のジョー・マンチンら他の上院議員も反対を表明し、超党派で異議が唱えられる展開になりました。

ホワイトハウスは、USスチールは米国の国家安全保障に不可欠な国内鉄鋼生産の中核を担っている、本件買収については対米外国投資委員会(CFIUS)が調査を行うとの声明を発表しました。

世界を代表する日米の鉄鋼メーカーの合併は、米国の政治を動かす意味でも大型案件になりました。今回の米国内の動きと今後の見通しについて解説します(※メルマガで解説)。

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今週・年始の動き
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(※メルマガで解説。)

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あとがき
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The 65 best Christmas songs of all time(11月17日付Time Out)
【特集】僕らの心に残る定番クリスマスソング 名曲24選(12月7日付HMV)

クリスマスですね。昨年はクリスマス映画をご紹介しましたが(こちらの記事(22/12/26)の「あとがき」参照)、今年はクリスマスソングを見てみました。

Time Outの1位はマライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス(All I Want For Christmas Is You)」。この曲は94年リリースで、私もほぼリアルタイムで憶えていますが、割と新しい曲なのにこんな定番になるというのがすごいですね。バイデン大統領も、クリスマスといえばこれだろと言わんばかりの投稿をしていました。

しかもTime Outの解説によれば、リリース当初は人気がなかったが、だんだんと人気が上がって、19年に全米1位になって定番になったそうです。日本ではもっと早くから人気があったような気がするのですが(90年代のドラマの主題歌にも使われた記憶が)。

HMV(日本)の1位は桑田佳祐と松任谷由実の「Kissin’ Christmas(クリスマスだからじゃない)2023」。これは、元々は86年に放送された伝説の音楽番組の曲ですね。超大物のメジャーアーチストのみならず、BOØWY(ボウイ)などテレビではほとんど見ることのない若手のロックバンドなども集結し、私の中では、バンドエイド(Do They Know It’s Christmas?)、USAフォー・アフリカ(We Are the World)の日本版というイメージの豪華企画でした(バンドエイドは84年、USAフォー・アフリカは85年、この番組は86年でした)。

当時まだ私は幼かったので、その内容を(VHSのテープで)しっかり確認したのは後だったのですが、BOØWYのファンだったので、その登場は強い印象が残りました(吉川晃司と共演、そういえばここは90年代にも組んでましたね)。主題歌の「Kissin’ Christmas(クリスマスだからじゃない)」はどのアルバムにも収録されなかったそうですが、私は録音で聴いていました。

クリスマスというと、このように映画や音楽もあって、懐かしい記憶がよみがえり、気持ちが華やいだり、何かしみじみと穏やかな気持ちになります。大変なことばかり起こっている時代ですが、こういう時間も大切にしたいものです。皆さんも素敵なクリスマスをお過ごしください。

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