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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2023/08/07 00:00  | 今週の動き |  コメント(0)

今週の動き(8/6~12)ウクライナ軍のモスクワと黒海での攻撃、サウジ主催のウクライナ和平会議、トランプ3度目の起訴


猛暑が続いていますが、今週は台風が接近するとのことで、天気も荒れそうですね。こうなると現金なもので、夏の日差しが恋しくなりますが(私だけ?)。

暑さですでに外に出ることは少なくなっていると思いますが、外出も控えた方が良さそうです。気を付けましょう。

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先週の動き
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7/30(日)
・ロシアの「海軍の日」を記念する水上軍事パレード(プーチン大統領が演説)(サンクトペテルブルク)
・ロシア軍がウクライナ各地をミサイルとドローンで攻撃
・モスクワに3機のドローンが飛来したが撃墜したとロシア国防省が発表(モスクワのビジネス街「モスクワシティ」のビルが損傷)
・ワグネルが戦闘員の採用を無期限で停止するとテレグラムに投稿
・パキスタンのカイバル・パクトゥンクワ州の集会会場で爆発
・ニジェール情勢に関する西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の緊急会合(アブジャ)
・中央アフリカで大統領任期延長に関する憲法改正の是非を問う国民投票

7/31(月)
・クリテンブリンク国務次官補(東アジア・太平洋担当)と中国外交部の楊濤・北米大洋州局長が会談(ワシントンDC)
・フロリダ州のデサンティス知事が大統領選の公約「経済的独立宣言」を発表
・中国が高性能ドローンや関連製品を輸出規制の対象にすると発表
・中国が半導体素材のガリウムとゲルマニウム関連製品の輸出規制を実施
・NPT再検討会議の第1回準備委員会(ウィーン、~8/11)
・フォンデアライエン欧州委員長がフィリピンを訪問(~8/1)
・ユーロ圏の23年4~6月期の実質GDP成長率の発表(前期比+0.3%)
・台湾の侯友宜・新北市長(国民党の総統候補)が訪日(~8/2)

8/1(火)
・米連邦大陪審がトランプ前大統領を連邦議会襲撃事件への関与について米国を欺く罪等4件の重罪の容疑で起訴
・米国がウイグル強制労働防止法に基づき中国企業2社に対する輸入規制を発表
・フィッチが米国の外貨建て長期債務格付けをAAAからAA+に引き下げ
・中国人民解放軍のロケット軍と政治委員が7月31日に交代したと解放軍報が公表
・モスクワに複数のドローンが飛来したが撃墜したとロシア国防省が発表(モスクワシティのビルが損傷)
・クリミア半島のセヴァストポリ市内の上空と南西の海上でドローンによる攻撃を阻止したとロシアが発表
・ロシア軍がウクライナのドニプロペトロウシク州のクリビーリフ(ゼレンスキー大統領の出身地)をミサイルで攻撃
・ベラルーシ軍のヘリコプター2機がポーランドに領空侵犯したとポーランド国防省が発表
・ウクライナ外務省がポーランド大統領顧問のウクライナ支援に関する発言を非難し、ポーランドの駐ウクライナ大使を呼び出して抗議(ポーランド外務省もウクライナの駐ポーランド大使を呼び出して抗議)

8/2(水)
・ラトナー国防次官補(インド太平洋安全保障担当)と中国外交部の楊濤・北米大洋州局長が会談(ペンタゴン)
・ロシア軍がウクライナのキーウとオデーサ州のドナウ川沿いの河川港イズマイルをドローンで攻撃
・ロシア・トルコ首脳電話会談
・ウクライナ国家安全保障・国防会議のダニロフ書記がクリミア大橋で22年10月と23年7月に起きた2度の爆発はウクライナの特殊機関の攻撃によるものと発言
・タイ貢献党が8党の連立協議からの離脱を発表
・G20環境・女性活躍担当相会合(インド・ガンディナガル、~4日)
・財務省の神田財務官がキーウを訪問

8/3(木)
・トランプ前大統領がワシントンDCの連邦地方裁判所に出頭
・米司法省が海軍の兵士2人を中国に米国の軍事情報を流出させた容疑で逮捕したと発表
・ロシアのカルーガ州に飛来したドローン7機を撃墜したとロシアが発表
・ウクライナのキーウに飛来したドローン15機を撃墜したとウクライナが発表
・ポーランド・リトアニア首脳会談(スバウキ回廊)
・国連安保理が紛争と食糧安全保障に関する公開会合(NY)
・「イスラム国」がアブフセイン・フセイニ・クライシ指導者の死亡とアブハフス・ハシミ・クライシ新指導者の決定を発表
・EUが日本産食品の輸入規制を完全撤廃

8/4(金)
・ウクライナ軍の水上ドローンがロシアのノボロシスクの海軍基地を攻撃したとロシア国防省が発表
・ウクライナのマリャル国防次官がウクライナ軍の反転攻勢は南部の一部でロシア軍の第1防衛ラインを突破していると表明
・ロシアが23年6月までに同年の国防予算4兆9,800億ルーブルのうち5兆5,900億ルーブルを消費し、同予算を9兆7,000憶ルーブルに増額したとロイターが報道
・ロシアの裁判所が反体制指導者ナワリヌイに過激派団体を創設した罪等で懲役19年の判決
・クリスティ元ニュージャージー州知事がキーウを訪問

8/5(土)
・ウクライナ軍の水上ドローンがケルチ海峡でロシアのタンカーを攻撃したとタス通信が報道
・サウジ主催のウクライナ和平に関する会議(ジェッダ、~6日)
・ロシア軍がルハンスク州のノボセリフシケを解放したと発表
・タイのタクシン元首相が8月10日に予定していた帰国を延期すると発表
・パキスタンの裁判所がカーン前首相に外国首脳から受け取った贈答品の売却を政府に報告しなかったとして汚職罪で禁錮3年の有罪判決

●ウクライナ軍のモスクワと黒海での攻撃

モスクワのビジネス街「モスクワシティ」にドローンが飛来し、ロシア軍が撃墜して、高層ビルに被害が出るという事態が相次ぎました。

ウクライナ軍は関与を明言していませんが、ドローンはウクライナ製だったと報じられており、ゼレンスキー大統領も、「戦争は次第にロシアの領土へ戻りつつある」と述べ、攻撃への関与を示唆しました。

また、ロシアのクラスノダール地方のノボロシスクにある海軍基地が水上ドローンによって攻撃されました。ノボロシスクは黒海沿岸の主要港で、ここから1日あたり180万バレルの原油(世界供給量の2%に相当)が輸出されています。また、クリミア半島から150キロほど離れていますが、昨年8月にセヴァストポリが攻撃された後は、ロシアの重要な軍事拠点になっています。

ウクライナ当局は動画を公表し、水上ドローンはロシア海軍の揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」を直撃して損傷を与えたとしました。一方、ロシア国防省は、水上ドローンの攻撃はあったが撃退したとして、被害が生じたことは認めませんでした。

さらに翌日、ケルチ海峡でロシアのタンカー「シグ」に爆発が起き、クリミア橋が一時通行止めになりました。タス通信はウクライナ軍の水上ドローンによる攻撃と報じましたが、ウクライナは攻撃について発表を行っていません。

このように黒海でも攻撃が相次ぎましたが、これらはロシアがウクライナの黒海の穀物輸出港を攻撃した後に起こったものです。

これらモスクワと黒海での攻撃が意味するものについて、マーケットへの影響を含めて解説します(※メルマガで解説)。

●サウジ主催のウクライナ和平会議

サウジとウクライナの主催で、サウジのジェッダでウクライナ和平に関する会議が開催されました。米欧、日本に加え、中国、インド、インドネシア、ブラジル、南アを含む主要な途上国を含む約40か国の政府高官が参加しました。

この和平会議は6月にコペンハーゲンで開かれた会議に続くもので、ウクライナが提案する10項目の和平提案が主な議題とされています。中国は前回の会合には参加していませんでしたが、今回は李輝ユーラシア事務特別代表が出席しました(日本からは山田外務審議官が出席)。

ロシアは招待されていません。ペスコフ大統領府報道官は、会合の動向を見守る、何が話し合われるのか知る必要がある、平和的解決を促進しようとする試みは肯定的な評価に値するが、ウクライナが西側諸国にロシアとの戦争の道具として利用されている限り、平和を望んでいないし望むこともできないと述べました。

会議の結果について、本校執筆時点で詳細は確認できていないのですが、現時点での情報に基づき、会議の意義と今後に与える影響について解説します(※メルマガで解説)。

●トランプ3度目の起訴

トランプ前大統領が20年大統領選の結果を覆そうとした疑いで連邦大陪審から起訴されました。3月のNYマンハッタン地区の大陪審による起訴(事業記録の改ざん)、6月の連邦大陪審による起訴(機密文書の不適切な取扱い)に続く3度目の起訴になります(以下の記事参照)。

「トランプ2度目の起訴」(6/12)
 
ジャック・スミス特別検察官がワシントンDCの連邦地裁に提出した起訴状には、(1)米国を欺くことの共謀、(2)公的な手続きの妨害、(3)公的な手続きの妨害の共謀、(4)市民の権利を妨げることの共謀の4つの罪が挙げられました。トランプは裁判所に出廷し、無罪を主張、「政敵への迫害だ」と批判しました。

今回の起訴が意味するものについて、大統領選の展望を含めて解説します(※メルマガで解説)。

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今週の動き
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(※メルマガで解説。)

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あとがき
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映画「バービー」日本公式アカウント、原爆画像に対するアメリカ公式アカウントの反応を謝罪(8月1日付BBC)

米国人のこうした反応は、日本人としては非常に残念なことですが、想像はできます。よく指摘されるのは・・・(※ここから先はメルマガをご覧下さい)。

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