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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2021/02/15 00:00  | 今週の動き |  コメント(0)

今週の動き(2/14~20) トランプ弾劾の無罪評決、米中首脳電話会談、ミャンマー制裁、WTO新事務局長の選出


地震には驚きました。私は東京にいましたが、東北地震以来最も大きな揺れを感じたように思います。東北地方は震度6とのことでしたが、津波が発生しなかったのは何よりでした。余震もあるかと思うので、注意しましょう。

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先週の動き
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2/7(日)
・バイデン大統領がイラン制裁はイランが核合意を順守するまで継続するとCBSのインタビューで発言
・イランのハメネイ最高指導者がイランの核合意の遵守は米国の制裁解除が前提になると発言
・中国国務院が「プラットフォーム経済における独占禁止法のガイドライン」を発表
・エクアドル総選挙

2/8(月)
・米印首脳電話会談
・ブリンケン国務長官が国連人権理事会への復帰(オブザーバー)を表明
・中国が20年8月から拘束している豪国籍のジャーナリストであるチェン・レイ氏を2月5日に正式に逮捕したと豪州のペイン外相が発表
・朝鮮人民軍創建日(建軍節)

2/9(火)
・米上院でトランプ前大統領の弾劾裁判の審理開始
・中国・中東欧17か国の首脳会議(17+1)(習近平国家主席が出席)(オンライン)
・北朝鮮の朝鮮労働党中央委員会総会(平壌、~11日)

2/10(水)
・米中首脳電話会談
・バイデン大統領が国防総省に中国政策を立案するタスクフォースを立ち上げると発表
・バイデン大統領がミャンマーのクーデターに関与した国軍幹部に制裁を科すための大統領令を承認したと表明
・日米外相電話会談
・キム国務次官補代行(東アジア太平洋担当)と台北駐米経済文化代表処の蕭美琴代表が会談(ワシントンDC)
・WHOの新型コロナウイルスの調査団が武漢視察を終了
・中国が国境地帯のラダックの湖からの中印両軍の撤退を発表
・サウジが女性運転を合法化する運動を主導したことで知られる女性運動家のルジャイン・アル=ハズルール氏を釈放

2/11(木)
・バイデン大統領が大型インフラ計画の推進に向け民主党・共和党の上院議員(環境・公共事業委員会のトム・カーパー委員長、共和党トップのシェリー・ムーア・カピト、中小企業委員会のベン・カーディン委員長、共和党トップのジェームズ・インホフ)と会合
・バイデン政権がミャンマー国軍のクーデターに関わったとして10個人と3企業を制裁対象に指定したと発表
・バイデン政権がトランプ前政権によって発令されたメキシコとの国境の「壁」建設のための国家非常事態宣言の解除を発表
・インドが国境地帯のラダックの湖からの中印両軍の撤退を発表

2/12(金)
・ブリンケン国務長官がイエメンのフーシ派のテロ組織指定の解除を発表
・米韓外相電話会談
・G7財務相・中銀総裁会議(オンライン)
・中国の春節(旧正月)(休暇は2/11~17)
・中国の放送当局が英BBCのワールドニュースの国内放送を禁止
・イタリアの首相にドラギ前ECB総裁が就任

2/13(土)
・トランプ前大統領の弾劾裁判の評決(バイデン大統領とトランプ前大統領がそれぞれ声明を発表)
・サリバン大統領補佐官がWHOの新型コロナウイルスの調査団の武漢視察について初期の調査結果の伝えられ方に深い懸念を抱いているとの声明を発表

●トランプ弾劾裁判の無罪評決

トランプ前大統領の弾劾裁判が始まりましたが、5日間のスピード審理で評決に至りました。結果は有罪57対無罪43で(有罪評決の67には足りず)無罪。前回の記事で「無罪は間違いない、早ければ今週中にも終わる」と述べましたが、そのとおりの展開になりました。

「トランプ弾劾裁判」(2/8)

有罪票を投じた共和党議員は、弾劾裁判の冒頭手続きで合憲性が争われたとき、合憲としたスーザン・コリンズ、リサ・マコウスキ、ミット・ロムニー、パット・トゥーミー、ベン・サス、ビル・キャシディリチャード・バーを加えた7人です。マコーネル上院院内総務は投票前に無罪票を投じることを他の共和党議員に伝え、最終的には党の結束を図りました。

ただしマコーネルは投票後、「トランプ大統領に責任があったことは疑いない」「(大統領としての)仕事をしなかった」「秩序を回復するための措置をとらなかった」と議場で述べ、トランプを辛辣に非難しました。

弾劾裁判は終わり、トランプとバイデン大統領がそれぞれステートメントを発表しました。トランプは、「これは我が国史上最大の魔女狩りだ」「米国を再び偉大にする歴史的、愛国的で美しい運動は始まったばかりだ」「今後数か月、私は多くのことをあなたたちと共有する」「米国の偉大さを達成する素晴らしい旅を共に続けることを楽しみにしている」と述べました。

一方、バイデンは、「有罪評決には至らなかったが告発の内容に争いはない」「マコーネルも有罪と信じている」「警備の人々、命を失った人々、民主主義のために勇気を示した人々を思う」「我々には真実を守り、嘘を打ち倒す責務がある」「米国に暴力や過激主義の場所はない」「uncivil warを終わらせるべき」と述べました。

今回の弾劾裁判の意義と今後の展望を述べます(※メルマガに限定)。

●米中首脳電話会談

バイデン大統領と習近平国家主席が初の電話会談を行いました。

米側の発表によれば、バイデンは、旧正月を祝福した上で、米国の安全保障とFOIPの重視を表明。そして中国の不公正な経済慣行、香港、ウイグル、台湾について懸念を伝達。コロナ、気候変動、兵器不拡散について意見交換を行い、米国民と同盟国の利益のため実践的で結果重視の関与を追求すると表明しました。

中国側の発表によれば、バイデンからは旧正月のお祝いの言葉があり、習近平からは、米中が対立すれば不幸な結果になる、米中は協力してウィンウィンの関係を築くべきであると述べた上で、台湾、香港、国境は中国の内政問題・核心的利益なので、米国は慎重に行動すべきと牽制したとのこと。またバイデンは中国は長い歴史と偉大な文明をもつ国と述べたとも書かれていました。

今回の会談についてコメントします(※メルマガに限定)。

●米国のミャンマー制裁

バイデン大統領がミャンマー制裁を発表しました。翌日に公表された大統領令によれば、国軍関係者や関係機関が制裁対象になり、資金凍結や入国禁止の措置が取られるとされています。

また、財務省外国資産管理局(OFAC)がSDNリスト(制裁対象)に国軍幹部10人と国軍系企業3社を追加したことを発表。商務省産業安全保障局(BIS)はミャンマーの国防省などへの機微技術の輸出禁止を発表しました。

今回の制裁と今後の展望についてコメントします(※メルマガに限定)。

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今週の動き
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2/14(日)
・スペイン・カタルーニャ自治州議会選挙
・コソボ総選挙

2/15(月)
・米大統領の日
・WTO一般理事会(新事務局長の選出)
・ユーロ圏財務相会合(オンライン)

2/16(火)
・北朝鮮の故金正日総書記の生誕記念日

2/17(水)
・NATO国防相会合(オンライン、~18日)

2/18(木)
・米下院金融サービス委員会がゲームストップの株価の高騰に関する公聴会

2/19(金)
・G7サミット(オンライン)
・ミュンヘン安全保障会議(オンライン)

(今週中)
・WHOが武漢での新型コロナウイルスの調査結果の概要を公表

●WTO新事務局長の選出

ナイジェリアのオコンジョイウェアラ元財務相が新事務局長に選出されます。初のアフリカ系、女性のトップになります。この意義についてコメントします(※メルマガに限定)。

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あとがき
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昨日はバレンタインデーでした。ホワイトハウスでは、ジル・バイデン夫人が「サプライズ・メッセージ」として、芝地に「癒やし」「団結」「共感」「勇気」といった言葉を書いたハート型の飾りを置いたそうです。

メディアがWH前から中継すると、このようにハートが映り込むわけです。設置場所までよく考えられていることが分かります。

さらにバイデン大統領とジル夫人はこの芝地を一緒に歩き、ここでもハートが映り込むことになりました。ワンコも登場。

こういう光景を見ると、前の政権よりもエキサイティング感は乏しいかもしれませんが、たしかに「癒やし」は感じられます。ただのパフォーマンスではないかと思う人もいるかもしれませんが、こういうトップが発する言葉やビジュアルが与えるシンボル的な影響はバカにできないものです。

それはトランプ前大統領の言動を見ても分かることでしょう。最近、カリフォルニアでアジア系米国人(特に高齢者)への暴行事件が増えているとのことですが、これもトランプがすべての原因ではないとはいえ、その人種差別的なメッセージが与えた影響は大きかったはずです。

それにしてもバイデン、この革ジャンとジーンズ姿、襟まで立てて、いかにもクールなアメリカの兄ちゃんというベタなセンスではありますが、なかなか決まってますね。この時期のワシントンDCはかなり寒いはずですが、元気なようで何よりです。

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