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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2022/10/17 00:00  | 今週の動き |  コメント(0)

今週の動き(10/16~23)ロシアのウクライナ侵攻、トラス政権の混乱、7中全会、バイデン政権の国家安全保障戦略、中国共産党大会


先週はクライマックスシリーズをほぼ毎試合見ていました。やはり優勝チームは強い。オリックスは山本由伸、吉田正尚、ヤクルトは村上宗隆と大黒柱の選手たちが期待どおりの活躍を見せてくれました。日本シリーズは昨年と同じカードですが、双方ともより強いチームに仕上がっている感があります。楽しみですね。

野球観戦といえばビール、ビールと言えば枝豆ですが、先日、編集部から、ぐっちーさんも大好きだった宮本農業さんの「小糸在来(R)枝豆」のご紹介がありました。

今年は、磯部さんとSaltさんが現地を訪問し、畑や収穫の様子を視察しました。その様子は上記リンクで写真つきで詳しく報告されています。満面の笑顔がまぶしいですね(笑)。

例年のことですが、小糸在来(R)は、収穫期間が非常に短く、すぐに販売期間が終わってしまいます。私のようにビールと枝豆を食べながら日本シリーズを見たい方はもちろん、そうでなくとも枝豆は好きという方は、ぜひお早めにお試し下さい。

また、オンラインセミナーは来週水曜(10/26)です。直前まで申し込みいただけます。ライブでご覧になれない方も、録画で見ることができますので、ぜひご検討下さい!

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先週の動き
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10/9(日)
・ロシアのプーチン大統領がクリミア大橋の爆発はウクライナの特殊部隊のテロ攻撃によるものと表明
・ロシア軍がウクライナのキーウ、リヴィウを含む各地をミサイルで攻撃
・中国共産党中央委員会第7回全体会合(7中全会)(北京、~12日)
・北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイル2発を発射したと防衛省が発表
・ドイツのニーダーザクセン州議会選挙(与党SPDが勝利)

10/10(月)
・ロシアのプーチン大統領が安全保障会議を開き、ウクライナのエネルギー、軍事、通信施設に対して大規模な攻撃を行ったと表明
・ロシア軍がウクライナのキーウ、リヴィウを含む各地をミサイルで攻撃
・ロシアのプーチン大統領とIAEAのグロッシ事務局長が会談(サンクトペテルブルク)
・ロシア・UAE首脳会談(同)
・ベラルーシのルカシェンコ大統領がロシアと合同の地域部隊の展開で合意したと発言
・ドイツ国防省がウクライナにIRIS-T防空システム1基を提供すると発表
・コロンブス・デー(米市場一部休場)
・双十節(中華民国の建国記念日)
・台湾の蔡英文総統と日華議員懇談会の議員団が会談(台北)
・朝鮮労働党創立記念日
・北朝鮮が9月下旬から7回にわたって実施した弾道ミサイル発射は戦術核の運用部隊による訓練だったと国営朝鮮中央通信が報道
・マレーシア議会が解散(60日以内に総選挙)
・IMF・世銀年次総会(ワシントンDC、~16日)
・ノーベル経済学賞発表(ベン・バーナンキ、ダグラス・ダイヤモンド、フィリップ・ディビッグ)

10/11(火)
・G7緊急首脳会合(ウクライナのゼレンスキー大統領も参加)(オンライン)
・台湾の蔡英文総統とカナダの超党派の議員団が会談(台北)

10/12(水)
・米国が国家安全保障戦略を発表
・ロシアのFSBがクリミア大橋の爆破の容疑者8人を拘束したと発表
・ロシアのプーチン大統領がノルド・ストリームの損傷は「国際的なテロ行為」で米国が関与した破壊工作とエネルギーに関する国際フォーラムで発言(モスクワ)
・アジア相互協力信頼醸成会議(CICA)首脳会議(アスタナ、~13日)
・NATO国防相理事会(ブリュッセル、~13日)
・米主催のウクライナへの軍事支援に関する多国間会議(同)
・国連総会がロシアによるウクライナ4州の「併合」を違法で無効とする決議を可決(賛成143、反対5、棄権35)
・フランスのマクロン大統領がウクライナに対し防空ミサイルシステムやレーダーを供与すると表明
・EUエネルギー相会合(プラハ)
・G7財務相・中銀総裁会議(ワシントンDC、~13日)
・G20財務相・中銀総裁会議(同、~13日)
・台湾の蔡英文総統と米国のジョンソン下院議員ら超党派の議員団が会談(台北)

10/13(木)
・ロシア軍がウクライナ各地をミサイルで攻撃(キーウの重要インフラやミコライウの住宅街がイラン製のドローンの攻撃を受けたとウクライナが発表)
・ウクライナのヘルソン州の親ロシア派幹部がウクライナ軍の攻撃を理由に住民の避難の支援をプーチン大統領に要請
・ロシア・トルコ首脳会談(アスタナ)
・ロシアがサハリン1の事業会社を新たに設立する政令を公表
・ロシアのベルゴロド州の集合住宅や弾薬庫がウクライナ軍の砲撃を受けたと同州の知事が発表(ウクライナのポドリャク統領府長官顧問は関与を否定)
・ウクライナが過去1か月間で東部と南部の627の集落をロシア軍から奪還したと発表
・欧州15か国(NATO加盟国とフィンランド)が防空システム強化構想「欧州スカイシールド・イニシアティブ」に合意
・サウジ外務省がOPECプラスの原油の減産合意への米国の批判を「全面的に拒否する」との声明を発表
・米連邦議会襲撃事件の下院特別調査委員会がトランプ前大統領に証言を求める召喚状の発出を決定
・米連邦最高裁がFBIによるマール・ア・ラーゴの押収物の捜査について、トランプ前大統領の弁護団が要求していた特別管理者による機密文書の審査を認めない判断
・ノースカロライナ州のローリーで銃撃事件
・北朝鮮が10月12日に巡航ミサイル2発を試験発射したと国営朝鮮中央通信が報道
・イラク議会がラシード元水資源相を大統領に選出
・バヌアツ総選挙

10/14(金)
・独立国家共同体(CIS)首脳会議(アスタナ)
・ロシアのプーチン大統領がウクライナへのミサイル攻撃は現時点では必要ない、部分動員は今後2週間で完了する、G20サミットでのバイデン大統領との会談の必要性は感じないと発言(同)
・米国がウクライナに対する7億2,500万ドルの追加軍事支援を発表
・スペースXが衛星を利用したインターネット接続サービス「スターリンク」のウクライナへの提供の費用負担を米国防総省に求める書簡を送ったとCNNが報道
・米連邦議会襲撃事件の下院特別調査委員会が第9回公聴会を開催
・英国のトラス首相が法人減税の撤回とクワーテング財務相の解任を発表(後任はジェレミー・ハント元外相)
・北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイル1発、黄海と日本海に向けて砲弾560発を発射したと韓国軍合同参謀本部が発表
・韓国が北朝鮮の15個人・16機関への制裁を発表

10/15(土)
・ロシア軍がウクライナ各地へのミサイル攻撃を続けているとゼレンスキー大統領が表明
・ロシアのベルゴロド州の軍演習場で銃乱射事件
・ロシア軍がベラルーシとの合同部隊への参加のためベラルーシに到着したとベラルーシ国防省が発表

●ロシアのウクライナ侵攻

ロシア軍によるウクライナ侵攻は、本日(10月17日)で238日目を迎えました。8か月ほどが経過したことになります。

クリミア大橋の爆発について、プーチン大統領はウクライナの特殊部隊のテロ攻撃によるものと発表(FSBは容疑者8人を拘束)、キーウを含むウクライナ各地でミサイル攻撃が発生しました。ゼレンスキー大統領は、ロシアはウクライナのエネルギーのインフラと国民を標的にしていると発言。そしてプーチンは、ウクライナのエネルギー、軍事、通信施設に対して大規模な攻撃を行ったと発表しました。前回の記事(以下のリンク参照)で述べたとおりの展開になりました。

「ロシアのウクライナ侵攻」(10/10)

ミサイル攻撃は数日間続きましたが、プーチンは、アスタナでの独立国家共同体(CIS)首脳会議後の記者会見において、ウクライナを破滅させる意図はない、標的の大部分を攻撃したので、新たな「大規模攻撃」の必要はないと発言。しかしゼレンスキーは、その後もミサイル攻撃は続いていると述べています。

また、このときプーチンは、30万人の部分的な動員については、すでに22万人が動員されており、2週間以内に完了する見通しである、G20サミットでのバイデン大統領との会談の必要性は感じていないとも発言しました。

プーチンは、アスタナでトルコのエルドアン大統領とも会談。トルコ・ストリームによるロシアからの天然ガス供給を拡大し、トルコを「ハブ拠点」にする構想を提案しました。

ロシアからのミサイル攻撃を受け、ゼレンスキーはNATOに対し、防空システムの必要性をあらためて強調。G7緊急首脳会議、NATO国防省理事会、ウクライナ・コンタクト・グループと多国間会議が相次いで開催され、米欧は軍事支援の強化を続ける姿勢をあらためて強調にしました。

レズニコフ国防相は、ドイツから防空システム「IRIS-T」1基が到着したことを確認。フランスも、マクロン大統領がレーダーと防空システムを数週間以内に提供すると約束。 米国は高性能地対空ミサイルシステム「NASAMS」の輸送を加速化させていると表明しました。また、欧州15か国(NATO加盟国とフィンランド)は防空システム強化構想「欧州スカイシールド・イニシアティブ」に合意しました。

東部のハルキウ、ルハンスク、ドネツクでは引き続きウクライナ軍が反攻を続けており、ゼレンスキーは、過去1か月間で東部と南部で627の集落(ハルキウ州で502、ドネツク州で43、ルハンシク州で7、ヘルソン州で75)をロシア軍から奪還したと発表。ヘルソン州の親ロシア派幹部はウクライナ軍の攻撃を理由に住民の避難の支援をロシアに要請しました。一方、ロシア軍はドネツク州のバフムト方面で攻勢を続けています。(地図はこちらを参照)。

また、ロシアのベルゴロド州の集合住宅や弾薬庫がウクライナ軍の砲撃を受けたと同州の知事が発表しました。しかしウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は関与を否定しています。

こうした最新の状況を踏まえ、現状と展望について解説します(※メルマガで解説)。

●英国のトラス政権の混乱

トラス首相が記者会見を開き、法人減税の撤回とクワーテング財務相の解任を発表しました。後任はジェレミー・ハント元外相としています(ハントは保守党の党首選に17年、22年と2回連続で出ており、17年のときはボリス・ジョンソンとの決選投票まで進みました)。

クワーテング財務相が法人減税を含む経済政策を9月下旬に発表してから、英経済はポンドの急落など大混乱に陥っていました。IMFや米国も公然と批判し、中銀(BOE)は市場安定化のために国債を購入すると発表しましたが、その買い支えは先週末(14日)までの予定でした。このときのドタバタについては、メルマガ「経済ZAP!!」第153号(10/3)でも取り上げられました。

クワーテングは在任わずか38日で財務相を退任することに。トラスはクワーテングを「素晴らしい友人」と呼び、退任は「非常に残念」と表明。クワーテングも、トラスから退任を要請されたので受け入れた、これからも首相を支えると述べたトラス宛書簡を公表しました。

しかし、これだけドラマチックな発表だったにもかかわらず、トラスの記者会見はわずか9分。記者からの質問には4問答えただけで切り上げられてしまいました。

トラスのネット支持率は、マイナス47%とボリス・ジョンソン前首相の最悪期を下回る水準に低迷。保守党内からも批判が続出しており、早くも窮地に陥っているように見えます。トラス政権の今後について解説します(※メルマガで解説)。

●7中全会

今週(昨日)から中国共産党大会が始まりましたが、先週、その準備会合として中央委員会第7回全体会合(7中全会)が開かれました。会合後にコミュニケが発表されています。

内容はおおむね予想どおりでしたが、いくつか興味深い点がありました。それらの点を中心にコメントします(※メルマガで解説)。

●バイデン政権の国家安全保障戦略

バイデン政権が初の「国家安全保障戦略(National Security Strategy, NSS)」を発表しました。NSSは、86年のゴールドウォーター・ニコラス法により、政権から議会への定期的な報告が義務付けられている文書です。

トランプ政権は17年12月にNSSを発表しましたが、このときは、中国とロシアを脅威と位置づけ、日本を含む同盟国と一致して対抗するというスタンスを明確にしたことが注目されました。その後、バイデン政権は、発足直後の21年3月に暫定的な指針を公表していました(以下の記事参照)。

「トランプ政権の国家安全保障戦略」(17/12/25)
「バイデン政権の外交戦略」(21/3/8)

今回のNSSの意義についてコメントします(※メルマガで解説)。

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今週の動き
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(※中国共産党大会など。メルマガで解説。)

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あとがき
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ベター・コール・ソウル 予告編(15年8月7日付Netflix)

最近、ドラマ『ベター・コール・ソウル』の最終シーズンが配信され、早速に見ました。以下の記事で述べたとおり、史上最高のドラマと言われる『ブレイキング・バッド』のスピンオフです。

「ドラマ『ブレイキング・バッド』」(17/10/6)
 
『ブレイキング・バッド』同様、最初から最後まであっという間にもっていかれます。いや、これどうなるの??と思っていたら、これまた前作同様、ぐうの音も出ないような、圧倒的なエンディングでした。2作とも、本当に凄い作品です。

最後に、ついにジェシーとウォルターが登場するところも嬉しかったです。ジェシーは、顔が見えなくとも、あの特徴的な声と話し方だけですぐに気づきますね。しかも、まさかキムとあんな形での接点があったとは。さりげない場面ですが、『ブレイキング・バッド』を見ている人なら震えるような感動がありました。

『ブレイキング・バッド』同様、このドラマにも魅力的なキャラクターが数多く登場しますが、個人的にインパクトが大きかったのはラロ・サラマンカ。前作でのソウルの怯えた様子も納得できる迫力のキャラでした。タイプは違いますが、前作でのトッドのような存在でした(トッドの思い出については上記記事で書いていました)。

・・とドラマを見ていないと分からないようなことばかり書いてすみません(苦笑)。とてもお勧めのドラマですが、私のコメントを見ても分かるとおり、『ブレイキング・バッド』を見ていないと面白さが半減してしまいます。ぜひまず『ブレイキング・バッド』を見て欲しいと思います。詳しくは上記記事を見ていただければと思いますが、米国の社会を知る上でも非常にためになる作品です。

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