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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2010/12/09 10:10  | マーケット |  コメント(11)

アメリカ州政府は本当にデフォルトするか?


メルマガではたびたび取り上げているのですがアメリカ州政府のファイナンスが大分危ないことになっています。

所謂Muni(地方債)のマーケットはこのニュースで再び急落です。

補足
因みにこの地方債市場の市場規模はおよそ2.8兆ドルと言われ、200兆円を超す巨大市場です・・・・

According to a number of news stories the Build America Bond program is dead. It is possible that some last minute deal will be made for BABs, but time is running out and there does not appear to be sufficient support. This from a Reuters story:

Read more: http://www.businessinsider.com/build-america-bonds-municipal-crisis-2010-12#ixzz17ZYZjhhB

もともと11月下旬に起きた地方債の保証業務を行っていたアムバックの倒産で一気に市場が崩れ、その後、QE2でもしかしたらこの地方債も買い入れ対象になるのではないかという観測が出て、急激に買い戻されますが、結局このニュース、Build America Bond(BAB) の廃止、というニュースでそのアムバック倒産時レベルまで急落という事態です。

もともとアメリカの地方債市場はかなりバブルだと言う指摘はあったものの、このBABの存在で事実上政府がバックアップするものだ、という暗黙の了解のもと、ほぼAAAの社債と同程度の利回りで推移してきたという経緯があります。

しかしグラフにある通り実際の地方財政の状況は暗澹たるものがあるのです。(何とかなる、ともう駄目だ、という自治体の比率)

日本もこの点に関しては実に心配な面があります。

というのも国家財政はなんだかんだ言っても財務省がきちんと管理管轄していますが、地方債については国の保証がありませんし、何より総務省が管轄しているために恐らく、どこのだれも実際の財務状況を把握していません。

いや、まじですよ。私は何度も言うように日本の国なんて破綻する筈はないと思いますが県などの地方公共団体については相当懐疑的ですが、この話はまた。

で、このBABは州政府発行債券の国による利息収入の一部補てんなどをうたったものですが、これらのサポートがなければAAAの社債と同じレベルと言うのはあり得ませんし、実際これらのサポートがなかった場合に地方債が発行できるかと言われると、かなり怪しいというのが実態です。

そうなれえばこの財政状況ですから、借り換えができない州から実際にデフォルトしていく、という状況が十分考えられます。

カリフォルニアでみられたように、カリフォルニアを救済すれば他州の救済を余儀なくされるために、実際にデフォルトした場合には政府保証は期待できないでしょう。

特に今回の税金問題で共和党と妥協を繰り返したオバマ政権にそれを期待するのは酷、でしょうね。

ということでアメリカ州政府のデフォルト、という問題に直面しているということを11月22日にメルマガで書いていた訳です。

で、この件は先週のSPAにも詳しく書いてございますが、カリフォルニアで起きたように、学校は休校、先生はクビ、警察も閉鎖、病院の医師や看護師もクビ、となって公共サービスが全部止まってしまたらアメリカはどうなるんでしょうか、という話なんですけどね。

ではまた!

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11 comments on “アメリカ州政府は本当にデフォルトするか?
  1. ぺルドン より
    USが消えるか?

    アメリカ・・のみになるか?

    政治形態が・・換わり・・オバマ・・最強の大統領に・・なるか?・・第二の南北戦争・・

    ぐっちーさん・・御指摘・・
    我国地方行政・・風前の灯火・・国の保障・・そんな金・・何処に・??
    事実上・・空手形・・不渡り・・

    地方債権・・抱えた地方銀行・・信用金庫関係・・顔面蒼白時代・・
    総務省も・・ひたすら・・隠蔽の道を・・まっしぐら・・・

  2. 俺もぐっちー より
    そろそろサムライ債の登場でしょうか?

    大丈夫です。本当に危なくなる前にサムライ債で、利率しか見てない年配層が買い支えます。通常ならぶっ飛んで大損のはずですが、好運なことに無知なことが幸いして騙されていたことにも気がつかず結果的に大儲けです。赤信号もみんなで渡れば怖くない世代を軽く見てはいけません。大間違いな資産運用のはずですが、結果論で言えば一番資産を守り増やす行動に繋がっているという、本当にオヤジ世代が憎たらしい。(全てがマイナスにしか作用してない団塊ジュニアの心の叫び)

  3. dowahaha より
    それでも・・・

    ダウは上がり続けるw

    あるブログ

    ダウについて

    「行き過ぎた強気は株価反転の決定的サインだ。」

    と書き、そこだけ書き換えないで1ヶ月以上
    たった。
    もし下がれば、そら見た事かというつもりなのだろうか?

    なるほど、うまいやりかたかもあるもんだなw

  4. サンタフェ より
    おお!

    これは凄いグラフだねえ。説得力ある〜。
    まるで奈落の底に落ち込むような感覚になってしまうぜ。
    確かに、あの無敵のシュワ知事でもどうにもならないカリフォルニア州は、悲惨な状態に陥っているようである。これが各州に連鎖したらどうなるのか?
    どうもアメリカは、危険領域に入っているようだ。二番底が迫っているかな。

  5. あっちー&こっちー より
    はてさて…

    素人ゆえ、テキトーなことを言わせてもらえば、アメリカはますます富裕層以外はピーピーで、食うや食わずの生活になるのか? 税金90%、食事は配給制、大リーガーは国家公務員、教師は家庭教師、警察は警備会社、医者はブラックジャック、

  6. BROAD より
    誤解されますよ

    地方債だけが暴落しているような書きぶりですが、市場関係者だったらだれでも知っている通り、今月は米国の債券はみんな下がっています。(利回りは上昇)
    このグラフ(iShareの地方債インデックス連動ものですね)の銘柄は今月2.8%下落していますが、これは10年国債の下落率とほぼ同じです。
    つまり、地方債が個別要因で下がっているのではなく、国債を始めとして債券がみんな下落したなかで、地方債も同じように下がっているだけですよ。
    専門家として、誤解を招くような書き方は止めた方がいいと思います。

  7. あっちー&こっちー より
    マスコミ。

    この項とは無関係ですが。
    「元サッカーの有望選手」って…???
    〜 末は博士か、大臣か 〜 とか。あるいは、
    〜 日本の最難関の最高学府(東大)に入学 〜 とか。
    〜 この子は間違いなく大物になる 〜 なんて。
    過去は過去でしょ。
    ミスリードの意思を感じるんですよね。
    どうせ書くなら、「義侠心が強く、仲間思いの、組織に尽くすいい奴」とか…(笑)

  8. あっちー&こっちー より
    手品は、… 無い。

    難しいことは分からないが、借金返せなければ、一部は棒引き、給料からの強制的返済、二度と貸さん!
    あるいは、ドル札の輪転機フル回転?

  9. 福島みずほ銀行 より
    次の投資先は?

    ユーロもドルも何となく嫌という投資家のために,最近はブラジル・レアル建て社債などの広告が盛んに行われていますが,額面の6割程度で発行で,利回り10%って,言う条件を見ておかしいと思わない人が多いみたいですね.
    オリンピックやワールドカップまでは何とかもたせるだろうってことなのかもしれませんが.

  10. st より
    国の違い

    国や民族や人種が違えば何もかもまったく違っているんでしょうね、人間だから根底に流れているものは同じなんて言う人がいますが、まったく違ったものが流れているんだと思います、アメリカがどんな風に乗り越えて行くのか興味を持って見ていきたいと思います。

  11. ひー より
    獅子身中の虫で倒れるのか?

    USの成長率修正とQE2の追加憶測。
    EUの止まらない信用不安でユーロ売。
    財政逼迫で借金の増額が困難な本国。

    投資家はどこの何を見れば良いのか?
    それでもアメリカは倒れてしまうのか?
    ペシミストで世界が一杯になりそうだ!

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