2008/01/29 09:20 | 金融全般 | コメント(13)
外資系で働くということ
アエラでも特集したくれたので私も一言。
実に悪いタイミングでサブプライム問題が火を噴いたおかげで年末、あるいは1月に支給予定だったボーナスが遅延している外資系金融機関は少なくない。(一説にはボーナスを節約するためにわざとこのタイミングで発表したという話も・・・)
もらえるならまだいい、位のことは会社から言われているだろうし、何より雇用が続くのか、不安に思っている私の友人は多い。なにせ、あのシティーが潰れるかもしれないといった金融危機が1990年で、あの時よりはるかに損失の規模が大きいので、恐怖感はありありです。
本国の調整が終わって日本はほぼ最後にやってきますのでもう少し時間がかかるでしょうが、90年代との違いをもう一つ敢えていうと、日本市場の重要性がとんでもなく低くなっている点。当時は日本は宝の山に見えましたから私のいた会社でもかなりリストラは軽微、特に主力の営業部隊を温存しバックオフィスなどの削減で対応した所が殆どではないでしょうか。
しかし、今回はどうでしょうか。中国市場を重視するという米系は多いでしょうし、欧州系はもともとシンガポール、香港にウェートがかかっています。東京市場危うし、と言うところでしょうか。早い所では既にデスクを3分の1まで削減するなんて話も出てきましたし、こういう所に市場重要度が現れますので注目です。
余計な話で恐縮ですが・・・・
この時期に転職の声がかかったら要注意です。
まず、既に外資系におられるかた・・・
会社とヘッドハンターがぐるになるケースは思いのほか多く、、いい条件があるので今の内に辞めた方がいいですよ、と言う話には絶対載らないこと。今はこういう状況なので劣悪な社員の首をきってあなたのような優秀な方に入れ替えたがっています、などと寄ってきます。実際はどの会社もまず、足元が先で入れ替えるなんて余裕は無いはずですから。
また、大多数の方が「24時間エンプロイメント条項」にサインをしている筈。これは24時間勤務なので「いつでも労災が申請できますよ」、などとポジティブな面ばかりいわれるのですが、24時間社員としての義務があるので、「いや、あれはプライベートな事件なので(例えばセクハラ)・・・・・」という逃げが打てない可能性がある。
最悪折角貯めた退職金をフイにしますので、身に覚えのある方(笑)で退職金が1億円以上たまってしまった方は早めに逃げた方がいいかもしれない(ただ、最近は後で見つかった様々な事件をネタに退職金返還請求裁判などを平気で起こしてくるので、ま、大変は大変ですな。) 私の友人に会社の封筒をプライベートな郵便で使って得クビになったという奴までいます。あと辞めちゃたOLにセクハラ被害であとから訴えさせるなんてのも外資系金融的には普通です。
また、日本企業に勤めるあなたに声がかかった場合。
社内の動揺を鎮めるためにわざと採用をはじめる事が多々あります。そこにいる社員はまさか、新しい社員を取っているのだから日本市場へのコミットメントは落ちていないな、と安心をする訳です。そのためだけ・・に採用をするという恐ろしさ。
優秀な社員を逃がさない為の方策なんですね。で、新たに採用された方は6ヶ月の試用期間があるのでいつでも退職金なしで放り出せる。目的達成です。
事ほど左様に外資系金融機関では5000万円くらいの給料なら簡単に取れるのですが、税金で手元に残るのは2500万。ボーナスの半分は退職金に積み立てていますので、1億円キャッシュで残すにはやはり最低でも5年続かないと厳しい訳です。
特にマーケットにもろに左右される営業は厳しいです。トレーダーはいざとなればショートを振れば儲かる訳ですが、営業はショートが振れない(笑)。最高給を食んでいたCDOの営業マンは当面相当厳しいでしょうな。
まあ、ノーフリーランチ、ということに尽きる訳ですが・・・
あと、現状再就職も相当厳しそうなので、元外資系証券マンの看板を掲げたへんなエージェントが増殖します。特に個人の方はだまされないように注意して下さいね。ダークサイドに転ぶと早いんですよ(爆)、この職業は・・・
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13 comments on “外資系で働くということ”
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今から5年ほど前の2002年秋。外資系証券会社はエンロンの影響でリストラを行っていました。
当時、私は転職後数ヶ月でしたので、まさか私のような人物がリストラ対象にはならないだろうと思っていたら、見事に当たりました。私は数ヶ月の勤務後ですが、更に上がいて、1週間勤務後にリストラ、出社数日でリストラ、という人もいました。さすがアメリカ、と妙に感心した記憶があります。勤務期間が短いと、割り増し退職金も少なくてすみますから。
ただ当時は業界全体ではそれほど痛手を負っていなく、また、ヘッジファンドやPE業界が勢いをつけてきたときなので、転職先が意外にも多かったのが救いでした。今回は、そんなことも言っていられないようですが。
日系との違いを感じます。
外資が払うとき払うが、やり方もダイナミックですね。
そして、ダークサイド、甘い言葉には気をつけます。
逆に日系金融機関は、安く人手を手に入れられる?
いつも拝見させていただいています。
この投稿だけいつもより字が濃いので読み易かったです。
できれば毎回この字の濃さでお願いいたします。
いつも楽しい(そして深い)コメントをありがとうございます。
このネタ、外資系証券勤務の私としたら笑うけど笑えないネタです(^^;。欧州系はボーナスは比較的遅めなので(2月末が多いのかな?)、いまだに宙ぶらりん状態だったりします。良いニュースが出始めると少しは明るくなるんですけど、そんな時に限ってソジェン爆弾が爆発するし…(私はSGではないけど)。
でも、これがこの業界の性ですよね。もう10年超なんとか生き残っているので、ちょっとやそっとでは驚かないようになりました。鈍感になったってことでしょうか(^^;。リンクさせて頂いたので、お礼まで。
ショートさせて儲けてませんか?
「空売り規制」というおかしな制度で。
いつまで続くと思っていたら、
いつの間にか理由付けができるような地合いに
なってきてしまいましたがなー。
私は、昨年中途まで外資系証券マンだったののですが、昨年暮れから縁あって外資系運用マンに転籍したものです。
「支払い遅延」ですか・・・私も某フランス系金融機関に在籍していた頃、一時金延滞の憂き目に会いました。
当時、その金融機関はフランス政府によって国有化されており、その後1回当たり数兆円単位の血税を、明確な責任を問うことなく半ば“なし崩し的”に、合計で4回も投入して救った経緯があります。
瀕すれば洋の東西を問わず、おおよそ似た感じの行動様式を取るのだなあ・・・ということを学習しました。
まあ目下、ボーナスが遅延して支払われない外資系証券を「NOVA証券」として笑い飛ばすしかないですね。
国内超大手生命保険でもよくある首切りですね。
セクハラどころか、興信所を使って身辺調査。
出張不倫なんか、ちゃんと駅の向かいのビルから写真を撮られます。そして、退職金を出さずにリストラ。
尾行なんて絶対されない! 発信機がついてたりします!
激しく同感。
人の心配してないで、ご自分の心配したらいかがですか?と思ってしまう私です。
厳しいな、
戦国の世に先祖返りしたかな?
当時のサムライは、平時の武士道に縛られず、生きるリアリストでありました、上も下も。
由緒正しき足軽の家、と奥方に揶揄される系図、四十過ぎても生きていたのは二名、病死以外の残りは討ち死、過酷な職業と身に染みる。
他方奥方の系図は、討ち死は冬の陣の一名だけ、四十を超えたのは数知らず。
身分の差は埋めがたい
が
ぐっちーのように乱世をしぶとく生き延びねばならない。
うーん
余程の覚悟が試される、足軽風情と言えども・・・魂はあるぞ!!
自爆してないよね
給料は3年目から増える。。。というコメントまともにうけた小生は三年目を迎えるこの春の契約をやや期待していたりする。現在はボーナス込みで1300万円ほど。。。因みに30代半ばです。博士号を取得してバンバン研究論文を書いて大学の教官としてまま活躍しておりました。。。高い志の下で転職しましたが、給料は大して変わらず労働条件は10倍厳しくなりました。。。外資系金融機関で長く勤める皆さんの客観的な意見を拝聴したく思います。
外資で働いてみたいなー