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(出張中に訪問した聖アグスティン教会。マニラにある世界遺産で、私が訪問した前日の9月18日にドゥテルテ大統領が結婚式に出席するため訪れたとのこと。) 「ドゥテルテ外交①」の続きです。 米国を挑発し、中国に接近するドゥテルテ外交の狙いは何か。この背景にあるのは以下の3点です。 ●外交の経験不足 ドゥテルテは、ダバオ市の政治を30年にわたり仕切ってきましたが、外交に関しては完全な素人。しかも、外交に限らず過激な発言を繰り返していますが、そのほとんどは彼一流のユーモア、レトリックです。 発言の直後に、「不用意な発言だった」と弁明し、撤回し、謝罪することは日常茶飯事。「あいつを殺す」と言った…
[ 2016/10/27 00:00 ] コメント(2)
■「ドゥテルテ比大統領「対米関係断絶せず」、本意は外交政策の分離」(10月22日付ロイター) 2016年6月30日に就任して以来、旋風を巻き起こしているフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領。 先週の訪中に続いて、昨25日にはいよいよ日本にも到着。本26日には安倍首相との首脳会談に臨みます。 本国では「Du30」という通称で呼ばれるドゥテルテは、大統領選においては、治安対策をシングル・イシューとして、「犯罪者は殺す」といった過激な言動によりフィリピン国民の心をつかみました。 10月7日で政権発足100日を迎えましたが、その間に最重要課題として進めたのは「麻薬戦争(war on drug…
[ 2016/10/26 00:00 ] コメント(6)
■ 「Fact Check: Trump And Clinton Debate For The First Time」 ■ 「FACT CHECK: Clinton And Trump Debate For The 2nd Time」 ■ 「Fact Check And Full Transcript Of The Final 2016 Presidential Debate」 NPRのトランスクリプトとファクトチェックが便利なので貼っておきましょう。今後も何かと参照する機会があるかと思います。 「今週の動き(10/17〜23)」で、勝負はもう見えてきた、人格攻撃に終わるだろうからつまら…
[ 2016/10/25 00:00 ] コメント(1)
先週の動きです。 10/18(火) ・フィリピンのドゥテルテ大統領が訪中(~21日) ・ブラジルのテメル大統領が訪日 10/19(水) ・米大統領選挙:第3回大統領候補者討論会(ネバダ州ラスベガス) ・米韓外務・国防閣僚協議(ワシントンDC) 10/20(木) ・EU首脳会議(ブリュッセル、~21日) 先週は、多忙のため更新できず失礼しました。しかし、そのおかげか、コメント欄が盛り上がり、楽しませていただきました・・笑 ●米大統領選挙 前回の記事で書いたとおり、勝負はもう見えてきました。それどころか、最後の討論会とその後の動向を経て、ヒラリーの地滑り的勝利、加えて議会選での民主党躍…
[ 2016/10/24 00:00 ] コメント(5)
先週の動きです。 10/10(月) ・プーチン・エルドアン会談(イスタンブール) ・米韓合同軍事演習(黄海、韓国南部沖、~15日) 10/12(水) ・タイのプミポン国王が逝去 10/13(木) ・日ロ外務事務次官戦略対話(モスクワ) 10/15(土) ・BRICS首脳会議(ゴア、~16日) ●タイのプミポン国王の逝去 リンク先の記事に書きましたが、記事には書きにくいことが多々あります。コメント欄もご覧下さい。 下北のねこさんのコメントにお答えするのが抜けていた部分がありました。シリントーン王女を後継者としなかった大きな理由の一つは、王女に跡継ぎがいなかったことですね。 ●米大…
[ 2016/10/17 01:02 ] コメント(15)
■タイのプミポン国王が死去(10月13日付ロイター) プミポン国王は88歳の高齢、入退院を繰り返しており、何度となく危篤説が流れましたが、10月9日に王室が「容態が不安定になった」と異例の発表。 10月12日に再度王室の発表があり、海外にいた皇太子を含む王族や出張中のプラユット首相がバンコクに駆けつけ、ついにこの日が来たか・・・という状況にありました。 そして、今回の発表。在位70年に及ぶ偉大な国王の退場は、タイの一つの時代の終わりを示した感があります。 国王の後継者は、ワチラロンコン皇太子とシリントーン王女のいずれになるか、ほぼ皇太子で間違いない・・・と言われながら、皇太子の不人気と…
[ 2016/10/14 00:00 ] コメント(9)
●第2回討論会 「第1回テレビ討論会」と比べると、さらに面白くない討論会でしたね。 ただ、「第1回テレビ討論会のポイント」で述べたとおり、テレビ討論のポイントは、失点を防ぐことと相手の弱さを強調することです。 ヒラリーとしては、トランプのレベルに合わせて討論しなくてはならないので、致し方なかったというところでしょう。 ●トランプの性的発言テープ 討論会そのものよりも大きなインパクトを与えたのは、テレビ討論会の直前の10月7日に報道されたトランプの性的発言を録音したテープです。 トランプにとって何よりも厳しいのは、共和党から協力を得られなくなる可能性があることです。 ポール…
[ 2016/10/13 01:05 ] コメント(4)
今週の動きです。 10/3(月) ・米国がシリア停戦合意の停止を発表 ・トルコが非常事態宣言を90日間延長 10/4(火) ・米大統領選挙:副大統領候補者討論会(バージニア州ファームビル) 10/6(木) ・G20財務相・中銀総裁会議(ワシントンDC) 10/7(金) ・トランプのわいせつ発言を録音したテープが報道される ・ウィキリークスがジョン・ポデスタ(ヒラリーの選挙マネージャー)のメールを公開 ・米国土安全保障省と国家情報長官室がロシアのハッキングによる大統領選干渉を非難 ・IMF・世銀総会(ワシントンDC、~9日) ・ノーベル平和賞発表 10/9(日) ・米大統領選挙:第2回…
[ 2016/10/11 00:00 ] コメント(5)
米国大統領選:第1回テレビ討論会①の続きです。 ●支持率への影響 議論とイメージはどうあれ、世論調査を見ると両者の支持率に大きな変化はありません。「第1回テレビ討論会のポイント」で述べたとおり、テレビ討論会は思ったほどのインパクトを与えないことが示されたわけです。 しかも、今回は、政策よりは、ともに嫌われ者である両者のパーソナリティ、あるいはエスタブリッシュメント対アウトサイダー、グローバリズム対ナショナリズムというある意味ストーリーの勝負になっており、それは討論で左右されるものではありません。このため、討論会がいかに白熱しようとも、よほどの事態がない限り、大部分の有権者は影響を受けない…
[ 2016/10/05 00:00 ] コメント(8)
遅くなりましたが、第1回テレビ討論会の評価です。まず、総論として、大きなドラマがなかった討論会でした。 トランプとヒラリーのパフォーマンスは想定どおりで、目立った失点はなく、トランプが激しい人格攻撃を行うといった波乱もありませんでした。 ●議論ではヒラリーが圧倒 ただ、議論を圧倒的に優位に進めたのがヒラリーであることは明らかです。「第1回テレビ討論会のポイント」で述べたディベートの経験の差、特にディベートにおいて最も重要な要素となる準備の差が勝負のわかれ目となりました。 ヒラリーは討論会のために入念な準備をしてきました。それが実り、会心の一撃となったハイライトは以下の2点でしょう。 …
[ 2016/10/04 00:00 ] コメント(3)
JD世界情勢ブリーフィング
国際政治・経済の分析を仕事にしています。 東京大学法学部卒、スタンフォード大学院修了、元外交官。米国、中国、英国に数年間在住。 趣味は現地調査(70か国以上渡航)と適度な筋トレ。 ここでは世界情勢の読み解き方を解説します。 メルマガのご紹介 バックナンバー 総集編 メルマガ配信登録
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