2017/01/05 00:00 | 回顧と展望 | コメント(2)
2017年の展望
わけあって昨日からちょっと缶詰状態になっています。ということで、色々ネタはあるのですが、まずはスロースタートということで、本年の大型イベントをざっと見ておきましょう。
1月 米国大統領就任式
3月 フランス大統領選挙、オランダ総選挙、英国EU離脱申請(?)
5月 イラン大統領選挙、G7サミット(イタリア・タオルミナ)
6月 フランス国民議会選挙
7月 G20首脳会議(ハンブルク)
9月 ドイツ総選挙
10月 中国共産党大会
11月 APEC首脳会議(ベトナム・ダナン)
まずは1月20日に予定されるトランプ大統領の就任式。トランプはいまだ大統領に就任していないにもかかわらず次期大統領として活発に発信を行い、異常ともいえる(笑)影響力を行使していますが、とにかく政権の方針は、新政権が発足しないことには明確になりません。
政権の方向性を考える上で最も重要な手がかりとなるのは政権の骨格ですが、これもまだ不確定の部分が大きい状況です。これは次回述べます。
次に欧州で実施される一連の選挙。右翼・ポピュリズム政党がどこまで力を伸ばすのか。BREXITの展開とともに新たな世界情勢の攪乱要因となりそうです。
そしてアジア情勢を左右することになる中国共産党大会。ポイントについては「中国共産党大会のポイント」をご覧ください。
今年の世界情勢の一大テーマとなるのは米中関係でしょう。特に日本を含めたアジアはこの二つの大国のつばぜり合いに振り回されることになるでしょうが、その展開を考える上で重要な要素となるのは、この二つの大国の骨格、すなわち前述のトランプ政権の陣容と中国共産党大会で決定される体制、ということになります。
中東で最も注目されるのはイラン大統領選挙。「イラン・米国の内政と核合意」、「イラン議会選挙・専門家会議選挙」で述べたように、米大統領選とイラン大統領選が毎回1年違いのタイミングで実施されます。
そして、米・イラン関係は、改善の兆しが見えたところで、お互いの大統領選を挟み、ふたたび関係が悪化する、という展開を繰り返してきました。
今回も、まずは昨16年に米大統領選が行われましたが、トランプの発言やマイケル・フリン大統領補佐官、ジェームズ・マティス国防長官といった強硬派の起用を見ると、ふたたび米国が強硬路線に回帰するのではないか、ということが危惧されます。
そして、本17年に実施されるイラン大統領選ですが、どうなるか。現時点では現職のロウハニ大統領が勝利する見通しですが、トランプの政権が強硬な姿勢をとるとどうか。その展開によっては、あらたなる中東秩序のゲーム・チェンジャーとなる可能性があります。
ほか、これも来週述べますが、中東については、トランプは駐イスラエル大使にハードコアな強硬派の人物を指名しており、これもまたオバマ政権の外交からの逸脱として不安定要因になることが予想されます。
そういうわけで、米国、欧州、アジア、中東、いずれにおいても政治面での不安定要因が大きく、トランプ・ラリーを見ても分かるとおり、経済は政治の動きに大きく揺さぶられる一年になりそうです。
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2 comments on “2017年の展望”
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恐ろしいのは・・
我らの関白殿・・
頭の密度( ^ω^)・・・(笑
トランプさん他、何をしでかすか分からん政治家が多い中、
JDさんの秀逸な考察だけが頼りです。
広島かぶれのぐっちーさんはアテになりませんw
昨年以上の更新頻度を期待しています。