2017/01/13 00:00 | 米国 | コメント(11)
オバマの演説とトランプの記者会見、上院公聴会、ロシア情報
新年からバタバタが続いており、詳しく書けませんが、1月20日の大統領就任式を前に様々な動きが起こっています。ポイントのみ簡単に書いておきます。
●オバマの演説とトランプの記者会見
オバマ大統領の退任演説とトランプ次期大統領の初の記者会見。その内容は極めて対照的でした。
民主主義の崇高な理念と在任中のレガシーを高らかに謳い上げたオバマ。相変わらずのプロレスさながらの下品なマイクパフォーマンスで、具体的な政策を明らかにすることなく、メディアに対する激しい攻撃に終始したトランプ。
その振る舞いと内容は、客観的に見れば、雲泥の差があります。しかし、退場を余儀なくされるオバマの理想とレガシーは、勝者トランプによって潰されることになります。
オバマの記者会見の直後にトランプの記者会見が続くというタイミングも強烈なアイロニー。これが民主主義の帰結であって、そこに是非を問うことなどできませんが、オバマの演説が美しく、トランプの演説が野卑であるほど、悲劇的なものを感じさせます。
一方で、トランプ次期政権には早くも暗雲が立ち込めています。
●上院公聴会
まず、いよいよ始まった上院公聴会。最も懸念されるのは、「トランプ政権人事(国務長官、国家通商会議)」で述べたとおり、「T-レックス」ことレックス・ティラーソンの承認です。
公聴会ではロシアとの関係を思いきりつっこまれ、疑念を十分にはらすことができませんでした。承認の見通しは現在のところかなり不安です。
●ロシア情報
そして、そのロシアが握っているというトランプの弱み。その真偽も含めて明らかにはなりませんが、これが仮に相当の蓋然性をもってくると、弾劾の可能性が現実味を帯びてきます。
これは深刻なリスクです。トランプの命運を握るのは何といっても共和党議員の支持ですが、ロシアとの関係についてはどうしても譲ることができないという共和党の実力者は数多く存在するからです。
今後の展開次第では、就任早々に退陣、副大統領のマイク・ペンスが就任・・・というシナリオもあり得ないとは言い切れません。まさに『ハウス・オブ・カーズ』の世界です・・・実はペンスはフランク・アンダーウッドだったのか・・・笑
ここに来てユーフォリアも終わり、不安材料が顕在化してきて、トランプ・ラリーにも早くも陰りが見えてきそうです。私個人はトランプの破天荒が米国と世界のデッドロックを変える上で良い方向に働けばいいなとは思っていますが、残念ながら、とても楽観的にはなれません。
ここは米国のみならず、世界にとっても日本にとっても非常に重要なところなので、これからもきめ細かくウォッチしていきます。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
11 comments on “オバマの演説とトランプの記者会見、上院公聴会、ロシア情報”
コメントを書く
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。
オバマの演説には・・自分の王朝が滅びるのを悟っている王の悲壮感があった。
トランプには・・エクスキャリバーの使い方を・・十分にマスターしていない王の苛立ちがあった。
マケインを始め共和党首脳は・・米国の敵がロシアではなく・・中国だという現実を認識出来ていない・・時代に取り残された頑なな老人を感じさせられるものだった。
にも拘らず・・『ハウス・オブ・カーズ』は起こり得ないでしょう。
新しいユダヤの階級がトランプ一家にはある。トランプはネタニエフと固い握手を交わすでしょう( ^ω^)・・・(笑
ぺルドンさんはもう断定している。さすがトランプを当てた人だ。たしかにロシアはとっくの昔に解体され脅威ではなくなっている。奥の院がそう舵を切ったからこそトランプというジョーカーが仕込まれていたということか。娘婿のクシュナーは新しいユダヤの階級だったんだ。う~ん鋭いな。古いユダヤの米国マスコミはトランプ攻撃をやっていたが、時代遅れだったんだなー。
予感はしたが凡人はついていけない。もう中国と共産党の時代が実質終わってしまうなんて。早すぎませんか。ここ20年で中国のGDPは20倍くらいになったのだろうか。日本も短期間で成長させられたが、そのスピードは日本の4倍くらいか。グローバル金融の威力はやはり恐ろしい。早すぎて結局日本のような技術開発をやっている暇も必要もなかった。中国の技術進歩は経済成長が終わったこれからか。しかし日本も中国も最後にバブルをやらされているのが意味深だ。
ソ連も共産主義をやらされたが、中国と違ってこちらは本来的に資本主義の敵だった。しかも伝統の軍事力は脅威だった。中国は米国の管理下にあるようなもので軍事力もおもちゃだ。宇宙技術もロシア製だ。そしておいしい工場・市場だった。いくら役目を終えそうだとしても敵と認定するということは、米国自身も苦しいということか。今のところ潜在能力に過ぎないが既に行動が基準を侵しているのがまずいのだろう。日本も日露戦争後、もう目をつけられていた。育てられたり、敵視されたり米国の周囲の国は大変だ。
オバマ政権とトランプ政権のこの解釈の落差は、米国民もよく呑み込めていないのでは。新年早々、ハウス・オブ・カーズは起こりえないという神託が出てしまった。またもぺルドン神殿の勝利か?。私はまだJDさんの示した、ペンスが早めに昇格すべきと思っていますが。
しかしよく考えればキッシンジャーの編成した、中国を取り込みソ連を倒し、米国一強という体制の変更だ。ちょうどトランプが二つの中国と言った頃、彼は年末習近平に何を伝えに北京に行ったのだろう。
友人が「可能性有り」と言い始め、「そいつは目出度い」と前祝いに集まって、乾杯して、JDさんのブログを開いて見ると…
何とお墨付!
久しぶりの美酒。ありがとうございます
閣僚候補はずいぶんおとなしい主張に終始したようですが、どうなりますか。。
上院の承認さえ・・
取れれば・・トランプは構わないのです。
閣内対立・?
大統領は私だ・・
各閣僚も承知の上の儀式・・
プラグマティズムの国です・・
もっとダイナミックに考えましょう( ^ω^)・・・(笑
今年もよろしくお願いします。
大統領選候補としては拍手喝采しても、大統領が同じことしてたら投票者からもブーイングでしょうね。
見損なったと言われたりして(笑)。
昔、若い頃、学校の宿題などやりながらFM放送で、
日本航空スポンサー・城 達也 氏ナレーションの
「ジェットストリーム」という番組を聞いていたことがる。
そのテーマ曲がボビー・ビントンのMr.Lonely だったが
まともに聞いて曲名を確認・歌詞も一言一句チェックしたのが四半世紀後の
イラク戦争の従軍者投稿のyoutube 動画を見たときでした。
“forgotten, yhah, I’m forgotten” というくだりがあるが
トランプの演説を聞いてこの一節を思い出しました。
出身校の人脈に影響されてるんじゃないか。。。
JD さんはインテリでかつ肉体鍛錬をしてるそうですが
もしかして武蔵校??
出身校ですが、私は開成です・・・武蔵のイメージですか?笑
JD さん
失礼しました。
武蔵校出身の参院議員さんで若い頃ボクシング・ジムやマラソンをやっていた、
というblog を見たことがあり、校風なのかなと思っていました。
しかし要はそれなりの方は皆、身体訓練・コンディションに気を配っている、ということなのですね。。。
ぐっちーは麻布かな。笑
無粋なコメントかもしれませんが。。
御三家と言われるが、KSの方々、東日本ではTKしか眼中にないでしょう(笑)
理IIIの合格者数が、彼ら超エリートの肌感覚のような気がします。