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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2020/03/02 00:00  | 今週の動き |  コメント(1)

今週の動き(3/1~7)


コロナウイルスの影響で自粛のトレンドが広がっていますね・・私も、当面ジムに行くのを控えようと思いました。自宅での自重トレーニングに切り替えます。

プランクも自宅で手軽にできる上、体幹も鍛えられて良いですね。この記事のように1日4~5時間とはいかず、インターバルを入れながら、せいぜい4~5分が限界ですが・・。

それにしてもプランクをしている間、この人は何をしているのだろうか・・と気になります。私など数分間でもタブレットでツイッターや本を見たりしますが、この方はロック音楽を聴いているそうです。数時間もあれば映画2本は見られるなと思ってしまいますね。

コロナの影響で自宅にいる時間が増えるとNetflixなど動画配信サービスやYouTube、SNSなどの閲覧時間がさらに増えるのではないでしょうか。テレワークやこうしたサービスにとってはチャンスになりそうです。私もツイッターでの発信にさらに力を入れようかなと思いました。

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先週の動き
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2/23(日)
・ドイツ・ハンブルク市議会選挙(1位ドイツ社会民主党(SPD)、2位緑の党、3位CDU)

2/24(月)
・トランプ大統領がインドを訪問(~25日)
・米韓国防相会談(ワシントンDC)
・NYの裁判所の陪審がハーベイ・ワインスタインに性的暴行罪等で有罪評決
・中国全人代常務委員会(全人代の延期が決定)(北京)
・マハティール首相が辞任
・国連人権理事会(ジュネーブ、~3/20)

2/25(火)
・トランプ大統領が連邦最高裁のギンズバーグ判事とソトマイヨール判事はトランプ大統領やトランプ政権に関わる係争案件から外れるべきと表明
・トランプ政権が中国は「第1段階の通商合意」を実行に移しているとの声明を発表
・ポンペオ国務長官が新型コロナウイルスの感染症拡大について正確な情報を開示するよう中国とイランに要求
・米国務省が大量破壊兵器の拡散に関与したとして中国、イラク、ロシア、トルコの13個人・団体を経済制裁の対象に指定したと発表
・米国務省がガニ大統領の2期目の宣誓就任式の延期についてアフガン政府と合意したと発表
・米民主党の大統領選候補者の第10回テレビ討論会(サウスカロライナ州チャールストン)
・EU総務理事会(ブリュッセル)
・エジプトのムバラク元大統領が死去

2/26(水)
・トランプ大統領が新型コロナウイルスの感染症拡大への対応について記者会見(ペンス副大統領を責任者に任命)
・トランプ大統領の選挙陣営がNYタイムズのロシア疑惑に関する報道で名誉を傷つけられたとして損害賠償を求める訴えをNY州の裁判所に提起
・イランと英仏独中ロの核合意に関する次官級会合(ウィーン)

2/27(木)
・トランプ政権がスポンジチタンの輸入規制の見送りを決定
・米韓両軍が新型コロナウイルスの感染症拡大を考慮して合同軍事演習を延期したと発表
・米議会が国内の通信事業者にファーウェイとZTEの製品の使用停止と買い替えを促すため10億ドルの補助金を盛り込んだ法案を可決
・シリアのイドリブ県でトルコ軍とシリアのアサド政権軍が大規模な衝突

2/28(金)
・トランプ大統領が国家情報長官にジョン・ラトクリフ下院議員を指名する意向を表明
・FRBのパウエル議長が新型コロナウイルスの感染拡大を受けて「経済を支えるために適切に行動する」とする緊急声明を発表
・米国とタリバンの7日間の暴力削減期間の終了
・中国の楊潔チ政治局委員が訪日(安倍首相と会談)

2/29(土)
・トランプ大統領が新型コロナウイルスの感染症拡大への対応について記者会見(新型コロナウイルスの感染者の国内での初めての死亡、イランに過去14日間滞在した外国人の入国拒否、イタリアと韓国への渡航中止勧告を発表)
・米国とタリバンの和平合意の署名式(ドーハ)
・米大統領選挙民主党予備選(サウスカロライナ)
・米民主党の大統領候補者を目指していたトム・ステイヤーが大統領選挙から撤退
・マレーシアのアブドラ国王がムヒディン元副首相を首相に任命(マハティール前首相は自らが連邦議会下院議員の過半数の支持を得ていると主張する声明を発表)
・ロシア各地でプーチン大統領を批判していた野党指導者ネムツォフ元第1副首相の殺害から5周年の追悼行事、モスクワでは1万人超がプーチン大統領の辞任等を訴えて中心部を行進
・英国のジョンソン首相が官邸で同居している交際相手との婚約を発表
・スロバキア議会選挙

●新型コロナウイルスの感染拡大(米国の対応)

新型コロナウイルスの感染は米国でも広がりつつあります。先週、カリフォルニアでは初の市中感染(ウイルスの感染が広まっている地域への渡航歴がなく、感染症の患者との接触もない人の感染)の例が確認されました。また、国内での初めての死亡も確認されました。

ウイルスの感染拡大の懸念が高まる中で株式市場は大幅に下落。これを受けてトランプ大統領が緊急に記者会見を開催。ペンス副大統領を対策の責任者に任命し、政権が一丸になって対応する姿勢をアピールしました。米国の対応についてコメントします(※メルマガに限定)。

●米民主党の大統領候補者の第10回TV討論会

週末のサウスカロライナ予備選の直前に同州のチャールストンで開催されました。参加者は以下の7人。数字はReal Clear Politicsが算定したサウスカロライナと全米の平均支持率です(括弧内が全米)。

・バイデン    39.7%(18.8%)
・サンダース   24.3%(29.6%)
・ステイヤー   11.7%(2.6%)
・ブティジェッジ 11.3%(11%)
・ウォーレン    6%(11.8%)
・クロブシャー   5.7%(4%)
・ブルームバーグ  -(16.4%)

討論会の評価を簡潔に述べます(※メルマガに限定)。

●米大統領予備選挙(サウスカロライナ)

序盤4州の最後を飾る予備選としてサウスカロライナ予備選が行われました。結果(得票率と代議員数)は以下のとおりです。

1位 バイデン    48.4% 33
2位 サンダース   19.9% 11
3位 ステイヤー   11.3%  0
4位 ブティジェッジ 8.2%  0
5位 ウォーレン   7.1%  0
6位 クロブシャー  3.1%  0

予想どおりバイデンが勝利。それも2位のサンダースを30ポイント近く引き離す圧勝でした。サウスカロライナ予備選、バイデンが圧勝。サンダースに30ポイントの大差をつけました。勝利演説も(いつもと比べれば)力強くて良かったですね。

今回の結果の意義とすぐに始まるスーパーチューズデー(後述の「今週の動き」参照)の展望については、明日の記事で詳しく解説します。

●米国とタリバンの和平合意

米国とタリバンの和平合意の署名式がドーハで行われました。合意では、アフガニスタンに駐留する米軍1万2000人は135日以内に8600人まで削減し、14か月以内にNATOを中心とする国際部隊を含め全軍を完全撤退させるとしています。現時点でのコメントを述べます(※メルマガに限定)。

●トランプのインド初訪問

トランプ大統領のインド初訪問。モディ首相の地元のグジャラートに入り、クリケットスタジアムでの集会にモディとともに参加。10万人の観客がトランプを歓迎しました。

インドの人々は帽子を被っていますが、これは「MAGA」ハットではなく「ナマステ・トランプ」と書かれています。「Howdy Modi」への返礼ですね。

「トランプのインド初訪問」(2/24)

トランプはその後アグラに移動してタージマハルも訪問しました。ただの観光旅行のように見えなくもありませんが・・(笑)。

トランプとモディはデリーで会談し、LNGの新規供給や30億ドル規模の武器輸出等で合意しました。もっとも目玉となるはずの通商合意は、上記記事の予想どおり、特に進展がみられませんでした。スタジアムやタージマハルといったスペクタクルだけの訪問になった感は否めません。

また、トランプのデリー滞在中に市民権改正法に対する大規模な抗議デモが発生しました。死者30人、負傷者200人を超える惨事になっています。トランプ訪問によりメディアの注目が集まるタイミングを狙ったのでしょう。モディとしては、昨年12月の安倍首相の訪問中止に続いて面目を失う事態になってしまいました。

「インドの市民権改正法に対する抗議デモ」(19/12/23)

市民権改正法は1月に発効しましたが、州によっては実施されておらず、また最高裁に合憲性を争う訴えが提起され、現在審理されているところです。市民権改正法に対しては国内外で強い批判が寄せられており、モディも、最高裁の判断を見た上で、一定の修正を図る可能性があります。

●トルコとシリアの軍事衝突

シリアのイドリブ県におけるトルコ軍とアサド政権軍の交戦が激化しています。以下の記事で述べたとおり、エルドアン大統領は昨年からシリアで積極的な軍事作戦を開始し、アサド政権軍がイドリブ県にある反体制派の拠点に侵攻するのを食い止めようとしています。アサド政権軍はロシアの支援を得て激しい攻勢に出ました。

「トルコのシリアでの軍事作戦停止、ロシアとの合意」(19/10/28)

トルコも反撃に出ていますが、NATOでの孤立、ロシアとの関係維持、難民の流入という難題を抱え、苦境に陥っています。エルドアンの野心的な作戦は失敗に終わり、シリアでの部隊駐留も見直しを図る可能性が高まっています。

●マハティール首相の辞任とムヒディン新首相の就任

マレーシアのマハティール首相が突然に辞任を表明。内閣は解散しましたが、とりあえず暫定首相に就任しました。ここから次期首相の決定をめぐり、政局が目まぐるしく動きました。

最終的にアブドラ国王は「マレーシア統一プリブミ党(PPBM)」のムヒディン・ヤシン党首(元副首相)を新首相に任命しました。ポイントを解説します(※メルマガに限定)。

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今週の動き
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3/1(日)
・マレーシアのムヒディン新首相の宣誓式
・タジキスタン下院選

3/2(月)
・イスラエル総選挙
・英国とEUがFTAを含む将来関係について初交渉(ブリュッセル)
・ガイアナ総選挙

3/3(火)
・米大統領選挙民主党予備選(スーパーチューズデー:アラバマ、アーカンソー、カリフォルニア、コロラド、メイン、マサチューセッツ、ミネソタ、ノースカロライナ、オクラホマ、テネシー、テキサス、ユタ、バーモント、バージニア)

3/5(木)
・中国全人代の延期
・EU環境相理事会(ブリュッセル)
・OPEC臨時総会(ウィーン)

3/6(金)
・OPECプラス会合(ウィーン)

3/7(土)
・台湾の野党・国民党の主席選挙

●米大統領予備選挙(スーパーチューズデー)

いよいよスーパーチューズデー。14州が一斉に予備選(党員集会)を実施し、この日だけで全代議員の約34%(1,357人)をどの候補者が獲得するかが決まります。まさに「天王山」といえる一大予備選ですが、明日、ポイントを解説します。

●イスラエル総選挙

以下の記事でお伝えしたとおり、イスラエルで19年4月と9月に続く3度目の総選挙が行われます。展望をお伝えします(※メルマガに限定)。

「イスラエルの3度目の総選挙の決定」(19/12/16)

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あとがき
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Trump crowns Microsoft, Amazon, Google and Apple as trillion-dollar ‘MAGA’ companies(2月12日付USA Today)

トランプ大統領がマイクロソフト、アマゾン、グーグル、アップルを「MAGA」と呼んで賞賛。MAGAは「Make America Great Again」の略称で、言わずと知れたトランプの選挙スローガンです。「GAFA」のFacebookをマイクロソフトに入れ替えるとこうなるのですね。

この言い回し自体は前からありましたが、トランプが言及したのは初めてだったようです。Facebookが外されたのは、語呂合わせのためで深い意味はないのでしょうが、象徴的な何かを感じさせます。とはいえMAGAでくくられた4企業も嬉しくはなさそうですが・・(笑)。

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One comment on “今週の動き(3/1~7)
  1. KB より
    新鮮で深い

    先週末、「歴史的」とか「目まぐるしい」ことが色々起きましたが、さすがJDさんのメルマガだとおもいました。コンパクトにかつ、相関関係やポイントを分かりやすくお伝えいただいて、贅沢な気分です。
    それに、これまで以上に、今週はJDさん、Saltさん、Konanさんのメルマガやブログに親和性があり、様々な視点から物事を見ることができて、本当に有意義でした。
    皆様それぞれの知見や専門性から大切な気づきや、目の付け所をご提供いただいていて、改めてとても感謝です。
    PS;朝から悲報が・・・。明日のメルマガ、楽しみにしています(涙)

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