2020/02/24 00:00 | 今週の動き | コメント(5)
今週の動き(2/23~29)
ぐっちーさんの最新にして最後の著書『ぐっちーさんが遺した 日本経済への最終提言177』がついに発売されました。
私も早速入手し、少しずつ読んでいます。久しぶりの「ぐっちー節」が身に沁みます。ぐっちーさんの言葉は、生の声を聞くことができなくとも、書籍の中に永遠に残って、いつでもこうして見ることができます。元気をもらいましたね。ぐっちーさん、あらためて、本当にありがとうございました。
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先週の動き
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2/16(日)
・イラクのグリーンゾーンがロケット弾の攻撃を受ける
2/17(月)
・米国大統領の日
・ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル)
2/18(火)
・トランプ大統領がマイケル・ミルケン、ロブ・ブラゴジェビッチ元イリノイ州知事ら11人への恩赦・減刑を発表
・米国務省が中国の5つの報道機関(新華社、CGTN、CRI、チャイナ・デイリー、米国海天発展)を中国共産党の「宣伝組織」と認定(雇用・資産に関する報告を義務付け)
・中国が米国からの輸入品696品目(豚肉、大豆、LNG等)への追加関税の適用の1年間免除を発表
・アフガニスタン選挙管理委員会が19年9月28日に実施された大統領選挙の最終結果を発表(ガニ大統領が再選、次点だったアブドッラー行政長官は並行政府の樹立を宣言)
・EU財務相理事会(ブリュッセル)
2/19(水)
・トランプ大統領がマグワイア国家情報長官代行の後任にリチャード・グレネル駐ドイツ大使を起用するとツイート
・米国防総省がジョン・ルード次官(政策担当)の2月末の辞任を発表
・米民主党の大統領選候補者の第9回テレビ討論会(ネバダ州ラスベガス)
・中国が差別的な報道を理由にウォール・ストリート・ジャーナルの記者3人の記者証を無効にしたと発表
2/20(木)
・米財務省が2月21日のイラン国会選挙の公正な手続きを妨げたとして監督者評議会の関係者等の5人への経済制裁を発表
・トランプ政権が大統領経済報告を議会に提出
・ワシントンDCの連邦地裁がトランプ陣営の元幹部ロジャー・ストーンに対し偽証罪等で禁錮3年4月の判決
・中国・ASEANの新型コロナウイルスの感染拡大への対応に関する特別外相会議(ビエンチャン)
・トルコ軍とシリアのアサド政権軍がシリアのイドリブ県で交戦
・EU首脳会議(ブリュッセル、~21日)
2/21(金)
・ポンペオ国務長官が2月29日にタリバンとの和平合意の署名を行う考えを表明
・米大統領選挙の民主党候補の指名を目指すサンダース上院議員をロシアが支援しているとの米政府の分析をワシントン・ポストが報道
・米大統領選挙の民主党候補の指名を目指すブルームバーグ前NY市長がセクハラ疑惑を主張している3人と結んだ秘密保持契約を破棄する考えを表明
・中国が対米追加関税の対象から除外する68品目(木材、医療機器等)を発表
・イラン議会選挙
・ロシア・トルコ首脳電話会談
・EU首脳会議最終日(ブリュッセル)(21~27年の中期予算について合意できず)
・タイの憲法裁判所が野党「新未来党」に政党法違反を理由に解党命令
2/22(土)
・米大統領選挙民主党予備選(ネバダ)
・米国とタリバンの7日間の暴力削減期間の開始(~28日)
・G20財務相・中銀総裁会議(リヤド、〜23日)
●新型コロナウイルスの感染拡大(中国の対応)
新型コロナウイルスの感染者数は2月23日時点で約7万9,000人(うち7万7,000人が中国本土)、死者は約2,500人(うち中国本土以外は20人)に上っています。致死率は3%です。最新の状況はジョンズ・ホプキンス大学のシステム科学工学センターのマップをご確認下さい。
中国は3月5日に予定していた全人代を延期する方向で調整に入りました。2月24日の常務委員会において正式に決定される予定です。先週の記事で予想したとおりになりました。
・「新型コロナウイルスの感染拡大の影響」(2/17)
中国の対応について、主に政治・外交の観点からコメントします(※メルマガに限定)。
●米民主党の大統領候補者の第9回TV討論会
週末のネバダ党員集会の直前にラスベガスで開催されました。ブルームバーグは直前に世論調査の条件をクリアし、初参戦となりました。
参加者は以下の6人でした。数字は支持率(Real Clear Politicsが算定した全米平均支持率)です。討論会の評価を述べます(※メルマガに限定)。
・サンダース 28.7%
・バイデン 17.3%
・ブルームバーグ 15.2%
・ウォーレン 12.7%
・ブティジェッジ 10%
・クロブシャー 6.7%
●米大統領予備選挙(ネバダ)
アイオワ党員集会、ニューハンプシャー予備選に続き、ネバダ党員集会が行われました。本稿作成時点で最終結果は確認できていませんが、予想どおりサンダースの勝利が確実になっています。今週、あらためて解説します。
・「米大統領予備選挙(ニューハンプシャー、ネバダ)」(2/18)
●イラン議会選挙
以下の記事で述べたとおり、保守派が大幅に議席を伸ばすことは間違いなく、焦点は投票率です。前回16年は62%でしたが、どこまで下がるか。
・「イラン議会選挙」(2/17)
非公式な情報では投票率は40%台(テヘランでは20%台)になるようです。イラン・イスラム革命以来最低の水準です。保守派は7割を超える議席を獲得する見込みです。今後の展望についてコメントします(※メルマガに限定)。
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今週の動き
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2/23(日)
・ドイツ・ハンブルク市議会選挙
2/24(月)
・トランプ大統領がインドを訪問(~25日)
・中国全人代常務委員会(北京)
・国連人権理事会(ジュネーブ、~3/20)
2/25(火)
・米民主党の大統領選候補者の第10回テレビ討論会(サウスカロライナ州チャールストン)
・EU総務理事会(ブリュッセル)
2/29(土)
・米国とタリバンの和平合意の署名(予定)
・米大統領選挙民主党予備選(サウスカロライナ)
・スロバキア議会選挙
●トランプのインド初訪問
トランプ大統領がインドを訪問します。モディ首相と抱き合う姿を何度も見ているので(笑)、意外に思うかもしれませんが、これが初訪問となります。米国大統領のインド訪問は15年1月のオバマ大統領の訪問以来です。
米国とインドは、政治・安全保障の分野では、中国への対抗という点で一致しており、協力を強化しています。米国(と日本)が提唱する「インド太平洋」戦略、日米豪印という枠組みはその流れを象徴するものです。18年9月には初の外務・防衛担当閣僚級協議(2+2)も開催されました。
首脳同士の関係も極めて良好です。モディは昨年9月に訪米しましたが、テキサスでの在米インド人とのイベント「Howdy Modi」にはトランプと一緒に参加しました。米国の大統領がこうしたイベントに参加するのは異例のことです。
スタジアムには5万人以上が集まり、モディもトランプも聴衆を湧かせる演説がうまいので、大変な盛り上がりを見せました。ちなみに「Howdy Modi」はテキサスでの挨拶「Howdy!」(カウボーイの言葉)と「モディ」の語呂合わせ。ベタですが・・うまいですよね(笑)。
もともとトランプはインドに対して良い印象をもっているようです。インドにはトランプ好きが結構います。16年大統領選のときも応援集会などを開いて盛り上がっていました。
そうした状況を意識してか、トランプも在米インド人へのアピールに熱心です。ヒンディー語の選挙広告を出したこともあります。Howdy Modiへの参加もその一環です。
ただ、通商分野では米印関係は複雑化しています。インドと米国の貿易関係は、米国が170億ドルの赤字で、対中赤字に比べればその金額は小さいですが、それでも貿易赤字国の10位以内に入っています。
米国は、インドのITや医療品の市場が十分に開放されていないと主張しており、昨年には一般特恵関税(GSP)の対象国からインドを除外。これを受けてインドは報復関税を発動しました。
それ以降、米国とインドは、新たな通商合意を目指して交渉を重ねています。今回の訪印のタイミングで発表されるとの憶測もありましたが、トランプは「大きなディールに取り組んでいるが、大統領選の前になるかは分からない」と述べており、期待値を下げています。
インドは、RCEP離脱を見てもわかるとおり、市場開放に対して極めて保守的な国です。既得権層の反発と選挙への影響が大きいのです。さしものトランプも、インドとの合意は一筋縄にいかないと理解している様子です。
・「ASEAN首脳会議・RCEP首脳会議」(19/11/11)
●米民主党の大統領候補者の第10回TV討論会
今回の討論会は、土曜のサウスカロライナ予備選の直前に同州のチャールストンで開催されます。参加条件は第9回とほぼ同じです。過去の予備選で代議員を獲得した議員は自動的に参加できるので、サンダース、ブティジェッジ、バイデン、ウォーレン、クロブシャーは参加が決定。ブルームバーグはすでに基準を満たしています。ステイヤーの参加は無理でしょう。
ということで、今回の参加者は以下の6人です。数字はReal Clear Politicsが算定したサウスカロライナと全米の平均支持率です(括弧内が全米)。
・バイデン 23.3%(17.3%)
・サンダース 21%(28.7%)
×ステイヤー 16%(2.2%)
・ブティジェッジ 11%(10%)
・ウォーレン 8.7%(12.7%)
・クロブシャー 7.3%(6.7%)
・ブルームバーグ -(15.2%)
今回の見どころは、ネバダで勝利してさらに勢いに乗るサンダースを他の候補者がどれほど追い詰めるかです。また、前回の討論会で精彩を欠いたブルームバーグが挽回できるかも注目されます。
●米大統領予備選挙(サウスカロライナ)
チャールストンでのテレビ討論会の4日後にサウスカロライナ予備選が行われます。候補者の支持率については前項を確認下さい。予備選の展望については別稿で解説します。
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あとがき
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トランプはブルームバーグを執拗に攻撃していますが、「ミニ・マイク・ブルームバーグは『エネルギー不足』だったジェブ・ブッシュの小型版だ!」というツイート。米国の大統領がこんな差別的な発言と画像を配信する時代が来ようとは・・もはや今さらの話ですが(笑)。
そういえばジェブ・ブッシュは「Low Energy」と呼ばれていましたね・・と思ってググったら、トランプがつけたニックネームがwikiでリスト化されていました(笑)。
これによるとブティジェッジのことは「アルフレッド・E・ニューマン」(2月18日付記事の「あとがき」参照)のみならず「Howdy Doody」とも呼んでいたようです。ここでも「Howdy」が・・(笑)。
なお、ラッシュ・リンボーは「Booty Judge」と呼んでいました。Bootyはお尻の意味(Buttも)。あまり芸がないのでトランプは採用しないですかね・・笑
クロブシャーはまだあだ名がつけられたことはないようです。いずれレーダーに入ってくるのでしょうか。副大統領候補などになればそのチャンス(?)は訪れそうですね。
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5 comments on “今週の動き(2/23~29)”
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ご了承のうえ、ご利用ください。
中国の事情って、紐解いてみるととても興味深いですね。また、「体制の置かれた状況」が権力基盤にダイレクトに影響を及ぼさないという、中国固有の事情もなるほどな、と思います。
以前、中国政治の読み解き方や、中国の総集編で触れられていた「枠組み」を当てはめながら面白く読みました。
トランプのインド訪問、どうなるのか楽しみです。トップのパーソナルなキャラの親和性と、政治・外交上の立ち位置が微妙に(結構激しく)違うので、先の中国同様、目に見えているものが全てではない、という学びが多く興味深いです。
とても、最終回カオスは、現実に日本で起こってしまった。第十回カオスは、ぜひ日曜日午後十一時テレビで見てJDさんの感想を聞いてみたいです。
安倍政権もおしまいですね。感染症の対策など決まているのにそれすらしなかった。化けの皮が剥げたということですね。
それにしても日銀の黒田氏はなぜ大本営のような発表をするのか?
消費税増税が間違いだったに過ぎない、身を挺しても阻止することが彼の役目だったのではないか。
白川総裁が任期前に辞めたがそのわけは総裁が変わっても通用するから、それに対することでしょう。
企業活動をしている人はそれぞれに判断して活動しないとつぶれるが日銀総裁はやめればそれで実質おしまいです、この落差はおおきい。
しかし、大統領が多分誰になっても、中共への攻撃はやまないでしょうね。
日本、支那、アメリカの外交的関係は戦前と何ら変わっていない。
アメリカが最初沖縄に来た意味を理解することでしょう。そのあと浦賀へ来た。また既に勝負が決まっているのに、直接日本本土へ行かずに、沖縄を占領するために沖縄戦をして、その後、グアムのようにするつもりだったが、【JD注:不適切と思われる表現があったため恐縮ですが非表示としました】、施政権を返して軍事基地のみを維持する方針に替えたにすぎない。【同】日本政府に任せた。それが今でしょう。
大統領がだれになるかを予測するように我が国の近未来はいかがなるか?
近在やスーパーを見ると疲弊がひどい気がする。
貧富の差が露骨になり、この先スラムができる可能性が大いにあるにもかかわらず、見えていない。
コロナで医療はたぶん崩壊する。その次何が起きるか?
なぜ中国人の入国を禁止しないのか?今のその気がないようです。
国会議員にかからせるのが覿面ではないかと思う。
『グッド・ファイト』、早く見ないといけませんね・・・笑
今は『ウエストワールド』を見ているところですが、シーズン1を見終わったらとりあえず『グッド・ファイト』にシフトしようと思います。
『グッド・ファイト』シーズン1の最終回、確かに最後「はぁ?」てなりました・(笑)
このドラマ、ストーリーもキャラも良いですよね。
『ウエストワールド』はウォッチリストに入れているのですが、どんな感じですか?『グッド・ファイト』見終わったら見てみようかなと思います。