2019/11/20 05:00 | 米国 | コメント(6)
民主党予備選の混沌
■ 前マサチューセッツ州知事、米大統領選に出馬表明 オバマ氏に近い穏健派(11月15日付BBC)
■ 米ルイジアナ知事選決選投票、保守層強い地域で民主再選(11月16日付ロイター)
大統領選の民主党予備選に前マサチューセッツ州知事のディヴァル・パトリックが参戦しました。
民主党予備選には、以下の記事で述べたとおり、マイケル・ブルームバーグ前NY市長の出馬も取り沙汰されています。
・「オフ・イヤー選挙の衝撃とブルームバーグの大統領選出馬検討」(11/12)
先週、アーカンソー州とニューハンプシャー州の登録期限が到来しましたが、ブルームバーグはアーカンソーにのみ申請し、ニューハンプシャーは見送りました。出馬宣言はまだしていません。
民主党予備選は来年2月からスタートします。2月3日のアイオワ、11日のニューハンプシャー、22日のネバダ、29日のサウスカロライナが序盤4州で、3月3日にスーパーチューズデー(今回はカリフォルニアを含む14州)を迎えます。
すでにアイオワでは選挙戦が本格化しています。パトリックもブルームバーグも、このタイミングでの出馬は極めて遅いと言わざるを得ません。しかし、この2人の参戦は、予備選の行方に大きな影響を与える可能性があります。
本日は、こうした最新の状況を踏まえつつ、民主党予備選の展望について解説します。その後、オフ・イヤー選挙の一つであるルイジアナ州知事選についてもコメントします。
※ここから先はメルマガで解説します。アウトラインは以下のとおりです。
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民主党予備選の混沌
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●パトリックの出馬
●予備選の混戦
●ルイジアナ州知事選
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あとがき
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■ トランプ氏がライバル擁護、バイデン氏は「狂犬」ではない 北朝鮮メディアの非難受け(11月18日付AFP)
■ Mr. Chairman, Joe Biden may be Sleepy and Very Slow, but he is not a “rabid dog.”(11月17日付Donald J. Trumpのツイッター)
北朝鮮が突然にバイデン前副大統領を「狂犬」呼ばわり。どうしたんだ?と思ったら今度はトランプ大統領がバイデンを擁護・・というよりも便乗してイジっているだけのように見えますが。何かテンポの良い漫才を見ているかのようです。
北朝鮮の真意は分かりませんが、ライバルを非難することでトランプに恩を売ろうとしたのかもしれません。だとすれば贔屓の引き倒しになって逆効果と思いますが・・バイデンにしてみれば、ただの大統領候補の一人に過ぎないのに存在感を示すことができて「おいしい」と思ったことでしょう。
ところで、トランプのツイートを見ると、「狂犬」といっても「mad dog」ではなく「rabid dog」と書かれています。これは朝鮮中央通信の英語の原文にならったものです(このリンクの11月14日付コメンタリー。ちなみにバイデンを「Baiden」と誤ったスペルで書いている)。
「mad dog」であれば、必ずしもネガティブではなく、「恐れ知らず」「タフ」というポジティブなイメージがあります。以下の記事で述べたマティス前国防長官のニックネームが好例です。
・「トランプ政権人事:国防長官」(16/12/6)
しかし「rabid dog」だと、文字通り「狂犬病にかかった犬」となり、「病的」「危険」というイメージ一色になります。ここには日本語では読み取ることができない英語のニュアンスの違いがあります。「rabid dog」では、バイデンも全面的に「おいしい」とは思えず、トランプも同情の気持ちを押さえられなかったのかもしれません。
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6 comments on “民主党予備選の混沌”
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大統領とその所属政党のムーブメントだけでなく、個人の資質、党内のポジション、地域性、国民の注目トピックス、こういうものを全て検証して、結論付けているところ、本当に圧巻、お見事!です。(なんか、上から目線でスミマセン…)
それに、在ワシントンの「世論調査の専門家」。こういう分野のスペシャリストもおられるんですね。木村太●にはこうした緻密な分析は無理ですね。(なんか、蒸し返してスミマセン(苦笑))
以前雑誌に共和党というものが常時存在しているものではない。その都度、作ると書いてあった。選挙制度がどうにもわからない。我が国のそれもわからない。
特にわが国は政策をもとに投票するという意識がなく、人を選ぶという意識のほうが強い。
もじどおり、個人が政治に参加する形態がアメリカで、個人が直接政府と対峙していることかと思った。我が国はい違う。それにアメリカ人ははっきりものをいうから世論調査は選挙情勢に反映するが、我が国は違う。まったく正直な人は日本人には少ないし、自らの考えで投票する人はすくない。
しかし予備選という、仕組で候補者を吟味するのはいい。我が国はお願いしますだけで、その人物を見る仕組みはない。
立会演説会を設ける必要があるのでは?選挙期間を長くして、もう「5Gのじだいだから、公会堂における候補者の吟味する機会を選挙民に与える仕組みを作ることだ。売春宿で女を吟味するようなものだというと非常識だが、似たようなものでしょう。なぜならどこの馬の骨が出るかわからない仕組みが民主主義の選挙だから。
いつ頃から立会演説会が我が国からなくなったのか?
我が国の世論調査はアメリカの真似で、ここ一番というときには全く意味がない。資料として使えるか疑問と思っている。
しかしいですねえ、メリカの選挙は金をどれだけ集められるかで決まるようですから。金とパワーしか信じないアメリカ人らしくていい。それと大国だから気まぐれと思う。そのアメリカにおんぶ、抱っこの我が国は何が出きるか?
外国が其れこそ総力を挙げてアメリカの選挙の分析をしているが、我が国はどうだろうか?
諜報機関が必要で、支那におけるのは東亜同文書院があったがアメリカにはなかった。それが今はどちらもない。我が国は苦しい戦いが今後続くでしょう。
貧乏になるということですが。
お世話になります
国際情勢は原油の冬場需要も目途がつき
イランも落ち着くとみていますが
香港デモが世界に拡散されるとみています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191122/k10012186481000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_004
マレーシアとは連携しているとみるのが
自然の見方であり
中国当局はジャスミン革命の拡散を食い止めるのに
成功をしていますが
今回はどうなるのであろう?
と思っています。
日本のメディアは
ポピュリズムに否定的な見方をしていますが
私はポピュリズムは世界的な潮流とみています
この最終的な結末は
民主主義が維持される前提条件であれば
ポピュリズムの圧倒的勝利になると思っています。
令和の時代は政治も激動になりそうと思っていますが
いかがでしょうか?
質問箱に質問しようと思いましたが、面倒なのでこちらで失礼します。
今あがっている民主党の候補者の中で、誰が大統領になるのが日本にとって、米国にとって、世界にとって、それぞれ一番ベターなのでしょうか?
もちろんトランプを含めても構いませんが(笑)
ポピュリズム、ナショナリズム、リベラリズム、グローバリズム・・これは、非常に大きな話ですね。
私はこうした思想のせめぎ合いは振り子のように揺れるものだと思っています。もちろん、リベラリズムやグローバリズムと言っても、かつてと同じようなものにはならず、変容を遂げていくと思いますが。
大きなテーマなので、「2019年の回顧」や「2020年の展望」で論じてみたいと思います(難しいかもしれませんが・・苦笑)。
これもまた難しい質問ですね。
民主党の候補は、いずれも日本やアジアに対して確固たる立場や知見があるわけではないので、今の時点で見通しを立てるのは困難ですが、ラフな印象を言えば、いずれの有力候補も、それなりにバランスをとった外交政策をとると思います。ウォーレンのような内向きなポピュリストタイプでさえ、堅実な外交ブレーンを集めていると聞いています。
米国、日本、世界にとって望ましいのはトランプ以外の候補者と思います(苦笑)。