2019/08/06 05:00 | 米国 | コメント(8)
米国の対中追加関税第4弾の発動宣言
■ 米国、中国製品3000億ドル相当に10%追加関税発動へ 協議進展なく(8月2日付ロイター)
先週、トランプ大統領が突然に対中追加関税第4弾を9月1日に発動するとツイート。米中閣僚級通商協議の直後でした。
3000億ドル相当額の中国製品に10%の追加関税をかけるというもので、5月にUSTRが発表した3805品目が対象になるとみられます(ちなみに今の時点でUSTRの発表は出ていません。トランプのツイートがすべてなのです・・(苦笑))。これによってほぼすべての中国製品に追加関税が課されることになります。
・「米国の対中追加関税第4弾と中国の関税引き上げ」(5/20)
トランプはツイッターで、中国は、農産品の輸入拡大と米国でのフェンタニル(オピオイドの一種)の販売停止を約束したのに、履行していないと不満を述べています。6月の首脳会談で約束したことを中国は守っていないという、従来の主張を繰り返したものです。
・「米中首脳会談」(7/3)
突然の発表に驚きはありましたが、大筋の展開は上記記事で述べた見通しに沿ったものでした。トランプの思惑と今後の展望について解説します。
※ここから先はメルマガで解説します。アウトラインは以下のとおりです。
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米国の対中追加関税第4弾の発動宣言
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●発動宣言の背景
●中国の対応
●トランプの政治技術
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あとがき
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■ トランプ氏とマクロン氏の友好の木、枯れた 仏報道(6月11日付CNN)
「枯れた」・・(苦笑)。何とも残念というか、記事にもあるとおり、米仏関係の冷却化を象徴するかのような出来事ですね。
ここで私が思い出したのは、ワシントンDCのポトマック川沿いの桜です。毎年春になると満開になり、「桜祭り」という文化イベントが開催されますが(私もDCにいた頃深く関わりました)、この行事は1912年に尾崎行雄東京市長がDCに桜を寄贈したことを記念するものです。
尾崎市長の寄贈は米国からの熱望を受けて行われたのですが、実は一度贈られたものはすべて焼却処分にされました。害虫に侵され、検疫を通らなかったからです。そこで尾崎市長は苗木を新たにして再度寄贈にチャレンジし、無事に植樹に至ったのでした。
今回はちょっと状況は違うようですが、マクロン大統領も再トライするのでしょうか。新たな友好記念碑を築いて欲しいものです。
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8 comments on “米国の対中追加関税第4弾の発動宣言”
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7月頭のJDさんの見通しの、そのまんまを行っているので、とても面白く先日来動きを見ていましたが、そうは言ってもツイートひとつで、通商交渉、外交から、マーケットまで、ここまでかき回されるとは!改めてなんだかなぁです・・・(苦笑)中国を為替操作国に認定なら、トランプのツイッターも少しは規制してほしいものですが。
経済は強いが粘りが足りないトランプの米国と、経済はイマイチだが粘る習近平の中国。まさに殴り合いですね。メルマガの最後、意味深ですね。ターニングポイントかと眺めてます。
中国への追加関税第4弾が発動される前に米国で行われた公聴会でも、一部企業は代替性の低さを訴えていましたね。中国以外の国へ調達先を移した場合、追加関税の25%を超えるコスト上昇が予想されるとのこと。また他メーカーからは生産を中国から他地域へ移管した場合のコスト増も指摘されていました。
中国製品は代替性が高いのかな?と何となく思っていましたが、一部製品においては代替性が低いのだなと認識するようになりました。
でも冷静に考えるとそうだなとも思います。消費財となると特に、質・コストをトータルで見た時にベストな商品を選択しているのでしょうから、それをいきなり違う商品でも行けるかといったら、そういう訳にもいかないのかなと。質を落とすか、価格を上げるかの選択を迫られると思うので、利益を追求する企業としては容認できることではないように思います。
勿論、総量的に見れば米国として大きな額ではないのかもしれませんが、関連企業にはピンポイントで影響が出てくるでしょうし、代替や移管のコストが関税率(25%)を上回る場合、企業は関税を受け入れる選択をするしかないでしょうから、結果的に労働者の賃金や、一般消費者への物価という形で多少なりとも影響を与えるような気がします。
今回の追加関税の発表、個人的には微妙だなと感じています。成功体験から来るトランプの驕りというか、相手の状況変化を理解していないミスチョイスに思えてしまいます。どう考えても中国の妥協なんて引き出せないでしょうし、むしろ今回の決定は(実施されれば)一部の自国民を苦しめ、農家を更に苦境へ追い込むようにしか思えません。またおっしゃるように民主党に対しても攻撃の材料を与えることになるような気がします。(さっそく中国からは農産物の購入停止(為替のおまけ付き)でお返しが来ましたね。)
先方の望むものがファーウェイであるならば、何か取引出来る道(合法的・限定的)を提供して、中国に農産物の輸入を再開してもらう方が良かったような気がします。(中国が完全制裁解除しか受け入れないとなると話は別ですが。)
そういえば、ライセンス許可を取得すればファーウェイと取引が出来るはずだったと思うのですが、制裁解除に時間がかかるというのは、ライセンス許可を得るのに時間がかかるという事でしょうか。若しくはその手続き含め、詳細が決まっていないため時間がかかるという事でしょうか。それとも関係各位(反対派、強硬派)の意見調整に時間がかかるという事でしょうか。とここまで書いてみて、その全部かなという気がしてきました。
戦前アメリカには支那幻想というものがあった。主に宣教師たちが資金援助のためにしたものです。日本においてキリスト教信者がどのように努力しても100万人が上限となり、それを議題に多くの議論がされたという。
アメリカにおける支那幻想が壊れたかどうか?
大いなる疑問です。戦前アメリカにおいてなぜ支那人を好み、日本人を嫌うか?
この答えとして、支那人はにこにこしてアメリカ人の下として行動する。しかし日本人は腹の中で対等と思っている。これが原因だと分析した戦前の本を読んだことがある。実をいうとそれを国内で経験した。アメリカ人商社員がきて、お客の所で話している態度を見て、それを感じた。私にはにらむような表情をして、移動した。
今回アメリカの支那に対する基本認識が変わったなら、もうそれは経済問題ではななく別の問題です。
日本人はすべての社会構造は経済が支えていると教育を受けている、経済民族です。しかしそれは本当だろうか?
社会構造はその社会の思想道徳の結果であり、それが経済に反映される。
つまり、道徳思想がその社会構造を構成して、それが経済に現れる。経済は手段だということです。
今回の現象は経済判断では多分将来は見えないと思う。
アメリカと支那では文化背景が全く異なる。したがって戦争マッタとしてみることが重要ではないか。
いずれしても、我が国は戦前と同じ問題に直面する。そして国内は大混乱へと進むと予測している。生き抜こうぜ。
いつもわかりやすい解説ありがとうございます。
米国が中国を為替操作国に認定しました。
中国はいつも通り冷静な対応のような気がしますが
操作国認定前までは(笑)。
問題は
為替操作国に認定されると
具体的に
何の不利益があり、何の制裁があるのか
わかっていないのに
大騒ぎする連中が多すぎるということです
為替操作国になると
具体的に何の制裁があり
不利益があるのでしょうか
お願いします。
17日までクワウンナイ川、羅臼岳ー硫黄山縦走と思いっきり楽しむぞ。
年明けから中国の仕事でエライめにあい続けても頑張った自分へのご褒美だ!
それだけです。
>chinaさん
ファーウェイのライセンスは、申請に対する許可として付与されるもので、審査もありますし、今のところ期間限定ということで、基本的に応急措置として認められているものです。これでは二の足を踏む企業が多いでしょうから、実効性には限界があります。ファーウェイと心中する企業ならともかく、そうでない多数の企業は、不透明感が一掃されないと本格的な取引はできない、ということかと思います。
トランプはファーウェイの取引を全面的に認めたいのでしょうが、安保専門家からすればそうはいかないわけで、そもそも詳細を決めるのは難しい。その上トランプ政権はバラバラなので、意思統一もできない・・ということで、かなり時間が必要になるようです。だいぶ前にNSCが中間発表を出すと言われていたのですが、それも見送られたようです。
>那須の山奥の兄ちゃんさん
もっともなご指摘ですね。来週の記事でお答えします。
>inoさん
楽しそうですね。北海道であればだいぶ涼しいのでしょうか。うらやましいです。
私も、休暇をとって沖縄に行きたい・・笑