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2019/03/07 05:00  | 米国 |  コメント(2)

マイケル・コーエンの議会証言


Michael Cohen Testimony live before the House Oversight Committee(CBS News)
トランプ氏は「詐欺師」、選挙中のメール暴露把握 元弁護士が証言(2月28日付ロイター)

ハノイで米朝首脳会談が行わるタイミングで、ワシントンDCではトランプ大統領の元個人弁護士マイケル・コーエンの議会証言がありました。公開の証言であり、7時間以上にわたりライブ中継され、米国中が釘付けになったようです。メディアの報道もコーエン一色になり、米朝首脳会談はもとより、同日に開催されたライトハイザーUSTR代表とパウエルFRB議長の議会証言もかすむほどでした。

コーエンは、長年にわたりトランプが抱える問題を解決する「フィクサー」の役割を担ってきた、文字通りトランプの「腹心」です。以下の記事で述べたとおり、昨年12月に有罪判決を受け、今年5月から服役する予定ですが、その発言はトランプの違法行為を追求する上で重大な意味をもつと考えられ、民主党としては、服役前に是が非でも議会証言を実現させたいと考えていました。公聴会はもともと2月7日に開かれる予定でしたが、不利な証言をされるのを恐れるトランプがコーエンの家族に対する脅迫を続けたため、延期されていました。

「ポール・マナフォートの有罪評決とマイケル・コーエンの有罪自認」(18/8/27)
「トランプの元個人弁護士の有罪判決」(18/12/17)
「政府閉鎖の長期化と国家非常事態宣言の可能性」(1/14)
「トランプの元個人弁護士に対する偽証指示疑惑」(1/21)

その内容は大変なインパクトがありました。冒頭、コーエンは、自分がしてきたことをいかに悔やんでいるか述べた後、「I am ashamed because I know what Mr. Trump is. He is a racist. He is a conman. He is a cheat.」として、トランプを「人種差別主義者」「詐欺師」「ペテン師」と断言。その後、トランプの違法行為から行状に至るまで、様々な事実と見方を赤裸々に語りました。民主党の狙いは的中したといえます。本日はコーエンの議会証言のポイントと今後に与える影響を解説します。

なお、ぐっちーさんがコーエンの英語について解説されていましたが、「conman」という言葉になじみがない方は多いかもしれません。「con」とは「相手を信用させて騙す」という意味で、語源は「confidence(信頼)」。よく使われる用語に「con game(信用詐欺)」があります。手の込んだ手口で時間をかけて相手を信用させ、最後に一気に回収する、というニュアンスがあります。「コン・ゲーム映画」といえば何と言ってもポール・ニューマンとロバート・レッドフォード主演の『スティング』(ジョージ・ロイ・ヒル監督、1973年公開)ですね。

※ここから先はメルマガで解説します。アウトラインは以下のとおりです。

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マイケル・コーエンの議会証言
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●議会証言の内容
●民主党の戦略
●トランプと大統領選挙

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あとがき
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前回の記事のあとがきで書いた五本指ソックスには思わぬ反響があり、沢山のメールやコメントをいただきました。chinaさんはトレーニングで利用されているとのことですが、私も同じくジムで利用しています。ストレッチのとき足の指をつかめると意外な可動域の広がりを感じたりします。

それにしても最近はニュースが多すぎますね。大部分は言うまでもなくトランプのせいですが(笑)。見逃せない話が多いので、細かく取り上げていますが、個人的には長期的なトレンドについてお話したいと思っています。年末年始に掲載している「回顧と展望」は良い機会ですが、もっと構造的な部分に踏み込みたいところです。私の主観に大きく左右されるところもあり、講演の方が向いているのかもしれませんが、メルマガでもやり方を工夫したいと思います。

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2 comments on “マイケル・コーエンの議会証言
  1. KB より
    噂…?

    「噂」を単なる噂で終わらせず、可能性を幅広に示して検証している点とそのロジックが面白かったです。
    トランプの「公人」よりも「私人」としての判断が見え隠れしますね。(隠れていない・・?)
    こうなると、ニクソンと同じ道を辿る”可能性”もゼロではない様子。
    ただ、きっとトランプのこと、仮にそんなことになれば、カッコいい演出をするでしょうね(笑)
    こう行った分析とともに、構造的部分に踏み込んだ内容にも触れられ、贅沢です。楽しみにしております!

  2. china より
    2020年

    コーエンの締めくくり、面白いですね。ダメ出しのオンパレード。
    最後の「you don’t shut down the government before Christmas and New Year’s」は少し笑ってしまいましたが・・。でも笑うところではないのかな。多くの人々が大変な思いをしたでしょうし、最後に持ってくるということは、かなり強い戒めを含んでいると読むべきか・・。

    2020年のトランプ、興味深いですね。
    確かに彼の出馬動機はブランド力の向上だったと思うのですが、(本人も含め)予期せぬ当選後に実感した大統領としての優越感・・これはなかなか魅力的だったのではないかと思います。
    相当程度の「愛されたがり」である彼が、世界で一番と言っていいほどの注目を浴びることができる、ちやほやしてもらえる今の地位を、あっさり手放すかな・・と、現時点では懐疑的ですが、でも気分屋さんですからね。何が起こっても不思議ではありませんね。

    「現状を変える新しい動きを必要としているのは、どちらかといえばトランプ」というのは、新たな視点でした。
    党内で中々一枚岩になり切れない民主党を見ていると、どちらかというとトランプが有利なのかなと感じていたのですが、確かに、中間選挙のデータを見ると2016年のミラクルに貢献した州での支持が離れていますよね。
    となるとやはり民主党は、この地域の離れた民心を掴める候補者を擁立できるかどうかが見どころになってきそうですね。今後の展開が楽しみです。

    長期的なトレンドのお話、いいですね。是非聞いてみたいです。
    ワン・ショット的な部分で見せ方を考えていらっしゃるのであれば、GPのマイページで動画のWEB講演会(視聴期間限定・顔出し無し・別途課金)とか?

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