2016/11/14 00:01 | 米国 | コメント(20)
米国大統領選:結果の分析
これからの米国政治を考察するために、最後に少しだけ今回の結果の分析をしましょう。
●紙一重だったトランプの勝利
まず指摘したいのはドナルド・トランプが制した重要激戦州の得票率(※ミシガンは本記事執筆時点では明らかになっておらず、後日追記しました)。
FL(29) トランプ49.1% クリントン47.8%
PA(20) トランプ48.8% クリントン47.6%
OH(18) トランプ52.1% クリントン43.5%
MI(16) トランプ47.5% クリントン47.3%
NC(15) トランプ50.5% クリントン46.7%
WI(10) トランプ47.9% クリントン46.9%
私は選挙の直前に「ペンシルバニア(PA)とミシガン(MI)でトランプが猛烈な追い上げを見せている。これらは通常であればヒラリーが負けるはずがないブルー・ステートと見られているが、ここをトランプが獲ればトランプ勝利の可能性はある。」と指摘しました。
・「米国大統領選:最後の注目ポイント」(11/7)
この結果は私の予想どおりでした。
そして、上記6州はいずれも接戦。特にFL、PA、MI、WIの差はわずか1ポイント。世論調査で言えば誤差の範囲といわれるほどの僅差です。このうちどれか3州がひっくり返るだけでまるきり逆の結果になります。
これに対し、ヒラリー・クリントンが制した激戦州は、ほとんどの州で10ポイント以上の差をつけています。
つまり、トランプが制した激戦州は、ほんのわずかな投票行動の変化で逆転があり得た一方、ヒラリーが制した激戦州は、結果に疑問の余地がなかったといえます。そうであれば、トランプの勝利はまさに紙一重。必然の勝利とはとてもいいがたい。これを予想するなどナンセンスです。
もちろん、そうは言っても結果は結果、それ自体に異議を挟む余地はありません。しかし、このわずかな数の投票者の行動を決めた要因が何かを考えることは、今後の米国を見る上で重要な意味をもちます。
●勝敗を決めたものは何か
なぜヒラリーはあと一歩届かなかったのか。
ここで着目したいのは、両候補者の得票数です。BBCによれば、ヒラリー6027万票、トランプ5993万票。合計1億2000万票。2012年の得票数はオバマ6591万票、ロムニー6093万票。合計1億2617万票。600万も得票数が減っています。しかも、その減少分はほとんどすべて民主党側。
これは、勝敗を決めたのは、潜在的なトランプ支持者が多かったことよりも、潜在的な民主党支持者(おそらくマイノリティと若者)を動員できなかったことだった、ということを示しています。
何度も言われていたとおり、今回の大統領選は、不人気候補同士の戦いでした。有権者の多くは、どちらの候補も支持したくないが、どちらかといえばこちらの方がマシ、という選択を迫られていました。
そして、これも予備選の段階から言われていたことですが、ヒラリーに決定的に欠けていたのは、有権者を活性化させる(energize)力でした。volcanoさんも、コメント欄で、「ヒラリーの集会は、満員ではなかった・・・トランプの集会は、立錐の余地もなかった」と指摘されています。
その背景には、もちろんトランプの方が話が面白いという、プレゼン技術の差もあります。しかし、本質的な要因は、やはり、ヒラリーは、どこまでいっても、「現状維持」の候補だった、ということです。
一般的に、米国民は変化を掲げる候補者を好みます。しかも、オバマ民主党政権が2期8年続き、社会の断絶感が深まる中で、その欲求はなおさら高まっていました。この状況において、ヒラリーが訴えたメッセージは、実質的にはオバマ路線の継続。
これは、オバマ政権の支持率の高さ、経済の好調、失業率の低さを考えれば、一定の合理性はあります。しかし、変化を求める米国民からすれば、支持しないとまでは言えないにしても、積極的に支持できるほどの意欲は感じません。
おそらく、この「消極的支持」ともいうべき心境が、最後の投票日において、トランプは支持しないが、かといってヒラリーに投票するほどの気持ちにはならない・・・したがって投票しない、という決断に至ったのではないかと思います。
トランプ勝利は絶対にあり得ないという報道、直前のメール問題再捜査も、こうした消極的支持者の最後の決定に一定の影響を及ぼしたと思われます。
得票数において、ヒラリーが34万票の差でトランプを上回っていたことも、こうした動向の一つの現れでしょう。投票率が確認できれば、さらに検証できると思います。
また、これはフィリピンのドゥテルテ大統領に通じるものがあるのですが、トランプの言っていることを本気で受け止めていない人も多かったようです。
極論を投げることで議論を喚起するが、ドゥテルテもトランプもバカではない、特に米国は大統領の権力も限られているから、実際にはそこまでできまい、大事なのは彼の一言一句ではなく、その姿勢とかトーンだ・・・こう思う人が、やはり変化を求めるのであれば、ヒラリーよりトランプを選んでも不思議はありません。
●トランプ主義と米国の将来
以上からすれば、トランプが体現するもの(トランピズム)が米国を代表している、とまで言い切るのは早計と思います。
ここから先は、データではなく、私個人の経験や知識に基づく米国論に過ぎませんが、歴史を振り返ると、米国が極端な方向に触れることは何度もありました。しかし、そのたびごとに米国では揺り戻しが起こり、正当な路線に戻ることを繰り返しました。
ジェームズ・ブライス駐米英国大使が幣原喜重郎に語った言葉に、「米国人は外国に対して不公正な行為を行った場合・・・必ず自分たちの意思で後に不公正を正しています。」というものがあります。
こういう復元力(resilience)が米国の特徴であることを指摘する人は、私の周りには多いです。そういうわけで、トランプ新政権、楽観はできませんが、米国の将来がトランピズムに席巻されるとして、過度に悲観的になる必要もないと思います。
●ヒラリー・クリントンの挫折
それにしても、ヒラリー・クリントンという民主党候補の力不足が、今回の結果を招いた部分が大きいことは否定できません。今後、クリントン・ファミリーの政治的影響力は大きく後退するでしょう。
しかし、これもまた個人的な感情を言えば、私自身は、ヒラリーをそこまで責めることは酷と感じています。私は、ヒラリーの下で仕事をしてきた人を何人も知っています。
特に、国務長官の時代(大統領になれなかった今となっては、この時代が彼女の政治キャリアのハイライトだったといえるでしょう)、私は外務省で米国を担当していたこともあり、国務省に友人が沢山いました。外交官交流で初めて国務省に派遣された日本の外交官は私の親友でした。
ヒラリーと一緒に働いた人たちは、みな彼女の仕事ぶりを絶讃していました。とにかく、まじめ。そして、最後までやり抜く。この徹底したプロフェッショナリズムには多くの関係者が敬意を払っていました。
トランプも、第2回テレビ討論会の最後でヒラリーの長所を聞かれたとき「ファイターである」と述べましたが、これも、実質的には同じことを言っていたのだろうと思います。
ヒラリーはとにかく努力家でした。ある意味、ダサいほどに。それが、最後は、ビル・クリントン、バラク・オバマ、ドナルド・トランプという、超新星のように現れた、華麗な天才型の英雄たちにあっさりと潰されてしまう。なんとなく、ガリ勉タイプの女の子が、結局はセクシーで魅力的な女の子に負けてしまうという、米国の青春映画(『Legally Blonde』など)でよくあるパターンを連想してしまいます。
セクシーな女性と言えば、イヴァンカ・トランプが駐日大使になる可能性が本当にあるとのことですね。まあ、大使って、たしかに何でもありなポジションで、最も重要な要素は国のトップとのパイプがあることですから、意外と適切な人選かもしれません。
ただ、それにしても最近はタレント性と話題性が重視されすぎなような・・・まあ、そもそも大統領選がそうだったわけですが・・・いや、個人的には、むしろ来て欲しいが・・・笑
どんどん脱線しました。そんなわけで、これから冷静に米国の方向性を見極めましょう。
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“Make America Great Again”は、よくバカげたスローガンとして揶揄されていますが、”American Exceptionalism”に比べれば、まだしも地に足の着いたスローガンと言えなくもないと思うのです。
アメリカの国力が無限大ではない以上、いつの日にかExceptionalな存在であることを前提とした戦略を維持することは不可能になるわけで、強大ではあるものの「数あるパワーの1つ」として現実的な戦略に基づいて生きる術を考えなければいけなくなる。トランプはその部分を指摘した…とも言えるのではないでしょうか。
ペルドンさんが「信長ってうつけ者だったのだから」トランプだって賢明なる王になるかもしれないよ?と指摘されておりますが・・・。
今後、アメリカが戦国大名のように「地政学的に真っ正直な存在」に近づいていくとするならば、我が国も「播磨一国献上は当たり前の黒田官兵衛」「初対面で刀で餅を食わされた荒木村重」「姉川で先鋒部隊担当は当然の徳川家」のような覚悟が求められるようになるかもしれないなどと思ってしまいました。
「安倍総理は各国首脳(特にジジイ)をたらしこむの上手いから・・・」なんていう楽観はトランプ皇帝には通用しないかも、と。
ヒラリーが負けたのは、そんな高尚な原因ではなく、取り巻きのマスコミやセレブが悪かっただけです。
散々、低学歴で低年収のバカな白人中高年男性が現状の不満から、よく物事を理解せずにトランプを支持しているだけである、みたいな特定階層に対する侮辱を公然とやりまくったからです。それで、本来民主党の支持者であるはずの低学歴、低所得者層を軒並み敵に回したからです。
セレブ、例えばブラピみたいな人でさえ、「トランプ支持者は恵まれない環境で苦しさのあまり、理性を失って自分達自身を害するようなトランプを支持している」などと寝言をほざいてましたからね。
「ヒラリーはあなた達のための候補者である」と言うのでは無く、ヒラリーがどう低学歴低所得白人中高年男性を幸せにしてくれるか説明するのでは無く、「お前らはバカで可哀想な連中だからトランプを支持している」と上から目線でバカにするわけです。これが問題だと言うことすらわからないエリート意識が、ヒラリーが負けた理由で有り、日米の有識者が予想を誤った理由です(勝敗の予測は難しくても、非常な接戦であるという認識を持てなかったのは、猛省すべきです)。
どうしてヒラリーもヒラリーのお仲間も、低学歴低所得白人中高年男性に向かって、「私はあなた達のための候補者でもあります。あなた達をいつも心にかけています」と言えなかったのでしょうね。
なるほどでした(^_^)
トランプ氏の勝てる可能性、勝った後の分析 素晴らしいですし納得です 僕の雰囲気として、選び方としては 日本の民主党が勝ったときを彷彿とさせる思いがして、あまりポジティブにはなれないです(@@;)
ヒラリー個人についてのコメントはJDさんと全く同感です。負けた後のスピーチもさすがでした。数年前,手嶋龍一氏がヒラリーについて,「味方にすればこれだけ頼りになる人はいないし,敵に回せばこれほど怖い人はいない。」と言ってましたがそのとおりと思います。今後は,講演でもして回るのでしょうか?
日本では、盛んにトランプの軌道修正が語られ、経済政策はむしろ好都合といった
論調が目立ちます。
選挙中は、盛んにトランプ政権になったら…と危機意識を煽るような報道を流していただけに、大慌てで軌道修正を図っているのでしょう。
しかし、一番問題は、彼の外交政策です。国際社会全体へのコミットメントを減らしていくという姿勢は、おそらく変わらないのでしょうし、この点ではアメリカ国内でそう大きな反対はないのではないでしょうか。
その点が国際政治の面で、どんな変化を招くのか、9/11の時に漫然と感じた地殻変動が、いよいよ本格的に動き出すのではないか。そんな期待と不安の入り混じった心境で、今後数年間の国際政治の変動を見ていこうと思っています。
折に触れてのコメント期待しています。
JDさんも、コメント先着4名の皆さんも、流石…。
もう一つ感じるのは、健康問題も、では。女性の容姿は男性に比べて残酷までに変化し、もう、お婆さんといってもよい感じで、なかなかこれから4年間任せるというのは…逆にトランプ氏は老いてなお、お盛んというか、まだまだ元気ですなあ、と。
というゲテモノ対戦も想像したことはありましたが、トランプは即、暴言を止めてまともな人間に戻ったでしょうね(笑)。ぺルドンさんこれなら民主党は勝てましたかね(笑)。
副大統領候補には奥の院の了解が取れそうにないから、ヒラリーに勝つしかなかったが、妥協させられててしまったのでは。それだけサンダースは米国の伝統に合わず、彼だけは困るというのが奥の院の本音なのでは。
小姑みたいなコメントでごめんなさい。
Wisconsinは、WIです。
結局ぺルドンさんの言う通リだったと思いますが、なかなかたどり着けないすじみちなので、私なりの解釈は以下の通リ。
トランプが醜悪だと非難するのなら、それだけオバマの言動と行動の矛盾が醜悪だったということだ。オバマとヒラリーの後でなければ醜悪さは不要。選挙民は無意識にしろ、オバマの心理誘導に抵抗して、最後に吹っ切れて投票で行動できた。最後のFBIの行動も意識解除に貢献した。処女的意識の人間ほど、周囲に支持表明をを憚られるほど巧妙な美辞麗句で意識を縛られた。ぐっちーがそうだったのには驚いた。オバマは限りなく怪しいのだが非難しにくい言説に守られていた。こんな芸当ができるのはマスコミを牛耳る国際金融資本だけだ。だがオバマの後継者ヒラリーは、オバマと違って長年の実際の行動が醜悪すぎたのが、バレはじめていた。要は順番が変更されたのだ。ヒラリーが先のはずだった。
こうまでしてオバマが美化されてきたのは何のためなのか。登場の最初からGSのロックフェラー会長が付添人のようにくっついていた。ウォール街がリーマンショックで尻をまくったのを目をそらすためだ。同類ヒラリーではまずいと踏んだのか。そもそもGSのルービンを財務長官にして、銀行・証券の垣根をはずし毒入り証券の素を創り始めたのはヒラリーの夫・クリントン政権からだった。ブッシュ政権がこれを促進した。
本当はウォール街各社の社員経営者の給料は不当利得で遡及して返還、そして身柄を収監されるべきだった。事後にあの程度の懲罰金を会社に課すのは完全に誤りだ。懲罰問題のドイツ銀行も、毒入り証券に遅れまいと吸収した米銀部門が問題だったのでは。それにこれ幸いとドイツ叩きも兼ねている。ポールソン財務長官が毒入り証券を米国より欧州に沢山仕込ませたと言っていた(笑)。ベアスターンズで毒入り証券を創っていたぐっちーの給料は司法取引で免責すべきだが。これを米国民は忘れていず、サンダース支持の原因となったがさすがに革新的すぎてヒラリーに負けた。
オバマの仕事は美化されなければならない。シリア難民・ISを創り、南シナ海を公海でなくしたとか言われてはならない。中東のパワーバランスを悪化させ、ノーベル平和賞を受けたのに、イランと北朝鮮の核を黙認し、日中韓それぞれに三枚舌を使ったと言われてはならない。世界平和に貢献した立派な大統領でなければならない。オバマケアも日本の国保とはまるで違う保険会社の権限を拡大させるものと言われてはならない。
だがさすがに無意識的にもオバマの虚妄は意識され始めた。トランプは本当の事を云っただけだ。それに選挙民が反応できた。ぺルドンさんは最初からトランプと示唆していたのは驚異的だ。さすが大家だ。教えられなければ縛りを解除できなかった。まだ大勢はオバマは素晴しいとか言っている。トランプがどの程度ユダ金と関係あるかはわからない。ただ経済政策がウォール街にヒラリーより近かったのは確かだ。
それがヒラリーの不器用さであり、政治家としての限界だったのでしょう。
本来、銀のスプーンをくわえて生まれたトランプなどより、中流の家庭で生まれ、ひたすら努力を続けた苦労人のヒラリーの方がずっとアピールできる立場だったはず。部外者の我々から見ても、もっとうまく振る舞えただろうにと思う。それが、どうしてもできなかった。
政治家としてはトランプの方が上だったのでしょう。しかし、人間としては、私はこういう愚直さが嫌いではありません。
トランプ支持者批判がヒラリーの弱点となったことはご指摘のとおりで、このHPでも何度か説明しています。
ほんとですね・・・訂正しました。ありがとうございます。
「ダサくても真面目な人が報われて欲しい」
そういうJDさんには、日本映画ですが「ただ、君を愛してる(新城毅彦 監督)」を口直しにお薦めします。
ダサくて真面目な主人公。決して、ハッピーエンドというわけではないですが、年齢に関係なく見られる、いい作品ですよ。
ただ、青春映画がお好きなら、定番の一つなので、もう見られてるかもしれないですが。
ちなみに私が好きな青春映画は旅するジーンズ(Traveling Pants)のシリーズです。あと、定番ですが、愛と青春の旅だちとか、フラッシュダンスなど、当たり前ですが、主人公が成長していくタイプがいいです。
やっぱり、後味が良いのがいいですね。
あっ、そうそう。「シン・ゴジラ」をご覧になったそうですが、同じく東宝で「君の名は。」というアニメが大ヒット中です。その新海誠監督で「秒速5センチメートル」という作品も青春映画の佳作としてオススメですよ。(( ´艸`)ぐっふっふっふっ。)
冗談はさておき、JDさんのブログの魅力の一つは、本当の本質が端的に表されている一行がよくあることです。
今回の大統領選挙、そして、今日のブログでは、「ヒラリーは、どこまでいっても、「現状維持」の大統領候補」という部分です。
私には、物事を比較で見てしまう思考パターンがあります。今回のトランプさんも最初はレーガンさん、今は煽りに煽った橋下徹さんの選挙と頭のなかで比較しちゃいます。負けたヒラリーさんも、人物、識見、実績とも優れていても負けた(現職ですが)平松邦夫さんの例と重ねちゃいます。
現状や政治に不信を抱いいている層には、現状維持は通用しないのでしょう。
ただ、外から見たオバマの実績って、本当に凄いと思うんだけど、アメリカ国民にはそう取られていなかったのが、とても不思議な部分です。
比較といえば、以前、タイの王子と北朝鮮の金正恩と比較したことありましたが、同じ不安をトランプさんの三番目の男の子に感じました。
教育熱心だそうですが、偉くなってからのお父さんしか知らない、傲慢な態度がコピーされてしまっているエピソードが出てきてる。
子どものうちから他人に対して傲慢になって、大人になってどうなるか。
人を人とも思わないというのは、犯罪者それも凶悪犯の重要な資質でもあります。金正恩なんかその最たるものです。
勉強だけしっかりできてもしょうもないです。
あの子に対する躾だけは、見直した方がいいと思うんだけど、言う人いるのかな。
橋下徹さんは、トランプ当選に関連して連続ツイートされておりましたね。
>>
トランプ氏、犯罪歴のある不法移民を強制送還し、それ以外の不法移民に一定のルールのもと法律で市民権を与える。メキシコとの国境警備を強化する。シリアアサド政権を容認してロシアと組んでISを壊滅する。これだけで歴代大統領の中で最高の実績者となる。政治はきれい事ではなく実行だ。恐るべし。
>>
だそうで。
(1)ヒラリー本人が、実は勝ちたくなかった。
(2)ヒラリー選対が、実はヒラリーに勝たせたくなかった。
(3)オバマが、実はヒラリーに勝たせたくなかった。
ほんの僅かな差、それも選対と本人の迂闊さで負けるなんて、ちょっと信じられない。
トランプがなぜこれだけ支持されているのか。
それとヒラリー陣営では、ヒラリーの不人気に対して正面から対応することは、ヒラリーの不興を買うことと同義で、出来なかったのでは。
JDさんの分析は基本正しいと思います。ただ共和党はここ10年かけて、gerrymanderingやら、 voter intimidation やらやってきた。そしてBill Clintonが大統領になったころから長年かけて、右寄りのTalk Radio,そしてFox Newsの浸透とか、それこそ20年以上かけているわけです。それでもObamaが勝ったのは、ただひたすら黒人の投票率が異様なくらい高く、そのおかげで2008年には、上院、下院両方とも、民主党がとりました。
結局、日本とアメリカ、人口比は約、二対一、いつも思うのですが、これってよくもわるくも日本の人口が真ん中に偏っていると思うのです。基本日本ぐらい、いわゆるボトムハーフの民度の高い国はなかった。母が死んで、去年から日本に3度ほど毎年戻るようになってつくづく感じます。
たとえ本来民主党系であっても、ヒラリーがどうしても好きになれない、白人男性の中年層とういうのが存在する。それはアメリカがいろいろな形で機会均等政策をおし進めていた結果、一番取り残されたのが高卒の白人男性たちだったから。こういうひとに政策議論なんてしても無駄。なによりも被害者意識が強すぎる。これを一番よくわかっていたのは、あのマイケル、ムーア、共和党にはFar left扱いされているけど、この人のルーツはグローバリゼーションのために自動車工場のほぼ理想的なBlue Coler Jobをすべて失いまるで戦争の後のように廃れ果ててしまったデトロイトの郊外です。この人は、本気でトランプが大統領になってしまうと予想し続けたので、かなり民主党系に嫌われる羽目になってしまった。でも、彼はヒラリーが嫌いでもないし、アンチヒラリーですらない。ただ彼は特に中北部に存在するデトロイトのような荒廃をあまりに見続けていたのだと思う。
私が住んでいるのはメリーランド州のバルチモア市、民主党が強い州のなかで、さらに民主党系が90%という場所。アメリカの場合、基本両海岸が青く、真ん中は真っ赤。ただDemographicからいうと、民主党系のほうに未来はある。選挙の結果分析の中で、一番これから期待が持てるのは、いわゆるMillenialsたちの投票結果、なんと共和党がとったのは3州のみ。
私自身、目の前が真っ暗になる思いを味わいここに投稿するまで丸一週間かかった。一番印象に残った話は、娘のピアノの先生の話。彼女は日本人で私のようにアメリカ人と結婚している。ピアノの先生を始めたのは旦那さんの仕事がリーマンショックの時にだめになり、その時それまで住んでいた豪邸を売って、今の前に比べるとずっと小さな家に移った。で、家計をたすけるために、ピアノの先生と週末はレストランでピアノ弾きもやっている。選挙の夜、彼女の娘さんたちが本当におこりだしてそれをなだめるのが大変で、逆につらさが紛れたと。
日本にいる方にはわからないと思うけど、いろいろなレベルでの人種差別はなくなりません。あの男のやった一番怖いことはKKKやAlt Rightを正常化したこと。実際KKKの機関紙に正式に推薦されている。アジア系の特に女性に対してはアメリカ人にくらべてDomesticated andDocileだとの偏見を持たれている。本当はそうではなくて、結婚観がちがうだけなのですがね。
私たちがなんだかんだとヒラリーが好きな理由の一つはヒラリーがビルを捨てなかったこと。お父さんにだんだん似てきたけど、娘さんもつくづく出来がいい。お母さんとお父さんのいいとこどりしてると思う。お母さんよりずっと自然に人当たりが柔らかいし、しかも優秀さはお墨付き。
Obamaより票が取れなかったヒラリー、友人のひとりがいっていたけど、TVが復旧して以来、TV受けのいい候補が必ず勝っていると。
さてSandarsについて一言。少なくともいまにいたるまでの彼はつくづく好きになれないタイプ。皆さん若いから覚えていないかもしれないけど、日本でいうとちょうど羽仁五郎みたいな感じ。
私は実はObamaがそれほど好きではない。カリスマ性は超弩級だとおもうけど、政治家としてそれほど優秀だとは思わない。むしろSex AddictのBill Clintonのほうが有能だったと思う。もっともそれも影にヒラリーがいたのだけれど。
さてObama大統領は個人的にはどうでもいいけど、奥さんはすごい。Billなみに普通のひととつながることが出来て、しかも演説の説得力は旦那よりうえ。
私は結構アメリカのいろいろな演説の分析を読むのがすくなのだけど、Obamaは基本、黒人の優れた演説のスタイルを踏襲している。
それに比べて、Micheleは一人称が多く、とてもDirectでありながら、肝心のTalking pointはきちっと伝えている。この人を見ていると日本ではあまり話題に上らない、個人としては最強のMedia Mogul オペラを思い出してします。
いまはまとまったことを書く元気がないけど、日本もこのままでいくとかなり怖い。すっかり俳優を全とっかえして制作された去年のMad Maxの最新策を思い出した。
コメントありがとうございます。
仰る通りですね。
ヒラリーの愚直さは、私も嫌いではありません。
数々の黒い噂も、政治家としての理想を果たすための資金稼ぎであって、私心はないと思います。
最後の演説も、ヒラリー自身の素直な気持ちを述べたのでしょう。
しかし、私が問題だと思うのは、ヒラリー本人よりも、周りの取り巻きや支持者です。
白人は無論、マイノリティであっても、その中の恵まれたエリート達で、しかも自分達が恵まれていることに気付かない人々。クリントンの最後の演説に素直に感動してしまうような人達。そしてトランプの支持者を低学歴低所得者と扱き下す人達。キツイ言い方をすれば、賢いつもりのバカです。
ガラスの天井なんか、99%の女性には関係無いんです。もちろん、男も。その遥か下で地べたを這いつくばって生きているのが、大多数の人です。欧米の一流企業とかは、ああ言うガラスの天井の話とか大好きですが、それはそう言う一流企業に勤めている人達の中でやってるから、良いのです。
ああいう演説をする側も感動する側も、恵まれた1%の人であって、これ以上に端的に1%対99%の、1%側に属している事を自白するものはありません。そして政治は1%の人のためのものであってはいけません。1%しか関係ないガラスの天井の前に、派遣社員や契約社員や中小企業の社員で、しかも上昇する努力よりも暇な時間は全部お笑い番組を見て潰すような庶民の幸せをそこそこ確保するためにはどうしたら良いかを語らねば。
その意味では、トランプが勝利演説で、全てのアメリカ人のための大統領になると誓ったのは対照的です。実現可能性は疑問ですが。
ヒラリーは、もっと非エリートの視点を持った取り巻きや支持者のアドバイスを受ける事が出来たら、勝てたと思っています。そう言う取り巻きがいない事も、また不器用さかもしれませんが。
カマキリマンさん、レスありがとうございます。
なんというか、トランプさんというより橋下さんの姿、考え方が見える面白いツイートですね。(本人のツイートだから当たり前か)
特に、「政治はきれい事ではなく~」と、知事や市長が本気でそう考えてたのだとしたら、そりゃあ思ったことが実現できずに躓いたのわかるような気がします。少なくとも、自治体首長はきれい事を実現するために権限を使う立場だろうし、大阪は巨大であっても、沖縄みたいに、特殊な政治状況にあるわけでもなさそう。いわば普通の自治体です。下で働く公務員も、一般市民も普通にきれい事で行政を実行してほしいと思うはず。
凄く橋下さんは目立っていたけど、実績がわからないんです。私に読解力がないせいかもしれないけど、Wikipediaを読んでも、大阪府民、市民のために何が実現できたのか、本当にわかりません。
トランプさんは橋下さんと違って、権限そのものは大きいですし、議会は多数派、公約も明確です。ここに書いてあることは実行もそれなりにできるでしょう。あまり必要ないとは思いますが、不法移民問題を犯罪者だけを追放し、社会に溶け込んでいる残りに市民権を付与する、きれい事も現実も大事にした処理がきちんとできれば評価があがるかもしれませんね。
府知事時代、市長時代、東京のマスコミの全然わかってないコメントに何をしてるんだろうと思ったこと思い出します。
橋下徹「僕は大阪の絶対権力・公務員労組とこう戦った」
blogos.com/article/196357/
を読むとよくわかると思います。
わたしにとって橋下徹さんは、選挙は現代の内戦だと教えてくれた人です。
マスコミも公務員労働組合も裁判官も弁護士もつながりあるように感じます。
トランプ氏の当選と比べると何か見えてきますか?
発端:大阪市助役自殺事件
ここに上山さん登場、地下鉄民営化できずに終わる。
二幕目:大阪府知事
エピソード:週刊誌の記事を書いた記者へ、また自宅へ政党広報車が来たことをtwitterで反撃
三幕目:大阪市市長
上山さん再登場
エピソード:選挙戦最終生放送テレビのディベート 急に相手候補出演やめる。木村太郎氏「これが選挙の勝敗を分けたとコメント」
四幕目:弁護士に戻る
上山さんは今東京都で活躍中
書き足します。
ソビエトが破壊し、中国が政治は共産主義、経済は資本主義と決断した時点で、イデオロギーで世界を全部語ることはできなくなった、というのが現代だと思うっています。橋下さんは、改革にあったって組織論でやり始めました。ところが学者、マスコミは「ハシズム」とレッテルを張るイデオロギーで解説しました。学者は自分の理論に基づいて批評しましたが、これってあってません。組織を改革するに時は、リーダーが決断していかなければ改革できません。また一番効果があるのは組織改編。組織論の初歩の初歩です。それが大阪の場合、大阪都構想になります。
では何をやったか(1)給料を下げる:始めは3分の2と言っていたがどう決着したか不明(2)外郭団体を整理(3)天下り廃止(4)補助金毎年当然ともらっていたのを見直し(5)大阪市では学費無償化に向かう、中学校の給食を始める
エピソード:大学教授とテレビ朝日日曜日朝論戦を行い論破
最後に決定するのには、決定する人を決める、全員納得まで話し合い、多数決がありますが、時と場合によって変えていくことが大事だと心がけています。この時と場合を感ずるために努力惜しまないということだと思います。
JD殿
>600万も得票数が減っています。しかも、その減少分はほとんどすべて民主党側。
>これは、勝敗を決めたのは、潜在的なトランプ支持者が多かったことよりも、潜在的なヒラリー支持者を惹き付けることができなかったことだった、ということを示しています。
民主党の得票が減ったのは、支持者が家で寝ていたからではなくトランプ氏に投票した人がいたからという事は考えられないでしょうか?共和党の得票は前回とあまり変わっていませんが、大統領候補になってからもトランプ氏を支持しない共和党の有力者や共和党系のマスコミが存在しました。このため(前回は民主党に投票したが今回は投票しなかった人と同様に)前回は共和党に投票したが今回は投票しなかった人もいると思います。そのマイナスがあっても得票が変わらなかったという事は、そのマイナスを民主党からの獲得票で相殺したとは考えられないでしょうか?トランプ氏は(TPP反対等の)従来の共和党に反する政策で従来の支持者が逃げていっても(その中で民主党に投票する人は少ないので)、民主党支持者を獲得できれば、差し引きプラスになると考えたような気もします。
今回の選挙では、ほとんどの専門家には支持されなかったが不満分子を集め数では劣ったが戦術を駆使して勝ったという点で、すべての大名から支持されず少数の牢人を指揮して家康の首を獲って勝った(実際は首を獲れずに負けてしまいましたが)大坂の陣の真田左衛門佐(幸村)を連想してしまいました(真田丸の見すぎでしょうか?)