2016/02/25 00:00 | 米国 | コメント(9)
米大統領予備選挙:ネバダ党員集会(共和党)
■ Nevada Republican Caucas Results(NYタイムズ)
ドナルド・トランプが3連勝しました。しかも2位のマルコ・ルビオ(23.9%)にダブル・スコアに近い差をつけての圧勝(45.9%)。破竹の勢いが止まらない状態です。
特筆すべきはヒスパニック票を45%獲ったこと。サウスカロライナではクルーズから宗教右派の支持を奪い、ネバダではルビオからヒスパニックの支持を奪った格好です。
ルビオとテッド・クルーズの争いは僅差でルビオに軍配。ほとんど差はありませんが、サウスカロライナから、ルビオが上り調子、クルーズが失速という雰囲気はあります。
ネバダの代議員は30人と少なく、これ自体が大きく結果を左右するものではありません。問題は、この勢いがスーパー・チューズデーまで続くかどうかです。ここで共和党のスーパー・チューズデーを確認しましょう。
・アラバマ予備選(50)
・アラスカ党員集会(28)
・アーカンソー予備選(40)
・ジョージア予備選(76)
○マサチューセッツ予備選(42)
○ミネソタ党員集会(38)
・オクラホマ予備選(43)
・テネシー予備選(58)
・テキサス予備選(155)
○ヴァーモント予備選(16)
・ヴァージニア予備選(49)
・ワイオミング党員集会(29)
括弧内の数は代議員数です。スーパー・チューズデーの州はすべて比例配分です(ただ、後述しますが、部分的に総取り制が導入されています)。太字になっているのは宗教右派(evangelicals)が多い州、白丸にしているのはリベラルが多い州(ブルー・ステート)です。リンク先は世論調査の結果です。
この中でトランプが1位となっていないのはアーカンソーとテキサスのみ(両方とも1位はクルーズ)。クルーズの地盤はテキサスなので、さすがにここは獲れないと困るわけですが、それでも一時はトランプの支持が上回っていたこともあるので、もはや何が起こっても不思議ありません。
上記の通り、スーパー・チューズデーは南部の州が多く(「予備選挙の歴史」参照)、宗教右派が多い保守的な州が多いので、本来はクルーズにアドバンテージがありますが、テキサス以外はパッとしません。共和党本流はここに来てなんとかルビオに一本化できそうなので、ブッシュ家の影響力の強いテキサスで何とかリードを奪いたいところです。
テキサスは代議員数155の大票田、しかも部分的に総取り制が導入されている(たとえば50%超の支持を得るといくつかの選挙区の代議員を総取りできる)ので、ここで勝つことは非常に大きな意味をもちます。スーパー・チューズデーが終わると30%近い代議員が決まることになるので、ここでトランプが大勝するとかなり大きな流れができることになります。まあ、もはや見守るしかありませんね(笑)。
2月27日(土)には民主党のサウスカロライナ予備選がありますが、ここは「ネバダ党員集会(民主党)」で述べたとおり、波乱は起きず、ヒラリーの圧勝で終わるでしょう。
そんなわけで、予備選の話はしばらくお休みして、アントニン・スカリア最高裁判事の死去や『Special Providence』の続きについて書きたいと思っています。
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9 comments on “米大統領予備選挙:ネバダ党員集会(共和党)”
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ヒラリーの勝利・・
動かないにしても・・
サンダース・・どれ程・・票を・・
得られるか・・
ヒラリー・・
ウオール街等の講演料・・共和党・・開示するなら開示する・・民主党の予備選なのに・・・(笑
毎回勉強させて頂いております。
お陰様でかつてなく大統領選を楽しんで(?)見ることができています。
ウォール街を槍玉に挙げる戦術にいまさら感を覚えていましたが、
それが支持を集めているのも意外でした。
若者をひきつけやすい題材なら何でも良かったのかもしれません。
正直、あんなヨボヨボのじいさんを大統領候補としてまともに見られないのですが
真剣に献金してる若者があんなに居るのに驚きます。
どの候補者になってもオバマより良くならなそうな印象を持っています。
オバマはまだ54歳って凄いですね。退職後も世界のために活躍してほしいです。
ベルドンさんが仰られるように、ヒラリーさんがサンダースさんの影響を受けて「内面」が変わるようなら良いことだと思うのですが・・。
なんか、広域的な組織力で絶対有利なヒラリーさんによる争点消しに見えてしまいます。
トランプの主張すら、取り入れてます。
ヒラリーさんにとっても、年齢的にもう落とすわけにも、撤退するわけにもいかない、これで取れなければ過去の人になってしまう確実に取らなければならない選挙だと思うのです。
ヒラリーさんは、今回民主党・共和党の全候補者の中で間違いなく能力、経験が全て備わった一番質の高い候補です。負けないための最善手を打ち続けると思います。
ついでに、当選したらそれらを全てやるかというとそうは思えないのです。
ヒラリーさんが必要と思ったことだけをやっていくと思います。
話は変わって、オバマさん、どうせなら大統領最後の仕事としてアントニン・スカリアさんの後任にご自分を指名して退任されたらどうかなあ。(^^)
法律家としての能力識見、連邦最高裁判事として充分だと思いますよ。
今・・
CNN・・専門家の言・・
選挙が進むにしたがって・・候補者が変貌していく・・
言語・・認識が・・人間を変えていくのでしょう・・・(笑
グダグダ系の私としては、短文でピシっと決めるベルドンさんはとても頭がいい人に見えます。
それはさておき、選挙が進むにしたがって、候補者が成長していくところがアメリカ大統領選挙の最大の魅力だと思います。
あのトランプさんですら、もうかなり最初の頃と違った雰囲気になってきてるように見えます。だんだん面白くなくなってきてるけど。
ただ、ヒラリーさんの中身はそう変わるように思えないんです。
しっかりした、キャリアを重ね、しかも年齢的にもサッチャーさんみたいな芯が出来てしまってると思うんですよね。
女性の政治家って、原理原則、正義に忠実で、融通性はそれほど利かない傾向があると思います。特に隣の国の朴槿恵さん見てるとそう感じます。
ヒラリーさんは対立候補の政策の取り入れ方が行き過ぎているように見えます。サンダースさんの政策は実現性に疑問符がつくものが多いです。
選挙で勝つためだけに、相手の政策にも同調して、当選したら無理なものは無理と割りきった対応をするって、決めてるんじゃないかなあ。
逆に候補者みんなが反対しているTPP批准、あれは誰かがやるんだろうなあ。
トランプに・・
クリス・クリスティ支持・・共和党主流・・これで更に流れが・・
ヒラリー・・
勝利してから・・山場・・数々・・
ウオール街・・講演料・・演説内容・・共和党握って暴露・・&Eメール・・
等等・・乗り越えている内に・・変身していくでしょう・・
それが出来なければ・・二流・・
サンダース副大統領でさえ・・必要となれば・・やるでしょう・・・(笑
トランプ氏は(1)最初から本気で大統領になるつもりで出馬したのか?(2)今、本気で大統領になろうとしているのか?
もちろん推測するしかありませんが、いかがお考えですか?
私にも分かりません、でしょうか、お答えは…(笑)
彼は本気でなろうとしているのではなく、世間の注目を浴び、最後は取引で撤退して共和党に恩を売るのが最高のパターンなのでは?
たしかに、ここまで露出してウケをとれば、彼にしてみれば十分に元をとったといえますよね。
でも、大統領選をやるのは大変な覚悟がいることですから、さすがに本気ではないかと思います。
しかし、実際大統領になったら、やる気がなくなって、数か月で辞めるような気もしますが・・笑
トランプ氏はアドレナリンを
普通の人の何倍も出せる類いの人ですよね。
ぐっちーさんも、か…(笑)