2023/10/23 00:00 | 今週の動き | コメント(0)
今週の動き(10/22~28)バイデンのイスラエル訪問と国民向け演説、米下院議長、一帯一路フォーラム、中ロ首脳会談、ポーランド選挙
それにしても日本シリーズの時期になるといよいよ秋本番、年の瀬が見えてくる感じがします。世界情勢もまだまだ波乱があると思うので、今年も最後まで気を抜かずに頑張ります。
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先週の動き
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10/15(日)
・イスラエル軍がパレスチナ自治区のガザ北部に住む全ての民間人に南部への退避を勧告(60万人が避難したと発表)
・イスラエルのカッツ・エネルギー相がガザ南部への水供給の再開で米国と合意したと表明
・イスラエル・UAE首脳電話会談
・ブリンケン国務長官とサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が会談(リヤド)
・ブリンケン国務長官とエジプトのシシ大統領が会談(カイロ)
・パレスチナ自治政府のアッバス議長がハマスの攻撃を非難
・中・イラン外相電話会談
・広州交易会(広州、~11/4)
・仏・イラン首脳電話会談
・アゼルバイジャンのアリエフ大統領がナゴルノ・カラバフのハンケンディを訪問
・ポーランド総選挙(与党「法と正義」が第1党、野党3党が過半数)
・エクアドル大統領選挙決選投票(右派の実業家ダニエル・ノボアが勝利)
10/16(月)
・ブリンケン国務長官とイスラエルのネタニヤフ首相が会談(テルアビブ)
・ロシア・エジプト、シリア、イラン、パレスチナ首脳電話会談
・イスラエル・UAE首脳会談
・中ロ外相会談(北京)
・国連安保理がロシア提案のイスラエル軍とハマスの即時停戦を求める決議案を否決
・印越外相会談(ハノイ)
10/17(火)
・バイデン大統領のヨルダン訪問の延期が発表
・米商務省が中国向けの半導体の輸出規制の強化を発表
・米下院議長の選出(過半数を得た候補なし)
・ガザの病院で爆発(ハマスはイスラエル軍の空爆と主張、イスラエル軍は攻撃を否定)
・独・イスラエル首脳会談(テルアビブ)
・EU臨時首脳会議(オンライン)
・第3回「一帯一路」国際協力フォーラム(北京、~18日)
・ロ越首脳会談(同)
・ウクライナのゼレンスキー大統領が米国からATACMSの供与を受けたと表明
・ベネズエラのマドゥロ政権と主要野党連合が24年後半の大統領選の実施で合意
10/18(水)
・米・イスラエル首脳会談(テルアビブ)
・イスラム協力機構(OIC)がガザの病院の爆発についてイスラエルを非難する声明を発出
・米・エジプト首脳電話会談
・米軍がイラクでドローン3機と交戦したと発表
・米財務省がハマスの工作員ら9人とガザの暗号資産取引所を制裁対象に追加
・国連安保理がブラジル提案のイスラエル軍とハマスの戦闘の一時中断を求める決議案を否決
・米国がベネズエラへの経済制裁の一部緩和を発表
・米下院議長の選出(2回目)(過半数を得た候補なし)
・中ロ首脳会談(北京)
・中国の23年4~6月期の実質GDP成長率の発表(前年同期比+4.9%)
・北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党総書記とロシアのラブロフ外相が会談(平壌)
・ロシア下院がCTBT批准を撤回する法案を可決
・ロシアが米国とロシアの二重国籍を持つジャーナリストを「外国のエージェント」の登録違反を理由に拘束
10/19(木)
・バイデン大統領がハマスの攻撃とロシアのウクライナ侵攻への米国の対応に関する国民向け演説
・米海軍の駆逐艦が紅海北部でイエメンの武装勢力フーシ派が発射したとみられる巡航ミサイル3発と複数のドローンを撃墜したと国防総省が発表
・英・イスラエル首脳会談(エルサレム)
・米国防総省が中国の軍事力に関する年次報告書を公表
・トランプ前大統領ら計19人が20年大統領選の結果を覆そうとしたとしてジョージア州法違反の容疑で起訴された事件の被告人の1人(シドニー・パウエル弁護士)が司法取引に応じて罪を認める
・ロシア・ハンガリー首脳会談(北京)
・中国が反スパイ法違反容疑で3月に拘束したアステラス製薬の日本人男性社員を正式に逮捕したことが判明
・東京-北京フォーラム(北京、~20日)
10/20(金)
・米・イスラエル首脳電話会談
・ハマスが米国籍の人質2人の解放を発表
・米・EU首脳会議(ワシントンDC)
・米ホワイトハウスが1,060億ドルの緊急予算を議会に要請
・米下院議長の選出(3回目)(過半数を得た候補なし)
・米共和党が下院議長候補からジョーダン議員を除外
・NY州の裁判所がトランプ前大統領に対し、同前大統領がソーシャルメディアで裁判所職員を中傷した投稿を大統領選用のウェブサイトにも掲載して削除せず、裁判所の命令に違反したとして罰金5,000ドルの支払いを命じる判決
・英・エジプト、パレスチナ首脳会談(カイロ)
・英下院の補選(与党・保守党が2選挙区で敗北)
・ASEAN・湾岸協力会議(GCC)首脳会議(リヤド)
10/21(土)
・ガザとエジプトの境界のラファ検問所が再開、ガザへの人道支援物資の搬入
・エジプト主催の「カイロ平和サミット」(カイロ)
・パキスタンのナワーズ・シャリフ元首相が英国から帰国
●バイデンのイスラエル訪問と国民向け演説
イスラエルとハマスの軍事衝突が始まってから2週間が経ちました。これまでに少なくともガザで4,137人、イスラエル側で1,400人が死亡し、双方の死者は5,500人を超えました。
バイデン大統領がイスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相と会談しましたが、その直前にガザの病院で爆発が発生。ハマスはイスラエルの空爆によるものであり、500人が死亡したと発表しました。これに対し、イスラエルはパレスチナの武装勢力「イスラム聖戦(PIJ)」の誤射と主張し、バイデンもこれに同調。ネタニヤフとの会談でイスラエルを支持する姿勢を明確にしました。
バイデンはイスラエル訪問前にヨルダンを訪問し、エジプトのシシ大統領、ヨルダンのアブドラ国王、パレスチナ自治政府のアッバス議長との4者会談に臨む予定でした。しかしガザの病院の爆発が起こったことで、アブドラ国王の意向によりバイデンのヨルダン訪問は「延期」されました。
バイデンは帰国後、ホワイトハウスのオーバルオフィス(大統領執務室)から国民に向けて演説を行いました。バイデンがオーバルオフィスから演説を行うのは就任以来2回目です(1回目は6月に債務上限合意が成立した直後に行ったもの)。
バイデンはハマスを「テロリスト」、ロシアのプーチン大統領を「独裁者」と呼び、両者を並べて非難しました。そしてテロリストと独裁者は米国と世界にとって重大な脅威であり、イスラエルとウクライナへの支援は米国の安全保障にとって重要であると強調しました。
そしてホワイトハウスは議会に対し、イスラエル支援143億ドル、ウクライナ支援614億ドルを含む1,060億ドルの緊急予算を要請しました。
一方、ハマスは、米国籍の母と娘の2人の人質を解放しました。イスラエル軍によればハマスが拘束している人質は210人に上りますが、その解放を行うのは10月7日の戦闘開始から初めてのことです。ハマスは「カタールの努力に応え、人道的理由から解放した」との声明を出しました。
またバイデンはシシ大統領と電話会談を行い、ガザとエジプトの境界のラファ検問所の再開で合意したと発表しました。その数日後の先週末、ガザへの人道支援物資の搬入が始まりました。
ガザ以外の中東地域でも、イラクで米軍がドローン3機と交戦し、紅海北部で米海軍の駆逐艦カーニーがイエメンの武装勢力フーシ派が発射したとみられる巡航ミサイル3発と複数のドローンを撃墜するなど、緊張を高めるような動きが続きました。
こうした最新の状況を踏まえ、バイデンのイスラエル訪問と国民向け演説を中心に、イスラエル・ガザと中東情勢の展望について解説します(※メルマガで解説)。
●米下院議長選の混沌
米下院議長が空席になって2週間以上になりますが、新議長の選出をめぐる混迷は続いています。
先週、3度にわたり投票が行われましたが、共和党の候補となったジム・ジョーダン議員は(以下の記事参照)、いずれにおいても過半数の支持(217、欠席があれば少なくなる)を得ることができませんでした(1回目は200、2回目は199、3回目は194)。
・「米下院議長選の混沌」(10/16)
これを受け、共和党は、党内の無記名投票でジョーダンを候補としてとどめるかを問いました。結果は反対(112)が賛成(86)を上回り、ジョーダンは候補としての地位を失いました。
ここまでは上記記事で述べたとおりの展開でした。今後の見通しについて、最新の状況を踏まえて解説します。
●第3回「一帯一路」フォーラム
第3回「一帯一路」国際協力フォーラム(BRFIC)が北京で開催されました。第1回(17年)、第2回(19年)に続くものです(以下の記事参照)。
・「『一帯一路』サミット」(17/6/2)
・「第2回『一帯一路』国際協力会議」(19/4/22)
・「第2回『一帯一路』国際協力会議」(19/4/29)
約140か国の代表、23か国の首脳が参加し、習近平国家主席が基調演説を行いました。また習近平はロシアのプーチン大統領ら10か国以上の首脳と会談を行いました。
今回の一帯一路フォーラムの意義を解説します(※メルマガで解説)。なお習近平とプーチンの会談については次項で述べます。
●中ロ首脳会談
ロシアのプーチン大統領が一帯一路フォーラム(前項参照)の出席のため訪中し、習近平と会談しました。その意義を解説します(※メルマガで解説)。
●ポーランド総選挙
ポーランドで総選挙(下院460議席)が行われました。
与党「法と正義」が第一党を維持したものの、194議席にとどまり、過半数(231)は獲得できませんでした。
一方、トゥスク元首相(元欧州理事会議長)率いる「市民連合(KO)」率いるリベラル・親EUの野党「市民プラットフォーム(PO)」は過半数の議席(246)を獲得する見通しです。
前回の記事(以下のリンク参照)ではハング・パーラメントの可能性が高いと指摘しましたが、その予想は裏切られました。
・「ポーランド総選挙」(10/16)
もっとも、野党勢力が過半数を得るのは最も可能性が高かったサブシナリオであり、最終的な決着の見通しは上記記事で述べたとおりと考えられます。あらためてコメントします(※メルマガで解説)。
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今週の動き
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(※メルマガで解説。)
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あとがき
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■ 映画『バービー』特別映像(みんなケン!編)2023年8月11日(金)公開(8月9日付YouTube・ワーナー ブラザース 公式チャンネル)
遅ればせながら映画『バービー』を見ました。面白かったですね。
エンタメとして普通に面白いですが、一方、「フェミニズム」の映画だとも聞いていたのですが、私の感想はむしろ逆でした。そういう押しつけがましい考え方や行き過ぎたポリコレを笑う、もっと柔軟な風刺のメッセージを感じました(※ここから先はメルマガをご覧下さい)。
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