2017/06/02 00:41 | 中国 | コメント(1)
「一帯一路」サミット
■ 「一帯一路」会議が閉幕、中国主席「幅広い合意と成果得られた」(5月15日付ロイター)
遅れましたが、今年の中国にとって最重要のイベントだった「一帯一路」の初の首脳レベルの国際会議。米国は、会議直前に「100日計画」の内容を発表し、一帯一路への支持と代表団の派遣を発表するというサプライズを見せました。
米国にとって失うものはなく、この程度のことで習近平に恩を売ることができるのであれば安いものです。こういう打算に基づいてあっさり中国のメンツを立てるあたり、トランプ政権の「ディール外交」らしいです。
中国にとって今年最大にして唯一の重要課題は秋の共産党大会。ここまで無事に体制の威信を保つことが習近平国家主席にとっては何よりも重要です。
米国側では、トランプの東南アジア歴訪(11月)と訪中(時期未定)が予定されます。こうした状況で、両者の思惑が一致してお互いに恩を売ることができれば、何らかの「ディール」が成立する可能性は否定できません。
最も大きなタマはAIIB加盟。ただ、これは出資が必要になるので、議会の承認が壁になります。今の状況ではおそらく困難でしょう。
トランプも、中国やアジアに目を向ける余裕がない状況でしょうが、だからこそディールに飛びつくことも考えられます。このへんはよく見ていく必要があります。
なお、米国が派遣したマシュー・ポッティンジャーNSCアジア上級部長は官庁の局長クラス。首脳や閣僚を派遣した国と比べるとその対応の軽さは明らかですが、それでもNSCアジア上級部長はアジア外交の要なので、名より実をとったとみることもできます。
「トランプ政権人事:アジア外交チーム」で述べたとおり、ポッティンジャーはアジア専門家としては無名に近い存在で、これまで外交の表舞台に出てくることはほとんどなかったのですが、実務レベルではなかなかの仕事ぶりを見せ、評判が良いと聞きます。トランプ自身のアジア外交はほとんど白紙に近いこともあり、今回の会議を機に存在感を出してくるかもしれません。
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玄人の出番・・
JDの出番・・( ^ω^)・・・(笑