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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2023/03/06 00:00  | 今週の動き |  コメント(0)

今週の動き(3/5~11)ロシアのウクライナ侵攻、米ロ外相会話、中国とロシア・ベラルーシ、英・EUの北アイルランド合意、トルコ大統領選


3月になりました。陽春が感じられるようになってきましたね。花粉も大いに飛んでいると聞きますが、私もいつもは花粉症になるのに、今年はそれほど苦しむことがなく、薬も飲んでいません。なぜなのでしょう・・年齢とともに体質が変わることもあるのでしょうか。

今週からいよいよWBCが始まりますね。大谷、ダルビッシュ、佐々木、山本が中国、韓国、チェコ、豪州の4試合に先発と予想されていますが、これだけの豪華なラインアップ、始まる前からワクワクします。WBCというと、ぐっちーさんやはまちゃんと東京ドームで観戦したことが思い出されます。今回も、当時の情景を思い浮かべながら、楽しく観戦したいと思います。

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先週の動き
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2/26(日)
・ベラルーシのミンスク郊外のマチュリシチ空軍基地で爆発(チハノフスカヤ率いる反体制派がドローンによる攻撃を主張)
・サウジのファイサル外相がキーウを訪問
・ウクライナのゼレンスキー大統領がドンバスの戦闘を指揮するモスカリョフ司令官を解任したと発表
・中国共産党中央委員会第2回全体会議(2中全会)(北京、~28日)

2/27(月)
・ロシア軍がウクライナ各地をドローンで攻撃
・イエレン財務長官がキーウを訪問
・米エネルギー省が新型コロナウイルスの発生源は中国の武漢の研究所から流出したものである可能性が高いと結論付けたとWSJが報道
・米連邦最高裁がバイデン政権の学生ローンの一部返済を免除する措置に関する口頭弁論を開催(保守派の判事が合憲性を疑問視)
・英国のスナク首相とフォンデアライエン欧州委員長が会談(北アイルランドの通商ルールで合意)(ウィンザー)

2/28(火)
・プーチン大統領が新STARTの履行停止を定めた法律に署名
・モスクワ近郊のコロムナでドローンが墜落
・「C5+1」閣僚会合(アスタナ)
・バイデン大統領がジュリー・スー労働副長官を労働長官に指名
・エステベス商務次官が下院外交委員会の公聴会でファーウェイへの全面的な輸出規制を検討していることを示唆
・米下院中国特別委員会が初の公聴会を開催
・米国、タイ主導の多国間合同軍事演習「コブラゴールド」(タイ、~3/10)
・シカゴ市長選(ライトフット市長が落選)

3/1(水)
・中国・ベラルーシ首脳会談(北京)
・G20外相会合(デリー、~2日)
・米政府が6億1900万ドルの台湾へのミサイル売却を承認し、議会へ通知したと発表
・米国在台協会(AIT)がローラ・ローゼンバーガー元NSC中国・台湾担当上級部長が会長に就任すると発表
・米下院外交委員会がTikTokの米国内での一般利用を禁じる法案を可決
・保守政治行動会議(CPAC)(メリーランド州ナショナル・ハーバー、~4日)
・韓国の「三・一運動」の記念式典(尹錫悦大統領が演説)

3/2(木)
・米ロ外相の会話(デリー)
・ロシアのブリャンスク州にウクライナの破壊工作員数十人が侵入したとロシアの治安当局が発表(ウクライナは否定)
・米商務省が軍事転用等を理由に中国の28企業・団体(華大基因(BGI)のグループ企業、浪潮集団(インスパー)、竜芯中科技術等)の輸出管理規則に基づく「エンティティ・リスト」への追加を発表
・米国が新たな「国家サイバーセキュリティー戦略」を発表
・国連が世界食糧計画(WFP)の事務局長にシンディ・マケイン在ローマ国連機関代表部米大使を任命したと発表
・トルコの野党連合の会合(アンカラ)
・ベトナムでボー・バン・トゥオン新国家主席が就任

3/3(金)
・米独首脳会談(ワシントンDC)
・米国がウクライナへの4億ドルの追加軍事支援を発表
・日米豪印(クアッド)外相会合(デリー)
・日米外相会談(同)
・ガーランド司法長官がウクライナのリヴィウを訪問
・バイデン大統領の皮膚がんの病変の切除が発表
・FRBが金融政策報告書を公表

3/4(土)
・ロシアのショイグ国防相がウクライナのドネツク州の前線を訪問したと国防省が発表
・中国の人民政治協商会議(政協)の開幕(北京、~11日)
・IAEAのグロッシ事務局長がイランのライーシ大統領らと会談(テヘラン)

●ロシアのウクライナ侵攻(戦況)

ロシア軍とウクライナ軍は、(1)ハルキウ州東部とルハンスク州西部、(2)ドネツク州、(3)ヘルソン州ザポリージャ州という3つの前線で戦闘を続けています。

ドネツク州では、ロシア軍はバフムトへの攻勢を続け、ウクライナ軍の苦境が続いています。ワグネルプリゴジンは「バフムトを実質的に包囲した」と表明し、ロシア国防省はショイグ国防相がドネツク州南部の指揮所を訪問したとする異例の映像を公開しました。ウクライナの高官も、バフムトから統制された形で撤退する可能性を示唆するようになっています。

ルハンスク州でも、戦闘の主導権がウクライナからロシアに移ったことを指摘していましたが、ロシア軍は、スバトベ、クレミンナ、クピャンスクという要衝に沿ったラインで攻撃を続けています。クピャンスクでは、ウクライナ当局が一部地域に避難命令を出したと伝えられています。

こうした最新の動きに基づき、戦況の現状と見通しについて解説します。あわせて、ドイツのショルツ首相の訪米(米独首脳会談)とプーチン大統領の思考についてもコメントします(※メルマガで解説)。

●米ロ外相の会話

ブリンケン国務長官がデリーでのG20外相会議に出席した際、ロシアのラブロフ外相と短時間の会話を行いました。

米ロ外相にとっては、「会談」とは位置づけられていませんが、ロシアのウクライナ侵攻後、初の対面でのコンタクトになります。今回の「会話」の意義についてコメントします(※メルマガで解説)。

●中国とロシア・ベラルーシ

ベラルーシのルカシェンコ大統領が中国を公式訪問し、習近平国家主席と会談しました。ルカシェンコは中国が発表した「ウクライナ危機の政治解決に関する中国の立場」(以下の記事参照)への全面的な支持を表明し、両者は包括的戦略パートナーシップを強化するための共同宣言に署名しました。

「中国のウクライナ和平案(ロシア支援、米中関係)」(2/27)
 
デリーで開催されたG20外相会合には、中国からは秦剛外相が出席しました。予想されたことですが、中国はロシアとともにウクライナ侵攻を非難することを拒否し、共同宣声明の採択は見送られました。秦剛は独仏など欧州諸国の外相と会談しましたが、ブリンケン国務長官とは会談しませんでした。

米国は、引き続き中国がロシアに軍事支援を行うことへの懸念を表明しています。そうした中、米商務省は軍事転用等を理由に中国の28企業・団体(華大基因(BGI)のグループ企業、浪潮集団(インスパー)竜芯中科技術等)の輸出管理規則に基づく「エンティティ・リスト」への追加を発表しました。

これらの中国とロシア、ベラルーシ、そして米国をめぐる動きについてコメントします(※メルマガで解説)。

●英・EUの北アイルランド合意

英国とEUが、BREXIT協定の一部である北アイルランド議定書に関する問題について、新たなる合意(ウィンザー・フレームワーク)に達しました。これにより、英国から北アイルランドへの物品の移動の手続きが大幅に簡略化され、BREXITが実現した後も長らく懸案になっていた問題がようやく解決されることになりました。

今後、双方で法制化を行い、段階的に導入されることが予定されていますが、今回のウィンザー・フレームワークの意義と見通しについて解説します(※メルマガで解説)。

●トルコ大統領選挙

トルコでは6月までに大統領選・議会選が行われる予定ですが、6党で構成される野党連合は、統一候補を決めることができない状況が続いています(以下の記事参照)。

「トルコのスウェーデンNATO加盟反対、トルコ大統領選」(2/6)
「トルコの大地震」(2/13)
「トルコの大地震」(2/20)

先週、野党連合は、最大野党の共和人民党(CHP)のクリチダルオール党首で合意することを見込んで会合を開催しましたが、第2勢力である優良党(IP)のアクシェネル党首はこれに反対を表明。野党連合は今週に統一候補を発表する予定ですが、不透明な状況になっています。

上記記事で述べたとおり、クリチダルオールを統一候補とすることにはデメリットがあり、アクシェネルの支持を得られないリスクがありました。その懸念が現実化してしまった形です。

一方、今週、トルコ大地震から1か月を迎えますが、死者数はトルコとシリアをあわせて5万人を超えました。エルドアン政権の対応に対する批判は強まり、20年間選挙で勝ち続けたエルドアン大統領にとって最大の試練になろうとしています。こうした最新の動きを踏まえ、今後の展望を解説します(※メルマガで解説)。

ベトナムのフック国家主席の辞任とトゥオン新国家主席の就任についても解説したかったのですが、長くなってしまったので割愛しました。リクエストがあれば次回以降に取り上げます。

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今週の動き
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(※全人代など。メルマガで解説。)

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あとがき
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西山太吉さん死去、91歳 元毎日記者、沖縄密約を入手―「運命の人」モデル(2月25日付時事)

西山太吉氏、91歳だったのですね。同氏とは、外務省や法律の仕事を通じて縁があったので、今回の訃報は個人的にとても感慨深いものがありました(※ここから先はメルマガをご覧ください)。

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