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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2023/02/27 00:00  | 今週の動き |  コメント(0)

今週の動き(2/26~3/4)ロシアのウクライナ侵攻1年、バイデンのウクライナ訪問と演説、プーチン演説、中国のウクライナ和平案


東京は、暖かくなったり寒くなったり、晴れていると思ったら雨や雪が降り出したり、落ち着かない天気が続きました。花粉症も出てきましたし、体調に気をつけないといけませんね。もう今週から3月、春ももうすぐですね。

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先週の動き
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2/19(日)
・ブリンケン国務長官がトルコを訪問

2/20(月)
・バイデン大統領がキーウを電撃訪問、ゼレンスキー大統領と会談
・米大統領の日
・中国外交部の報道官が中国はロシアへの軍事支援を行っていないと表明
・北朝鮮が平安南道から日本海に向けて短距離弾道ミサイル2発を発射(北朝鮮は「戦術核攻撃の手段である超大型放射砲」を2発発射したと発表)
・ロシアの22年の実質GDP成長率の発表(前年比▲2.1%)
・EU外相理事会(ブリュッセル)
・シリアのアサド大統領がオマーンを訪問

2/21(火)
・ロシアのプーチン大統領が年次教書演説
・バイデン大統領がロシアのウクライナ侵攻1年に関する演説(ワルシャワ)
・米・ポーランド、米・モルドバ首脳会談(同)
・イタリアのメローニ首相がキーウを訪問
・IMFのゲオルギエバ専務理事がキーウを訪問
・中国の王毅政治局委員とロシアのパトルシェフ安全保障会議書記が会談(モスクワ)
・台湾の呉ショウ燮外交部長と米政府高官が非公式の会談(アーリントン)
・ブリンケン国務長官がギリシャを訪問

2/22(水)
・米・「ブカレスト9」首脳会談(ワルシャワ)
・中国の王毅政治局委員とロシアのプーチン大統領が会談(モスクワ)
・ロシア上院の特別会議(モスクワ)
・ロシアのウクライナ侵攻に関する国連総会の緊急特別会合(NY、~23日)
・米韓が北朝鮮の核兵器使用への対処の机上演習(ペンタゴン)
・トランプ前大統領がオハイオ州の貨物列車の脱線事故の現場を訪問
・日中安保対話(東京)

2/23(木)
・ロシアの「祖国防衛者の日」
・国連総会の緊急特別会合でロシア軍の撤退、戦争犯罪の調査・訴追、ウクライナの永続的な平和の実現を求める決議が採択(賛成141票、反対7票、棄権32票)
・G7財務相・中銀総裁会議(ベンガルール)
・G20財務相・中銀総裁会議(同、~25日)
・スペインのサンチェス首相がキーウを訪問
・バイデン大統領がマスターカードのアジェイ・バンガ元CEOを世銀の次期総裁候補に指名
・北朝鮮軍が巡航ミサイル4発を発射
・タジキスタンの中国国境付近でマグニチュード6.8の地震

2/24(金)
・ロシアのウクライナ侵攻から1年
・ウクライナのゼレンスキー大統領が国民向けメッセージと記者会見(キーウ)
・G7首脳会合(オンライン)
・国連安保理の閣僚級会合(NY)
・米国がロシアへの追加制裁を発表(ロシアの軍事産業との取引に関与する中国企業5社を含む90社への輸出規制等)
・中国のドローン製造企業がロシア軍にドローンへの売却やロシアでの量産計画への支援を検討しているとシュピーゲルが報道
・中国外交部が「ウクライナ危機の政治解決に関する中国の立場」と題する文書を発表
・ポーランドがウクライナにレオパルト2の4両を引き渡し
・ドイツ国防省がウクライナへのレオパルト2の供与を4両増やす(計18両)と発表

2/25(土)
・ナイジェリア大統領選挙

●ロシアのウクライナ侵攻から1年

ロシア軍によるウクライナ侵攻は2月24日に1周年を迎えました。

侵攻1年という節目のタイミングにおいて米欧、ロシア、中国は様々な外交的な動きを見せました。まずバイデン大統領が訪問先のポーランドから突然に陸路でウクライナのキーウを訪問し、ゼレンスキー大統領と会談しました。ポーランド訪問は事前に発表されていましたが、ウクライナ訪問は極秘とされた電撃訪問でした。

バイデンはポーランドのワルシャワに戻り、中東欧諸国の首脳と会談しつつ、ロシアのウクライナ侵攻1年に関する演説を行いました。一方、ほぼ同じタイミングで、ロシアではプーチン大統領が議会で年次教書演説を行いました。

侵攻1年となる2月24日には、ポーランドがウクライナにレオパルト2の4両を引き渡し、ドイツはウクライナへのレオパルト2の供与を4両増やして計18両とすることを発表しました。国連総会の緊急特別会合では、ロシア軍の撤退、戦争犯罪の調査・訴追、ウクライナの永続的な平和の実現を求める決議が賛成141票、反対7票、棄権32票で採択されました。

中国は、王毅政治局委員が欧州(フランス、イタリア、ドイツ、ハンガリー)を歴訪した後、ロシアを訪問し、プーチン、パトルシェフ安全保障会議書記、ラブロフ外相らと会談しました。王毅は、ミュンヘン安全保障会議において「ウクライナ危機の政治解決に関する中国の立場」と題する文書を近く発表すると述べ、その概要をウクライナのクレバ外相に説明していましたが、同文書は、2月24日に中国外交部から発表されました。

米国は、ミュンヘン安全保障会議や政府高官の記者会見において、中国がロシアに軍事支援を行う可能性があることを繰り返し指摘してきましたが、中国は否定し続けました。そうした中、2月24日、米国はロシアへの追加制裁を発表し、ロシアの軍事産業との取引への関与を理由に中国企業5社も制裁対象に含めました。

戦況については、ロシア軍とウクライナ軍は、(1)ハルキウ州東部とルハンスク州西部、(2)ドネツク州、(3)ヘルソン州ザポリージャ州という3つの前線で戦闘を続けています。ロシア軍はバフムト周辺を中心にドネツク州の各地とルハンスク州のスバトベクレミンナ付近で攻撃を続け、一部では前進を遂げていますが、大きな変化はありません。

こうした最新の動きについて、その意義と今後の展望を解説します。本項ではまず軍事的側面に焦点をあて、政治外交的な動きについては次項以降で述べます(※メルマガで解説)。

●バイデンのウクライナ電撃訪問とワルシャワ演説

バイデン大統領はロシアのウクライナ侵攻後初となるウクライナ訪問を果たしました(米大統領の訪問は15年ぶり)。ゼレンスキー大統領と会談し、砲弾、対装甲システム、対空監視レーダーを含む総額約5億ドルの追加軍事支援を行う方針を発表しました。さらにポーランドのワルシャワでウクライナ侵攻1年に関する演説を行いました。

バイデンウクライナ訪問とワルシャワでの演説の意義についてコメントします(※メルマガで解説)。

●プーチンの年次教書演説

バイデン大統領がワルシャワで演説を行う直前に、プーチン大統領がロシア議会で年次教書演説を行いました。ウクライナ侵攻1年を迎えるタイミングで米ロのリーダーがそろって演説した形になります。

プーチンはウクライナ侵攻の意義を強調し、米欧を非難し、新STARTの履行停止を表明しました。今回のプーチンの演説が意味するものについて解説します(※メルマガで解説)。

●中国のウクライナ和平案(ロシア支援、米中関係)

中国外交部が「ウクライナ危機の政治解決に関する中国の立場」と題する文書を発表しました。(1)各国の主権の尊重、(2)冷戦思考の放棄、(3)停戦、(4)和平交渉の再開、(5)人道的危機の解決、(6)民間人や捕虜の保護、(7)原発の安全確保、(8)戦略的リスクの低減、(9)食料の外国への輸送、(10)一方的制裁の停止、(11)産業とサプライチェーンの安定、(12)戦後復興の12項目を内容としています。

これに対し、ウクライナ、米欧、ロシア派それぞれ異なる評価を表明しました。この文書は、書かれている内容以外にも興味深い点がいくつかあり、今後のロシア・ウクライナ戦争と米中関係を考察する上で大いに示唆に富みます。そのポイントを解説します(※メルマガで解説)。

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今週の動き
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(※2中全会、政協、全人代など。メルマガで解説。)

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あとがき
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日本の伝説的な漫画家、松本零士さん死去 85歳(2月21日付BBC)

宇宙戦艦ヤマト』と『銀河鉄道999』は、私より少し上の世代の作品ですが(かんべえさんはど真ん中なのでしょうね)、子どもの頃にドラマや映画の再放送を何度も見たり、プラモデルやおもちゃを通じても親しんでいて、自分にとっては「準リアルタイム」のような馴染みがありました。『ガンダム』などと比べれば昔の少年向けアニメのようでありながら、「SF」「文学」的な高尚さとカッコよさがあり、青春の切なさや人生の哲学も教えてくれるような、他にはない特別感があった作品たちでした。

ちなみに『銀河鉄道999』の原作の最終回は、雑誌『少年キング』に掲載されたものをリアルタイムで読んだ記憶があります。旅館か何かに置いてあったのでたまたま読んだのですが、同誌には当時『超人ロック』も掲載されており、何か全然「少年漫画雑誌」とは思えない雰囲気があって、この雑誌は何なんだ?何かスゴイな!と子ども心に興奮したものでした。残念なことにその後まもなく廃刊になってしまったのですが・・。

なおこの最終回については、私の好きな漫画『アオイホノオ』でも当時の様子が詳細に描かれていて、実に感慨深く読んだものでした。かんべえさんも絶賛されていた劇場版『銀河鉄道999』も、ラストシーンを含んだCMを見たときの衝撃が描かれていて、これまた私もなつかしい気持ちになって追体験させてもらいました。

あと、比較的最近に見かけたのは、冒頭記事にも書かれているダフト・パンクの「ワン・モア・タイム」のPVですね。これはCDショップで見たときビックリしたものでした。

ダフト・パンクも子どもの頃からファンだったそうですね。YouTubeでダフト・パンクの他のPVを見たら、どれもこれもこの松本零士のキャラばかりで、それもまた驚きでした。『キャプテン翼』など日本のアニメ・マンガが古くからフランスで絶大な人気があることは知っていましたが、松本零士の作品もここまで愛されていたのですね(それにしてもマクロン大統領もそうですが、フランス人は本当にマンガが好きですね)。

今こうして訃報に接して、こうして色々思い出すと、自分も少年時代からいかに大きな影響を受けてきたかを実感させられました。ご冥福をお祈りします。

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