2023/02/20 00:00 | 今週の動き | コメント(0)
今週の動き(2/19~25)中国気球撃墜、ウクライナ軍事支援、ロシアの攻勢、スタージョン辞任、トルコ地震
先週末、グッチーポストのオンラインサロンで初のオフ会を開催しました。20人ほどのメンバーの方々にご参加いただき、ぐっちーさんと縁の深かったレストランでおいしい料理とワインをいただきながら、大いに盛り上がりました。
これだけの人数で集まるのは、講演やフォーラムの形ではかなり増えてきたものの、こうした親睦的な場ではまだ少ないので、私にとっても新鮮な感じがしました、やはりバーチャルとはコミュニケーションの密度がまったく違うことを実感します。メンバーの方々との熱気のこもった交流もあり、大いに刺激を受けました。
オンラインサロンは、これまではバーチャルでの交流が主でしたが、今後は、今回のオフ会のように、様々なリアル企画も検討したいと思っています(たとえばオンラインサロンのメンバーには東京以外の地域に居住されている方も多いのですが、今度は私の方からそうした地域に出張して、親睦会を開くとか)。オンラインサロンにご関心がありましたら、上記リンクをご参照いただいて、ぜひ編集部にお気軽にお問い合わせください。
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先週の動き
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2/12(日)
・米国防総省がヒューロン湖の上空を飛行していた物体を撃墜したと発表
・中国山東省青島市の海洋発展局が山東半島沖で「正体不明の飛行物体が発見され、撃墜の準備をしている」と発表
・ベルリン市議会選挙(与党SPDが敗北、CDUが第1党に)
・イタリアのロンバルディア州とラツィオ州の地方選挙(与党FDI・右派連合が勝利)
・キプロス大統領選挙決選投票
2/13(月)
・モルドバのサンドゥ大統領がウクライナからロシアによる「モルドバ破壊工作」の情報提供があったと発表
・中国外交部が22年に米国の気球が10回あまり中国の領空に侵入したと発表(米国は否定)
・フィリピン沿岸警備隊が南シナ海の南沙諸島のアユンギン礁付近で中国海警局の艦船からレーザー照射を受けたと発表して中国に抗議
・ブティジェッジ運輸長官がオハイオ州の列車脱線事故についてツイート
・日米韓、日韓外務次官協議(ワシントンDC)
・ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル)
2/14(火)
・米主催のウクライナへの軍事支援に関する多国間会合(ブリュッセル)
・NATO国防相理事会(ブリュッセル、~15日)
・米印首脳電話会談
・バイデン大統領がFRBのブレイナード副議長のNEC委員長任命を発表
・中・イラン首脳会談(北京)
・フィリピンのマルコス大統領が南沙諸島での中国海警局の艦船によるフィリピンの巡視船へのレーダー照射について駐フィリピン中国大使に抗議
・EU財務相理事会(ブリュッセル)
・日米外務次官協議(ワシントンDC)
2/15(水)
・ウクライナのレズニコウ国防相がゼレンスキー大統領から留任を求められたと発言
・スウェーデンのクリステンション首相がキーウを訪問
・フォンデアライエン欧州委員長がロシアへの追加制裁案を発表
・米共和党のニッキー・ヘイリー元国連大使が24年大統領選への出馬を宣言
・フランスのマクロン大統領と中国の王毅政治局委員が会談(パリ)
・スコットランドのスタージョン行政府首相がSNP党首と行政府首相を辞任すると発表
2/16(木)
・バイデン大統領が2月10〜12日に米国・カナダ領空で撃墜した飛行物体に関する演説
・中国商務部がロッキード・マーチンとレイセオン・ミサイルズ・アンド・ディフェンスの「信頼できないエンティティ・リスト」への追加を発表
・台湾の蔡英文総統とパラグアイのベニテス大統領が会談(台北)
・ロシア軍がウクライナ各地をミサイルで攻撃
・北朝鮮の故金正日総書記の生誕記念日
2/17(金)
・ミュンヘン安全保障会議(ミュンヘン、~19日)
・ロシア・ベラルーシ首脳会談(モスクワ)
・南ア・中国・ロシアの合同軍事演習(~27日、南ア)
・ロシア国防省が中央軍管区司令官にアンドレイ・モルドビチェフ中将が任命、1月に南部軍管区の司令官にセルゲイ・クゾブリョフ大将、西部軍管区の司令官にエブゲニー・ニキフォロフ中将、22年8月に東部軍管区司令官にルスタム・ムラドフ中将が就任したと発表
・チェイス国防副次官補(中国担当)が台湾を訪問したとFTが報道
2/18(土)
・G7外相会合(ウクライナのクレバ外相が参加)(ミュンヘン)
・ブリンケン国務長官と中国の王毅政治局委員が会談(同)
・日米韓、日韓外相会談(同)
・林外相と中国の王毅政治局委員が会談(同)
・北朝鮮がICBM級の弾道ミサイル1発を発射
●中国の気球の撃墜
2月4日に中国の気球を撃墜した後、米国は10~12日にかけてさらに3つの飛行物体を撃墜しました。10日はアラスカ州上空、11日はカナダのユーコン州上空、12日はモンタナ州ヒューロン湖上空でしたが、カービーNSC戦略広報調整官は、いずれの飛行物体も「中国の偵察気球プログラムに関連している兆候はない」と説明しました。
その後、バイデン大統領が飛行物体の撃墜をテーマとする演説を行いました。バイデンは、10~12日に撃墜した3つの物体は、最初に撃墜した気球とは異なり、中国のスパイ気球計画や他の国の偵察活動との関連を示唆するものは何もなく、民間企業やレクリエーション、研究機関に関係するものである可能性が高いと述べました。そして、中国の偵察気球の撃墜は「当然のことだ」と述べつつ、中国とは対立ではなく競争を望む、新冷戦は望んでいない、習近平国家主席との対話を再開させたいと表明しました。
バイデンの演説とほぼ同じタイミングで、中国がロッキード・マーチンとレイセオン・ミサイルズ・アンド・ディフェンスを「信頼できないエンティティ・リスト」に追加したと発表しました。制裁の理由は台湾への武器売却と説明しています。
週末には、ミュンヘン安全保障会議が開催され、中国から会議に参加した王毅政治局委員が米国による気球の撃墜を非難しました。一方、米国から参加したハリス副大統領は、気球問題には言及せず、ただ中国に対しては、ロシアとの関係の緊密化への懸念を表明し、ロシアへの支援は行われるべきではないということをあらためて強調して、中国を牽制しました。
ミュンヘン安全保障会議にはブリンケン国務長官も参加し、王毅と会談しました。ブリンケンは王毅に対し、中国の偵察気球の侵入は米国の主権の侵害であると伝え、再発防止を求めました。ブリンケンの訪中は中止されたものの、とりあえず外交トップ同士の会談は実現したことになります。
このように気球問題は今なお波紋を広げていますが、こうした最新の動きを踏まえ、今後の展望について解説します。今回の米国の対応は、短期的な米中関係のみならず、より広い文脈に波及する可能性があるので、その点にも言及します(※メルマガで解説)。
●ウクライナへの軍事支援、ロシアの攻勢
ロシア軍によるウクライナ侵攻は、本日(2月20日)で364日目を迎えました。今週の2月24日には、侵攻からちょうど1年を迎えることになります。
ロシア軍とウクライナ軍は、これまでどおり、(1)ハルキウ州東部とルハンスク州西部、(2)ドネツク州、(3)ヘルソン州とザポリージャ州という3つの前線で戦闘を続けています。
ロシア軍は、ドネツク州では、バフムト攻略に向けた攻撃を続け、ルハンスク州でも、クレミンナ周辺での攻撃を強めています。いずれの前線でも多少の前進がみられますが、戦況を変えるほどの大きな変化は見られません。
ブリュッセルでは、NATO国防相理事会が開催され、オースティン国防長官らNATO諸国の国防相が一堂に会しました。米主催のウクライナへの軍事支援に関する多国間会合(ウクライナ・コンタクト・グループ)も開かれ、ウクライナへの軍事支援について話し合われました。
週末にはミュンヘン安全保障会議が開催され、米国からはハリス副大統領とブリンケン国務長官、ウクライナからクレバ外相が参加し、ゼレンスキー大統領もオンライン演説を行いました。日本の林外相主催でG7外相会合が開催され、クレバも参加し、ロシアへの制裁とウクライナへの支援の継続と強化が確認されました。
こうした最新の動きを踏まえ、現状と展望について解説します(※メルマガで解説)。
●スコットランド首相の辞任
スコットランド行政府のスタージョン首相がスコットランド国民党(SNP)党首と首相を辞任すると発表しました。突然の衝撃的な発表でしたが、その背景と今後の英国政治に与える影響についてコメントします(※メルマガで解説)。
●トルコの大地震
トルコ南東部で起こった大地震の被害は拡大を続けており、トルコとシリアの両国で死者は4万5,000人を超えました。99年のイズミット大地震を超える死者数で、エルドアン大統領は「世紀の大惨事」と形容し、その危機感を強調しています。
以下の記事で述べたとおり、今回の大地震は、5月または6月に予定される選挙に大きな影響を与えると考えられます。最新の状況を踏まえ、あらためて今後の展望を述べます(※メルマガで解説)。
・「トルコの大地震」(2/13)
※ニッキー・ヘイリー元国連大使の大統領選出馬については、近いうちに米大統領選の展望についてまとめて解説しますので、そこであわせて取り上げます。
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今週の動き
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(※メルマガで解説。)
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あとがき
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■ スーパーボウルのCM料、2023年も史上最高を更新 「30秒9億円」の世界(2月14日付Forbes Japan)
毎年恒例のスーパーボウルのCMですが、米国の楽天(Rakuten)が試合中継中に流したCMは、95年の青春コメディ映画『クルーレス』の復活でした。アリシア・シルバーストーン演じる主人公が楽天でのショッピングのお得さ(キャッシュバック)を語るというもので、なかなかの話題を呼んだようです。『クルーレス』は、私にとっても思い入れの深い映画だったので、嬉しい驚きでした(※ここから先はメルマガをご覧下さい)。
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