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2023/02/13 00:00  | 今週の動き |  コメント(0)

今週の動き(2/12~18)中国気球撃墜、一般教書演説、ゼレンスキー訪欧、ロシアの攻勢、トルコ地震


先週は東京でも雪が降りましたね。この冬一番の寒さだったと思います。私も、金曜は外出の予定をやめて、おとなしく家で仕事に専念しました。

本日(米国時間の2月12日)はスーパーボウルバイデン大統領も、一般教書演説の冒頭で、今年はバイデンの地元フィラデルフィアのイーグルスが出場することを念頭に、ジル夫人は観戦に行くが、自分はホワイトハウスにいなければならない、ロバーツ最高裁長官に裁判所命令をお願いするかも・・というジョークをかましていました(同時にスーパーボウルの日にちを言い間違えそうになってモゴモゴするというバイデンらしい一幕もありました)。

アメフトは永田町ディープスロートさんが専門家なので、ぜひ解説を聞きたいものですが、試合のみならず、毎年話題になるのがハーフタイムショーとCM。私も昨年はメルマガ第623号(22/2/21)の「あとがき」で取り上げました。今年はメッツのCMに千賀投手が登場するとか。楽しみです。

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先週の動き
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2/5(日)
・米国による中国の気球の撃墜に対し中国外交部が強い不満と抗議の意を表明
・ウクライナのレズニコウ国防相が戦略産業相になり後任に国防省情報局長のブダノフ少将が就任すると与党「国民の奉仕者」のアラハミヤ議員が表明
・ロシアのラブロフ外相がイラクを訪問
・EUがロシア産原油の海上輸入禁止を実施
・G7と豪州がロシア産ディーゼル燃料等の石油製品の価格上限を実施
・パキスタンのムシャラフ元大統領が死去
・キプロス大統領選挙(1位クリストドゥリデス前外相、2位マブロイアニス、2/12に決選投票)

2/6(月)
・米・トルコ首脳電話会談
・ウクライナの国防相の週内の交代はないとアラハミヤ議員が表明
・中豪経済閣僚協議(オンライン)
・北朝鮮の朝鮮労働党の中央軍事委員会の拡大会議(平壌)
・トルコ南東部でM7.8の地震(シリアでも被害発生)

2/7(火)
・バイデン大統領の一般教書演説
・中国がオースティン国防長官と魏鳳和国防相の電話協議を拒否したと米国防総省が表明
・ドイツがウクライナへの旧式戦車「レオパルト1」178両の供与を承認
・ドイツのピストリウス国防相がキーウを訪問
・ロシアのラブロフ外相がマリ、モーリタニア、スーダンを訪問(~9日)

2/8(水)
・英・ウクライナ首脳会談(ロンドン)
・仏独ウクライナ首脳会談(パリ)
・ドイツのピストリウス国防相がウクライナに「レオパルト2」の1個大隊(31両)を3月か4月に供与できると発言(ワルシャワ)
・スペースXのショットウェル社長がウクライナ軍によるスターリンクのドローン操縦のための利用を阻止したと発表
・バイデン大統領がウィスコンシン州の労組施設で演説
・ブリンケン国務長官が中国の偵察気球に関する情報を数十か国と共有したと表明
・朝鮮人民軍創建日(建軍75周年)(平壌の金日成広場で軍事パレード)
・フィリピンのマルコス大統領の訪日(~12日)

2/9(木)
・EU首脳会議(ブリュッセル、~10日)
・米下院が中国の偵察気球の米本土飛来を非難する決議を可決
・米下院監視・説明責任委員会がハンター・バイデンの取引の調査に関する公聴会を開催
・トランプ前大統領のフェイスブックとインスタグラムのアカウントが復活

2/10(金)
・ロシア軍がウクライナ各地をミサイルとドローンで攻撃
・ロシアのノバク副首相が3月から日量50万バレルの原油減産を行うと表明
・米・ブラジル首脳会談(ワシントンDC)
・米軍がアラスカ州の上空を飛行していた物体を撃墜したとNSCのカービー戦略広報調整官が発表
・米商務省が中国の偵察気球に関与する6企業・団体(中国電科の研究機関等)の輸出管理規則に基づく「エンティティ・リスト」への追加を発表
・フロリダ州議会がデサンティス知事に「ディズニーワールド」に介入する権限を与える法案を可決
・中国共産党の王滬寧政治局常務委員と台湾の国民党の夏立言副主席が会談(北京)
・モルドバのガブリリツァ首相が辞任(サンドゥ大統領は次期首相にドリン・レチャン安全保障会議書記を指名)

2/11(土)
・米軍がカナダのユーコン上空を飛行していた物体を撃墜したとトルドー首相が発表

●中国の気球の撃墜

米国による中国の気球の撃墜については、先週、直後に暫定的な分析をお伝えしましたが(以下の記事参照)、その後の1週間で様々な進展がありました。

「中国偵察気球の撃墜、ブリンケンの訪中中止、ファーウェイへの輸出禁止」(2/6)
 
米海軍は気球の残骸を回収して分析。国務省は、気球には通信傍受や位置情報の特定ができるアンテナと太陽光パネルが搭載されており、偵察目的だったのは明らかであるとして、「民間の気象研究用」とする中国の主張を否定しました。中国は5大陸にまたがる広範な偵察プログラムとして気球を40か国以上の上空に飛行させており、分析結果は同盟国とも共有すると表明しました。

米商務省は、中国の偵察気球への関与を理由に、6企業・団体(中国電科の研究機関等)の輸出管理規則に基づく「エンティティ・リスト」への追加を発表しました。また、米下院は、米国の主権を侵害したとして、中国を非難する決議案を全会一致で可決しました。

さらにその後、米軍がアラスカ州の上空を飛行していた物体を撃墜したと発表しました。ただ、この物体は偵察用の機器類などは搭載しておらず、問題となった偵察気球とは大きさも形状も似ていないとホワイトハウスのカービー戦略広報調整官が説明しています。また、カナダのトルドー首相は、米軍がユーコン上空を飛行していた物体を撃墜したと発表しました。

以上のとおり新たに判明した情報を踏まえ、今回の気球問題の意義と米中関係の今後について、あらためて解説します(※メルマガで解説)。

●一般教書演説

バイデン大統領が2回目の一般教書演説(大統領就任から3回目の議会演説)を行いました。そのポイントを述べます(※メルマガで解説)。

●ゼレンスキーの欧州訪問、ロシアの攻勢

ロシア軍によるウクライナ侵攻は、本日(2月13日)で357日目を迎えました。日数で言えば、ほぼ丸1年が経過したことになります。

ロシア軍とウクライナ軍は、ハルキウ州東部とルハンスク州西部、ドネツク州ヘルソン州とザポリージャ州という3つの前線で戦闘を続けています。

ドネツク州では、ロシア軍のバフムト攻略に向けた攻撃が激化しており、ウクライナ軍の反撃を受けながらも、バフムト周辺で前進を遂げ、地上連絡線の分断を進めているようです。ドネツク市周辺でもヴフレダールなどで攻勢を強めています。ルハンスク州でも、ロシア軍はクレミンナ周辺での攻撃を強め、前進を遂げているとみられ、かつては攻勢側にあったウクライナ軍が守勢に回る構図が鮮明になってきています。ザポリージャ州でも、ロシア軍は限定的な地上攻撃を続けています。

ウクライナ政府関係者は、プーチン大統領は3月中にドネツクとルハンスク両州の全域を制圧するよう軍に指示したとの見解を述べており、今月中に大規模な攻撃が始まるとの予測もあります。先に述べたドネツク州とルハンスク州でのロシア軍の攻勢は、こうした予測に沿った動きのように見えます。

先週の大きな動きは、ゼレンスキー大統領の英国、フランス、ベルギー訪問(EU首脳会議出席)でした。昨年12月の米国とポーランド訪問に次ぐ侵攻以来2回目の外国訪問となります。EU首脳会議への出席の可能性はすでにメディアが報じていましたが、英仏訪問は電撃的に行われました。

英国では、スナク首相と会談し、ウェストミンスター・ホールで上下両院の議員の前で演説を行い、バッキンガム宮殿でチャールズ国王と面談しました。ゼレンスキーは戦闘機の供与を求め、スナクは「あらゆることを検討している」と回答。ゼレンスキー到着の直前に、英政府は、ウクライナに対する軍事訓練プログラムを空軍にも拡大し、将来的にパイロットがNATO規格の高性能戦闘機を操縦できるようにすると発表しました。

議会の演説においては、ゼレンスキーはホイル下院議長に戦闘機パイロットのヘルメットをプレゼント。ヘルメットには「私たちには自由がある。それを守るための翼を与えてください」と書かれていました。またチャールズ国王が空軍パイロットだったことに言及し、「ウクライナでは空軍のパイロットは皆、国王なのです」と語りました。

その後のパリでは、マクロン大統領とショルツ首相と会談し、仏独首脳はウクライナ支援への決意をあらためて強調しました。なお、イタリアのメローニ首相は、EU首脳会議の前に独仏首脳だけが会談するのはいかがなものか、EU全体で考えるべき問題ではないかとして独仏を批判しました。メローニは一貫してウクライナを支援する立場を見せていますが、その主体的な姿勢があらためて示めされたといえます。

ゼレンスキーの外遊後、ロシアはウクライナ各地のインフラを100発以上のミサイルで攻撃しました。ウクライナは民間インフラを標的にしたものと非難し、61発を迎撃したと発表しました。

こうした最新の動きを踏まえ、現状と展望について解説します(※メルマガで解説)。

●トルコの大地震

トルコ南東部のガジアンテップ付近でマグニチュード7.8の地震が発生し、トルコとシリアに甚大な被害を生じさせました。死者はトルコだけで2万2,000人以上、シリアと合わせると2万5,000人以上に上り、11年の東日本大震災の1万5,900人を上回りました。その被害は、99年のトルコ北西部のイズミット付近で発生した大地震(死者1万7,000人、ただし実際には4万5,000人以上との説もある)を超える可能性もあります。

今回の大地震は、5月に予定される選挙におそらく大きな影響を与えることになります。選挙のポイントについては前回の記事(以下のリンク参照)でお伝えしましたが、最新の状況を踏まえ、今後の展望を述べます(※メルマガで解説)。

「トルコのスウェーデンNATO加盟反対、トルコ大統領選」(2/6)
 
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今週の動き
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(※メルマガで解説。)

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あとがき
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インドの大作映画「RRR」、欧米で大ヒット 日本でもロングラン(1月23日付BBC)

話題のインド映画の超大作、私も見てきました。超高速ダンスも含め、さすがの大迫力でしたが、内容的には考えさせられるものがありました。というのも・・(※ここから先はメルマガをご覧下さい)。

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